微小気泡が助け船、摩擦減らし大型船の燃料節約へ実験
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20040202ic12.htmタソ 直径1ミリ以下の気泡を使って、タンカーなど大型船の燃料を削減すると
いうユニークな技術の実用化に、独立行政法人「海上技術安全研究所」
(東京都三鷹市)が取り組んでいる。
「マイクロバブル」と呼ばれる気泡を船底に発生させ、水との摩擦抵抗を
減らすというもので、クリーンな省エネ技術として期待されている。
水流にさらされた小さな穴から空気を噴出させると、直径0・5―1ミリ
の微小な気泡が発生する。同研究所は、気泡が船底を覆った際の燃料削減
効果を調べるため、長さ400メートルの実験用水槽で、タンカーのよう
に底が平らな全長50メートルの船を使った試験を実施。船首から3メー
トルの船底に空気噴き出し口を取り付け、大型タンカーの巡航速度である
14ノット(秒速約7メートル)で動かしたところ、約35%の省エネ効
果が確認された。
しかし、実際の海には、水流以外にも海草や浮遊物といった摩擦の要因が
あり、さらに船底がv字形の船も多いことから、同研究所は練習船「青雲
丸」(全長116メートル)を使って洋上で実験。船首近くの船体に金属
管をはり付け、直径約2ミリの多数の穴をあけて甲板上から空気を送り込
んだ。
その結果、燃料の消費が2%削減されることが判明、実船での省エネ効果
が世界で初めて確認された。現在の技術を大型タンカーに用いた場合、約
5%の削減効果が見込めるという。