●・ θ・●すずめが好きだぞ、ゴルァ!(30羽目)
あぼーん
『害鳥(スズメ)駆除の依頼が』、猟友会に入った。
田舎の竹薮のスズメの宿を夜襲するから、それを手伝えという。
方法は竹薮の一方に網を竹薮と同じ高さに向かい合うように、「へ」の字形に立てる。
その天井に落とし網を仕掛ける。
私たちは勢子といって、網の反対側から竹薮に入り、
竹を一本ずつたたいて進む。竹の上空では寝込みをいきなりたたき起こされたスズメは、
しかたなく移動始める、やぶ蚊に刺されながら、竹をたたく。
上空ではザワザワとスズメが移動するのが分かる。
段々と網の方に近づくと、団長の「それ思い切りたたけ」という。
「ワ〜ッ」と言いながら思い切りたたくと、スズメはパニックを起して網に飛び込んでいく。
飛び込んで前が行き止まると、戻って来る。
戻るスズメと飛び込むスズメが衝突する。この最大の集団になるのを見越して、
団長が「網を落とせ」と指示を出す。バサッと落とされた網の中には、
大量のスズメは捕獲される。
今度はスズメで大宴会をするのだ。「次郎長」のオヤジの指示で、
私と雄次はスズメの殺りく係となる。首をひねる。次々とひねる。
念仏を唱えながら。それをオヤジは熱湯の中に放り込む。
今度はそれを取り出して皮をむく。焼く。食べる飲むと続く。
猟友会は警察とは銃の届けなどでつながりがある。
それとこういう猟をするという遊びはそ れなりの資産家が多いせいもあり、
上座には議員、警察、地元の有力者などが並んでいた。私らは末席である。
地元の人はスズメを分けてくれと頼みに来ると、「お前らが駆除を頼みにきたんだろう、
なでやらにゃいかん」とガンとして断っていた。