法科大学院:
優秀な学生確保へ授業料全額免除 私大が作戦展開
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031121k0000e040072000c.htmlタソ 学費の高さが“欠点”の一つに挙げられている来年4月開校の法科大学院(ロースクール)で、
私立大学が成績上位者の授業料全額免除など大胆な奨学金制度を導入する方針を相次いで打ち
出している。新司法試験の合格率が大学院の評価につながるため、学費の安い国公立大学に対
抗するとともに、優秀な学生の確保、学習意欲向上の「一石三鳥」を狙っている。【山本直】
私立の法科大学院の学費は今後決まる補助金の額で変更もあるが、年間100万〜200万円。
一方、国公立は80万円前後になるとみられている。日弁連の調査では、学費負担額が年
150万円を超えれば75.4%、200万円以上だと84.4%が入学を断念するという結
果が出ている。
京都産業大(京都市)は、他に先駆けて5月に授業料の全額免除を打ち出した。初年度入学金
27万円、授業料165万円、教育充実費18万円を予定しているが、定員60人のうち、成
績上位1割の授業料を全額免除、続く4割を半額免除し、対象者は学期ごとの成績で見直すと
いう。
また、神戸学院大(神戸市)は1学年5人の年間学費120万円を全額免除。続く5人には
40万円を給付する。甲南大(同)も法学既習者の1年生6人以上について授業料110万円と
施設設備費20万円を免除する。
このほか、関東、近畿などの10校以上が授業料の半額以上の奨学金支給を公表。大宮法科
(さいたま市)などは金融機関と提携し、学費ローンの利子を負担。愛知大(愛知県豊橋市)
などは、弁護士になった後、弁護士過疎地への赴任といった要件を満たせば、貸与された奨学
金の返還を免除する制度を取り入れる。
京都産業大の溝部英章・法学部長は「大学院で法曹を養成するには、いい教員と設備をそろえ
る必要があり、学費は高額になりがちだ。優秀な学生に入学してもらい、奨学金制度が成績向
上の動機づけになればいい」と話している。
[毎日新聞11月21日] ( 2003-11-21-15:00 )