日銀が10日発表した5月の企業物価指数(2000年=100、速報値)は95.8と、
前年同月に比べ1.1%上昇した。1997年10月以来、6年7 カ月ぶりの高い伸びとなった。
原油など国際商品市況の上昇が影響した。パソコンなど最終財ではなお
価格低下が続いているが、川上段階の企業間取引ではデフレ傾向に歯止めが
かかりつつあることが鮮明になった。
国内企業物価は出荷・卸売り段階での取引価格を示す。2000年9月以降、
前年比マイナスが続いていたが、景気回復や商品市況の高騰を映す格好で
今年3月からプラスに転じ、月ごとに上昇幅を広げている。
品目別では、中国などアジア向けの生産・輸出が好調な鉄鋼が前年同月比
12.8%上がったほか、非鉄金属が14.6%上昇。石油・石炭製品は原油高を受け
4.4%上がった。原油市況の騰勢は足元でやや一服しているが、製品の加工・
出荷の間に時間差があるため、企業物価ベースでは当面上昇基調が続く見通し。
農林水産物は米国産牛肉の輸入停止などを受けて8.2%上昇した。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20040610AT1F1000B10062004.html 日系ネット (10:36)