輸入牛肉の関税を引き上げる緊急輸入制限措置(セーフガード)が8月に発動される公算が
高まった。今月末にまとまる4〜6月期の輸入量が発動基準を超えるのは確実とみられる。
前年水準がBSE(牛海綿状脳症)の影響で低く、消費回復に伴う輸入の増加率が跳ね上がる
からだ。発動で関税率が38.5%から50%に上がれば、消費者や外食産業は割高な輸入牛肉
を買わされることになる。輸出入の関係業界は「BSE失政のツケ回しだ」と反発するが、
農水省は自動的に発動する構えを崩していない。
牛肉のセーフガードは、輸入量が急増すれば自動発動となる仕組みだ。新年度の4月から、
原則として6月、9月、12月までの累計輸入量が前年同期実績より17%を超えて増えると、
年度の残り期間に発動される。畜産業界の被害の認定などは必要ない。これまで、牛肉自由化後
で輸入が増えた95〜96年と96〜97年の2回、発動されている。
牛肉は「生鮮・冷蔵」と「冷凍」に分類され、生鮮・冷蔵は今年4〜6月の輸入量が
6万3563トンを超えれば発動要件を満たす。4〜5月の輸入はすでに計5万551トン。
今月26日前後に発表される6月分の統計で、4、5月実績の半分程度の輸入があれば基準を
超える。発動期間は8月から来年3月までとなる。
発動された場合、コストの上昇分は「牛丼一杯なら数円」(大手)とみられる。厳しい価格競争
の中、大手の小売りや外食では経営努力で吸収しそうだが、中小などでは価格に転嫁せざるを得ない例も出そうだ。
外食の業界団体、日本フードサービス協会の消費者アンケートでは、「関税引き上げで牛肉の
価格が上がるのは納得できない」との回答が8割に達したという。輸入品の価格上昇で国民生活に
影響が出る場合、関税の上げ幅を抑えることは制度上可能だ。与党からも「何らかの特例措置が必要」
との声が出ている。
http://www.asahi.com/business/update/0703/100.html ◆スレッド作成依頼スレ★04◆
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