西武百貨店とそごうの持ち株会社、ミレニアムリテイリングは、野村証券グループの投資会社に対して第三者割当増資を実施する方向で調整に入った。
野村側の投資額は500億円規模と見られ、増資後の株式の過半を握ることになる。
主取引銀行のみずほコーポレート銀行も約400億円の債務の株式化に応じる。資本増強とともに財務体質の改善を急ぎ、
大規模な店舗改装など戦略的な投資を進めて競争力を高める狙いだ。
増資を引き受けるのは、自己資金を使って企業再建などを手がける野村プリンシパル・ファイナンス。経営破綻したテーマパーク、
ハウステンボスの支援に乗り出すなど投資実績を上げている。野村側にとって過去最大規模の投資案件となる。
西武とそごうは昨年6月の経営統合以来、商品開発や仕入れの一本化、経費節減などが奏功して目標を上回るペースで業績が改善。
西武、そごうとも再建計画に掲げた04年2月期の営業利益の目標を大幅に上回る見通しとなっている。
野村側は和田繁明社長の経営手腕を高く評価しており、営業力の回復に比べて遅れていた財務体質の強化を支え、
早期の再建を資金面から支援する考えだ。将来の上場もにらみ、有望な投資先になると判断した模様だ。
一方、みずほは、ミレニアムグループに対する400億円程度の債権を優先株に振り替える形で出資。
退職給付債務の処理などを加速させ、財務体質の改善を急ぐことを狙っている。
http://www.asahi.com/business/update/0319/116.html