【さいたま】「新タワー」再誘致へ 地上デジタル放送発信用 part2

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>>355
都心5区が投資効率が高いとはお笑いですね。そんなのケースバイケース
ですって。けっきょくは費用対効果。土地の安い郊外では郊外なりの
商売があって、都心を地盤とする企業以上に儲けている例など
いくらでもありますって。むしろ都心5区なんて賃料が高すぎて
大多数の商売人にとってはこんな投資効率の悪いところはない。
ごく一握りの勝ち組企業やブランド店が不当といえるぐらいに地価を
つりあげていますからね。たとえば、例に挙げたサンシャインの
プラネタリウムや水族館、ナンジャタウン。こんなの池袋だから
民間でできるのであって、地価の高い新宿あたりじゃとてもできませんよ。

それから我先に手が上がらないのはおかしいと言いますけど、
そんな簡単にあがるわけないでしょう。丸の内みたいに地権者が
地所一社なんて街は希有なんですから。合意形成の道のりは長いです。
〜繁華街栄枯盛衰〜
確かに、最近は新幹線の駅のある旧都心の方が勢いがあるといえます。
そもそも新橋や丸の内の巨大な新ビルはどこが埋めているかというと
松下電工や全日空ワールドなど西新宿の超高層ビル街からの移転組が多いわけです。
じゃあ、旧都心が今や日の出の勢いかというと、まったくそんなことはなく
たとえばかの六本木ヒルズにしたって賃料を数ヶ月間無料にするという
ヤマダ電気もビックリの身売り商売をしているわけです。それも自社グループの
他のビルからテナントに移動してもらって、やっと体裁を保っているという状況。
だいたい、究極の一等地といえる丸ビルでさえ苦渋の値引きをしてやっと満杯での
稼働を達成したわけですから。

さらに酷い話ではビル建設の工事を受注したゼネコンがそのビルに義理立てで
入居している、義理立て入居だから会議室としてしか使われておらず人はいない、
それでもまだ空室ばかり、というIT対応の新築超高層ビルの現実があるわけです。
ですから再開発=賑わいの約束、なんて時代はとうに終わっているわけです。
じゃあ、なにが再開発ビル成功の体温計になるのか?
おもしろいところでは、そのビルに入居している職域食堂の食数などを
みてみるのもいいかもしれません。給食会社の入る食堂の繁盛は入居率よりも
そこで働いている人そのものが増えないとありえないわけですから。
余談ですが、汐留の新日テレ本社の高層階食堂は麹町からの移転が
いろいろな騒動の影響もあり予定通りに進んでおらず、ヒイヒイしているとか・・・

それと、もうひとつ、オフィスとしての成功=商業地域としての成功ではない、
ということです。職商住の隣接が最近の再開発のキーワードですが、職は
家賃の値下げと義理で体裁を保った、じゃあ、住はどうかというと、結局のところ
都心の複合再開発のマンションなどフツーは買えるわけ無く、居住目的ではなく
高級住宅街に住む金持ちのセカンドハウスや投資用として使われていたり、
居住しているにしても買い物は御用聞き、移動はすべてハイヤーで街の活性化に
貢献しているかというと、う〜ん・・・???といった具合です。
商にいたっては、もはやイメージ優先も甚だしく、なんかもう汐留が
あたかも一大ショッピングゾーンみたいに言われていたりしますが、実際には
飲食のテナントがちょっと多いだけで、物販店など申し訳程度にしかない。
丸の内にしたってブランドショップをずらりと並べた仲通りに賑わいがあるか
というと今日では休日でも人通りは路地並み。高級だからそれでいいんだと
いわれればそれまでですが、隣の数寄屋橋や銀座が多くの上質客で賑わっているのに
活性化という当初の目的は本当の意味で成功したの?と思うわけです。

六本木ヒルズにしたって、5年10年してほんとうに今の賑わいを維持できるのか?
そもそもなんでJRの駅もない六本木に店がたくさんある必要があるのか?
もっと便利な表参道や青山、銀座と確実に競合しているのに。
この六本木ヒルズのチグハグさはヒルズ内の書店ファーストの位置がよく表していて、
こういう小型書店は人の流れの多い施設の入り口付近に入り、雑誌や売れ筋の
新刊など、ついで買いを狙うのが定石だと思うのですが、何を血迷ったか
この書店をヒルズ入口から離れた上の階のかなり奥にひっこめてしまっている。
それも両側は壁ばかりの通路をだいぶ歩いてやっと本屋にたどり着けるという始末。
いったい、何を考えているのか?

まるで「日本語名の商品ばかり扱う書店なんてダサい業態を海外高級ブランド様の
近くに置いたら失礼じゃないか!」と言わんばかりで、こんな体たらくで
「日本が世界に誇る文化発信都市でござい」と森ビルさんはのたまうのだから、
森ビルのいう都心生活ならではの文化的生活の水準の程は推して知るべし、です。
実際には書店なんかではただでさえ入居料の馬鹿高いヒルズの一等地には
とても入れない、というのが真相でしょうけど、これで本当にいいのか?
実際、銀座、新宿、渋谷など地価が高止まりしている地域では消費は落ち込んで
いるのに、家賃は下がらず、多くの人を引きつける大衆的な店が泣く泣く
退店を余儀なくされているケースが増えているのです。

そもそも一連の都心再開発の表面的な成功はたまたまラグジュアリーブランドの
人気が復調傾向にあった時期と重なっただけ、もしくは高級イメージのある
都心再開発がラグジュアリーブームに一役買っただけであって、一過性のものに
すぎず、これら高級ブランド偏重でもともとはターミナル駅のように人の集まる
素地のない旧都心再開発地域は、新鮮さや話題性が落ち、高級ブランドブームに
かげりが見えたとき、とても安穏となどしていられない、というのが
私個人としての見解であります。あくまで商業地域としては、ですけど。
・・・以上です。長々と書いてきましたが、
都心の再開発地区と地価上昇地区が必ずしもこれから先の賑わいの中心では
ないことがなんとなくわかっていただけるかと思います。

結局のところ、池袋、新宿、渋谷のようなターミナルは根っから多くの
消費者を抱えているのであり、一過性の流行や鮮度に左右されることなく
最終的に繁華街として生き残れるわけです。そういう点からも
新・東京タワーは旧都心よりも池袋ターミナル立地がふさわしいといえます。