三菱電機はこのほど、生産関連事業所の環境管理業務に、定年後のシルバー世代を再雇用して充てる人材活用制度を導入した。
同業務には経験、資格が必要になるケースが多いことから、ベテランの力を借りて、業務の円滑化を図るのが狙い。
若手要員にOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング=実地訓練)を行う際、有能な教育係としての役割も担う。
第1弾として、本社の環境推進本部が嘱託として3人を再雇用し、同社グループの生産関連拠点のある中部、関西、
九州の各地域に派遣、同管理業務の一部を担当させる。
この制度は、定年となった従業員が有する知識、技能を生かす取り組みで、「アドホックチーム」と名付けている。
環境管理業務は近年、高度化が進み、各種の国家資格を持たないと業務を担当できないケースも増えている。
例えば環境監査審査員、公害防止管理者(水質、大気、騒音など)、環境計量士などで、
一定期間の業務経験がないと取得できない資格もある。
新規配属者の場合には資格取得のために時間、研修費がかかるが、ベテラン担当者ならそうした問題もない。
定年後も働く意欲が旺盛な従業員の資格を有効に利用しようという背景がある。
また関係会社の若手環境管理業務担当者に対し、体系化した業務の経験を伝え、研修を行う役割も担うことになる。
三菱電機では、知財部門などの業務部門でシルバー世代の人材活用をすでに積極的に行っているが、
環境推進本部が嘱託として定年者を再雇用し、各地に派遣して管理業務を担当させる例はこれが初めて。
http://www.jij.co.jp/news/electric/art-20030821203833-KDGSZMTVJL.nwc