【ゲーム】FF生みの親の坂口氏、次世代機を視野に入れたRPG制作会社設立
171 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
高3の夏の事
友人の紹介でFFのテストプレーヤーのアルバイトをする事になった。
発売前のゲームで遊べ、しかも金までもらえるなんてこんなオイシイ
バイトは無いと、意気天を衝く思いで夏休み丸々一ヶ月働くことにした。
しかし行ってみると現実はそんな甘い物ではなく、来る日も来る日も
同じ作業をやらされる日々。
行動は厳しく制限されており、休憩中の買出しももちろん、トイレに行く
のも監視係の許可が必要だった。
何よりも腹立たしいのは、開発チームの下っ端と思われるひょろメガネ
が必要以上にバイトに対して高圧的だったこと。
またそいつは自分の得点を上げるつもりか、バイトが見つけた事を
「こんなバグ見つけましたよ」とか「ここはこうした方がいいような」
などと上司に報告して自分の手柄にしていたこともあった。
自分の立場は理解してるつもりだったが、とにかくひょろメガネに対して
反抗心を抱いていたオレは、そいつが監視係の時はあえて無視して席を
離れたり、違う階のトイレを使っていた。
奴の管理能力のなさを知らしめてやるつもりだった。
当然のように別階のトイレで用足していた時、一人の男に声をかけられた。
「キミ、バイト?こんな所のトイレ使っちゃだめだよ」
少し会話を交わして多少気が合ったのか、その日の夕食に誘われた。
その人物が当時副社長だった坂口博信。
バイトも終わり指定された場所に行くと、坂口博信と一緒に普段よく
見かける開発メンバー達がいた。
そしてよく見るとひょろメガネも隅の方に小さく座っていた。
軽くあいさつを済まして席に座ろうとすると、唐突にひょろメガネが
「なんでキミがこっちに座るの!?」
とまた偉そうに声を張り上げたのだった。
172 :
名無しさん@お腹いっぱい。:04/07/24 04:23 ID:6mBl7VHb
「いや、オレが呼んだんだよ。たまにはプレイヤーの意見も聞こうと
思ってさ。」とすかさず坂口氏はフォロー。
バイトの中でも目立つ存在だったオレは、他のメンバー達にもよく知られていた。
そしてなによりひょろメガネ以外のメンバー達とは、よく会話も交わしていて
親しい関係でもあった。
夕食時の会話はほとんどゲームに触れず、もっぱら趣味は将来の話などをした。
「大学なんか行かないで、ウチに就職しにこないか?」と誘われたりもした。
その間ひょろメガネは一言も会話に参加せず、浮いた存在である事が推して知ることとなった。
少しひょろメガネがかわいそうになったオレは、少し敬ってやることにした。
後に仕事の関係で何人かと再会したことがあった。
お互い覚えているような、無いような感じで当時の事などを話した事もある。
坂口博信の名前を見ると必ず思い出す。
自分がゲーム内容で指摘した事が、製品版ではいくつか改善されていた事。
なにより嬉しかったのは自分の名前が、エンディングロールに入っていた事。
SFCが壊れてとっくに捨てた今でもFF5は大切に持っている。