【逆輸入ブヂネス】海外版音楽CDの逆輸入禁止 2005年にも【文化庁】

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625名無しさん@お腹いっぱい。
河北新報・12月28日付社説
「著作権法改正/輸入権創設には疑問あり」

 音楽や文学作品がデジタル化されるようになり、著作権の概念が大きく
変わりつつある中で、著作権者保護 の新しい道筋をつける作業が容易でない
ことはもちろん分かる。ただ、音楽CDをめぐって文化庁が打ち出そうと
している「輸入権」創設のような著作権法改正の方向をどう理解すれば
いいのか。
 新しい方向は、著作権者自身よりも作品に依存する産業側の既得権益擁護と
いう側面をより強く感じさせる。 消費者の権利に対する視点が抜け落ちた
保護貿易主義的施策は、文化や芸術に親しもうとする善意のファンを遠ざけて
しまわないのか、とても気掛かりだ。
 文化庁は次の通常国会での著作権法改正案提出を目指している。「レコード
輸入権」は、文化審議会著作権 分科会の法制問題小委員会が今月まとめた
報告書案の中で「日本の音楽レコードの環流防止のため、何らか の措置が必要
という意見が多数だった」として、検討を求めた。
背景にあるのは、日本のレコード会社がライセンスを与えて海外で生産された
CDが、日本に環流して国内盤 より安く売られている現実だ。海外生産CD自体は
合法的な製品であり、著作権を侵害しているわけではない。だが、収益の柱で
ある国内盤売り上げ不振の一因は輸入盤にあると主張するレコード業界が、
輸入を禁止で きる権利の創設を強く要望している。
 これに対して、公正取引委員会は「現状では独占禁止法上の取引妨害に当たる」
「法制化されれば洋楽盤の 輸入も阻止される恐れがある」などとして異議を
唱える。日本弁護士連合会も、海外生産Cdの法的位置づけを 規定した1999年の
著作権法改正を無視するものだとして反対の姿勢を示した。ともに、法解釈だけで
なく、消費者利益に沿った考え方と言えよう。
公取委や日弁連が懸念しているように、輸入禁止の対象が広がった場合、どうなるか―。
626名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 18:40 ID:6fRHbnDn
 具体例として、最近テレビコマーシャルに登場したジャズピアニスト・上原ひろみを挙げる。
米国のレコード会社 から今年デビューした新鋭だ。今ならレコード店には、そのデビューCDが
2種類、つまり国内生産盤と米国盤 が置いてある。収録されている演奏の中身は同じだが、
本家の米国盤の方が数百円安く、日本語解説など不要ならそのオリジナル盤を選べる。
輸入権の導入は、こうした消費者の選択肢を非合法化してしまう可能性を持つ。上原に限らず、
海外のレコード会社と契約して世界的に活躍する日本人アーティストも増えている。その作品を
日本のファンが国際的な価格水準で楽しめなくなるとしたら、文化庁が唱える日本文化の
国際化とは何なのか、疑問を抱かざるを得ない。
 そもそも、小委員会メンバーは権利者側中心で、消費者サイドの関与がほとんどなかった。
小委の最終会合で「多くの消費者が何も意見を述べる機会がないまま結論付けられることは問題」
との声が上がったのは、その意味で当然だろう。
 文化庁は、急きょ2週間にわたりパブリックコメントを受け付けたが、期間も、必要な情報の
提供も十分ではなかった。法案提出のスケジュールを優先した形式的処理でなく、消費者の支持が
得られるような議論をじっくり進めることを求めたい。