【パリ=久原穏】仏新聞業界に激震が走っている。高級紙で知られるルモンド
紙は経営難から株式の一部を外部に初めて売却する方針を決め、その一方で経
営方針に反発して名編集局長が辞意を表明した。リベラシオン紙も実業家に株
式を放出する方向で話を進めており、無料新聞やインターネットの普及に押さ
れる名門日刊紙の没落ぶりが浮き彫りになっている。
ルモンドの「お家騒動」は1週間前から表面化していたが、29日にプレネル
編集局長の辞意発表で大きな注目を集めることになった。プレネル氏は10年
間、編集局長を務めてきた同紙の“顔”。AFP通信などによると、同氏は経
営難対策で、ルモンドを夕刊紙から朝刊紙に切り替え、事件報道にもっと力を
入れるべきだと主張してきた。だが、コロンバニ社主は受け入れず、編集方針
を含む社の将来路線との違いから辞任を決めた、とされる。
ルモンド紙は部数が前年比4・2%減の約34万部に落ち込み、2004年は
最終赤字が約3200ユーロ(約43億円)に達する見通し。これまで報道の
自由を守るため、株式は従業員持ち株会などで固めてきたが、外部売却の方針
を固めた。メディアグループ「ラガルデール」などが受け入れ候補とされている。
- ルモンド紙、経営難で株放出へ 無料新聞やネットに押され(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/00/kok/20041201/mng_____kok_____003.shtml - Editor in Chief of Le Monde Steps Down(New York Times)
http://www.nytimes.com/2004/11/30/business/media/30monde.html (写真あり)