★ひねくれ者のためのオフィス用品 ブランド名は「絶望」
ダラス(ロイター) 企業が社員のやる気を引き出そうとする作戦は、時として
裏目に出る。職場に掲げられる優等生的な標語に、かえって脱力感を覚える社員も
少なくない。米国では今、そんな「ひねくれ者」のためのオフィス用品シリーズが、
静かな人気を呼んでいる。ブランド名も「Despair(絶望)」と、あくまで後ろ向きだ。
テキサス州ダラスに本社を持つ「絶望株式会社」では98年から、「やる気を
引っ込める商品」とうたったカレンダーやポスター、コーヒーカップなどを販売
している。たとえば、今年のカレンダーの「チームワーク」と題したページ。
雪玉が転がるイラストと共に、「一片の雪は無害だが、集まると破壊的な雪崩を
引き起こす」とのメッセージが書かれている。「ちりも積もれば災難に」といった
ところだ。
「野望」の項では、苦労して川を上り切ったサケを大きなクマが待ち受ける。
標語は「千里の道にもひどい結末」だ。同社はさらに、「企業の良心」ならぬ
「買う側の良心」を説き、「凡人」パワーの発揮を呼びかけ、経営陣には職場の
士気を高める妙案として、「士気の低い社員を全員クビにしよう」と提言する。
創業者カーステン氏の座右の銘は、「3人寄れば知恵が減る」だという。
カーステン氏は、企業などの組織力学を学んで博士号を取得。大学教員、
インターネットのプロバイダー勤務を経て、友人と共に同社を設立した。
一連の商品は「オフィスの壁の標語を鼻で笑うひねくれ者」や「うだつのあがらない
悲観主義者」から人気を集めているという。年間売上高は400万ドル(約4億2000
万円)に上るという繁盛ぶりだ。同氏によれば、上司にハッパを掛けられて素直に
頑張る人は営業職などの外勤に多く、技術職や経理職では反感を抱く人が目立つという。
CNN
http://cnn.co.jp/fringe/CNN200401250001.html