●・ θ・●すずめが好きだぞ、ゴルァ!(22羽目)
《スズメに襲われたシジュウカラのヒナの死》
巣箱のふたを開けると腐臭がする、まだ羽根の生えていないヒナが2羽、巣の外にはみだして死んでいた。
どうしたのだろうか。
娘たちに話すと、「スズメがやったんじゃない。きのうも巣箱に入りよったよ」と言う。
「なるほど、そうか」。ぼくは、隣の屋根にとまってさえずるスズメを睨みつけた。
翌日の4日は第1日曜日で、宮崎神宮の森の月例探鳥会だ。友人の頼みで、久し振りにリーダーで参加。
ここは、昭和51年の4月から59年の8月まで、100回の探鳥会のお世話をした
−そのうち数回は欠けたが−懐かしいところだ。しかし、3年前までの常連者の顔は少なく、ちょっぴり淋しい。
森がずいぶん大きくなっていて、文化ホール前から本殿裏の大杉の禿頭のてっぺんは見えない。
比例して、ヒヨドリが増えたようだ。深山の鳥、サンコウチョウもいる。どちらも、この森で繁殖しているらしい。
51年当時からは考えられないことだ。
民家園の近くでシジュウカラが鳴いた。
森の中には、野鳥の会の手で、40個の巣箱がかけてある。
昨年の調査では、そのうち、4個が使用されたという。
帰宅すると、またスズメが巣箱に取りついている。「コラーツ!がんたれスズメ!」。
大声で追っ払い、巣の中をのぞくと、ヒナが2羽死んでいる。よく見ると、頭や背中などに、
数箇所つつかれた跡があり、黒い血がこばりついている。
「チクショウ!もうゆるせん」。ぼくは、完全に頭に血が昇った。