85 :
774RR:
また台風の下。ひとり通勤。
パッキングを済ませる。バンジーフックも台風ならではのありがたみ。
大粒の雨をヘッドライトが照らす。真夜中の峠をいくつも越える。
ここは山岳地帯。大容量燃料タンクが頼もしい。
海岸沿いを走り続ける。海の向こうから津波が昇り始めた。
こんなに危険なのかと、しばし感慨に耽る。
目的地に着く。スリムで軽量な車体が有難い。洪水の中での
取り回しの良さが光る。
ツインサウンドと逞しいトルク感が雨で聞こえない。
旅先でも地元民を威圧しない。
給油はできず、そして帰路。
ハイウェイを時速130マイルで駆け抜ける。
空気を切り裂くエアロボディー。ライダーを空気の壁から守る。
台風が私の横をぶち抜いてゆく。だが気にしない。
出発地から2500m。GASはまだまだ充分ある。彼らは走り続けられない。
そして私の帰路は彼らよりはるか遠く・・・もないか。
そしてここは格好だけでは耐えられない風圧の世界。
風圧で弱ったネイキッド、アメリカンライダーに基地街の視線を送られながら
先行させてもらう。
明日も大雨だ。
Z Z R 250