【国際知財ブヂネス】遺伝子スパイ事件の岡本被告、一両日中にも拘束

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遺伝子スパイ事件の岡本被告、一両日中にも拘束
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040202it01.htmタソ
アルツハイマー病の研究試料を持ち出したとして、米国で経済スパイ法違反
などの罪で起訴された元理化学研究所チームリーダーの岡本卓(たかし)被
告(43)(日本在住)について、野沢法相は東京高検に対し、米国への身
柄引き渡しの審査を東京高裁に請求するよう命令した模様だ。

これを受けて東京高検は一両日中にも、岡本被告の身柄拘束や高裁への審査
請求などを行う見通し。

最先端研究の知的財産保護を巡り、日米両国間に大きな波紋を投げかけた
「遺伝子スパイ事件」は、主犯とされた岡本被告の引き渡し手続きが動き出
したことで、重要な局面を迎えた。

日米犯罪人引き渡し条約では、犯罪行為が両国の法令で1年を超える拘禁刑
の罪に当たる場合は、引き渡しできると規定。法務・検察当局は、岡本被告
が米国の研究所内から試料を無断で持ち出し、残りを破壊・廃棄した行為は、
日本でも窃盗や器物損壊罪に該当すると判断しており、東京高裁は、こうし
た点を中心に2か月以内に審査して、身柄を引き渡せるケースかどうかを決
定する。

今回の法相の命令は、東京高検が東京高裁に審査請求する前段階の措置で、
すでに1月中に出された模様だ。一両日中にも身柄拘束し、審査請求はそれ
から24時間以内に行われる。

岡本被告は2001年5月、芹沢宏明・元カンザス大助教授(42)(米国
在住)とともに、米連邦大陪審から起訴された。これまで試料の持ち出しな
どは認めているが、「犯罪の故意はなく、引き渡しは違法」と主張しており、
高裁の審査でもこの点を訴えるとみられる。
(2004/2/2/03:01 読売新聞 無断転載禁止)