何故バイク屋の常連客はウザいのか V(L)型2気筒
840 :
774RR:
CB400SFの納車日。それは少年にとって記念すべき日だった
一生懸命バイトして貯めたお金でついに手に入れたCB400SF。しかも新車だ
6時に目が覚めてしまった少年は、開店時間と同時に来店した。店長が笑顔で出迎える
「あの、バイクを取りに来たんですけど…」
「いらっしゃい!用意できてるよ。これがキーね」
ナンバープレートが取り付けられたピカピカのCB400SF
憧れだったバイクが、ついに自分のものとなるのだ
その時だった
「店長〜!朝ツー行ってきたんだけどさぁ〜」
ド派手な赤いライディングジャケットを着た熊みたいなオッサン(以下「熊田さん」)を先頭に
6人のオッサンたちが店に入ってきた
「おっ!なんだお前?そのバイクお前のか?」
熊田のオッサンが、少年に話しかける
「は、はい」
「ふーんCB400ねぇ(苦笑)悪いバイクじゃないんだけどねぇ(苦笑)」
「…」
「乗ってみなきゃわかんねーな。おい、キーよこせ」
「えっ?」
「キーよこせっつってんだよ!」
唖然とする少年の手から、キーを奪い取った熊田は
CB400SFに跨りエンジンをかけた。思わず少年は熊田に詰め寄った
「やめてください!それ俺のバイクなんです!」
しかし熊田のバイク仲間たちが、少年を取り押さえて言う
「熊田さんは、この店のリーダーだからさぁ、逆らわないほうがいいよぉ」
841 :
774RR:2007/07/13(金) 21:12:45 ID:uAN90Emc
ウィーーーン!!ウィン!ウィン!ヴィーーーーー!!!!!
熊田は新車だというのに、フルスロットルでレッドゾーンまで空ぶかしをはじめた
店の中だけではなく、周囲の住宅街にまで、その騒音は響き渡った
しかしそれだけでは収まらず、熊田は信じられない行動をとる
「ちょっと走ってくるわw」
ヘルメットをかぶると、少年が止める暇もなく、どこかへ走り去ってしまった
「まぁ、すぐ帰ってくるでしょ。ジュースでも飲んで待っててよ」
少年の肩を叩きながら、店長が苦笑いを浮かべて言った
≪終≫