経済産業省・特許庁は、特許審査の迅速化実現を目指した
「特許審査迅速化法(仮称)」案をまとめた。
現状で50万件、待ち時間24カ月という審査未着手案件の一掃を目指し、抜本的な対策を講じる。
法案は11日の知的財産戦略本部権利保護専門調査会、
18日の産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会で審議、正式な法案作成を行い、
04年の通常国会に提出する。
日本の特許審査は、現状で審査待ち案件が50万件、今後最大で80万件に達する見込みで、
産業界からは迅速化への強い要望が出されていた。
このため、政府の知的財産戦略大綱でも審査の迅速化に着手することが明記されている。
滞留が起こる要因には、出願しても認められる案件の比率が低いという質の問題と、
審査人員が不足しているという両面がある。
そこでまず、可能性の高い案件だけを出願するよう促す施策として、
下調査となる先行技術調査の積極活用を図る。
人員については、今後5年間で任期付き審査官を500人採用する。
すでに03年度分100人の募集は始めているが、法整備により予算面で裏付ける。
また、弁理士との連携や技術調査人材の教育なども進める。
ただ、知財戦略本部での議論では、滞留削減に向けた具体的な数値目標を
盛り込むべきだという意見が強い。
一方、特許庁は数値目標の明記には抵抗を示しており、
法案を最終的にまとめるまで駆け引きが続きそう。
日刊工業新聞
http://www.nikkan.co.jp/hln/hlntop.html