名木・巨木再生へ「遺伝子バンク」 林木育種センター
http://www.asahi.com/science/update/1125/003.htmlタソ 天然記念物や巨樹をクローン技術で残しませんか――。独立行政法
人・林木育種センター(茨城県十王町)は、12月1日から「林木
遺伝子銀行110番」を開設する。台風や地震などの災害や、病害
虫、高齢で衰弱している樹木を、挿し木や接ぎ木の方法で後継ク
ローンとして再生させる。
同センターは「地域で長年愛されてきた樹木と同じ遺伝子を受け継
いだものを植えることで、文化や思い出の継承に役立ててほしい」
と話している。
国や地方自治体が指定する天然記念物や巨樹、有名木など、同セン
ターが保存する価値があり、後継樹の増殖の緊急性が高いと判断し
たものが対象。同センターに小枝を送ってもらった後、挿し木や接
ぎ木などでクローン苗木を増殖させ、約50センチほどに成長した
後に送り返す。通常、2年ほどかかるという。
同センターは貴重な樹木の保存や新品種の研究に生かすため、各地
で林木を収集してきた。後継樹は元の樹木と同じ遺伝子を受け継
ぎ、これまでも要請があった「千本ナラ」(北海道浜益村)や「千
年スギ」(熊本県水俣市)、「阿蘇の松」(京都府宮津市)、「鵜
川神社の大ケヤキ」(新潟県柏崎市)などのクローン苗木を育て、
里帰りさせている。今回はさらに幅広く収集・保存することを目的
に「銀行」を開設することにした。
増殖費用は無料。申込先は、同センター本所の遺伝資源部探索収集
課(0293・32・7048)へ。
(11/25 23:24)