医薬品ネット販売規制は適法=通販会社の無効請求退ける−東京地裁
薬事法に基づく厚生労働省の改正省令による市販医薬品のインターネット販売規制は
違法だとして、医薬品ネット販売会社「ケンコーコム」(東京都)と「ウェルネット」(横浜市)が、
改正省令の無効確認などを求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であり、岩井伸晃裁判長は
両社の請求を退けた。
岩井裁判長は判決理由で「対面販売では薬剤師が購入者の顔色や体格などを見たり、やり取りするなど
して状態を的確に判断できるがネットでは困難」と指摘、規制を合憲と結論付けた。
ただ、岩井裁判長は「副作用に関する消費者の意識や、情報通信技術に変化が生じた場合、規制内容を
見直すことが法の趣旨に合致する。今回の規制が恒久的に固定化されるべきという判決ではない」と付言、
状況の変化に応じ、柔軟に規制内容を見直すよう政府に促した。
原告側は、薬事法はネット販売を規制しておらず、省令による禁止は法が認める範囲を
超えていると主張。薬局の店舗販売が許されるのに、ネット販売を禁止するのは、不合理な
差別だと訴えていた。
なお、原告側は判決を不服として控訴する方針です。
(2010/03/30-15:12)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010033000656