「飛鳥美人」こだわりメーク 口紅と衣の赤、別の顔料で
http://www.asahi.com/culture/update/0612/001.htmlタソ 〔写真〕高松塚古墳の石室の西壁北側に描かれている女子像の一部。
唇と衣には別の赤色顔料が使われていた=東京文化財研究所提供
高松塚古墳(奈良県明日香村)の「飛鳥美人」と呼ばれる壁画の
口紅や衣の赤色が、2種類以上の顔料を使って描き分けられている
ことが、文化庁の委託を受けて調べている独立行政法人「東京
文化財研究所」の調査でわかった。11日に奈良大(奈良市)で
開かれた研究報告会で発表された。「美術史上の傑作」といわれる
壁画には、色づかいへの細やかなこだわりがあった。
小型の蛍光X線分析装置で調べたところ、真っ赤な唇とピンク色の
ほおからは水銀が検出されたが、赤い衣からは見つからず、似た
色でありながらそれぞれ別の顔料だったことがわかった。
顔の白い部分には鉛の顔料が使われていた。同研究所は「白い
顔料と水銀系顔料を混ぜることで、わずかに赤みを帯びたほおの
肌色を表現したのではないか」とみている。
(06/12 06:09)