【アナゴやシャコブヂネス】「江戸前」再生へ水産庁が生態調査

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アナゴやシャコ… 「江戸前」再生へ水産庁が生態調査
http://www.asahi.com/national/update/0202/022.htmlタソ
アナゴやシャコなど、かつては豊かな漁業資源で「江戸前」として親しまれた
東京湾を再生しようと、水産庁は調査・研究に乗り出す。東京湾は開発や汚染
のイメージが根強いが、漁業活動は続き、近年は水質改善の傾向もみられる。
魚の生態調査などを進め、「江戸前」の食文化を再評価し、都市住民に東京湾
を身近に感じてもらうことも狙っている。

東京、神奈川、千葉の3都県に囲まれた東京湾は、江戸時代からノリやアサリ、
ハマグリなど多くの魚介藻類を生産してきた。しかし、高度成長期に埋め立て
が進み、汚染、赤潮などの発生で漁業は衰退。1960年には年に約14万ト
ンあった漁獲量が、3年前からは2万トンを割り込んだ。

今回、大学や水産試験場の研究者、3都県と横浜市、漁業関係者らで検討委員
会を設け、多角的に調査することにした。

まず、主要魚種であるアナゴやシャコなどの生育域や資源状態を調べ、安定的
な漁業をめざす。水質や生産性をよくするために藻場や干潟を造成することも
検討。魚介藻類の魅力を発信し、「江戸前」の食文化を見直していく。漁業と
環境への都市住民の関心を高めることも狙っている。

水産庁によると、東京湾の水産資源をテーマに国や自治体が研究するのは初め
てという。

2日に第1回検討委員会を開催。06年度には、東京湾の将来像を示したい考
えだ。水産庁漁場資源課は「スズキなど一部で漁獲量は増える傾向もある。水
生生物や食文化を含め、東京湾の現状を確かめたうえで、今後の対応を考えた
い」としている。

(02/02 17:16)