テルモ、補助人工心臓の臨床試験開始
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20040120AT1D2006G20012004.htmlタソ テルモは20日、国内メーカー初の事業化を目指して開発中の補助人
工心臓「デュラハート」に関し、第一例目の臨床試験を15日にドイ
ツで始めたと発表した。安全性の確立や受け入れ医療機関の準備
で、試験開始が当初予定よりも半年ほど遅れた。2005年をメドに欧
州で製品化、米国でも臨床試験を始める。
補助人工心臓は、心臓移植以外に助かる見込みがない重度の心臓病
患者の胸にポンプを埋め込み、左心室の拍動を補助。バッテリーは
腰に装着する。ポンプ内で血液を送り出す羽根車に、磁力を使い非
接触で駆動する「磁気浮上方式」を採用。製品開発で問題だった、
血液の滞留や感染症リスクを解消したという。 (21:00)
(別ソオス)
「半永久」めざし臨床試験 テルモ開発の補助人工心臓
http://www.asahi.com/science/update/0120/004.htmlタソ 半永久的に使うことをめざした新型補助人工心臓の世界初の臨床試験を、医療機器
メーカーのテルモ(東京都渋谷区)がドイツの病院で始めた。動物実験で世界最長
の生存期間を記録しており、臨床試験で良好な結果が出れば、移植以外に治療法が
ないとされる重度の心臓病患者の新たな選択肢となる。
補助人工心臓は、心筋梗塞(こうそく)などで機能が低下した心臓のそばに埋め込
み、ポンプで血液循環を助ける。電力供給用のコードを体外に出して、小型のバッ
テリーや調節装置と接続する。
テルモが開発した補助人工心臓は15日、ドイツ北部の大学病院で、重度の心臓病
の男性患者に埋め込まれた。経過は良好で、当面3カ月使い続けて効果をみるという。
従来の人工心臓は、駆動部分の摩擦熱による血液成分の損傷、血流の乱れによる
血栓の発生、部品の摩耗などのため、最長でも数年の使用が限界だった。多くは
心臓移植を受けるまでの「つなぎ」として使われている。
新型人工心臓は、血液を押し出す羽根車を磁力で浮かせ、滑らかに回転させる
「磁気浮上方式」のため、これらの弱点を軽減できる。97年にヒツジに埋め
込み、864日間生存させた。現在主流の非拍動型の人工心臓で当時の世界
記録を倍以上も更新した。
脳死からの心臓移植は臓器提供者が不足しており、移植先進国の米国でも
約4000人の患者が待機中だ。日本国内では70人以上が待機しているが、
97年10月の臓器移植法の施行後、心臓の提供は年間数例程度。昨年は
ゼロだった。
(01/20 17:54)