WTO:米国の「バード修正法」が協定違反と認定
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20030117k0000m020180000c.html 反ダンピング(不当廉売)課税の収入を国内鉄鋼業界などに分配する米国の
「バード修正法」は世界貿易機関(WTO)協定に違反するとして、日本や欧
州連合(EU)など11カ国・地域が訴えた大型通商紛争で、WTO紛争処理
の上級委員会は16日、米国の協定違反を認定し、協定に沿って修正法を改正
するよう求めた報告書を関係国・地域に提示した。
上級委員会報告はWTO通商紛争の「最高裁判決」に相当。これでバード修
正法の協定違反が正式に確定し、米国は修正法の根幹部分で改正を迫られるこ
とになった。
複数の通商筋によると、報告はバード修正法の規定がWTOの反ダンピング
協定や「補助金及び相殺措置に関する協定」に照らして「認めることができな
い特定行為」だと認定した。
「1審」に相当する紛争処理小委員会(パネル)は昨年9月、日本やEUな
どの主張をほぼ全面的に認め、修正法の「撤廃」を勧告。上級委員会はパネル
判断を一部改め、修正法の改正を求めた。
日本などは修正法が「米産業を二重に保護する内容」として提訴。ほかに韓
国やインド、ブラジルなども訴え、提訴国・地域はWTO紛争処理の歴史で過
去最多となった。(ジュネーブ共同)
[毎日新聞1月16日] ( 2003-01-16-23:32 )