●・ θ・●すずめが好きだぞ、ゴルァ!(25羽目)

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878名無しさん@お腹いっぱい。
とうとうこの日がきてしまった。悪のスズメ帝国との戦いだ。
正義の独身帝国はつれえ。午前中は布団を干していたので、
それを取り込んだとき、戦いの火蓋は切って落とされた。空は快晴。
きっと今回もまたつらく厳しい戦いになるだろう。
戦いは、いつものとおり長い長いハシゴを持ってくるところから始まった。
物置から出したハシゴを二階のベランダに上げる。それを屋根にかける。すでに疲れた。
ひるむな。そろりそろりと登る。下を見るとキンタマがひゅっと縮む。ぶるぶる。
スズメたちはいない。きっと遠くから見ているのだろう。がおー(威嚇)。まずは雨どいだ。
去年のダンボールを抜いてみると、モシャモシャの藁がぎっしり詰まっている。いつのまに…。
悲惨な戦場(彼らにとっては棲家)だ。手を突っ込んで引っ張り出すと、たっぷり丼三杯ほどもある。けっ、こしゃくなことをしやがって。
屋根瓦の上をへっぴり腰でハイハイする。急角度だ。これで滑ったらバカ殿並みではないか。
ということはきっと、立てかけてあるハシゴの棒で、コーンと股間を打つのだ。アイーン。慎重に進み、
やっとてっぺんにたどり着く。陰になった部分に差し込んであった去年のダンボールがずれている。
風雨にさらされて動いたのだろう。外して覗き込むと、そこにもモシャモシャが。ぜんぶ掻きだす。
一旦降りて、いらないダンボールの束を持ってくる。段差の隙間に順番に詰めていく。ぎゅぎゅー詰めていく。
スズメは来ない。がおー(一応威嚇)。ひととおり詰め終わると、やっと安心してへっぴり腰でハシゴを降りた。
洗面器二杯ぶんほどのモシャモシャを丸めて燃やした。終戦。
ふぅ。今回もつらく厳しい戦いであった。どこからか元ちとせの「ワダツミの木」が流れてくる。
生きててよかった。バカ殿にならなくてよかった。
庭石に腰掛けて屋根を見上げると、いつもは10羽ぐらいのスズメが我が物顔でチユンチユン跳ねているのに、
今はたった一羽のスズメが声を立てずに佇んでいる。
テレビのアンテナから、恐る恐る雨どいのあたりをうかがっている。
悪いが、もうないんだ。よそに行ってくれ。私が立ち上がると同時にヤツも飛び立った。

いま、スズメ帝国は消滅した。
879名無しさん@お腹いっぱい。:2006/12/25(月) 00:08:00 ID:???








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