【kawasaki】ER-6n/f/Versys part19【ガチャピソ】
国際通貨基金(IMF)の調査で、2007年のシンガポールの1人当たり国内総生産(GDP)が3万5000ドルを超え
日本の約3万4300ドルを抜くことが明らかになった。
資源に乏しいシンガポールは積極的な外資・外国人の誘致策で経済の活性化に取り組んでおり、市場開放が後手に回った日本との違いが鮮明になった格好だ。
シンガポールは、いわゆる「貸席経済」で大きく経済成長を遂げてきた、まさに私が提唱する「ボーダレス経済」の申し子のような国家だ。
私がシンガポールの国家アドバイザーを務めていた70年代後半、ちょうど日本の1人当たりGDPが1万ドルを突破した。
その頃シンガポールの1人当たりGDPは約2000ドルだった。その5倍の差がひっくり返って、日本が抜かれてしまったというわけだ。
世界とアジアの主要国の1人当たりGDPを見てみると、アイスランド、アイルランド、スイス、デンマーク、スウェーデンといった北欧の小さな国が非常に
強くなっているのが分かる。
通貨による影響もあるが、これらの国が日本の1人当たりGDP(3万4,312ドル)をはるかに凌いでいるのは、その実力として認めるべきだと私は思う。
このままで行けば、シンガポールに留まらず、香港(2万9,650ドル)にも追い抜かれる日が近いだろう。
さらには、韓国(1万9,751ドル)との差は、現在1万5,000ドルほどあるが、ウォン高に推移すれば半分くらいは縮まってしまう可能性も高い。
こうしたシンガポールの繁栄の要因は、自力だけに頼った経済ではなく、開放的な経済政策を打ち出した点にある。
規制を撤廃し、世界の力を借りて、経済を発展させていくという「貸席経済」の典型的なモデルだと思う。