【洋酒】低迷するウイスキー需要 若者照準でメーカー巻き返しへ
158 :
竹鶴政孝:
ウイスキーの正しい飲みかた
「ウイスキーの飲みかたは、ストレート、水割り、オン・ザ・ロックといろいろあるが、どれが一番本当の飲みかたか」
これは、私によくある質問の一つである。
しかし、ウイスキーは嗜好品であり、人それぞれ一番うまいと思う方法で楽しむべきものだと思っている。
またウイスキーは、飲む人の量によっても違わねばならない。たとえば、毎日ウイスキーを飲んでいる人の味わいかたと、
たまにしか飲まない人の味わいかたとは、おのずから違ってこなければならない。
そうしたことを考えながら、ウイスキーの味わいかたを述べてみよう。
ウイスキーの香りをかぐとか、味を味わうとかいう意味ならば、ストレートがいい。ところが、これを毎日やっていると、
胃の粘膜を刺激しすぎる。刺激しつづけると胃をいためるおそれもある。だから、毎日飲むような人は、ストレートは避けたほうがいい。
159 :
竹鶴政孝:04/07/28 14:22 ID:f3MY9+rY
>>158 の続き
こんな人向きには、水割りが適している。水でうすめて、アルコール分を十二度から十三度ぐらいのあいだにする。
つまり、ウイスキー“1”に対して水を“2”、倍量の水でうすめるのがよい。これなら、毎日飲んでも、胃の粘膜をいためることはまずない。
水割りには氷を入れてもいいが、あんまり冷やしすぎてはダメだ。ビールでもあんまり冷やしすぎたのでは味が落ちるように、
ウイスキーにも適温というのがある。ビールと同じ、摂氏八度、九度が適温である。
水割りの水は、なんといっても井戸の水がいい。
そうした意味からいえば、オン・ザ・ロックはあまり感心しない。あんまり冷やしてはせっかくの香りが消えてしまう。
ホットも感心しない。スコットランドでは、ホット・ウイスキーのことをホット・トディ(Hot Toddy)という。これは風邪にきくのである。
以前は、スコットランドでも、水割りよりも炭酸割り、つまりハイボールを飲む人が多かったが、
最近では、水割りを飲む人が多くなったようだ。日本でも同じ傾向である。
それに炭酸水は少々きつすぎる。それだから、水割りにくらべて酔いが早くまわる。胃を刺激するからだろう。
160 :
竹鶴政孝:04/07/28 14:22 ID:f3MY9+rY
>>159 の続き
国々によって、飲みかたにまで、それぞれの特徴があるのはおもしろいことだと思う。
たとえばアメリカ人はストレートのまま飲んで、あとから水を飲む。イギリス人は、水でうすめて、それから飲む。
これはイギリス人のほうが正しいと思う。
イギリス人のウイスキー通が私にこんな話をしたことがある。
“アメリカ人のほうは、胃のなかでまぜ合わせればどうせ同じだという考えかたなのだろうが、そうはいかない。生(き)のまま飲むと、
その瞬間に、胃の粘膜に強い酒が触れる。それに先に入っていたウイスキーと、
あとから入ってきた水とが、うまく混合されない。比重もちがうからだ。”
しかし、これは、しょっちゅう飲んでいる場合であって、たまにしか飲まない人であれば、
好きなようにお飲みになって結構。飲み方にこだわる必要はあまりない。
しかし、アメリカで飲まれているように、ウイスキーをビールやコーラにまぜて飲むのは、
よいウイスキーの飲みかたとしては邪道だ。ウイスキーとしてはツンときて飲めないような、
例えば、安もののバーボンなどをごまかす飲みかたともいえるのである。