三菱電機は、下水処理場や食品工場などの有機汚泥から、りんとメタン(エネルギー)を
同時かつ高効率に回収できる基礎システムを開発した。
汚泥処理に、オゾン供給とアルカリ分解を併用した工程を加え、分解性を高めたのが特徴。
従来技術に比べて、りん回収率、メタン発生効率ともに約2倍を見込める。
基礎実験で、ほぼ所定の性能を示せており、2006年度末をめどに実証プラントでの性能検証を行う計画。
早期の事業化を目指す。
このシステムは、三菱電機が基礎技術を開発。
「資源循環型エネルギー・リン回収型システムの開発」として、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の
基盤技術研究促進事業に選定され、同社が助成を受けて2007年3月末までの予定で研究を進めている。
システム全体は、物理化学処理と微生物処理の組み合わせ。
有機汚泥を、物理化学的に分解して汚泥中のりんを回収し、そのまま発酵工程に移してメタンガスを回収する。
ポイントとなるのは、物理化学処理で行うオゾンとアルカリの併用処理工程。
有機汚泥にオゾンを注入後、水酸化ナトリウムなどのアルカリ成分を添加する。
この工程が加わったことで、りん回収率は従来の50%程度から90%以上にほぼ2倍に向上。
併せて、発生するメタンガス量は、投入有機汚泥1キロ当たり約0.7〜0.9立方メートルと、
従来の約2倍に増加などの性能アップが見込める。処理時間も数分の1以下に短縮できる。
現在は、数リットル程度の容器を用いての基礎的研究だが、研究プロジェクト期間中に、
1日当たり数百リットルの処理能力を持つ実証プラントをつくり、オゾン・アルカリ併用処理の最適条件などの検証試験を行う。
烏賊そーす
http://www.jij.co.jp/news/electric/art-20030910185913-TWJKPSPAUU.nwc