【科学と】○○○ブヂネスと科学技術 総合スレッド○○○【技術】

このエントリーをはてなブックマークに追加
三菱電機,指組織内部の指紋情報を検出する「指内部特性検出型」光学指紋センサを開発 更新日:08月28日
http://dm.nikkeibp.co.jp/members/DM/DMNEWS/20030827/1/タソ(要登録)

三菱電機は,指紋照合装置のセンサ部として,指組織内部の指紋情報を検出する
「指内部特性検出型」光学指紋センサを開発した。指紋照合装置の認識率向上が
期待できるとともに,非接触で指紋を検出できる特性を活かした製品も実現可能になる。

指紋照合装置の認識性能向上のためには,人の指から指紋画像を検出する光学センサ部の
高性能化が欠かせない。従来の光学指紋センサは,指を置くプリズムなどの透明体と
皮膚表面との接触の有無を可視化することで指紋の凹凸画像を検出していた。
しかし,指表面の湿り気が接触の度合いに影響するため,乾燥した指や濡れた指に
対しては指紋の凹凸が不鮮明な画像が検出されてしまうという問題があった。

人の指組織は,表面から表皮,真皮,皮下組織で構成されており,指紋は真皮の
形状を反映した表皮の凹凸形状。このたび大阪大学医学部教授の春名正光氏の協力
により,人の指紋部分で表皮から真皮に至る指組織内部に指紋の凹凸に対応した
光の透過率変化が存在することを発見した(図1)。今回,この指組織内部に存在
する指紋の凹凸に対応した真皮の光透過率変化を光学的に検出する新方式を採用した
「指内部特性検出型」光学指紋センサを開発した。このセンサでは指の爪側から
光を照射し,指内部を透過した光パターンを指の指紋側に置くカメラで撮像する(図2)。
これにより指表面の湿り気に影響されず,また,従来できなかった非接触での
指紋画像の検出も可能になった。

指を透過した光を撮像する方式であるため,従来と同様に指を置く面に指を押し
つける接触での検出だけでなく,非接触でも指紋画像の検出ができる。指組織内部の
光の透過率変化を検出する方式であるため,指表面の湿り気に影響されない。
そのため,従来のセンサでは検出困難であった乾燥した指や濡れた指に対しての
認識性能向上が期待できる。(浜田基彦)