ホンダ本社のホームページには、系列ディーラーが抱える中古車を検索できるシステムがある。
そこにも「走行距離0km、新車同様の未使用車」とうたったフィットが数多く売りに出されている。
もちろん、新車価格よりも安い。これらの車が販売台数かさ上げのために自社登録されたものか
どうかは定かではないが、新車メーカーのホームページで新車同様の車が安く売られている事実は、
国内販売の底辺での歪みを象徴している。
ある他社ディーラーは「ホンダ系ディーラーはフィットを発売してすぐに10万円単位で値引き
していた。メーカーから相当な援助があるからだろう。いわばタコが自分の足を食うようなことを
しても、サービス収入と次回の販売につなげるのが狙いだろうが、その反動があるはず」と予想する。
販売台数1位となればフィットは「ベストセラー車」を宣伝文句にできる。ただ、「あの車は
新古車が多く出回っている」との情報が消費者に広く伝われば、新車販売での機会損失の罠が
待ち受けている。現に、フィットの新古車販売の実態を初めて知らされた宗国会長が激怒、ホンダの
国内販売担当者らは「1月はこの問題への対応に追われた」という。このこと事態が機会損失と
言っていい。
BizTech
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