安さだけから卒業します−。大手スーパーが、価格ばかり重視していた自社企画商品
(プライベート・ブランド=PB)の見直しを進めている。質を充実させたり、
個性をアピールしたりする動きが広がっている。
イオンは一日、PB「トップバリュ」が十周年を迎えたのを機に内容を刷新すると発表した。
豊島正明・執行役戦略・企業倫理担当は「安さだけから卒業し、質も追求する」と強調した。
約二千四百品目あるPBを年度内に三千品目まで増やし、利益率の高い衣料品、
インテリアの比率を拡大。蓄熱素材やナノテク(超微小技術)を使った汚れにくい素材を採用
するなどして質の高さをアピールする。
イトーヨーカ堂は、平成十四年五月から高品質な国産品の「メイドインジャパン」を衣料品などで展開。
季節ごとに商品を入れ替え、初年度は延べ二百五十三品目で百億円を売り上げた。
今年度は千百五十六品目で三百億円を見込む。
同社は「高価格商品を出すと売れ筋の価格帯も大幅に上がった。安ければ売れるという時代ではない」。
約四千二百品目のPBを持つダイエーが力を入れているのが、安全性にこだわった生鮮食品
「すこやか育ち」。やや高めだが、レタスなどでは安定的に大量仕入れできる体制を築き、価格を下げることに成功した。
各社は「高くなっても、それ以上の価値を目指す」としており、衣料品ではメーカーなどとのコラボレーション
(共同作業)でより機能性やファッション性の高い商品を増やす考えだ。
米ウォルマート・ストアーズ傘下の西友は、今春からPBの刷新を進めている。
人気商品の後追いでPBを開発するというこれまでの手法を改め、「西友でしか買えない」をテーマにした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040902-00000017-san-bus_all