バイクにまつわる泣けた話【4発目】

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中学生の頃、婆さまの家のそばに、オイラより二つ上の女の子が住んでた。

その娘のお兄さんがある日、ボロボロの四本マフラーの
暗い緑のバイクをどこかから引っ張ってきた。
当時レーサーレプリカは依然として人気で、
俺の目にはただのガラクタにしか見えないそれを前に、兄ちゃんは、
起こすぞ!手伝え!
と高らかに宣言した。

そうこうしているうちに修理ともレストアともつかない作業が始まった。
まず、兄ちゃんとガレージジャッキ使って、必死でエンジン下ろした後、
兄ちゃんはそいつに掛りきりだった。
ボロボロバイクのホイールやシート、タンクを磨くのは俺の仕事。
その頃俺はバイクは余り興味なくて、妹の顔見たさに手伝ってた気がする。
けど、すすめて行くうちに面白くなり、
マフラーのアールの部分をガスバーナーで真っ赤に焼いてひっぱたいて
カーボン落としたり、
サビサビのフロントフェンダーを磨き終わるころには指紋が消えた。(藁)

ある日いつものように遊びに行くと、無い。
バイクが無い。
妹にたづねると、にっこりわらって、手招きする。
彼女の家(喫茶店やっていた)に入り、わけもわからない内にコーヒーを振る舞われていると
続きます。