新型肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)の影響が、世界のハイテク産業の
中心地シリコンバレーやその周辺地域に暗い影を投げかけている。
これらの地域には華僑・華人系移民が数多く住んでおり、
世界保健機関(WHO)が渡航自粛を要請した中国・広東省や
香港との往来も多い。感染の疑いのある事例数は全米でも
突出しており、地元企業などは感染防止対策を急いでいる。
米疾病対策センター(CDC)の調べによると、15日現在、米国で
SARS感染の疑いのある事例は累計193件報告されており、
州別ではカリフォルニア州が41件で最も多い。サンノゼなど
シリコンバレーの主要都市を抱える同州サンタクララ郡だけで、
フロリダ州などと同じ11件に達し、そのうち男性1人にコロナウイルスの感染が認められた。
地元企業も感染を防ごうと躍起だ。電子機器製造大手
フレクストロニクス・インターナショナルでは感染の恐れが
ある国・地域への出張自粛令を出したほか、同地域からの
出張帰国者に最低10日間は自宅待機するよう勧告を始めた。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20030416AT2M1502116042003.html