経済産業省の外郭団体、新エネルギー・産業技術総合開発機構
(NEDO)は18日までに、血液型を合わせることが不要で、
長期保存も可能な人工血液の開発に乗り出した。
赤血球の成分であるヘモグロビンを極小のカプセルに
入れる技術を使い、2005年度までに
製造技術を確立、臨床試験を経て07年度の供給を目指す。
血液には、細菌と戦う白血球や出血を止める血小板などの
成分が含まれ、さまざまな機能を担っている。NEDOは、
大出血時などの緊急輸血用を想定、
血液の酸素運搬機能を代替する人工赤血球を開発する。
ヘモグロビンを直径約5000分の1ミリの脂質のカプセルで包み、
凝集を防ぐために表面を細い突起で覆う。ヘモグロビンは、
全体の2割が使用期限切れで廃棄されている赤血球製剤から
取り出すか、遺伝子組み換え技術で酵母菌などに作らせて使う計画。
これまでの動物実験では、人工血液は体内に注入後、1週間程度で尿として排出されるという。
2年間程度の保存を可能にすることを目標に開発する。輸血後、
数時間で機能が低下する可能性があるが、ウイルス汚染の心配や
血液型合わせの必要がないため、脳や心臓の低酸素状態を
緊急回避する用途や、異常出産時の大量出血の手当てなどでの利用が見込める、としている。
http://www.sankei.co.jp/news/030418/0418sha120.htm