超微粒子量産装置開発に成功 久御山のベンチャーが世界初
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031105-00000002-kyt-l26タソ 京都府久御山町のベンチャー企業マイクロリアクターシステムが、産学連携で
ナノ(10億分の1)レベル超微粒子の量産装置の開発に世界で初めて成功した。
「マイクロリアクター」と呼ばれる次世代反応装置を利用した新技術で、大量生産で
コスト安になる金属の超微粒子を利用して、高度な光触媒や電子回路の小型化、
新種の薬品製造などに応用できる。
「マイクロリアクター」とは、化学分野の装置内で混合、分離などの現象をマイクロ
(1000分の1)レベルに縮小して単位あたりで操作するシステム。ドイツ発祥の
理論で、小さな空間の中で物質を細分化することで省エネルギーで効率的な反応が
可能になる。同社は2年前から、大阪府立工業高等専門学校(寝屋川市)の
中崎義晃教授と協力してマイクロリアクターシステムの研究を進めていた。
従来、金属の超微粒子の生成は金属を水に溶かし、熱分解してから乾燥させて
焼成し、還元させる複雑な工程だった。この方法だと微粒子50ミリリットルを
生成するのに3−4時間必要でコストも高かった。
だが、マイクロリアクターによる新装置は、小さな空間を利用して金属溶水を
高速でかくはんできるため、乾燥の一工程だけで済む。5−10ナノレベルの
超微粒子を1時間に300ミリリットル、1日で連続7200ミリリットル生成
できるようになった。
ナノレベル超微粒子を応用すれば、高度な触媒として利用できる。また半導体
回路用にインクジェットで噴射して基板製作したり、自由に微粒子を配列して
電気効率が高い電池や紙状に薄いディスプレーの実用化も期待できる。