バイク板自転車スレ part7

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28南九州記

日向行きフェリーのエンジンは、子守歌のように優しく船内に響いていた。
フェリーは、波を蹴立てて西へ進んでいた。
だが、前方には、巨大な低気圧が、フェリーに挑戦すべく、牙を磨いていた。

二等寝台で午後の惰眠をむさぼる客の一人が、放送でたたき起こされた。
「本船は、低気圧の接近に伴い定刻より2時間ほど遅れて、到着致します。」
ああ、低気圧か、道理で揺れているんだな・・・。二時間遅れ?まあしょうがないか・・・。
いや、ちょっと待て、もともと、フェリーは午後7時半に着く予定だぞ。
二時間も遅れたら、9時半だ。勘弁しろよお。
船舶電話にアベックが取り付いて、宿に遅れる旨を電話している。
まあいいか、自分は雑誌の付録を引っ繰り返す。あった。フェリー乗り場の近くにキャンプ場が。よし、ここにしよう。