【歩行者用エアバッグブヂネス】歩行者保護機能を車に追加 国交省も規制強化へ

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エアバッグ:
歩行者保護機能を車に追加 国交省も規制強化へ
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20040201k0000m020082000c.htmlタソ
交通死亡事故を減らすため、自動車にはねられた歩行者の衝撃を弱
める技術の開発に、自動車メーカーが力を入れている。トヨタ自動
車グループの豊田合成(愛知県春日町)は、乗用車のボンネットに
装着して歩行者への衝撃を和らげる「歩行者用エアバッグ」を開
発、3年後の実用化を目指している。来年9月、歩行者保護を義務
付ける政府の規制が国内で初めて実施されることに加え、EU(欧
州連合)でも規制強化の動きが広がっていることが開発を後押しし
ている。

豊田合成のエアバッグは、衝突時に広がってワイパーの付け根やフ
ロントガラス両脇の柱などの硬い部分を覆い、歩行者への衝撃を吸
収する仕組み。エアバッグの収納場所や作動のタイミングなど実用
化に向けた研究をトヨタ自動車と共同で進めており、07年以降の
新車に搭載する考えだ。

このほか、マツダは昨年4月、ボンネットの内部構造を改良し、衝
突の際にボンネット全面がたわんで衝撃を吸収する技術を世界で初
めて開発。すでにスポーツカー「RX―8」に採用した。同社は
「コストは増えるが、規制も含めて歩行者保護は時代の流れ」と強
調する。

また、各社は新技術に加え、車前部の突起物をなくしたり、ボン
ネットとエンジンの空間を増やして衝撃を減らすなどの対策を強化
している。

国土交通省によると、交通事故で死亡した歩行者は、02年は
2384人で、全死者数の29%。そのうち、6割が頭部の損傷が
原因で、ボンネットに強打するケースが多いという。このため、同
省は、歩行者が車と衝突した際、頭部への衝撃を一定値以下に抑え
るよう義務付ける省令を今年度中に定め、05年9月から施行する
予定。EUも、05年から安全対策を規制するという。

同省技術企画課は「これまで乗員の安全技術に力を入れてきたが、
死亡事故を減らすためには歩行者の安全対策が不可欠。試算では、
全車両が規制をクリアすれば、年間100人の命が助かる」と話し
ている。【坂井隆之】

[毎日新聞2月1日] ( 2004-02-01-03:00 )