●・ θ・●すずめが好きだぞ、ゴルァ!(29羽目)
幼き頃の美しき思ひ出
じっつあんがゴム銃のゴムをギリギリと引いて庭に撒いた米を
ついばんでいるスズメに狙いを定める。
バチーン!とはじかれた小石がその中の一羽にモロに命中。
すかさずじっつあんは駆け寄り拾い上げるとすぐに首をコリっと捻って
とどめを指す。
羽を全て毟り取ると腰につけたカゴの中へ放り込む。
3羽ほど仕留めた所で家に帰る。婆様に「これ、今日の酒の肴に焼いて
くれや」と無造作に渡す。
婆様は醤油のタレを付けながら網でじっくりと焼き上げる。
台所には醤油の焦げる香ばしい香り。
やがて皿に並べられた3羽のスズメが食卓に。
興味本位で少し食べていい?と手を出す俺。
恐る恐る胴体の所にかぶり付くが身は殆ど無く固いし焦げ臭いだけだ。
じっつあんは「これは丸ごとかぶりつくんじゃ。特にうまいのは
この脳味噌じゃ」と頭からバリバリとかぶりつき、ガハハハハと笑った。