1 :
774RR:
2 :
774RR:2006/06/04(日) 12:12:45 ID:nib8Nz60
2げ〜〜〜〜〜〜〜〜〜とん
3 :
774RR:2006/06/04(日) 12:15:03 ID:czGf8wBi
君が死んでからもう1年。
君は今も僕を見守ってくれているのかな?
君は、僕の生まれて初めて出来た彼女だった。
すごく嬉しくて、幸せだったなあ。
突然、白血病だって医者に宣告されてから、君は病室で日に日に弱っていった。
「病院ってひまねえ」って笑う君を見て、僕はいつも泣いていたんだ。
君の為に、僕の小汚いノートパソコンをあげたら、君はすごく喜んでくれたよね。
ネットをするようになった君がいつも見ていたサイト、それが「2チャンネル」だった。
ある日君はいつものように、笑いながら言った。
「ほら、見て今日も2ゲット出来たよ。」
「あまりパソコンばっかいじってると身体に障るよ」
なんて僕が注意すると、
「ごめんねえ。 でもね、これ見てよ。
ほら、この3のひと、2げっとぉ!なんて言っちゃってさぁ、ふふ」
僕は黙っていた。君がすごく楽しそうで、僕は何も言えなかった。
「ほらみて、この3のひと、変な絵文字使ってくやしぃ〜!だって。
かわいいねえ。 ふふ。」
僕はまだ黙っていた。笑う君を見て、どうしようもなく悲しくなった。
「憶えててくれるかなあ」 君がふと言った。
「…この3のひと、私がいなくなっても、あの時変な奴に2をとられたんだよなー
なんて、憶えててくれないかなあ……無理かな……憶えてて、ほしいなぁ……」
それから数ヶ月後、君は家族と僕に見守れながら息を引き取った。
君はもうこの世に居ない、なのに僕は今F5を連続でクリックしている。
君の事を、3のひとが忘れないように、いつまでも、いつまでも忘れないように。
天国にいる君と一緒に、今ここに刻み込む
2 ゲ ッ ト
4 :
774RR:2006/06/04(日) 12:16:13 ID:O+pY/mDh
5 :
774RR:2006/06/04(日) 12:17:42 ID:ExBFjnLF
代目じゃね?
まあどうでもいいけど乙
6 :
774RR:2006/06/04(日) 12:23:11 ID:vAN3SU4S
>1乙です
7 :
774RR:2006/06/04(日) 12:29:24 ID:PFlhypkD
>>1乙。
しかし前スレのリンクが前々スレになってるな。
8 :
774RR:2006/06/04(日) 12:31:31 ID:684orbxU
9 :
774RR:2006/06/04(日) 12:36:21 ID:H7g54ydB
まあ、もちつけ。
10 :
774RR:2006/06/04(日) 14:05:55 ID:AvvnfGF2
11 :
774RR:2006/06/04(日) 16:13:59 ID:gJ8V62LO
12 :
774RR:2006/06/04(日) 16:17:03 ID:nib8Nz60
>>3 フヒヒヒwwwwすいませんwwwwブヒヒヒ〜ヒヒヒっゴホッゴホッゴホッwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
13 :
774RR:2006/06/04(日) 17:58:55 ID:qUue7vA4
記念真紀子
14 :
774RR:2006/06/04(日) 18:41:09 ID:tZWs9pe0
15 :
774RR:2006/06/04(日) 19:24:05 ID:7c3AlRqI
16 :
774RR:2006/06/04(日) 19:49:16 ID:c+WIlBVl
はいageますよ
17 :
774RR:2006/06/04(日) 20:20:56 ID:tNM/krJF
バブは似合う
18 :
sage:2006/06/04(日) 21:54:41 ID:s/CG85Xc
僕が北海道に行ったのは、93年だったかしら。奥尻島で地震があった年。
凄まじい冷夏、オホーツク側は濃霧で寒くて大変だった。
オロロン街道で、バイクとすれ違うのが嬉しくて両手でピースしたり、
富良野でニンジン収穫のバイトをしたり、
ホクレンのGSでもらえる旗を何本も荷台に着けて走ったよ。
カムイワッカの滝の手前の砂利道は大変だった。
そうそう、雨竜沼のヒマワリ畑は良かったな〜!
原野を何時間も走って着いた根室が夏祭りで、なぜか涙が出た。
チラシの裏、スマソ・・・・
19 :
774RR:2006/06/05(月) 07:58:49 ID:u3vFvPFq
誰か
「ど根性ガエルの梅さんに似合うバイク」
書いて。
20 :
774RR:2006/06/05(月) 12:04:08 ID:QD7KpgOk
梅さんには派出所に止まってるようなレトロなチャリがお似合いだ。
でも、梅さんの脚力はすごいぜ〜。
21 :
774RR:2006/06/05(月) 13:14:08 ID:3JroMYdm
ちょwwww前スレ
>>1000wwwwww
1000 :774RR:2006/06/05(月) 00:22:41 ID:ihDG3AEY
1000ならサザエは俺の嫁
22 :
774RR:2006/06/05(月) 16:10:02 ID:B3GiVCbR
全米が震撼した
23 :
774RR:2006/06/05(月) 17:00:24 ID:LoGT5g0v
サザエさんアナザーストーリー:マスオとサザエが結ばれなかったら。
24 :
774RR:2006/06/05(月) 20:54:39 ID:1RYctFLu
わかるのはこれくらいか?
@タラちゃんが生まれない
Aカツオの理解者がいない
Bマスオはバイクに乗り続ける
25 :
774RR:2006/06/05(月) 21:17:02 ID:cj259M90
「おい!負け犬!いつまで最下位なんだよ!」
「早いとこ引退した方がいいんじゃねぇのか?」
・・・観客の野次に歓迎されながら、俺はいつもサーキットを後にする。
もう慣れっちまったよ。負け犬呼ばわりされて、もう2年だ。
俺は、本気でレースで走ることのできなくなった、単なる負け犬さ──
初めのうちはその侮辱に強く抵抗していた。
だが、その事実を認めちまうようになってしまった。どうしようもねぇな・・・
あの日を境に、俺は変わっちまったのさ。ただの負け犬に。
あれは、2年前のもてぎでのレースだった。
俺はその時、ヨシムラが作り上げたGSX-R1000で優勝争いを演じていた。
このレースに勝てば、俺の年間総合優勝が決定する筈だった。
「カーツーオ!カーツーオ!」
ヘルメット越しにまで聞こえる大きな声援。レースは中盤まで俺の独走だった。
2位との差は8秒も離れていた。誰もが、俺の優勝を信じてやまなかった。
ピットにいたクルーたちも、早々と祝勝会の話で盛り上がってた・・・
26 :
774RR:2006/06/05(月) 22:09:01 ID:bOg4REFm
新ストーリーキタ━(゚∀゚)━!?
27 :
774RR:2006/06/05(月) 22:21:15 ID:howwbSBr
新連載ですか?新連載なのですか?
wktkしてもよかですか?
28 :
774RR:2006/06/05(月) 22:27:45 ID:Z66TnWc/
どこかで
>>25の話見たような記憶があるんだが
漏れだけか?(´ω`)
29 :
774RR:2006/06/05(月) 22:29:54 ID:+kjwYScn
カツオVS中島の続編か?
30 :
774RR:2006/06/05(月) 22:44:32 ID:V4gDESYI
>>28 水さしてスマンが、漏れもどっかで見た覚えが…(?´д`)
【SCENE69】
青き森の清き空気を、開け放たれたスロットルバルブから胸いっぱいに吸い込み加速するNinja。短いストレートで
NSのテールが猛烈な勢いで迫る。
僕はNSの右に並びかける。左コーナーの突っ込みで余裕を持って前に出られるつもりだった。しかし・・・。
・・・減速しないのか!?NS250Rのブレーキランプは迫るコーナーを前に一向に点灯しない・・・。そしてその左コーナーを
曲がるには不適当とも思われるような猛烈な速度を保ったまま突っ込んでいく・・・。
ブレーキング合戦に敗れたのは僕。後追いにも関わらず、ブレーキングを先に開始したのは僕だった。
直後、NS250Rはフロントフォークを押し潰し、リアタイヤが持ち上がらんばかりの猛烈なブレーキング。僕は一瞬、彼が
そのままアウト側へジャックナイフして飛んで行ってしまうのではないかと肝を冷やす。
ブレーキを引きずりながら、そのつんのめるようなキャスタ角を維持し、非常にコンパクトなコーナーリングを繰り出す
NS250R・・・。まるで、数日前に鈴鹿サーキットのコース上で見たレーサーの如き異次元のコーナーリングを
僕は見せ付けられていた・・・。膝こそ路面に接地していないものの、それは学生服に穴が開くと困るのでしないという
程度のもので、おそらくそれが許される装備であれば簡単に彼の膝と地面は接触していたろう・・・。
その明らかにサーキット志向なコーナーリングは、すぐに訪れた次の右コーナーでも同じであった・・・。僕は、その2回の
コーナーリングで全てを察知した・・・。
「・・・しまった・・・。こいつは地元スペシャルだ・・・。」
こいつは、迫るコーナーの全てを知り尽くしている・・・。曲率・・・。クリッピングポイント・・・。路面状態・・・。それらを
知り尽くしていなければ、到底こんなコーナーリングをする事など不可能だった。
それは、即ち僕の圧倒的不利を示すものだった。不利・・・?いや、もはや勝負すら成立しないのだろう・・・。
『パァァァァァァァァ!!』
その軽快な2サイクルサウンドは、コーナーを抜けるごとに遠ざかる・・・。しかし、僕は彼を追うのを止めはしない。
それはもはや対抗意識からの追撃ではなかった。・・・その美しいライディングパフォーマンスを、少しでも長く見ていたい・・・。
そんな思いが僕を走らせる。簡単にはバックミラーの点になるものか!僕は口元に笑みを湛えながら紫煙のたなびきを
追った・・・。
えぇい!荷物が邪魔だ!・・・しっかりとNinjaに括りつけたはずの背後のバッグは、限界ライディングに耐え切れず
左右に踊る・・・。ステップがアスファルトをえぐる。リヤタイヤが僅かにスライドしている感覚が心地よい・・・。
僕は遠くなった学生服の背中を、それでも見失うことなく追撃を続けていた。時折、彼は後方を振り返る。なかなか
バックミラーから消えない執念深い余所者を意識しているようだった。霊山、恐山の懐で踊る2台・・・。
暖まってきたのは、タイヤか?僕の体か?NS250Rとの差の開き方が緩やかになってくる。そう!そうだ、僕は
もっとお前と走っていたいんだ!
アナゴ君とも鈴木さんとも、レッドとも『ノリスケ』とも異なるNSの速さ・・・。僕は盗む・・・。その速さを。その魂を!
速い男に出会うたび、僕は彼らの走りを自分の走りの糧にしようと模索してきた・・・。そして、今日であったこの手練!
僕は楽しくて嬉しくて仕方が無い!これほどまでに速い奴とともに空気を切り裂き、右に左に美しくうねるワインディグを
共に走れるという事を・・・。この素晴らしき悦楽の時を共有できるということを・・・。
キター
突然に視界が開けた。視界一杯に太平洋が広がる。漁村集落に突入した。バトルは終わった・・・。
NS250Rとはすでに100m以上の差を付けられていたが、彼は赤信号の変わりっぱなを直進していった・・・。僕は
停止線で停車すると、フーと深呼吸を一つして彼の後姿を見送った・・・。いつしか彼の姿は見えなくなっていった・・・。
早朝の静けさに包まれた漁村に、余韻の如く2サイクルサウンドが響き渡っていた・・・。
何物だったのか・・・。彼の正体を確かめる術は、もちろん今となってはあろうはずも無い・・・。しかし、僕が生まれつき
持っていた、握り飯や饅頭の中身をあてる不思議な第六感は、そのヘルメットの中の素顔をも報せていた・・・。
・・・後にその走りで首都圏の走り屋を震撼させ、僕と一騎打ちをする事になるその男・・・。
彼の名は『湾岸のサブ』・・・。
僕は、この日のNS250Rの使い手が、彼であったと信じて疑わない・・・。
35 :
774RR:2006/06/05(月) 23:13:42 ID:B3GiVCbR
wktk
36 :
774RR:2006/06/05(月) 23:13:56 ID:oaF9eCXT
37 :
774RR:2006/06/05(月) 23:14:27 ID:oaF9eCXT
38 :
774RR:2006/06/05(月) 23:16:06 ID:oaF9eCXT
もう2ヶ月も前の話になるが、バイクで国道走ってたらチャリンコでマンチラしながら
走ってる女がいた
うそだと思うだろ?マンチラだった
39 :
774RR:2006/06/05(月) 23:16:42 ID:oaF9eCXT
もしかしたらブルセラでパンツを売ってきた帰りだったのかもしれんし
その頃その女の彼氏が自宅で頭にかぶってたのかもしれんし
とにかくマンチラだった
40 :
774RR:2006/06/05(月) 23:16:51 ID:wApqux+Z
サブちゃんキタワァー
41 :
774RR:2006/06/05(月) 23:30:53 ID:oaF9eCXT
。
。
マ ン チ ラ
42 :
774RR:2006/06/05(月) 23:31:03 ID:fJUwTXx8
更新wktk
43 :
774RR:2006/06/05(月) 23:33:14 ID:1skIqrVH
つC
>>1 乙でございますm(_ _)m
皆さん、今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m
45 :
774RR:2006/06/05(月) 23:46:41 ID:8Lbrf1dm
サブ北━━━(゚∀゚)━━━海道!!!!!
またすぐさまサブの名前を出すあたり
スレの流れすらわかってらっしゃる
つC
つC
つC
46 :
774RR:2006/06/06(火) 00:04:05 ID:ifrV2Tm3
勉三さんかと思ったw
なにはともあれ乙です
47 :
774RR:2006/06/06(火) 01:20:41 ID:+QV76Lcu
さっサブが来たwwwwwwwww
48 :
774RR:2006/06/06(火) 01:47:42 ID:zXtUK97D
サブちゃんキター!!!!!!
49 :
774RR:2006/06/06(火) 06:01:01 ID:MQP2sZjv
スタンド使いは惹かれあう、なんて言葉があったが
これはまさしく、、、
作者殿の取材ツーの無事を祈って祈念カキコ
50 :
774RR:2006/06/06(火) 07:12:10 ID:M0hJhJnQ
51 :
774RR:2006/06/06(火) 08:26:37 ID:9BF7eeJD
さぶage
52 :
774RR:2006/06/06(火) 11:48:18 ID:l83f48ik
つC
そうだサブちゃんの実家は青森だったな!
53 :
774RR:2006/06/06(火) 12:02:45 ID:orTd28qM
54 :
774RR:2006/06/06(火) 14:13:11 ID:9BF7eeJD
55 :
774RR:2006/06/06(火) 16:55:17 ID:K2LTHtRl
前田淳選手のご冥福をお祈り致します。
56 :
774RR:2006/06/06(火) 22:10:27 ID:goOMtAIV
>>55 擦れ違い
気持ちはわかるが、書きゃイイってもんでもない
57 :
774RR:2006/06/06(火) 22:34:40 ID:8iVBUmpD
先週、よく行くバイク屋に赤黒のニンジャの中古があったよ。
「これがマスオのマシンか!」と大喜びしてしまったw
58 :
774RR:2006/06/06(火) 22:46:41 ID:YjNxoH2k
昨日から読み始めたが、マスオが隼に至るのはまだまだ先なんだね。楽しみだ〜〜
59 :
774RR:2006/06/06(火) 23:38:29 ID:Rw/nokZO
つC
もう体中の血液が沸騰しそうなくらい興奮しております。
60 :
774RR:2006/06/07(水) 00:56:31 ID:JdRKb1w8
夜の16号線を爆音と共に荒々しく走り抜ける一台の黒塗りのCB400T 16号線を走
るものでやつを知らない人は一人もいない 白の特攻服に金色の刺繍で 『関東
三河屋連合』 の文字がはいった。。。そう 16号のサブだ。 800人の暴走族の
頭でありながら一人で走ることを好む。信号も無視などありえない ルールを守
ってこそ 頭としての誇りなのだ 今日もサブは走る。 一台の相棒と
共に街を流し磯野家に向かうのである 特攻服をなびかせながら。。。
61 :
774RR:2006/06/07(水) 01:37:30 ID:zVqKza8G
>>60 優良暴走族サブってタイトルが頭をよぎった
62 :
774RR:2006/06/07(水) 02:19:58 ID:mEIJLPSF
63 :
774RR:2006/06/07(水) 06:41:49 ID:keYcL97a
そして、イクラちゃんを示唆し(ry
64 :
774RR:2006/06/07(水) 21:07:08 ID:o95hekxF
つC
65 :
774RR:2006/06/08(木) 06:37:08 ID:MdAQKG1P
つC
66 :
774RR:2006/06/08(木) 09:24:07 ID:MdAQKG1P
支援age
67 :
774RR:2006/06/08(木) 16:05:22 ID:e4qOgZo0
('A` )
/ ̄ ̄旦/ヽ
/___/ ※/)
/ ※ ※ ※ ※ //
(ー―――――_,ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
68 :
別の話ですよ:2006/06/08(木) 22:33:54 ID:0sMxNE5N
俺はその時高校生だった。その時の俺はバイクに乗りたかった。自分のバイクで風を切り、軽やかにバンクさせてコーナーを曲がりたかった。
だが当時は免許もバイクもそれらを手に入れるためのお金も無かった。これはバイクに跨るために始めたアルバイトでの出来ごとさ。
そこでのアルバイトは肉体的な苦労を強いられる仕事だった。所謂土方とゆうやつだ。その仕事はとてつもなくキツく、二日目ですでに身体は悲鳴をあげていた。
なんの楽しみもない肉体労働、バイクへの想いだけが活力剤だった。
そこで出会ったのがHONDA CB400FOUR 通称ヨンフォアに乗る身体の線が細い大学生だった。
俺はその大学生に憧れていた。バイクに乗っているだけでは無く、北海道までツーリングへ行ったこと、そこでの出来ごとや北海道の魅力などを熱く語る彼はとても生き生きとしていて元はヒキコモリだったとはとても考えられない事だった。
バイクとはこうも人を変える物なのか…俺のバイクへの想いはもう既に頂点へ達していた。
その大学生は近々限定解除をしてもっと排気量の大きいバイクに乗り換えると言っていた。そこで意を決して彼に聞いてみた
「もし良ければヨンフォアを僕に譲って下さい!!」
彼は少し考えて
「…うん、いいよ。」
俺はその一言で有頂天になった。しかし
「だけど、君まだ免許持って無いだろ?それにもしバイクを買うんだったら親御さんにもキチンと了解を得なきゃダメだ。」
そうだった。まだ俺は親にバイクの免許を取りたい事、そしてバイクを手に入れたい事を言っていないし許可をもらえるかも分かっていなかった…。
69 :
774RR:2006/06/08(木) 22:47:17 ID:3ZQIuSqC
キター
アナザストーリーリアルタイム!!!
70 :
その2:2006/06/08(木) 23:05:41 ID:0sMxNE5N
その晩、俺は思い切って親に全てを打ち明けた。最初は「ダメだ」の一言で話すら聞いてもらえなかった。「何故バイクなんだ。卒業して車の免許を取っても良いじゃないか。」そう言われた。
だけどその時は車ではダメだった。バイクでなければダメだった。
一度だけ先輩の後ろに乗せてもらった時の感覚が忘れられなかった。あの風を切る感覚、自分で運転していた訳ではない。だけど言い様のないほど気持ち良かった。
それが、俺がバイクに乗りたかった理由。
他人が聞くと大した理由じゃなかったかもしれない。だけどその時の俺にはそれが全てだった。
今思えば今までの人生でこれ程親に食ってかかった事はこれが最初で最後だったように記憶している。
そんなこんなで親を説得するのに一週間くらいかかった。
最後のあたりは呆れられていたかもしれないな。
それからは目標が出来た事もあり、アルバイトにも精が出た。まず教習所に通う為の費用を作り、それからバイクを買う為の資金を作っていった。
彼は「バイクを売るのはいいよ。だけど、君が免許を取って、僕が限定解除をしてバイクを買う時まで待ってくれないか?」と言っていた。
俺も免許をとるにはそれなりに時間が必要だったし、彼からバイクを買うにもお金が必要だったのでその条件を快く了承した。夏休みということもあってアルバイトには毎日のように通っていた。そして教習所も同様だった。
そうして夏休みも終わり。俺はこれといって補習もなく教習所を卒業し、晴れて自動二輪免許を習得した。
彼も限定解除を果たし、当時最新鋭のマシン。GPz900R Ninja を手に入れた。
圧巻だった。俺をNinjaが置いてあるバイク屋まで乗せて行ってくれた彼がよく話していた特徴的な唇をもつ750カタナのライダーも、羨望の目で店の前に出されたそのマシンをみていた。
71 :
774RR:2006/06/08(木) 23:23:56 ID:8L7eCta/
書こうといった努力は認めるけど
これと言って全く話に惹き込まれないし
魔棲雄氏のストーリーをいじるのは正直やめて欲しい。
それと改行ももう少し考えてね。
72 :
774RR:2006/06/08(木) 23:28:26 ID:350hhRgB
>>71 何様ですか
ますお信者もいいけどもうちょっと生暖かい目で見守る位は出来ませんか
73 :
774RR:2006/06/08(木) 23:34:28 ID:sCZliRKS
確かに魔棲男の作者さんからしたら自分の作品いじられるのはあんまり気持ちよく
ないんじゃないかな?
一応聞いてみてからのほうがよかったと思われ。
74 :
その3:2006/06/08(木) 23:36:25 ID:0sMxNE5N
圧倒的な迫力を纏うそのボディは、丹念に洗車されて怪しげな光を放っていた。
その隣りにあるのは、これからの時間を俺と過ごす事になるヨンフォア。こちらも綺麗に洗車され、走り出す刻を待ち侘びているようだった。
国道の隣りのバイク屋の前で、二人の男が呆然と立っていた。
一人の男は真新しいヘルメットを抱えて。
しばらくそうしていたら店の店主と談笑していたCBRのライダーが話しかけてきた。
「どうだい?これから君の相棒になるマシンは。」
正直、これからヨンフォアを満足させるライディングが俺に出来るか不安だった。
「すごく綺麗です。けど…ヨンフォアを満足させられるか正直自信が無いです…。」
CBRのライダーは
「はははっ。誰でも最初は下手くそだよ。これから色々学んでヨンフォアを満足させて行けばいいさ。」
「そうだ。これから彼の納車記念に走りに行くんだけど君も来るかい?」
その提案は俺にとって夢のようだった。周りには憧れのバイク達。こんな機会を逃すほど俺はバカじゃない。
「はいっ!!お願いします!!」
それから俺は初めて買ったバイクで初めて公道に出た。
出る前にエンストしたのは秘密だ。
それからはまさに夢のようだった。前を走る大型バイク達に必死に付いて行き、そのテクニックを見よう見まねで盗んでいく。
彼等を見ているともっともっと上手くなりたい。そう思った。
アグレッシブな走りをするカタナのライダー。
バイクを労るような優しいライディングをするCBRのライダー。
そして慣れないバイクで彼等に付いて行くNinjaの彼。
まだ素人だけど、いつかは彼等のようになりたい。そう思った。
そして彼等と別れ、家路についている最中にも、その思いは頭から離れなかった。
75 :
774RR:2006/06/08(木) 23:39:03 ID:8L7eCta/
完全オリジナルなら生暖かく見守ることもできるけど
マスオ氏のアナザーストーリーを勝手に作るのはどうかと。
76 :
774RR:2006/06/08(木) 23:42:40 ID:0sMxNE5N
勝手にいじってしまい申し訳無いです。
ただこういう視点もあっていいんじゃないかと思って書きました。
でも僕の投稿により気分を害された方々、それに魔棲雄の作者様に深くお詫びします。
書く前に一言聞いておくべきでした。
申し訳ありません。
77 :
774RR:2006/06/08(木) 23:53:10 ID:3ZONBWf5
言っちゃ悪いと思うんだけど、正直面白くない。
他の人が言うように完全オリジナルならいいんだけど、
自分の脳内で描かれ、記憶としてあった情景が汚れてしまった感じがする。
「嫌なら読まなけりゃいい」とか言われそうだけど、
一度目に入ってしまった時点で今までのマスオ物語が音を立てて崩れていった…
個人的に三次制作物は勘弁。
作者さんに断ってからにして欲しかったけど、
あの人なら嫌でも「いいですよ」って言いそうだ。
とりあえず、これ以上は責めない。
78 :
774RR:2006/06/08(木) 23:54:31 ID:pMeuCrBZ
79 :
774RR:2006/06/08(木) 23:56:15 ID:Z6DXrOP0
CBR?
80 :
774RR:2006/06/08(木) 23:57:05 ID:8L7eCta/
CB1100RCの事ぢゃね?
81 :
774RR:2006/06/08(木) 23:57:39 ID:98bweHZ/
>>77 ってかお前何様だよ。
俺は普通に楽しめたのに、いちいち批判するお前のお陰で情景が汚れた。
82 :
774RR:2006/06/09(金) 00:00:09 ID:kTy2jki3
83 :
77:2006/06/09(金) 00:03:29 ID:3ZONBWf5
スマン、もう来ないことにするよ…
84 :
774RR:2006/06/09(金) 00:08:18 ID:y0QhwhXW
おまいら落ち着け、まぁマターリ魔棲男を待とうよ。
つ旦~
85 :
774RR:2006/06/09(金) 00:10:59 ID:yLfsHp0O
信者ウザス
粗削りな若者の、情熱を見守る余裕が無いのか。
確に下手だが破綻してる訳じゃないだろうよ。
本人も詫びてるし、中途半端な書き捨てのヒロシ物語なんかに比べたらいいんジャポニカ
短くても構わない、完結を求めます。
86 :
774RR:2006/06/09(金) 00:12:40 ID:w4CvLnZd
オマイら言い過ぎだよ
>>76 実際、アナザーストーリー作るにはキャラが掴めていないんじゃないか?
それに本物作者は間違っても「所詮土方」とか「ヨンフォアを満足させるライディング」みたいな表現はしないだろう。
87 :
774RR:2006/06/09(金) 00:12:48 ID:WE6Cu3X1
そう、実はID:0sMxNE5Nは新人を演じた魔棲雄だったんだよ!
88 :
774RR:2006/06/09(金) 00:21:54 ID:qU8KdFTr
どちらの立場の人たちもそれだけこのスレとここに書かれる話を愛してるって事さね。
( ゚Д゚)y−~~
いつも指摘される側・゚・(ノ∀`)・゚・。ですので、指摘させて下さ〜い(゚∀゚)ノ
@季節は梅雨前(この1984の夏休みは、マスオはNinjaと北海道です)
A既出ですが・・・。CBR→CB1100R
B3人は少年を責任を持って家まで送り届けています。
こんなところでしょうか?何かこの先に思い描くストーリーがあれば、遠慮なく
お願いします。
あ、続かれるようでしたら一点だけお願いが・・・。ヨンフォアを大事にして下さい。
事故ったり、売却したりしないよう・・・。今後の展開で、ちょっとした用事がありますので・・・w
さて、『魔済雄』執筆中ですが、次回は遂に『奴ら』が現れます・・・w
(・∀・)ンガックック♪
90 :
774RR:2006/06/09(金) 00:37:39 ID:BrkGpo99
>>89 お疲れです。
しかし、魔済雄って魔に棲んでないです・・・w
>>68 と言うわけで続編支援
ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!!!!
(;・∀・)つ棲
92 :
774RR:2006/06/09(金) 00:40:04 ID:y0QhwhXW
うおーっ楽しみだっ!作者様頑張って下さい
つC
93 :
774RR:2006/06/09(金) 00:50:39 ID:z44HwITJ
奴らってことは複数形だから、きっと最終兵器イクラを生み出した魔の科学者集団だな。
マスオが魔に棲む雄なら、奴らは魔を生み出した者達だ。
94 :
774RR:2006/06/09(金) 01:09:31 ID:L50S2ZIw
魔棲雄作者様、スレの住人様御指摘ありがとうございます。
もう二度と書くことは無いと思いますが、指摘を受け、自分の頭の中で色々妄想したいと思います。
最後に勝手に話を使ってしまった事を今一度深くお詫びします。
95 :
774RR:2006/06/09(金) 01:22:47 ID:jnJuXxgf
予告ktkr!!
本編も外伝もマターリいこうや
てことで
つC
96 :
774RR:2006/06/09(金) 01:26:59 ID:k3wl01kE
ヤバイ・・・・楽しみすぎる・・・・・・・
つC
97 :
774RR:2006/06/09(金) 02:33:52 ID:WcqT2QRX
98 :
774RR:2006/06/09(金) 02:44:18 ID:y1clSieq
ROMってたけどもう我慢できない
>>魔棲雄氏
ずっと楽しく読ませてもらってます
元刀乗りなんでアナゴさんフィーバーしてます
今後の展開にwktkしてます
>>94 是非ともその続きを!
荒削りだけど貴方の文章嫌いじゃないです。
本編と都合がつかなきゃ魔棲雄氏の「お願い」を守って
パラレルワールドって方向で進めても良いのでは?
99 :
774RR:2006/06/09(金) 04:56:00 ID:mal2Oaj1
>>94 俺も初代からROMってるがオマイみたいなの嫌いじゃないぜ
100 :
774RR:2006/06/09(金) 07:54:09 ID:EITNNaTM
元が二次創作なんだから三次創作だからってケチ付ける権利は誰にも無いはず。
まあ投下する前に様子を伺ってみる必要はあったかもしれないけどね。
それに技術的にもやや稚拙な感は否めない。俺は好きだけれど。
ところで魔棲雄信者は自分達の所為で他の作品が投稿しづらくなってることが分かってる?
まるで魔棲雄以外許さないみたいな空気で気持ち悪い。
勿論魔棲雄は俺も大好きだだけどここ最近あまりにもそれが気になってきたから書き込んでしまった。
つまりなんだ、マターリ行こうよと、そういう事です。長文スマン。
101 :
774RR:2006/06/09(金) 09:10:51 ID:66c6mArD
俺は普段ドカタと一緒に仕事してるんだけど、ムカつくからもう書かんで欲しいなぁ。
「何の楽しみもない肉体労働」業に従事してて悪かったね。
新しい書き手が現れるのは、俺は賛成なんだけどさ。
102 :
774RR:2006/06/09(金) 11:52:28 ID:q/yk3hoA
>>100 俺も最近の流れは新たな書き手が書きにくくなってるとは思うけど
逆にマスオ氏の作品を第三者が勝手に作ったら
それこそマスオ氏のこれから考えてるストーリーが破綻すると思う。
前の生物兵器なんたらみたいにね。
だからせめて自分でストーリーを作って、
カツヲ氏みたいに所々リンクする程度がいいと思う。
俺が火を点けておいてなんだがまぁガンガレ
103 :
774RR:2006/06/09(金) 13:59:59 ID:PLYXpg4W
俺はやっぱぎょうぶつたそのトコにうpされてる3人が髪だな。
もちろんNO.1は魔棲雄氏。それはヴェルタースオリジナルで、私は4歳でした。
104 :
774RR:2006/06/09(金) 17:03:34 ID:SecVKPhW
>何の楽しみもない肉体労働
んなこたーねーぞ。確かに傍から見てると小汚い作業服着て地下足袋はいて
泥と機械油にまみれて仕事してっけど、ネクタイ締めてリーマンやって頃よりは
俺にとっては楽しい仕事だ。バイクで通勤するのも楽しみの一つだし。
105 :
774RR:2006/06/09(金) 17:06:23 ID:TOODU3JP
>>102 マスオはマスオで考えれば良いんじゃないか
ストーリーが破綻とか、別物なので関係ないですよー( ´∀`)
と、いう感じで話を作れば
むしろ、わざわざ話に関連性を出さなくても・・・
106 :
774RR:2006/06/09(金) 17:17:28 ID:q/yk3hoA
と思うなら新規で話を作ればいいだけ。
極端な話、アナザーストーリーでアナゴが死んだ(まずないけど)なんて
勝手に話が進んだら
本家マスオ氏も困るだろうに。
107 :
774RR:2006/06/09(金) 17:27:10 ID:oxaC33jH
確かに他人の話に便乗はよくないね。
あんま排他的になってると、雰囲気悪くなる→「このスレは板違いじゃない?」→「個人サイトでやれ。」ってなるからほどほどに。
自分で話書かないやつが批判だけするってのが一番悪い。
108 :
774RR:2006/06/09(金) 19:32:01 ID:WcqT2QRX
109 :
774RR:2006/06/09(金) 21:46:29 ID:j1cF9vCd
多数派工作をしようとするがIDが同じだった失敗例
110 :
774RR:2006/06/09(金) 22:44:58 ID:Bt1bcEIS
∩ ____________
∧_∧ | | /
( ´Д`)// < 魔棲男の旦那が困ったら漏れも困ります
⊂/\__ / \
/丶2 |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ //7ゝ〇 ノ\
(_///⌒γノ/___)
/// ///ノ
|/ ///
/ //
V ノ
111 :
774RR:2006/06/09(金) 22:48:40 ID:/t666fVE
色んな人が色んなストーリーを考えて書き込んで読む人はそれを楽しめばいーんジャマイカ?
面白くないんなら読まなければいいだけの話で面白く読んでる人もいるんだから
いちいちいちゃもんつけなくてもいーじゃね。
112 :
774RR:2006/06/09(金) 22:56:45 ID:vAfiv0OM
奇麗事はヤメロ
113 :
774RR:2006/06/09(金) 23:01:11 ID:dgADbpz8
サブちゃん、ずっとノーヘルで通してきたのに
原付きのメット着用規制に合わせてヘルメット被るようになったな。
114 :
774RR:2006/06/09(金) 23:03:24 ID:Z3XuOKw5
>>111 ハゲシクドーイ
みんながKATANA海苔じゃない、みんながNinja海苔じゃない、みんながヨンフォア海苔じゃない
だけど、みんなの心にはYour Own Bike Storyがあるだろ
いやな部分があったらスルーして、共感できる部分を共有すればいいんジャマイカ
115 :
774RR:2006/06/09(金) 23:41:11 ID:vHWoeeK4
∧..∧
(´・ω・`) サザエと魔棲雄が恋におちるより前に
cく_>ycく__) このスレが落ちちまったそうで。さて、どうなることやら。
(___,,_,,___,,_) ∬
彡※※※※ミ 旦
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\ どっ!! / \ ワハハ! /
\ / \ ∞
l|||||||||||||| ∩,,∩ ∩,,∩ ∩,,∩ ミ∩ハ∩彡
(, )(,, ) ,,)( )( )
【SCENE70】
大間−函館間を結ぶ、フェリーボート『大函丸』の甲板で、僕は15ノットの心地よい海風に吹かれていた。
航跡の先で、つい数時間前に謎のNS250Rと心地よいバトルを繰り広げた下北半島が徐々に遠ざかり、舳先を
見やればライダーの楽園、北海道が霞んで見える・・・。
2時間にも満たない、しばしの船旅。僕は飽きる事も無く、ひとり北の海を眺めていた・・・。目前に迫る北の大地への
期待は、胸を張り割かんばかりに膨れ上がっていた・・・。
そして、遂に大函丸は北の玄関口、函館港へ到着。
錆だらけの古びた船体から、ピカピカの最新大型バイクは飛び出す・・・。一年前の初上陸の日と同じように、本州よりも
コントラストの強い青空が、僕の頭上に大きく広がっていた・・・。
来た・・・、来た!ついに来た、北海道!このままさらに北上すれば北海道の真髄、広大な大地とそれを切り裂くが如く
地平線の果てまで続く直線路が待っている。・・・しかしだ。焦る事は無い。僕は腹が減っていた。
函館駅前にNinjaを停めた。一年ぶりの「本物のイカ」に舌鼓を打つ・・・。函館のイカを愛してやまないアナゴ君は、今頃
僕が一人で美味いイカを食べている事を知ったら、きっと悔しがるだろう・・・。
腹を満たし駅前に戻ると、首からカメラをぶら下げた観光客らしき中年男性が3人、Ninjaを取り囲んでいた。
近くに観光バスが停まっていた。彼らはにわかに酒臭かった・・・。
「おっ。このバイク、お兄ちゃんのかい?」
・・・しまった・・・捕まった・・・、と思った・・・。この旅に出てから、仙台、青森に続き3組目・・・。バイクに乗っていると時折
このようなバイクに乗らない人々に話しかけられる事がある。彼らのほとんどは中年男性である。そして、目の前の
バイクについて、持ち主のライダーを質問攻めにするのだ。排気量は?スピードはどのくらい出る?幾らで買った?
・・・誤解の無いよう付け加えておくが、僕は他人との会話がイヤだったり、面倒くさかったりするわけではない。
が、しかし。僕が彼等との遭遇で、ほとんどの場合に辟易させられる理由があった・・・。
それは、極めてワンウェイな彼等の質問にある。彼らが質問し、僕がそれに答える・・・。それだけ・・・。
しかも彼らは、僕から聞きだした情報を特に咀嚼するわけでも、そこから何かを発展させようとするわけでもない。
ほとんどの場合、「ふ〜ん、スゴイね〜」というような、穿った見方をすれば「そんな大きいバイクに乗る意味あるの?」とか
「こんなモンにそんな高い金を出して・・・」というような感情を内包したような淡白な返事が返ってくるだけだ・・・。
直感的な部分でもかなりのズレがあるので、「夏はイイね〜、涼しそうで」などという素っ頓狂な事を言われ、返答に
苦慮する事だってある。真夏の35℃の熱風が涼しいかどうかは、バイクに乗らずとも解りそうなものなのだが・・・。
おっと、愚痴っぽくなってもいけない。彼らは素直に疑問に感じた事を質問してきているだけなのかも知れない・・・。
それなのに、あまりに否定的に受け止めるのも考えモノだ。僕はいつもこのような場合、努めて冷静に、相手に不快感を
与えぬよう、聞かれたことに答え、時に「そちらは何処からいらしたんですか?」などと弾むはずも無い会話を弾ませようと
頑張ったりもするのだ。
「この単車、すごいね〜。これホンダ?」
何処を見て言っているのか・・・。『Kawasaki』の文字が目に入らないと見える・・・。それでも、バカ丁寧に川崎重工製で
あることを教えてあげる。と、その中の一人からお決まりのセリフが飛んできた。
「それにしてもデカイね。ナナハンかい?」
「いえ、900ccなんですよ。」
「ふ〜ん、あんまり大きいからナナハンかと思ったよ。」
・・・ダメだ・・・、訳がわからない・・・。もちろんご承知のとおり、ナナハンとは排気量750ccのバイクの俗称である。なのに
何故、まるで900ccのNinjaの方が小さいが如き扱いをうけるのだろうか・・・。
・・・推測の域を出ないが、おそらく『ナナハン』とは彼らの脳内で『ものすごく大きなバイク』という、やや誤った認識の代名詞と
化してしまっているのではないか・・・。
まぁ、僕もアナゴ君に初めて出会ったときに聞いたのは、カタナの排気量と最高速度だったし、アナゴ君の「ナナハン」という
言葉に、あまり深く考えずに驚いてしまっていたので人の事は言えないのだが・・・。
僕は彼らの次の一言を予測する・・・。おそらく、自分も昔はバイクに乗っていたという内容だろう。車種はおそらく『ラッタッタ』
か『陸王』、もしくは『メグロ』のはずだ・・・。
「俺も昔はラッタッタに乗っててよ・・・」
来たっ!当たりだ!・・・しかし、予想が当たったところで嬉しくもなんとも無い・・・。なぜなら、ここまで一方的に盛り上がられて
しまうと・・・話が長くなってしまうのだ・・・。
極々パーソナルな彼らの昔話が終了するのを、僕は時折、無感情な相槌を交えながら耐え忍んだ・・・。僕は努めて大人な
対応をしていたつもりだった。ライダー代表として、非ライダーに悪感情を植え付けぬよう繊細な注意を払っていた。
最高速だって「120km/hくらい」ということにしておいた・・・。とにかく僕は頑張った・・・。が、彼らの一人がNinjaのスロットルを
勝手に握り、そして回した時、僕は反射的に言い放ってしまった・・・。
「ちょっ!勝手に触らんといて!」
条件反射的に口から飛び出した故郷の言葉にビックリしたのは彼らだけではなかった・・・。しまった・・・やってしまった・・・。
どうも僕はバイクの事となると人格が変わってしまうようだ・・・。突然の険悪な雰囲気に、その場を逃げるように立ち去る
彼らの背中を見送る・・・。
彼らは観光バスに乗り込み、ほどなくしてバスは発進し、僕の目前から消えた・・・。
僕は自分の大人気なさを深く自戒しつつ、心中で自己弁護をする。だってそうだろう。これがクルマだったら、どこの世界に他人の
クルマの運転席に無断で座り込み、ハンドルやペダルを操作したりする者がいるだろうか?Ninjaは僕が汗水垂らして
勤しんだ労働の対価であり、自らの命を乗せて走る大切な相棒だ・・・。男性が気楽に触ったスロットルは、ライダーが自らの意思を
精密にバイクに伝達する為の大切な部位だ・・・。断じて、勝手に踏み込んでよいものではないのだ・・・。
僕は、バイクに乗るということが、ことさらに特別な行為であるとは思っていない・・・。いや、バイクが享受してくれる
楽しみや悦楽というものは、僕にとって「特別」なモノであることは否定しないが、バイクを運転するという行為そのものが、
選ばれし特別な人間にしか出来ない事であるという意識などは毛頭持ち合わせていない・・・。
・・・が、僕が時折出会う、彼らのような人達に対して感じる、この「異世界感」ともいうべき隔たり感は一体なんなのだろうか・・・。
バイクに乗る者、乗らない者・・・。個人的には、決して単純な感情論などで線引きをしたくないこの二つの「人種」の間に、
それでも時として厳然と横たわる目に見えない境界線を意識し出していた僕は、ライダーとして次のステップに踏み込もうとして
いたのかも知れない・・・。
後味の悪さを振り払うような、力強く心地よい愛車の鼓動は、僕をさらに北へと運んで行く・・・。
大沼の湖沼が太陽の光を浴びて美しくきらめき、駒ケ岳の雄大な山肌は美しい緑に萌えていた・・・。本州のものとどこか異なる
北海道の透明な空気が、目の前の風景をさらにひき立てる・・・。北上するにつれ、柔らかくなっていくかの如き風が、僕の心を
癒しへと導く・・・。
一台の観光バスを抜いた。おそらく先ほどの一行が乗ったバスだろう。
昼間から酒を飲んで、おじさん達はこの風景を見逃してはいないだろうか?空調の効いたバスの中で、この心地よき北の風を
味わい損ねているのではないだろうか?と、余計な心配をする・・・。
・・・バスはミラーの中で瞬く間に点になり、そして消えた・・・。僕は前を向きなおし、ただひたすらに走り続けた・・・。
120 :
774RR:2006/06/10(土) 00:17:00 ID:669xKWWW
もう最高!
これからもずっと! つC
121 :
774RR:2006/06/10(土) 00:17:57 ID:P/YzGaHF
ナンシーキタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!
122 :
774RR:2006/06/10(土) 00:21:12 ID:SJvhhGnt
123 :
774RR:2006/06/10(土) 00:24:54 ID:669xKWWW
リアル投下に、普段ROMだけだったのについ書き込んでしまった。
そしたらこのID。
124 :
774RR:2006/06/10(土) 00:40:14 ID:ZJLWmXKz
つC
魔棲雄氏は本物のライダー、そして本物の紳士だな!
同じニンジャ乗りとして共感することしきりだぜ!
もっとも、俺が同じようなシチュエーションに遭遇したら、
車種はホンダのカワサキで、排気量はナナハン!と胸を張って答えるが。
126 :
774RR:2006/06/10(土) 00:55:25 ID:ivajZZ8q
>>125 >車種はホンダのカワサキで
すまん、日本語に訳してくれ。
127 :
774RR:2006/06/10(土) 00:57:51 ID:669xKWWW
>126
>116-119
128 :
774RR:2006/06/10(土) 01:03:54 ID:grxmRZNZ
俺も昔、チャリなんだが、公園に止めて目を離してたら
子連れのジジイが俺のチャリにまたがらせて遊んでて頭に来たことがあったなぁ。
129 :
774RR:2006/06/10(土) 01:15:18 ID:nk7G261/
>>126 バイク知らない人はホンダやらカワサキを社名では無く、車名として捉らえている。
で、KAWASAKIってロゴがあるのに、「ホンダ?」って聞いてくる阿保にたいしての皮肉として「カワサキのホンダ。」って答え。
理解した?
130 :
774RR:2006/06/10(土) 01:18:24 ID:eYvQ9q0G
ナンシーktkr!!!
131 :
774RR:2006/06/10(土) 01:31:51 ID:oyisNdGI
>>129 中々上手いね
まぁ、まだ知らないが興味がってなのはまだ話は出来たりするが
知ったかぶりのみで語られるのは萎える('A`)家の隣にそういうオサーンが居る・・。
>>116で出てくる「大函丸」が懐かしい・・・あの頃、大間〜函館航路に就航していた
フェリーの名前だね、正確には「第三大函丸」だったはず。何度か乗ったなあ。
毎回、細かい描写まで手を抜かずに書いてくれる魔棲雄の中の人にGJ!&C
133 :
774RR:2006/06/10(土) 02:36:40 ID:xVizzc/4
イカ刺しで一杯やりながら
つC
134 :
774RR:2006/06/10(土) 02:57:10 ID:XOazcac4
俺がナンシーに引っかかったときもメグロ乗ってたって言ってたな・・・w
135 :
774RR:2006/06/10(土) 03:00:18 ID:4mchov7l
函館に住んでる俺が、見逃してる景色の表現に脱帽…orz
今度通る時はその辺の景色も楽しむよ。
つC
をい!釣果にワクワクして起きたのに、誰も一発目のエサに喰いついてくれないのかよ!
誰か>>同じニンジャ乗りとして共感することしきりだぜ! にツッこんでくれよ。
漢カワサキ乗りのヲっちゃんは淋しいゾ。orz=3
>>126>>129 ぼけ&つっこみトンクス。ぐるっぽー
>>136 え〜と、魔棲雄スレで同車種乗りktkr!!
138 :
774RR:2006/06/10(土) 09:35:30 ID:LfGvkuIv
出版社の社員が必死です
139 :
774RR:2006/06/10(土) 10:25:22 ID:k0MwdoVz
『奴ら』ってナンシーだったのか!
支援
140 :
774RR:2006/06/10(土) 11:24:11 ID:ew74iGAn
あ・・あの・・
すみません。ナンシーってどういう意味ですか?
141 :
774RR:2006/06/10(土) 11:30:12 ID:qFjJoWu6
>>140 「それ何cc?」
「それなんしーしー?」
「それナンシーしー?」
↓
ナンシー
142 :
774RR:2006/06/10(土) 11:34:58 ID:KzNWeeLt
これイクラした?
でイクラちゃん
143 :
774RR:2006/06/10(土) 11:40:24 ID:nk7G261/
嫁の家に住んで、苗字変えないだけで実質養子。でマスオさん。
144 :
774RR:2006/06/10(土) 12:29:34 ID:j8IeMCIQ
>126
東南アジアでは、「ファミコン」「ウォークマン」同様にバイクは全て「ホンダ」だそうです
で、
「これ、ヤマハのホンダ?カワサキのホンダ?それともホンダのホンダ?」
な会話が繰り広げられてるそうで
ハワイじゃゲームボーイは「ニンテンドー」でした
ポケモンは「ポックモン」と発音・・・
魔棲雄と全然関係無いッスね スマソ
146 :
774RR:2006/06/10(土) 13:07:47 ID:kxN4heck
147 :
774RR:2006/06/10(土) 13:08:17 ID:LfGvkuIv
148 :
774RR:2006/06/10(土) 13:47:37 ID:je6njSpO
S賀県の場合はISもGSもSCも全て「レクサス」だなぁ・・・
149 :
774RR:2006/06/10(土) 14:33:55 ID:S3EnIcoF
実はG阜県もだ
150 :
774RR:2006/06/10(土) 15:02:38 ID:L5frnG26
愛知県全域→名古屋県、トヨタ県
ヽ( `Д´)ノ
スレ違いだな、スマソ・・・。
151 :
140:2006/06/10(土) 15:11:40 ID:ew74iGAn
わぁー、みんな丁寧にありがとう!!
スッキリした!
152 :
774RR:2006/06/10(土) 15:55:37 ID:MEpT8YD5
ウチのかーちゃんは
家庭用ゲーム機のことはファミコン
携帯用ゲーム機のことはゲームボーイ
古本屋のことはブックオフ
ハンバーガーショップはマック
>>137 走ってみたい夢空間!同じ”ニンジャ乗り”として
カワサキ漢道(おとこみち)をオシャレに爆進したいですね!
俺はこれからも、あくまでこのバイクは”ニンジャ”であると主張しつづけます!
しかし、みんなGPZ250Rを知らないみたいだね。ヲジさんは悲しいyo(´・ω・)
よーしこの際パパ、白バイ野郎「☆TARA&TAMA☆」なんて作っちゃおうかな。
TARAが運転して、TAMAはシートカウルのPZRのフタとって入れてさ。
勿論、カラーリングは伝説のパールホワイトxピンクシート。ぐるっぽー。
154 :
774RR:2006/06/10(土) 16:39:17 ID:8KceRhYo
おっちゃん大丈夫か?
155 :
774RR:2006/06/10(土) 16:42:09 ID:bK1nta66
156 :
774RR:2006/06/10(土) 17:34:50 ID:lGJJFwL1
ポケモンで思い出したが英語でポケットモンスターはティソティソの隠語らしい
だからPOKEMON
157 :
774RR:2006/06/10(土) 19:03:08 ID:t1RuPknZ
>>145 じゃあハワイではPSPを「これソニーのニンテンドー?」って聞かれるのかな?
158 :
774RR:2006/06/10(土) 19:11:17 ID:nTK+UGS/
乙&支援!
別にある種類のモノを一般化して商品名?で呼ぶことには問題ないよ、その方が
分かりやすい場合もあるし。作者氏が言いたいのは、排気量の質問を受けて答えを
返してもそれに対する相手の返事がまったく意味が無いことが多いってことだと思うよ。
159 :
774RR:2006/06/10(土) 19:23:53 ID:k0MwdoVz
160 :
774RR:2006/06/10(土) 19:51:17 ID:XJg2LrlJ
おっちゃんおばちゃんのラップはどれでもサランラップだったり
使い捨てカイロがホッカイロだったりみたいな感じだな。
かゆい
う ま
161 :
774RR:2006/06/10(土) 19:51:44 ID:/L/I8mXC
>>152 ウチのかーちゃんも似たようなトコあるなw
コンビニ=セブンイレブンだ。
162 :
774RR:2006/06/10(土) 20:43:17 ID:bK1nta66
>>160 >かゆい
>う ま
おまいはゾンビかw
163 :
774RR:2006/06/10(土) 21:52:39 ID:t1RuPknZ
164 :
774RR:2006/06/10(土) 22:32:21 ID:ttEIf9kw
コマツのユンボ
パナソニックのウォークマン
トヨタのジープ
ソニーのファミコン
カワサキのホンダ
165 :
774RR:2006/06/10(土) 22:52:05 ID:VhaOWvCp
花王のファブリーズ
イナックスのウォシュレット
ゼブラのマジック
カワサキのホンダ
166 :
774RR:2006/06/10(土) 23:08:59 ID:wu1BMU+Q
auの写メール
ヤマハのカブ
167 :
774RR:2006/06/10(土) 23:30:30 ID:R234r0KP
フジのマジカル頭脳パワー(IQサプリ)
フジの筋肉番付(海筋肉王)
トヨタのオデッセイ
カワサキのホンダ
168 :
774RR:2006/06/11(日) 00:34:14 ID:CHy5JVI/
>>164 >トヨタのジープ
実際に有ったよ。
ヨタが弱小だった頃にね。
>コマツのユンボ
タダノでユニック(古河製)って言うと、
「ウチはZブームデス!」と帰って来たコトが有ります。
今年の夏季休暇はホカイドーに傾きつつ有ります。
作者様のせいでつよ。マッタク。で、つC
169 :
774RR:2006/06/11(日) 00:49:37 ID:lSAIRfnv
中学を卒業して一年。一年のブランクを空けて彼と再会したのは
郊外の峠(ヤマ)だった。
僕は、モンキー、彼はNSR50。二年に入って五月のアタマにあった中間テストの結果に
うんざりしながらも、ひさしぶりに自由にできる休日を手に入れ
暇をもてあそぶのがイヤでモンキーに跨ったその日の昼過ぎ。それが――
彼との一年ぶりの再会と相成ったわけだ。
山道を4st特有の太いトルクでのんびりと走っていた時だった。
乾いた排気音が後ろから迫ってくるのを聞き、余裕を持って車体を道の左側へ寄せながら
「早く抜いてってくれないかな〜」などと考えていたとき、
あっという間に一台の原付スポーツ車が後ろから僕を抜いていき
あっという間に視界から消えていった。
「はやいな〜」僕はメットの中で言葉をこぼしていた。
それから十分とかからずに山頂へ到着。
頂上のパーキングの端にに車体を停め、覚えたての煙草を吹かし青空を見つめながら
今日という日の自由を満喫していた。
後ろ斜め右から誰かを呼びかける声が聞こえた
「・・・じま?」「おまえ、なかじまだろ?」
振り返ることも無く青空を見つめる。
・・・・・・・・
どうやら呼ばれていたのは僕のようだ。
ゆっくり振り返る。
そこには中学校の面影を強く残したイソノがたっていた。
幼さを残すその顔とは裏腹にどこか違和感を感じずにはいられない
首から下の・・・・ソレなに?
「イソノか?」
僕はイソノ(僕の知識の外の衣服を身にまとった)の顔を
たっぷりと見つめた後にそう答えた。
170 :
774RR:2006/06/11(日) 00:57:59 ID:vvdjC0s3
171 :
774RR:2006/06/11(日) 01:32:49 ID:j2W7rB44
なんかキタコレ!
172 :
774RR:2006/06/11(日) 01:35:47 ID:lSAIRfnv
「や、やっぱりイソノだっ!偶然じゃないか〜どうしてこんなところにいるんだよ!」
「おー!やっぱりなかじまかぁ〜!人違いだったらどうしようかとおもった」
かみ合ってるのかかみ合ってないのか分らない様な会話。ソレが僕らの共通事項だった。
一度話のかみ合いをしっかりさせなくちゃな。
「ところで何で君はこんなところにそんな格好でいるんだい?」
「今日は天気が良かったからね〜」
「天気が良いとココへ来るのかい?」
「雨の日は来ないよ〜」
あれ?まだかみ合ってない。
「とりあえず、話の整理でもしよう。な?」
「そうだな〜おふざけはこの辺りでおしまいにしようか」
「イキナリの質問で悪いんだけどイソノのその服はなんだい?」
「あー、コレ?ツナギだよ」
「あとソレと、なにでココまで来たんだい?」
「あぁ、コレだよ」
そういって彼は僕の右5メートル先に停まっているマシンをあごでしゃくって
教えてくれた。――そう、彼のマシンNSR50
ん?コレって・・・さっき僕をぶち抜いていったマシンじゃないか?
「そろそろこっちも質問いいかな?」
イソノがイロイロと聞きたそうな顔をして(本当にしてたかどうかわからないけど)
僕に聞いてきた。
「お前は何でココまできたんだ?」
「あ、えーとソレ」僕は煙草をはさんだ左手を持ち上げモンキーを指差す
「なんだーさっき追い抜いたモンキーはなかじまだったのか〜
なにしにきたんだよ〜って言うかいつ買ったの?免許は?なぁ?いつだよ?」
彼はイキナリ興奮し矢継ぎ早に聞いて捲くし立ててきた。
173 :
774RR:2006/06/11(日) 01:49:45 ID:POxI+pxs
新しい波に
つC
174 :
774RR:2006/06/11(日) 01:50:41 ID:lSAIRfnv
うーん、このままだと、彼は興奮のあまり熱暴走をしてメインのCPUを焼いてしまうかも
しれない。旧友としてそれは見逃せない。
「ウォンチュ!」すばやくイソノの横に並んだ僕は上体をイソノのほうに15度ほど傾け
肩をぶつけるというコミュニケーションをとることにした。というかとった。
彼はわれに返ったらしい。
そこで僕は彼の質問に答えることにした。
「買ったのは免許を取る半月前で免許をとったのは半年前、今日は気晴らしのソロツーリングだ。」
「なんだ〜トバしにきたんじゃないんだ?」
「それじゃぁ何かい?イソノは飛ばしにきたのかい?」
イソノの二言目を予測しすばやく先手を打つ。
「そう、そうなんだよ。でも、もう一般車がでる時間だろ?だから下る前にのぼりを一本飛ばしてきた」
「じゃぁイソノはもう帰るところだったのか。俺も帰ろうかな〜」
「なんだ、なかじまも帰るところかじゃあ一緒に帰ろうぜ?」
「ああ、いいよ。帰ろうか」
その言葉を聴くと彼はマシンに歩み寄り、跨り、キーを挿し
キックをし、エンジンをかけた。
175 :
774RR:2006/06/11(日) 02:42:05 ID:lSAIRfnv
イキナリ現れてマジすいません。
ちなみにカツオのモデルは友人です。
当方リアルで猿乗りです。
お目汚し失礼しました
魔棲雄氏!北海道ガンガレ!!
176 :
774RR:2006/06/11(日) 03:57:09 ID:srLmP8q5
177 :
774RR:2006/06/11(日) 04:01:13 ID:Y+0Oyz7S
>>175 高雄パークウェイを想像したオレがいる。
なんか楽しそう(・ω・)
Cしまつwww
178 :
774RR:2006/06/11(日) 06:27:16 ID:e1k+zwuc
179 :
774RR:2006/06/11(日) 06:34:45 ID:nsWC/MlW
>>175 会話の内容なんかは雰囲気あって凄くいいと思うよ。
だけど、何かサザエさん臭がしないんだ。
180 :
774RR:2006/06/11(日) 08:42:17 ID:VUDqZoyg
マサルさんだからな
クリンナップ クリンミセス
181 :
774RR:2006/06/11(日) 17:27:16 ID:ENWLFtGE
182 :
774RR:2006/06/11(日) 18:22:07 ID:9P/cmtiX
じゃあ、俺はこれを貼ろう。
www.youtube.com/watch?v=dq7hkzz3TGs&search=%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%88%E3%82%82%E3%82%93
183 :
774RR:2006/06/11(日) 18:49:13 ID:1tSBQ5u8
昨日、奥多摩の都民の森に行ったら、ツナギを着てドカ999に乗った、
長身で白髪混じりの禿頭のご老人がいた。
思わず伊佐坂難物を思い出した。
184 :
774RR:2006/06/11(日) 22:45:53 ID:baAQLBIS
それ俺俺、オレだよ
185 :
774RR:2006/06/11(日) 22:47:02 ID:POxI+pxs
白髪混じりの禿頭ってのが納得いかん
いや、言いたいことはわかるがなw
186 :
774RR:2006/06/11(日) 22:53:10 ID:lSAIRfnv
よんだ本の数だけは負けるきがしなかったのに〜
べんきょっすね。作文の勉強もかねて図書室にある本をジャンル問わず
読んでみる事にします。
というか、昨日レス貰う前に続き書いちゃったんでソイツも推敲してみます。
なかじまほど闘争心の似合わない男はイナス
187 :
774RR:2006/06/11(日) 23:40:47 ID:srLmP8q5
>>186 つーかね、作文して発表するのは構わないけど、かなり文章力が乏しいよ。
自分の作品をもっと客観視するといいと思うよ。文章が主観的に感じるんだよね。
偉そうなこといってゴメンね。
188 :
774RR:2006/06/11(日) 23:41:51 ID:POxI+pxs
読書は量でなく質
とは何処かの妖怪作家の言葉
読んだ本の数自慢する香具師でまともに文章綴れる人間見たことないな
何読んでるの?って聞いたら
田中芳樹だの水野良だの西野維新だの・・・・
ライトノベルじゃねえかwww
ってことが往々にして。
189 :
140:2006/06/11(日) 23:45:53 ID:MNAaHYLg
>>187 > 偉そうなこといってゴメンね。
この一行があるだけで荒れずに済む。
大事なことだ
190 :
774RR:2006/06/11(日) 23:50:19 ID:POxI+pxs
俺には理解できない意味不明な文章は置いといて
×あごでしゃくって
○あごをしゃくって
×旧友としてそれは見逃せない
○旧友としてそれは見過ごせない
とりあえず本嫁
191 :
774RR:2006/06/11(日) 23:58:27 ID:lSAIRfnv
うわっ・・・参考になる。
やっぱり向いてないかな・・・・というか
俺、思いっきり蛙っすね。失礼しました。
またロムに戻ります〜
192 :
774RR:2006/06/12(月) 00:03:21 ID:POxI+pxs
いや、応援はしている。悪気はない。
精進して魔棲雄氏に追いつけ追い越せ
193 :
774RR:2006/06/12(月) 00:21:06 ID:dfmMM/9g
>>188 ×西野維新
○西尾維新
どうでもイイケドナ
194 :
774RR:2006/06/12(月) 00:34:51 ID:SHGCW3At
>>169といい、ガキがタバコ吸う作品が多いと感じるのは気のせいか?
195 :
774RR:2006/06/12(月) 08:58:58 ID:pHz5Vf54
アナゴさんは今頃刃の欠けた刀を研ぎ直すか、
より強い新たな刀を手にするかで葛藤している
んだろうか・・・?
196 :
774RR:2006/06/12(月) 11:24:33 ID:06chn8Cd
カブ70で草レース
197 :
初物:2006/06/12(月) 15:02:17 ID:nFmf0poS
つ[200ゲットなら免許センターに行って限定解除をやる!]
198 :
774RR:2006/06/12(月) 18:29:20 ID:W87gVSqm
200じゃなくても逝ってきなよ。
自分も近々逝ってくるから。
199 :
774RR:2006/06/12(月) 18:48:34 ID:GRE3dkqO
200GETなら就職してやるぜ!!
200 :
774RR:2006/06/12(月) 19:52:37 ID:i5wmTULB
200get
201 :
774RR:2006/06/12(月) 20:15:43 ID:2EiSMkgW
200ゲットなら…ごめんなさい
202 :
774RR:2006/06/12(月) 21:40:48 ID:cwKu6gVQ
>>200 なんでそんなに淡白にゲットしちゃうかな
203 :
774RR:2006/06/12(月) 21:51:44 ID:fMfhSQrI
2000げっと!
よーしパパ、240,000,000の瞳をゲットしちゃうぞ!ウホ!
| | | |
| ! | |
| │ 〈 !
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l |
| | /ヽ! | |ヽ i !
ヽ { | ! |ノ /
205 :
774RR:2006/06/13(火) 03:41:21 ID:qfTdL8Vu
age
206 :
774RR:2006/06/13(火) 04:49:10 ID:uoKgVMht
207 :
774RR:2006/06/13(火) 04:55:11 ID:PHS+/IcH
208 :
774RR:2006/06/13(火) 17:27:12 ID:fTaQgl6d
バブゥ〜
209 :
200:2006/06/13(火) 20:16:39 ID:TTBXHY/3
だって取れるとは思わなかったんだよ〜ん。
210 :
774RR:2006/06/13(火) 22:18:18 ID:iiJoGvbf
つC
執筆中です・・・。
今しばらく、お待ち下さいm(_ _)m
212 :
774RR:2006/06/14(水) 00:18:56 ID:iHsRjuJu
>>211 期待してますけど、慌てなくてものんびり待ちますヨ
213 :
774RR:2006/06/14(水) 00:19:30 ID:oWs8ULil
つC
214 :
774RR:2006/06/14(水) 02:13:23 ID:cExLJ6Wn
あせって書いて義務みたいになるより
マイペースで好きなように書いて欲しい今日この頃
つC
215 :
774RR:2006/06/14(水) 12:27:58 ID:YmrsRlAi
>>211 処でCBの1100Rだが、RBで良いのかな?
つC
216 :
774RR:2006/06/14(水) 23:30:12 ID:ONTtEd23
217 :
774RR:2006/06/14(水) 23:44:30 ID:3ghJPcDC
218 :
774RR:2006/06/15(木) 07:19:02 ID:zEaZMfCI
着底近し、age支援
219 :
774RR:2006/06/15(木) 10:35:38 ID:MQ03sC6j
つC
220 :
774RR:2006/06/15(木) 12:25:45 ID:qnaHY8Dg
支援age
221 :
774RR:2006/06/15(木) 12:29:49 ID:QyPkOzn9
つC
222 :
774RR:2006/06/15(木) 16:17:14 ID:LsvLipmK
まとめサイトが落ちた件について
223 :
774RR:2006/06/15(木) 19:15:48 ID:VIXblAG+
ギョーブツたんのやつじゃないほうでしょ?
アドレスちょっと削ってみほ。
移転だってさ。
224 :
774RR:2006/06/15(木) 21:39:55 ID:RnGWJfWf
【SCENE71】
陽炎に揺らめき、地平線に消える直線路・・・。その道の先に、真っ白な城の如くそびえる入道雲・・・。そして頭上には
吸い込まれるように透明な青空・・・。
そろそろ、いい頃だろうか?僕は、この大地を貫く美しきストレートに居るのが自分だけである事を確認すると、ステップに
立ち上がり、両の腕を天に突き上げた・・・。
僕は北の大地の懐に居た・・・。ほとんど、この景色と風を独り占めするだけのために、遥々東京からここまで走ってきた
ようなものだ・・・。
最後にブレーキレバーに指を掛けたのはいつだったろう・・・。最後にウィンカーを点滅させたのはいつだったろう・・・。
ただひたすらに前に向かって進むという、バイクという乗り物にとっての根源的でありながら中々にして実現できない
シチュエーションに身を委ねられる幸せを、僕は噛み締めていた・・・。
月並みな表現である事は百も承知で、それでも言わせてもらえれば、北海道はやはりライダーにとって「天国」だ。
これほどまでに、愛車と自らが一体となって走ることに集中できる場所が他にあるだろうか?
おそらく海外には、北海道以上のスケールを持った雄大で広大なフィールドもあるのだろう・・・。だがしかし、これほど
までにバイクに乗る事そのものに集中できるのは、日本国内であるという安心感も寄与しているのだろうし、
それに、聞くところによると、アメリカやオーストラリアの直線路は、それこそ砂漠や土で構成されただだっ広い荒野を
数時間連続で走っても全く景色の変わらないようなところもあるというが・・・、それでは広すぎなのだ。
真っ直ぐなストレート・・・。豪快なワインディング・・・。耕作地帯・・・。森林地帯・・・。海・・・。山・・・。そして都市・・・。
ほどよい広さの北海道は、実に絶妙な配分で景色を移ろわせ、ライダーを飽きさせる事が無い。
知らず知らずのうちに溜まっていた都会暮らしのストレスは、一瞬のうちに北海道の柔らかな風に溶けて、消えた・・・。
直線路の先に、久しぶりの前走車の姿が見えた・・・。
そのクルマは、遥か後方からでも右に左に蛇行し、怪しい動きをしているのが見て取れた。
3ケタに届こうというスピードでクルーズしていた僕は、徐々にそのクルマに追いついていく。すると、その忌まわしき
状況が明らかになった・・・。
本州ナンバーのそのクルマの前には、バイクが居た・・・。荷物満載のアメリカン。
そのクルマは、前走するそのバイクを煽っていたのである。今にもぶつかりそうな距離で蛇行を繰り返す日産セドリックは、
その「愉快な行為」にご執心と見え、僕が追いついた事にも気がついていないようだった。
男性のものと思われる頭が、運転席と助手席に二つ見えた。ルームミラー越しに、ドライバーのサングラスと醜い笑顔が
見えた・・・。
その行為はあまりに悪質だった・・・。そのアメリカンは決して遅いペースで走っていたのではない。80km/hは
出ていただろう。それに、追い越し禁止区域でもなければ、対向車が来るわけでもない。後ろについて走るのが気に
喰わないのであれば、さっさと先に行ってしまえばよいのだ・・・。これは、明らかにバイクを煽る行為そのものを楽しんで
いるのは明白だった・・・。一つ印象的だったのは、ビッグアメリカンに乗ったその男性が、後ろで起こっている出来事に
対して全くの無反応で、マイペースの走りをしている事だった。
自分に降りかかった災難ではない。が、僕は一瞬にしてヒートアップした・・・。同じバイク乗りが、このような悪質な行為に
晒されている事はもちろん許せなかったし、何時何処の人間が決めたのかも知らぬ「公道はクルマのもの」という
既成概念の中で、邪魔者扱いを強いられる二輪車を取り巻く環境に抱いていた怒りをぶつける絶好のチャンスだった
のかも知れない・・・。
とにかく・・・次の瞬間に僕は白線をまたぎ、セドリックの右隣に移動していた・・・。
227 :
774RR:2006/06/16(金) 00:08:23 ID:SNwszzcx
あーっもっと読みたい!!つC
相手からしてみれば、突然に現れた大型スポーツバイク。つまらない宴に興じていた二人の青年は、驚いた顔をしていた。
その数秒間の並走の中で、僕は相手に向かって左手で挑発的なサインを送る。そして、クラッチを切りスロットルを
大きく開ける・・・。
ノーマルサイレンサーでも、これほどの至近距離でレッドゾーンまで回せば、威嚇には充分だ。僕はクルマの二人の
顔色がふざけて緩んだ顔から、怒りの表情に変わったことを見届けると、やや加速する。
バックミラーの中で、セドリックはアメリカンバイクを追い抜き、僕にぐんぐんと接近してくるのが解る・・・。そうだ、来るんだ!
アメリカンが大きく引き離された事を確認すると、僕はNinjaの持つ「本当の加速」をした・・・。
僕はこのセドリックとのバトルも視野に入れていたのだが・・・次の瞬間、相手はバックミラーの中で小さな点になり、
二度とその姿を写すことは無かった・・・。
なんて張り合いが無いのだ・・・。僕は一人で勝手に高鳴らせた心臓の鼓動を感じながら、様々な意味での空しさに
包まれていた・・・。
つまらない人間の下らない行為に対して、直情的に反応してしまった自分の大人げなさや、その後のクルマのあまりにも
不甲斐ない走りも去ることながら、バイクに乗っていると時折遭遇する、バイクに乗らない者からの一方的な悪意に
対して、僕の若い魂は怒りと共に一抹の寂しさを引きずっていた・・・。
229 :
774RR:2006/06/16(金) 00:09:50 ID:Fw/iEx73
初遭遇w
その日の夕方、僕はNinjaと共にキャンプ場に居た。バイクをサイトまで乗り入れられる、バイク乗りとしては理想的な
キャンプの出来るキャンプ場。
テントを張り終え湯を沸かす準備をしていた僕の耳に、心地よいVツインサウンドが聞こえて来た・・・。音の方向を見ると、
一台のアメリカンバイクがいままさにキャンプ場に到着したところだった・・・。
当時、その手のバイクに詳しくなかった僕は、そのバイクをHarley−Davidsonだと決め付けて疑わなかった。が、今に
なってよくよく思い返してみると、そのバイクはIndianに違いなかった・・・。
そして、そのあまりにも特徴的なそのバイクは先刻クルマに煽られていたバイクである事も間違いなかった・・・。
夕陽によく映えるIndian Chiefに跨る細身の初老の男性は、Ninjaの姿を見つけると僕に向かって左手を挙げ挨拶を
してきた・・・。
白く長い髭の中で、彼の口元は優しく微笑んでいた・・・。
231 :
774RR:2006/06/16(金) 00:23:11 ID:zWXLVtud
ま、まさか・・・
232 :
774RR:2006/06/16(金) 00:25:47 ID:THyWUPzP
ヒデじいが一瞬浮かんだ。
233 :
774RR:2006/06/16(金) 00:34:16 ID:LtwpYyUu
うおおぉぉぉぉぉ!?
チーフ キター!
つC
234 :
774RR:2006/06/16(金) 00:35:43 ID:3xvU2Jnu
>白く長い髭 って
裏のあの人か!
235 :
774RR:2006/06/16(金) 00:44:41 ID:wpbSIOf0
ヤギか?
236 :
774RR:2006/06/16(金) 01:00:36 ID:jII7nchB
237 :
774RR:2006/06/16(金) 01:03:00 ID:73q0ETzS
めぇ〜
238 :
774RR:2006/06/16(金) 01:13:51 ID:u6WF+qg9
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
239 :
774RR:2006/06/16(金) 08:49:44 ID:NlGh2Srb
おおっ、だんだんマスオさんが魔棲雄になっていく。
240 :
初物:2006/06/16(金) 10:32:21 ID:w3zLs1GM
つ[くそー、書籍化されたら絶対買うのに!]
241 :
774RR:2006/06/16(金) 10:49:41 ID:HaDe4BRd
ハイエナはカエレ
242 :
774RR:2006/06/16(金) 10:58:41 ID:6U8vwjQp
つC
作者さんありがとう
243 :
774RR:2006/06/16(金) 13:31:48 ID:2KKvKG2P
僕はNinjaの持つ「本当の加速」をした・・・
かっけぇ〜
つC
244 :
名無しさん@そうだドライブへ行こう:2006/06/16(金) 14:13:11 ID:I3N5fINa
よーし、俺も原チャリ(女の子限定)をいぢめる悪い四つ輪を懲らしめてやろう。
245 :
774RR:2006/06/16(金) 15:41:01 ID:i4RMQiCz
読んでると本気でワクワクしてしまう。
バイク乗ってないとわからない表現がたまらない!!
246 :
774RR:2006/06/16(金) 18:57:09 ID:jKe859tg
ヤギ吹いた
247 :
774RR:2006/06/16(金) 23:31:32 ID:9YoQcxzH
毎度乙で御座います魔棲雄様
248 :
774RR:2006/06/17(土) 00:45:57 ID:HpDv33bi
249 :
774RR:2006/06/17(土) 00:53:24 ID:Awt8c7RK
250 :
774RR:2006/06/17(土) 01:41:16 ID:tqjjCP8B
ピサロ…いやすまん。なんでもない。
つC
251 :
774RR:2006/06/17(土) 12:15:40 ID:pAJb2FFh
代打の神様、もしくは今年の新人王候補、もしくはサバンナ
252 :
774RR:2006/06/17(土) 19:45:00 ID:sHB64bfN
253 :
774RR:2006/06/17(土) 23:50:38 ID:HpDv33bi
>>252 知ってるし、ヤギ汁も食ったことあるし
そしてそんなレスを期待してたわけじゃないし
254 :
774RR:2006/06/18(日) 02:17:43 ID:T2VeUP6i
はいはいわろすわろす
255 :
774RR:2006/06/18(日) 16:33:37 ID:z3ngt8uc
保守
256 :
774RR:2006/06/18(日) 21:53:22 ID:DufB9Rht
wktk
【SCENE72】
「あんな連中は、どこにでもいるもんだよ・・・」
Indian乗りのその男は焚き火に枯れ枝を放り込みながら言った。
僕のテントの隣に今晩の宿を決めた彼と僕は、あまり人気の無いキャンプ場の片隅で、語り合っていた。
涼しい夜風が焚き火を揺らし、木々の枝のざわめき以外の音といえば、遠くで梟の鳴き声が時折聞こえるだけだった。
静かな夜・・・。それぞれの愛車が、焚き火の柔らかい明かりに照らし出されていた・・・。
初老の男性・・・と言っても、彼の風貌を説明するには、60歳前あたりの一般的な日本人男性のそれで説明するには
不適切だった・・・。
長身の彼は病的に細く長い手足をしていた。Tシャツの袖から覗く二の腕は鶏がらのように細く、それでいてうっすらと
しっかりとした筋肉に覆われていた。あまりに細い革パンから、両の足についても同じ様子である事が伺える。
こけた頬から顎にかけて、白い髭で覆われていた。年齢に似つかわしくない力強く、そして優しい瞳・・・。
話はいつしか、昼に出会った悪質運転のクルマの事になっていた・・・。
「どうしてあんな事するんでしょうか?」
「・・・さあてね?彼らからしてみれば、俺達は異質の人間なんだろうね・・・。」
・・・函館で出会った観光バスの旅行者が脳裏をよぎる・・・。
「キミはバイクに乗る前、近づき難いイメージが無かったかい?バイクにも、ライダーにも」
初めてカタナに目を奪われ、アナゴ君に出会った日の事を思い出す。
・・・確かに、バイクという乗り物はそれを知らぬ者からしてみれば、触れる事すら躊躇われる『特別な乗り物』という
印象が強い・・・。それは、街を走るほとんどの四輪車が、生活の利便性向上の為という存在理由からどうしても
『日常感』を拭いきれない事からも逆説的に説明できよう・・・。
そう、バイクとは『非日常』といういわば『異世界』へと旅立つ為の乗り物である以上、その世界を知らぬ者にとっては
近づき難い印象を持つことは、なんら不思議な事ではないのかも知れない・・・。・・・でも・・・だからと言って・・・。
「だからって、嫌がらせをすることは無いんじゃ・・・」
「人は、自分の理解の範疇を超える存在を、疎ましく思ったり排除したりしようとするもんさ。それに、自分が乗る事の
出来ない未知の乗り物で、気持ちよく風を切って走っている僕らがうらやましいのかも知れないな」
焚き火の中で、枝が跳ねた・・・。
「自分達の理解不能の人種を排除しようとしたり、持たざるものが持つものを妬ましく思ったり・・・。それが時にして
攻撃性に発展するあたり、戦争が起きる仕組みに良く似ているのかもな・・・。」
・・・僕は難しい話は良く解らなかった・・・。しかし、僕は納得がいかなかった・・・。彼が自ら被った、クルマからの
嫌がらせに対し、まるで他人事のように話すその姿に・・・。
そういえばセドリックが彼の背後で挑発を繰り返す間も、彼は我関せずといった風に、全く意に介していなかったのを
思い出した・・・。
・・・悔しくはないのだろうか。バイク乗りとして・・・。男として・・・。気がつくと、僕は彼に対して率直な意見を述べていた。
「悔しくないんですか?僕は・・・悔しいです・・・。」
彼はおもむろにウエストポーチからバーボンの小瓶を取り出し、栓をあけながら言った。
「それで、キミはその度に今日のようにああやってやり返すのか?それこそ戦争の理論だな。何もあんな奴らのレベル
に、自分から降りていく必要は無い・・・。」
僕の質問に答えず、そして諭すような彼の言葉に、僕は少し腹が立った。
「でもっ!」
そんな僕の言葉を遮るように、彼は僕の目の前にバーボンの注がれたショットグラスを突き出した。彼はグラスを僕に
渡すと、もう一つのグラスに自らの分を手酌しながら言った・・・。
「楽しいからバイク乗ってるんだろ?バイク乗ってカッカしちゃいかん。な?」
そう言って微笑む彼の笑顔に、僕は次の言葉を失った・・・。
彼は僕の質問に対し、直接的な回答を何一つしていなかったが、それでも彼のその一言は僕の質問と苛立ちに対する、
遠く、そして確かな回答であるように思えた・・・。
その後、彼に様々な事を教わった。酒の呑み方や、ロープの結び方。ネイティブアメリカンや北海道のアイヌなどの
先住民族の豊かな文化・・・。音楽や映画・・・。人生経験豊富なその説得力あふれる言葉の一つ一つに僕は吸い込まれて
行った・・・。
連日の、バイク乗りではない人々から受けた後味の悪い思い出と、それらをきっかけに噴出していた憤りが、溶けるように
消えてゆくのを感じた・・・。
不思議な人と過ごす不思議な夜は、満天の星空の元で過ぎていった・・・。
翌朝、テントの中で未だ深い眠りにつく僕の耳に、心地よいVツインサウンドが遠くに聞こえてきた・・・。
あまりにも心地よい、その心音の如く有機的な音を聞きながら、僕はしばしまどろんでいたが、ハッと我に返り、テントを
飛び出す。
遅かった・・・。Indianの男性は立ち去った後だった・・・。既に姿の見えなくなった彼が残した余韻の如く、Indian Chiefの
駆けていく音が早朝のキャンプ場に響いていた・・・。
名も告げず、風のように去っていったその男・・・。不思議な人だった・・・。たった一晩の出会いだったが、確実に僕は
ライダーとして大切な何かを貰ったような気がした・・・。
テントを撤収し、僕もまた今日一日の旅支度を整える。大きなバッグをNinjaのリヤシートに括り付けている時、ふと
バックミラーステーに何かが巻きついているのに気がついた。
アイヌ紋様らしきステッチの施された、ハンカチとしてはやや大きい布・・・。この大きさはバンダナだろうか?
一体、誰が・・・?そんな僕の疑問は、その布をほどき、広げたところで氷解した。
『Easy Go!』
サインペンで書きなぐられたアルファベットが目に飛び込んできた・・・。
・・・彼だ・・・。格好つけすぎだ・・・。僕は笑顔でそのバンダナを丁寧にたたみ革ジャンのポケットに押し込んだ・・・。
キャンプ場を後にして、僕はNinjaとともに風を切る。僕は思わずひとり呟く。
「・・・気楽にいこうぜ・・・。」
今日はどんな出会いが待っているのだろうか?
261 :
774RR:2006/06/18(日) 22:48:22 ID:GQDVF10h
キター
つC
幾つか連絡を・・・。
え〜、今回のIndianのおぢさんは、サザエキャラでは御座いませんw
前スレ
>>212さんの先輩のお言葉から、勝手ながら一言拝借させて頂きました。
あまりに心に残ったものですから・・・。
今さらながら御先輩のご冥福をお祈り申し上げます。
263 :
774RR:2006/06/18(日) 22:52:25 ID:CEfbCR2S
ハーフタイムにキター
つC
264 :
774RR:2006/06/18(日) 23:38:40 ID:RKwBId9e
なんかサヨ思想はいってきた?
265 :
774RR:2006/06/18(日) 23:39:36 ID:xwNhbld6
キテタ――(゚∀゚)――!!
つC
266 :
774RR:2006/06/18(日) 23:46:31 ID:XZiD7+nA
ちょっと春樹っぽい文章。
イイ!
267 :
774RR:2006/06/19(月) 00:12:30 ID:uw/j2jaS
わっふ…ちがった
つC
268 :
774RR:2006/06/19(月) 00:19:06 ID:0XCGqTHr
269 :
774RR:2006/06/19(月) 00:51:46 ID:Pi9A0qGN
北海道で出会った一人目の人がこういう考えなだけであって
これから道内を回ればブリバリな人とか色んな人と触れ合うんでしょ。
そしてフグタ君は徐々に魔棲雄に変わっていく・・・
っていう予想をしてみた。
270 :
774RR:2006/06/19(月) 10:26:19 ID:ttqpxLj0
右とか左とかじゃなくて、バイクが楽しめればそれでいい
271 :
774RR:2006/06/19(月) 14:40:28 ID:xj0bUKXw
272 :
774RR:2006/06/19(月) 14:54:22 ID:D6lNhRmo
支援age
273 :
774RR:2006/06/19(月) 19:51:00 ID:JOCqcoWM
毎度鳥肌が立つほど素晴らしい内容だぜ!!
つC
274 :
774RR:2006/06/19(月) 20:02:19 ID:PMQlv3sB
諭される事に食ってかかるマスオ・・
免許取り立ての頃のジブンと重なってアスホールがテラカユスwwww
275 :
タマ:2006/06/19(月) 20:41:58 ID:oigDoDPU
ニャー。
つC
276 :
774RR:2006/06/19(月) 20:54:05 ID:mIsrLhuP
このスレのおかげで営業車で走る第三京浜が楽しくて
しょうがない俺がいる。
わっふるわっふる
277 :
774RR:2006/06/19(月) 20:54:56 ID:eDRNJPbR
でもっ!
>>264 気がついて頂き、ありがとうございますw
「こういう人は左寄りが多い」(どういう人だよw)という勝手な妄想から、
やや左テイストで描いて見ました。
最初はもう少しハッキリと左寄りな雰囲気を前面に推し出していましたが、
推敲した結果「・・・なんか荒れそう・・・」と思い、マイルドに変更しましたですw
かくいう私は、あえてどちらかと問われれば右かなぁ〜。
と言っても「それでもこの国が好き」程度の、これっぽっちの主義主張も
持たない能天気野郎なのですが・・・。
右・左の話は、時として不毛な議論になる場合がありますのでこの辺にしときます。
若きマスオが、世の中の様々な人と出会う・・・程度のお話と思ってくださいm(_ _)m
さぁて次回のマスオさんは〜
・・・初めて女性キャラが登場・・・
ンガックック♪(・∀・)
279 :
774RR:2006/06/19(月) 22:24:11 ID:hm2wlNg9
ワ、ワカメちゃん??
280 :
774RR:2006/06/19(月) 23:08:08 ID:uw/j2jaS
ウキエさん??
281 :
774RR:2006/06/19(月) 23:13:54 ID:5Bxo9kY+
>>279-28 どちらも若すぎるだろwwww
ここで船さんが華麗に登場!?とか・・・いや、まさか北海道で"あの女性"に出会うのか・・・??
激しく支援。
282 :
774RR:2006/06/19(月) 23:20:52 ID:TZHi4NIC
あの女性……?
裏のお婆ちゃんか!Σ(゚д゚)
283 :
774RR:2006/06/19(月) 23:27:15 ID:ACWIij5p
さry
284 :
774RR:2006/06/19(月) 23:52:15 ID:Fml/g145
ちげーよ!
不動産屋のむすry
285 :
774RR:2006/06/20(火) 00:08:07 ID:MPFSWhP3
ノリスケと結婚する前にマスオとry
286 :
波平物語:2006/06/20(火) 00:09:14 ID:C/RllFKB
いやいやフネさんはプレスの新人歓迎会で波平と銀座で知り合うからry
287 :
774RR:2006/06/20(火) 00:13:35 ID:UP4L25tp
意外とノリスくぁすぇdrf前にタイtgyふじこlp
288 :
774RR:2006/06/20(火) 00:16:22 ID:UP4L25tp
>>285 スマン、ネタが被った
あまりに熱いんで何度も読み返してたもんで
手屁♥
289 :
774RR:2006/06/20(火) 00:38:08 ID:OOR7aW0l
オフ車に乗ったあのコかな…
290 :
774RR:2006/06/20(火) 00:47:19 ID:K0mUIy5S
そろそろアタイの出番か
291 :
774RR:2006/06/20(火) 07:07:06 ID:DA7FSkd1
ニャー
292 :
774RR:2006/06/20(火) 07:51:17 ID:gL9Bh+rz
293 :
774RR:2006/06/20(火) 12:27:15 ID:2iKnwzS0
ウキ(ry
294 :
774RR:2006/06/20(火) 12:29:38 ID:nYCxWWhP
やっぱあのヒトしかいないよなぁ
つC
295 :
212:2006/06/20(火) 12:39:49 ID:YObW5fA6
>>262 あの言葉の数々は先輩も何方からか頂いたと聞きました。
もし後々に受け継がれていく、数あるバイク乗りに言葉のひとつにでもなれれば、
先輩も嬉しく思ってくれるはずです。
ほんとにありがとうございました。
296 :
774RR:2006/06/20(火) 14:22:14 ID:ENPjVLih
297 :
774RR:2006/06/20(火) 20:22:28 ID:IUeOKv4O
入り江…いや、何でもないっす。
298 :
774RR:2006/06/20(火) 21:27:04 ID:2cOhMiTP
まさか町子センセイ…
【SCENE73】
僕は摩周湖を望む展望台で、間抜けにも口を開けっ放しでそのあまりにも美しい風景に釘付けになっていた。
深い青をたたえる湖面にカムイシュ島と呼ばれる岩島がアクセントのように浮かぶ・・・。
湖面は、急峻に落ち込む山肌に囲まれた、おいそれと人が近づけない遥か眼下であり、それがまた神秘性に
拍車を掛ける・・・。
アイヌ語でカムイトー・・・『神の湖』と呼ばれるこの湖は、そう呼ばれる理由を疑う余地など無かった・・・。
摩周湖を初見で霧に邪魔されずに見られた者は、晩婚もしくは出世できないなどと言うジンクスがあるが、結果から
言うと結婚に関しては、それは僕にはあてはまらない。後者については・・・まぁよい・・・。
とにかく当時の僕は、特に女性に対しては非常に奥手であった為、その数年後に結婚をしようなどとはその時は
夢にも思わなかったし、もちろんその当時に恋人などいようはずも無い・・・。
「バイクが恋人」などという、悲惨な言い訳を自身に言い聞かせながらもその実は、未知の領域である『恋愛』が
心のどこかで気になり始めていた青春時代・・・。バイクがきっかけで心が外に向き始めていた僕にとって、それは
自然な事だったのかもしれない・・・。
夏の北海道を舞台に、二つのタイヤに想いを乗せ、風を切って駆け巡る旅人はライダーだけではない。
もう一つの二輪車での旅のカタチ。それは俗に『チャリダー』と呼ばれる自転車乗り達だ。
彼らは延々と続く直線路や、長く険しい峠道を自らの足が生み出すエネルギーにのみ頼り、走破するという、タフさ
で言えばライダーの上を行く存在である・・・、がその彼女は少し異質な存在だった・・・。
これは、そんな自転車に乗った彼女との、出会いと淡い初恋の物語である・・・。
摩周湖の感動を引きずりつつ、僕はキャンプ場へ向かう。今日の目的地は、東京出発翌日に雨の中で出会った
北海道帰りのライダーが教えてくれた開陽台キャンプ場。摩周湖から東へおよそ30kmの、広大な酪農地帯を見下ろす
高台に造られたキャンプ場だ。景色がいいと聞く。楽しみだ。
陽は沈みかけ、目に入る全てが赤く染まり始める。長く伸びたNinjaと僕の影法師が先を走る。心地よい夕方・・・。
そんな人気の無い真っ直ぐに伸びる農道で、ふと前方から僕の目に飛び込んできた人の姿があった・・・。
自転車が路肩に倒れていた。その傍らで、何か作業をしている人の姿。そのロードスポーツ車に括り付けれれた
サイドバッグが旅行者である事を物語る・・・。何かのトラブルだろうか?
僕はNinjaをその脇に停め、声を掛ける。
「大丈夫ですかー?」
突然の呼び掛けに驚いてこちらを向いたその人を見て、僕もまた驚いた・・・。女性だった・・・。
夕陽の中にたたずむ、栗色のショートヘアーのその人は美しかった・・・。
・・・僕は、声を失った・・・。
誰もいない原野で、バイクに乗る男に突然に声を掛けられれば、それは驚きもするだろう。
彼女は、少し怯えた顔をしながら言った。
「あ、えっと、パンクしちゃったみたいなんです。」
前述の通り女性に対して奥手の僕は、ほとんど初体験であろうそんなシチュエーションを前に、一瞬思考回路が停止
したが、寸でのところで我に返る。
バイクを降り、ヘルメットを脱ぎながらやっとのことで次のセリフを紡ぎだす。
「ちょ、ちょっとみせてもらえますか?」
頑強な大型バイクから降りてきた男のヘルメットの中身が、丸メガネをかけた優男だった事に彼女の緊張はやや
和らいだようだった。
「パンク修理・・・やった事が無くて。どうしたらいいのか・・・。」
何時から自転車と格闘していたのだろう・・・。白魚のような彼女の手指は黒く汚れていた。リムにはタイヤレバーが
差し込まれてはいたものの、タイヤをホイールから外すには至っていなかった。
・・・良かった・・・。高校時代の自転車通学で、自転車のパンク修理技術を体得しておいて本当に良かった・・・。
彼女のパンク修理キットを駆使しながら、僕は慣れた手つきでタイヤをホイールから引き離す。
「わぁ!すごい、すごい!」
彼女は初めて笑顔を見せた。・・・僕は、流暢に作業を進めるように装いながらも、緊張の絶頂に居た・・・。
その時、何を話したのか、まるで覚えていない・・・。覚えているのは僕が作業を進めていく度に、感嘆の声をあげて
いることだった。
彼女は、僕のすぐ隣で膝を抱えてしゃがみこみ、時に身を乗り出して僕の作業を注目し、パンク修理に関する質問を
投げ掛ける。
・・・夏の西日を受けながら、慣れない作業を続けていた彼女のTシャツは汗でしっとりと湿り、下着がうっすらと透けて
見え、時折胸元がきわどい角度で僕の目線に入り込む・・・。
・・・僕にとってあまりに刺激的なそれらに対し、僕は目のやり場に困り果てる。投げ掛けられる質問に対しては上の空・・・。
僕は緊張と困惑の極地に居た・・・。
彼女からは、育ちの良さを随所に感じ取る事が出来た。言葉使いや身のこなしからも上流階級らしさを感じ取れたが、
その一方で全くと言っていいほど警戒心の無いところも、世間知らずのお嬢様らしさを感じさせた。
修理が終わる頃には、太陽は地平線に消えかけていた。
「本当に助かりました。ありがとうございます。」
彼女の自転車の後輪は完治したが、もう夜がそこまで迫っていた・・・。僕は彼女にこれから何処まで行くのかを聞いた。
「釧路です。」
僕は驚いて思わず「えっ!」と声を上げる。釧路はここから100km近くも離れている。とてもこの時間から自転車で
移動するような場所ではない。聞けば、大学の仲間達と北見方面から美幌峠を越えて来たのだが、峠を越えるのが
最も遅かった彼女は、弟子屈付近で道を間違えはぐれてしまったようだった・・・。
「・・・困ったなぁ・・・」
狼狽する彼女に対し、僕は思わず言ってしまった。
「この近くに開陽台っていうキャンプ場があって僕はそこでキャンプするつもりです。よかったら今晩はとりあえず御一緒
しませんか?」
言った後で、取りようによってはとんでもない事を言ってしまった事に気がつく。言い訳するつもりは無いが、僕の
誘いに全く他意は無い・・・。当時の奥手な僕が、そこまで知恵を働かせて女性を誘えるはずなど断じて無い。困っている
旅人仲間に対しての助け舟のつもりだったのだ。・・・言い訳に聞こえるだろうか・・・?
まるで誘いを掛けるかのような僕の申し出に自分自身が驚き、そして自己嫌悪している側から、彼女は嬉しそうに答えた。
「本当ですか!?何から何までありがとうございます!」
彼女はそう言うと、初めて自分の名前を告げた・・・。
「私、入江タイコと申します。今日は本当に助かりました。」
・・・僕の胸は、バイクと接している時のそれとは異なる高鳴りに包まれていた・・・。
304 :
774RR:2006/06/20(火) 23:43:47 ID:0kYYuRhu
つC
305 :
774RR:2006/06/20(火) 23:51:07 ID:fJNvCn5f
たたたたいこさんキタ━━(゚∀゚)━━!!キター
306 :
774RR:2006/06/20(火) 23:53:59 ID:6T97Pgp3
くそうっ!裏のお婆ちゃんじゃなかったか!
タイ子さんがチャリダーとはライダー兼チャリダーとしては嬉しい誤算です
つC
307 :
774RR:2006/06/20(火) 23:59:11 ID:+fDzX44+
キャーーーxzdsツx5tン!!!111234!!1
つ千円
308 :
774RR:2006/06/20(火) 23:59:12 ID:TQTMbtl+
わっふ…ちがった
wktk
つC
309 :
774RR:2006/06/21(水) 00:06:31 ID:Rm91oCjU
そうキタかっ!
CCCCCC
310 :
774RR:2006/06/21(水) 00:23:24 ID:HWqPhYTB
wktk
311 :
774RR:2006/06/21(水) 00:28:34 ID:nkF4uKAe
この後どうなるかとっても楽しみ
つC
312 :
774RR:2006/06/21(水) 00:31:18 ID:teiYGpKC
タイ子さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
正直、このスレのお陰で夏休み200時間労働に耐えるつもりになったお
バイトがんがる
っC
313 :
774RR:2006/06/21(水) 00:43:52 ID:IJ+Jdxe+
調べてみたら、本当にタイコさんの旧姓「入江」なんだ。
よく調べてるな、作者の人。
いつの間にやらサザエさんの設定にも詳しくなってる
自分がいる。
そのうちにこのスレが「磯野家の謎」を超えたりして。w
314 :
774RR:2006/06/21(水) 01:05:22 ID:t9CJRiG4
タイコさんC
315 :
774RR:2006/06/21(水) 01:25:34 ID:UDf0v5/1
太鼓ktkr!
つ\4
316 :
774RR:2006/06/21(水) 01:26:29 ID:Vjl9LMQt
つC
317 :
774RR:2006/06/21(水) 01:31:26 ID:jFgzrU5J
つC
318 :
774RR:2006/06/21(水) 04:35:18 ID:FzG7atGA
そ、そうくるのかー
もう、このスレから目が離せない。。。
319 :
774RR:2006/06/21(水) 05:31:14 ID:FddgtITA
320 :
774RR:2006/06/21(水) 05:31:29 ID:+W+zzBO8
初恋の人がタイ子さんで、
その夫の従姉妹がサザエで…
運命って凄いな
321 :
774RR:2006/06/21(水) 05:36:38 ID:Vjl9LMQt
従姉妹とセックルしたことありますぜ、マジで。
322 :
774RR:2006/06/21(水) 06:45:43 ID:oQXOyTuG
ワッフルワッフル
323 :
774RR:2006/06/21(水) 06:55:40 ID:4AupBJxr
(;`・ω・´)むぅ!
こいつぁwktkだ!
つCCCCCCC
324 :
774RR:2006/06/21(水) 07:24:15 ID:aj3x06CY
2回チャリで北海道に行った俺が来ましたよ。
バイクはそれ以上w
速度域違うけど、それぞれの楽しさがあったなぁ。
チャリだと一日走って130km位でした。ヘタレだったもので・・・
っていうか
つC
325 :
774RR:2006/06/21(水) 12:23:06 ID:ez5LodPE
この瞬間まで「タエコ」だと思ってた俺様がきましたよ。
326 :
774RR:2006/06/21(水) 12:59:17 ID:n0mhNyrq
どこで千葉紗子の話が出たのか読み返してしまった俺ガイル
327 :
774RR:2006/06/21(水) 20:40:29 ID:mOSYefTu
┌─┐ ┌─┐ ┌─┐ ┌─┐
│●│ │●│ │●│ │●│
└─┤ └─┤ ├─┘ ├─┘
_ ∩ _ ∩ わっふる! ∩ _ ∩ _
( ゚∀゚)彡 ( ゚∀゚)彡 わっふる! ヽ(゚∀゚ ) ヽ(゚∀゚ )
┌─┬⊂彡┌─┬⊂彡 ミ⊃┬─┐ ミ⊃┬─┐
|●| |●| |●| |●|
└─┘ └─┘ └─┘ └─┘
328 :
774RR:2006/06/21(水) 22:13:46 ID:jFgzrU5J
でも実はリアルマスオって車の免許も持ってないらしいねw
でも
つC
329 :
774RR:2006/06/21(水) 22:37:16 ID:x9HM+aW/
マスオは普通四輪の免許持ってるぞ。ペーパードライバーと勘違いしていると思われ。
過去に何度もマスオの運転シーンは放映されてるし、今年に入ってからもレンタカーに
家族全員を乗せて東北自動車道を走ってる。
330 :
774RR:2006/06/21(水) 23:28:21 ID:jFgzrU5J
え、マジで?
こないだの放送で、マスオも波平も免許持ってないからタラちゃんが「僕がタクシーの運転手になります〜」って話があったらしい
このマスオの話したらヨメが言ってたんだけど…
もうちょっと調べてみるよ
331 :
774RR:2006/06/21(水) 23:33:36 ID:x9HM+aW/
そりゃあれだ。確か、家には車が無くて満員電車の通勤に苦しんでる二人に対して
タラオがそう言った・・・っつー話だったと記憶してる。
332 :
774RR:2006/06/21(水) 23:44:53 ID:WZQqpWa9
JAマイカーローンでも車を運転してたような…あ、あれは魔棲雄の妄想だったか。
333 :
774RR:2006/06/21(水) 23:48:52 ID:x9HM+aW/
つ【フグ田マスオ 】
フグ田マスオ(ふぐた ますお)は、サザエの夫。大阪出身。早稲田大学卒(昭和20〜30年代の大衆的な学歴を意図して設定されており、
現在のような難関大学としての意味は薄い)のサラリーマン(海山商事営業課係長)。現在は磯野家に同居している。髪型はオールバック。28歳。
一家の中で唯一自動車免許を持っているが、磯野家の敷地が狭い為車を買えず、家族旅行の際に時々レンタカーを借りる。
家族には気を遣いながらも優しい性格。しかし、大阪出身であるにもかかわらず、関西弁は一切しゃべらない
(アニメでは近年の大阪帰省エピソードにおいてこの問題を解消すべく大阪弁を喋らせている)。
実家は大阪。父親はすでに死亡している。(原作では、マスオは大和商事という会社に勤めているが、机の上に試薬瓶などが置かれ
白衣姿で登場する場面がある。このことから研究員であるともいわれ、大学は理科系出身の可能性が高い。32歳。)
334 :
774RR:2006/06/22(木) 00:04:21 ID:IJ+Jdxe+
そしてそこに裏設定の「魔棲雄」が加わるわけですな。w
335 :
774RR:2006/06/22(木) 00:17:07 ID:qMjPmsov
>>328 そりゃ免許取り消しにもなるわな。>魔棲雄
336 :
328:2006/06/22(木) 00:28:28 ID:buQB2QlC
そうか免取だったのか、納得なっとく
>>333 dクス
337 :
774RR:2006/06/22(木) 01:20:42 ID:+1+VEwC5
338 :
774RR:2006/06/22(木) 03:13:07 ID:O/KTtu7C
339 :
774RR:2006/06/22(木) 05:53:10 ID:IpXGYprB
>>337 こんな世の中(交通社会)だったらいいのにね^^
340 :
774RR:2006/06/22(木) 20:35:26 ID:H2N5c54G
まとめサイトで一気に読みました。
タイコさんと出逢って、話が盛り上がると思ったら、作品がそこまで・・・
とても煮えきらない気持ちになった。
と、思ったものの、日付を見たら現在進行中だったわけですね。
GJ>作者
つC
341 :
774RR:2006/06/22(木) 21:27:18 ID:of2rujZa
俺もつい最近ギョーブツのまとめサイトで知ったクチ
次の日仕事なのに酒飲みながら朝3時まで読んだよ・・・
342 :
774RR:2006/06/22(木) 21:29:15 ID:PgTGKimZ
343 :
774RR:2006/06/22(木) 21:37:24 ID:8vlNPYDA
344 :
774RR:2006/06/22(木) 21:43:57 ID:ICJNTFEb
>>333 > つ【フグ田マスオ 】
>
> 現在は磯野家に同居している。髪型はオールバック。28歳。
> このことから研究員であるともいわれ、大学は理科系出身の可能性が高い。32歳。)
で、実際何歳なの?
345 :
774RR:2006/06/22(木) 22:14:08 ID:wpfQLoC8
346 :
774RR:2006/06/22(木) 23:54:05 ID:NWWzDpzN
三河屋あげ
347 :
774RR:2006/06/23(金) 01:16:40 ID:eJFRYI0a
>>344 原作では32歳ってちゃんと書いてあるでしょ!
348 :
774RR:2006/06/23(金) 06:04:01 ID:3uhvcuw5
それより、アナゴさんはどうしてるんだろ?
1日15時間労働くらいしてそうな気もする・・・・。
349 :
774RR:2006/06/23(金) 15:11:10 ID:iZEPzwi4
350 :
774RR:2006/06/23(金) 18:24:36 ID:6DDCT61T
>>349 妄想シーンでGPZが出てくるものと期待してしまった。
351 :
774RR:2006/06/23(金) 22:07:48 ID:MnO/j+qP
漏れ,ここ10年以上サザエさんなんて見たこと無かったんで,
このスレがたったときからずっと三平さんのことをサブちゃんだと思ってたよ。
いつの間にか三河屋さんのご用聞きの人って入れ変わってたのね。orz
352 :
774RR:2006/06/23(金) 22:31:47 ID:Pgo9Xhiw
つC
353 :
774RR:2006/06/23(金) 23:17:52 ID:iZEPzwi4
____
/∵∴∵∴\
/∵∴∵∴∵∴\
/⌒ヽ /∵∴// \|
| / |∵/ (・) (・) |
| | (6 つ | < カツオじゃ、カツオの仕業じゃ!
| | | ___ |
| | \ \_/ ./
| / .\____/
| | ////W\ヽヽヽ\
| | ////WWWヽヽヽヽヽヽ
| | ////WWWWヽヽヽヽヽヽ
E⊂////WWWWWヽヽヽヽヽヽ
E//// ヽヽヽヽヽヽ
| | //WWWWWWWヽヽヽヽヽヽ
354 :
774RR:2006/06/24(土) 00:15:41 ID:0BJIqWX0
【SCENE74】
パンク修理現場から数キロほどの開陽台キャンプ場。僕がテントを張り終えた頃、自転車の彼女は遅れて到着した。
「わぁ・・・、ホントにいい景色ですね・・・」
太陽は完全に沈み、紫色に染まった空と、オレンジ色の残光を反射した雲が地平線の上に覆いかぶさっていた。
遮るものの無い広大な平原は、夕暮れに複雑に色を変え、見るものを虜にする・・・。確かに想像以上の絶景だった・・・。
・・・しかし、僕はそれとは異なる別の美しさに目を奪われていた・・・。夕暮れの光を受け、高台の心地よい風に髪をかきあげ
ながら雄大な景色を見つめる彼女の横顔に、僕は釘付けになっていた・・・。
思えば、意識をして女性の顔を見つめた事など僕には無かった・・・。サラサラと風になびく栗色の短い髪の毛・・・。スッと
端正なラインを描く高い鼻・・・。白い肌・・・。小さな唇・・・。彼女は本当に美しかった・・・。
・・・僕を、これまでに経験した事の無い感情が支配しようとしていた・・・。あまりに経験の足りなかった僕は、その感情の
正体を自分自身で理解できていなかった・・・。ただ、胸が熱くなり、そしてソワソワと落ち着かず、地に足の着いていない
感覚が襲ってくるのだった・・・。
暗くなってしまってはテント設営に支障をきたす。僕は夕闇の中、彼女のテント設営を助ける。どうやら彼女はキャンプも
初心者に近いレベルのようで、ほとんどの作業を僕がこなす。
「やった!完成〜!・・・もう本当に今日は何から何までお世話になっちゃって、ありがとうございます」
育ちが良いのであろう。彼女は、僕の手助けの一つ一つに丁寧に礼を述べる。・・・そして、彼女は驚きの行動に出た。
355 :
774RR:2006/06/24(土) 00:17:16 ID:0BJIqWX0
「よいしょ、よいしょ」
彼女は、今完成したばかりの自分のテントを、設営済みの僕のテントに密着せんばかりの隣まで引っ張ってくると、ペグを
地面に打ち込んだ。
・・・一大事だ・・・。こんな至近距離で一晩を過ごすのか?・・・純情過ぎる僕にとって、この距離はあまりにも衝撃的な
近さだった・・・。どうしよう・・・。僕は口を半開きのまま、思考回路が停止したのを感じた・・・。
彼女も彼女だ。あまりに無防備で、世間知らず過ぎる・・・。立ち尽くす僕の顔を覗き込むように、無邪気な笑顔で言う。
「どうしました?」
首を傾げてそう問いかける彼女の仕草が、僕のストライクゾーンをあまりにも的確に射抜く・・・。第三京浜を200km/hで
駆け抜ける時のように、口の中がアドレナリンの味で満たされる・・・。思えばこの時が、鈍感な僕なりにもこの感情が
『恋ごころ』というものであると言う事に、無意識のうちに自覚した瞬間だったのかも知れない・・・。
開陽台展望台の公衆電話で、彼女は東京に電話を掛ける。既に暗いので僕も彼女に付き合った。
大学のサイクリングサークルの東京居残り部員に、自分一人がパーティーからはぐれ、現在は中標津の開陽台キャンプ場で
一人のライダーの手を借りて無事である事を伝える。
居残り部員は、本隊からの定時連絡時にその旨を伝え対応を協議するので、翌朝もう一度連絡をしてくるようにとの指示を
彼女は受けた。
すると、彼女はもう一本電話をしたいという。東京の実家へだった。娘の身を案じる両親が、毎日電話をすることを
彼女に約束させたらしい。
「・・・はい、みんなと一緒に元気にやってます。はい・・・、はい・・・」
みんなと一緒?大学の連中とはぐれたことを伝えなくていいのか?受話器を置いた彼女は、訝しがる僕に対し、悪戯っ子の
ように小さく舌を出して言った・・・。
「お父さんにウソついちゃいました」
ダメだ・・・。何と言ったらよいのか・・・、もう、卒倒しそうだ・・・。僕は、完全に彼女のペースに引き込まれ始めていた・・・。
356 :
774RR:2006/06/24(土) 00:18:42 ID:0BJIqWX0
「わたし、箱入り娘なんです・・・」
僕の「サイクリングが好きなんですか?」という質問に対して、彼女は全く僕の意図しない回答から口を開き始めた・・・。
予想外の回答にあっけに取られる僕に対し、自分で言うのもおかしいですね、とマグカップの中の僕の作ったコーヒーを
飲みながら彼女は笑った。
お互いのレトルトカレーで済ませた食後。8月とは思えない涼しさに、僕のストーブで小さな暖をとりながら、僕達は芝の上に
座り会話を交わしていた・・・。と言っても、この期に及んで僕は極度の緊張でほとんど口を開かず、彼女の話を聞いている
ばかり・・・。僕にとっては決死の質問だった・・・。
「ずっと、大事に匿われるように育てられて来たんです・・・。何でも両親が助けてくれてたんです・・・。」
彼女は、ストーブの炎を眺めながら話を続ける・・・。柔らかい炎の明かりに照らされた彼女は、ひときわ美しく見えた・・・。
「小さい頃からそれが当たり前だと思ってたんです・・・。でも、高校に入った頃くらいからかなぁ・・・。自分があまりにも
未熟だった事に少しずつ気がついてきて・・・。」
穏やかな笑顔と柔らかい語り口だが、彼女が真剣に言葉を発している事は理解できた・・・。
「そのくらいの年頃になってくると、色んな人に出会うようになってきますよね・・・。さすがに親に守られた世界だけには
居られなくなってくるというか・・・。そうすると、自分がいかに無力だったのかっていうのを痛感するようになってきたんです。
自分自身で生きる力っていうのかな?そんな力が自分には備わってないような気がして・・・。そんな自分がちょっぴり
悔しくて・・・」
この春、有名私大にストレート入学した彼女。大学に通うようになるとそんな思いはますます大きくなって行ったと言う・・・。
「自転車は好きだったんです。良く小さい頃から両親にサイクリングには連れて行って貰ってましたから・・・。大学の
サークル勧誘で心を惹かれたんです。自転車で色んなところに行く・・・、夏には遠く北海道まで行く・・・。親から離れて
どこか遠くに行く事なんて、学校の修学旅行くらいしかありませんでしたから・・・。親元から離れて、自分の力でどこか
遠くまで行ければ、少しは自分にも生きる力が付くのかなって思って・・・。」
357 :
774RR:2006/06/24(土) 00:20:23 ID:0BJIqWX0
僕は恥かしかった・・・。彼女は何の不自由も無い生活の中で、それでも自分の殻を破りたいと願い、自ら行動に移した
のである・・・。特に尊大な理由も無く、単に親から・・・故郷から離れたいが為に逃げるように大阪から東京の学校に入学した
自分とは明らかに人生に対する向き合い方が異なっていた・・・。
幸運にも、僕もまたバイクを通じてそれまでのマイナス思考でネガティブな人生から脱却する事が出来た・・・。しかしそれは
あくまでも結果オーライであり、バイクの持つあまりにも大きな魅力と積極的に僕を闇から連れ出してくれた親友の力に
頼るところが大きく、決して僕がそれまでの生き方を変えようと強く願っての事では無かった・・・。
無邪気で、世間知らず・・・。穏やかでどこか抜けたようなところのある彼女は、実は積極的に生きる道を切り拓こうとする
エネルギーに満ちた強い女性なのであった・・・。
「でも最近、自己嫌悪なんです・・・。走るのだって一番遅くていつもみんなに迷惑を掛けてばかりだし、それが元で今日も
みんなからはぐれちゃうし・・・。方向音痴だし、パンクだって自分で直せないし、テントだってまだ一人で張れないし・・・」
抱えていた膝を、キュッとひときわ強く抱えなおし彼女は言った・・・。
「最近、思うんです・・・。やっぱりわたしは一人じゃ何も出来ないのかなぁって・・・。親がついていないと何処にもいけないし
何一つ満足に出来ないのかなぁって・・・。」
涙を流しそうになったのか、彼女は右手人差し指を右目の目尻に持っていく・・・。そして、自虐的な笑みを浮かべ言った。
「・・・わたしは弱い人間なのかなぁって・・・思うんです・・・。」
僕はもう一度、彼女より数倍も情け無い自分のこれまでを思い返す・・・。そして思う。・・・そんなことは無い・・・、彼女は
断じて弱い人間などではない・・・。本当の深淵を知る僕だからこそ言い切る事ができる。キミは弱い人間なんかでは無い、と。
僕は、あくまでもそう心の内で叫んでいるつもりだった・・・。しかし、僕は反射的にその場に立ち上がり、彼女と出会ってから
一番大きな声で無意識のうちに叫んでいた。
「絶対そんなことありません!自信持ってください!!」
358 :
774RR:2006/06/24(土) 00:22:18 ID:0BJIqWX0
・・・彼女は僕を見上げ、キョトンとする。・・・またやってしまった・・・。バイクに乗ってからというもの、それまで無かった
直情的な行動が多くなったような気がする・・・。ヘルメットの中で歓喜の雄叫びをあげたり、屈強な外国人バイク集団に喰って
掛かったり、見知らぬ強者の背中を追い回したり、悪質運転のクルマを威嚇したり・・・。
バイクが僕の心を尖らせたのか・・・、それとも自分の心の奥底に眠っていた感情がバイクによって呼び起こされただけなのか・・・。
・・・いずれにせよ、反省せねばなるまい・・・。彼女も驚いているではないか・・・。
しかし、そんな僕の心中に反して、彼女は笑った・・・。自虐的ではない、可愛らしい笑顔で彼女は笑った・・・。
笑顔の頬を一筋の涙が伝った・・・。彼女はその涙を拭きながら、立ったままの僕を見上げながら言った。
「今日は、マスオさんに出会えて本当に良かったです・・・。」
僕は、初めて同年代の女性に下の名前で呼ばれた事に驚く。むず痒い心持ちの僕に、彼女はさらに言った。
「今日はもう、本当に本当に何から何までありがとうございます。」
彼女は今日、何度目になるであろう礼を述べる・・・。いまだ涙目のその笑顔は、あまりにも美しかった・・・。
・・・そう、・・・僕は恋に落ちていた・・・。
夜も更けて、僕達は眠ることになった・・・。もちろん、当然、それぞれのテントで、である。
時折、小さな風がタープを揺らす音しか聞こえない静かなテントの中。まるで彼女の吐息が聞こえてきそうなほどの至近距離に
居る事で、僕はすっかり眠気がどこかにぶっ飛んでいた・・・。
359 :
774RR:2006/06/24(土) 00:22:57 ID:JR2n54r3
360 :
774RR:2006/06/24(土) 00:30:09 ID:kyGe2sY3
うぶなマスオさん、いいなあ。
中学生の頃を思い出しました。
忘れてました〜m(_ _;)m
つ【魔 棲 雄 〜マスオ物語〜】
362 :
774RR:2006/06/24(土) 00:35:50 ID:HR7rzw2h
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
wktk
363 :
774RR:2006/06/24(土) 01:29:44 ID:sjTS91JH
わっふるわっふる
つC
364 :
774RR:2006/06/24(土) 02:41:58 ID:mooVdunQ
なんてゆうかね、もう、その…たまらんのですよ。
あの、日曜にみるフグタくんの、人の良さそうなツラの裏に、
こんな黄金色に輝く刹那の時が隠されていたなんて。
あぁ、もう、
わっふるわっふる!
365 :
774RR:2006/06/24(土) 08:37:45 ID:vm6nQ+eF
つC
366 :
774RR:2006/06/24(土) 09:48:57 ID:4gGvpBss
淡い、、、淡いよ魔棲雄 次回作wktkで待ってます@作者さん
367 :
774RR:2006/06/24(土) 09:58:15 ID:jr1JhawK
368 :
774RR:2006/06/24(土) 11:54:43 ID:yPyVc+eP
>>367 男性の頭部が取れかかっているグロ画像。PC無害・精神微有害。
369 :
774RR:2006/06/24(土) 11:57:04 ID:u8bYHF/7
370 :
774RR:2006/06/24(土) 11:59:13 ID:F3ab9hnj
371 :
774RR:2006/06/24(土) 12:17:31 ID:yPyVc+eP
訂正。ペコポンスーツだそうです。
372 :
774RR:2006/06/24(土) 13:16:25 ID:Cs0YFL31
作者先生こまりますよ、こんないい小説書いて貰っちゃ…。
消えかけていた「北海道へソロツーに行きたい欲求」が再燃しちゃうじゃありませんか。
私には妻と子が…。
373 :
波平旅行記:2006/06/24(土) 20:41:22 ID:fq8LIZFY
一生懸命書いたのだが、やっぱりきちんと国語の授業受けて夏休みの読書感想文も書いて
文章を書く練習をして置けばよかったとつくづく後悔してしまう。
馬鹿の考え休むに似たりな推敲してうpするから酷評よろ
374 :
774RR:2006/06/24(土) 20:53:48 ID:GpRPPk6X
wktk
375 :
774RR:2006/06/24(土) 21:58:59 ID:Cs0YFL31
>>373 うだうだ言ってないでうpしる。文章力がイマイチでも内容が面白けりゃ
それなりに支持されるぞ。
376 :
波平旅行記:2006/06/24(土) 22:02:38 ID:fq8LIZFY
序
蒸し暑い夏の夜。東京の熱帯夜の寝苦しさは移り住んで幾年たとうとも体に馴染まない。
幾度かの寝返りを繰り返した後、ゆっくりと上体を起こすと額にある汗をぬぐう。
虫の音が庭から聞こえてくる。遠くで犬の遠吠えも聞こえる。横ではフネが静かに寝息を立てている。
月明かりを頼りにそっと枕もとのタバコを探ると灰皿を抱えるようにしてそっとマッチをする。
一口目は浅く、次はゆっくりと深くタバコを味わうように煙らせて、立ち上る紫煙を眺めながら暫しの物思いに耽っていた。
長女はよい婿に嫁ぎ、子供たちはすくすくと成長している。目に入れても痛くない孫もいる。
博多から東京に出てどれ位経つだろうか。苦しいときもあったがフネは何も言わずに良くついてきてくれた。
自分は幸せ者だ。波兵は噛み締めるように何度も心の中で反芻していた。
今の自分があるのは全てフネがいたからこそである事を良く理解していたが、女房孝行と呼べるようなことはほとんど行わなかった。
たまには二人で旅行なんてのも良いかもしれない。日頃の感謝も博多の男の口から述べるには抵抗がある。
軽井沢あたりに出かけてみるのもよいだろう。。。。
いろいろと考えを巡らせながら、2本目のタバコに火をつけた。
最後に二人きりで旅行したのはいつだったろうか。
東京に来てから、家族で出かけることは間々あった。しかし、夫婦水入らずとなるとまだ博多にいたころになる。
戦争のごたごたで行ってなかった新婚旅行代わりに長崎へ行ったのが最後だった。
377 :
波平旅行記:2006/06/24(土) 22:05:17 ID:fq8LIZFY
二話
戦争が終わって少しした頃だった。
進駐軍相手に始めた商売も当たり、従業員も増え生活もよくなってきた頃だ。
馴染みの大佐があまりにも勧めるので軍からの払い下げという形で安くハーレーダビッドソンを手に入れた。
大佐とは何度か走りに行った。軍施設の管理をしていた大佐は発注の際は必ず声をかけてくれたし、戦勝国の横柄な様子もなく一本筋の通った「息子も立派な軍人にする」が口癖のいい男だった。
夏の日差しも強い8月、フネを誘ってバイクに跨ると長崎は雲仙を目指した。宿も何も予約せず、突発的に出かけた。
面と向かって新婚旅行代わりだのなんだのと理由を述べるのが、恥ずかしいわけではないが抵抗があったため急な出発にしたのだ。
ブーツに長ズボン、ジャケットの袖は折り返して半袖にして飛行帽とゴーグルの自分と薄い綿のパンツに白いブラウス、日除けにスカーフを巻いたフネの二人の旅行だった。
跨ってエンジンを掛ける。
大柄な車体に大きく足を振り上げながら跨り、どっしりとシートに腰を下ろす。アメリカ人向けに作られた大きな車体は、日本人にはかなり大きく容易に取り扱えない無骨さを肌で感じさせる。
ゆっくりと大地を蹴って車体を起こす。注意しなければそのまま反対側にゴロリと倒れてしまう。
腹に力を入れて重たい車体を起こしたらいよいよ着火の儀式だ。
スロットルを半分開ける。開けすぎてはならないし開けっ放しでも具合が悪い。気温が高いので3回開閉を繰り返す。
キャブレターにガソリンが回ったのを感じるとおもむろにキックペダルを起こす。一回では掛からない最低三回はキックしなければならない。
このときも転倒には細心の注意を払わなければならない。
キックの最中もスロットルを開けてはならない。ドドッっと少し回り始めたときにはじめてスロットルを開放する。
一度グズるとなかなか機嫌の直らないハーレーは、着火の儀式にこそ一番神経を使うのだ。
知人の陸王も同じだと聞いたことがある。
378 :
波平旅行記:2006/06/24(土) 22:06:23 ID:fq8LIZFY
三話
やっとエンジンがかかり、発射の準備が整う。
横座りでフネが後ろからしがみつく。福岡市内のきれいな道ならまだ問題なかったが、少し外れたでこぼこ道に入ると横座りじゃ具合が悪いらしく、足を開いて乗るのに抵抗があったフネも跨って乗るようにした。
それでもちょくちょく「止めて、止めて」と声がかかる度に停車すると、尻が痛いからと座布団を買いに行き、鼻が日焼けすると麦藁帽子を買いに行き、帽子が飛ばされて拾いに行き、なかなか福岡市内から出れそうになかった。
つばの広い麦藁帽子も飛ばないようにスカーフで顎に縛って固定したらなんだか農婆のようになってしまっていた。
はじめてフネを後ろに乗せて走った、一人で乗るのとは違う心地よい緊張感があらゆる感覚を研ぎ澄ましていた。
博多湾のきらめく水面、松原の心地よい香り、道から返ってくる振動さえも新鮮な喜びに満ちていた。
「あぁ、この時のためにハーレーを手に入れたのだ」と一人納得したほどだった。
近代の舗装路には比べるまでもなく、未舗装路は実にゆっくりとしか走行できなかった。
高速を使えばわずか3時間程度の肯定も当時は一日がかりの行程になる。
少々つらい道のりもフネが一緒だというだけで少しも苦にはならない。
途中佐賀のうどん屋にて昼食をとった。道中道が悪いところもかなりあり、いささか疲れたので休憩も兼ねて早めの昼食にした。
残念ながら佐賀まで1台のバイクともすれ違うことはなかった。そんな時勢に2人乗りで旅行しようというのだから、さぞかし好奇の目で見られたことだろう。うどん屋の主人も「えらい音がしたけん、なんが来たかと思った」と言っていたことが思い出される。
そもそも所有していたハーレーは、エンジンを掛けると雷が落ちたかと思ったといわれるほど大きな音がした。
大佐はこれが普通だと言ってはいたが・・・
379 :
波平旅行記:2006/06/24(土) 22:07:02 ID:fq8LIZFY
四話
昼食を済ませしばらく走ると、海沿いの道へ出た。道から少し外れたところに叔母の家があり挨拶がてら少し寄ったのだ。
家の前までハーレーで乗り付けると、爆音にびっくりした叔母が飛び出してきた。
「なんごとかと思った」「どげんしたと?」叔母は怪訝そうな顔でハーレーを見ていたが、「よう来たね」「フネちゃんもそれで来たったい」「ハー、すごかねぇ」と歓迎してくれた。
日が暮れる前に長崎まで辿り着きたかったので、茶も飲まず本当に挨拶だけ済ませてまた走り出した。
走り出す際にフネが大きく足を開いて跨る姿に叔母はたいそう驚いて目を丸くしていたらしいが、残念ながらその表情は見ていない。
トコトコと行程をこなして進むと長崎に入る手前に随分道の悪いところに出た。
どうやら先日の雨の影響か軽いがけ崩れが起きていたようだ。道いっぱいにコブシより大きな石が転げ散らかっていた。
覚悟を決めて速度を落としゆっくりと瓦礫道に進入する。左足のクラッチは細かい動作を要求されて足が攣りそうだ。
確実に動かない石にめがけて前輪を当てると、ぐっとトラクションを掛けて前へ進む。それを繰り返しながら何とか前へ前へと進んでいく。ある程度乗れてきたなと思った矢先、前輪の乗った石がゴロリと動いた。慌てて右足を踏ん張ったがダメだった。
スッシリと重たい車体は乗り手の意思とは無関係に、その体を横たえてしまった。
慌てて後ろを振り返りフネを確認したが、コケそうなハーレーからスルリと離れていたらしく怪我も何もなかった。
重たい車体を二人掛でやっとの思いで起こすと、細部の損傷を確認したが特に問題点はなかった。
そもそも速度はまさに徐行といった程度であったが。
一度車体を横にすると、なかなか始動しないのがハーレーの可愛いところだ。
再びエンジンを掛けるまでに、汗だくになってしまった。
瓦礫道を抜けると間もなく長崎だ。日のあるうちにその日の宿を探さねばならない。
雲仙の町で民宿がすぐに見つかった。そもそも盆でもなければ彼岸でもないのだ、宿などいくらでもある。
380 :
波平旅行記:2006/06/24(土) 22:08:23 ID:fq8LIZFY
五話
宿にて夕食を食べながら翌日の行程についてフネと話していた。
佐世保へ行くか船で熊本に渡るか考えたが、フネのたっての希望で佐世保へ行くことにした。
翌朝、宿を出ると普賢岳を見に出発した。
実際にハーレーで上れるのは5合目までで、それ以降は登山道になっていた。
登頂はあきらめそのまま南に下って佐世保を訪れた。
佐世保は当時米軍の海軍基地として機能しており周辺に近づくことも規制してあった。
高台から望む佐世保港の風景は軍艦さえいなければ旅情としてはこれほどすばらしいものもないと言えよう。
キラキラときらめく海原に港湾施設の窓ガラスも反射して眩しいほどだ。
潮風と時折聞こえる汽笛の音がなんとも言えず気分を落ち着かせる。
なるほどフネが来たがっていた理由が良くわかった。
佐世保市内で土産とフネにビロードの髪留を買った。
高級品ではないのだがフネはたいそう喜んでくれて、未だに大事に持っている。
日が傾く前に出発して、進路を北へとった。
ちょうど日が翳ったのが伊万里だったのでその近辺で温泉に泊まった。
なかなかひなびた旅館で温泉も良く、料理も申し分なかった。
翌朝は陶器の朝市があるというのでちょっと覗いてから帰路に着いた。
わずか2泊の小旅行であったがフネは満足していたようだった。
381 :
波平旅行記:2006/06/24(土) 22:08:54 ID:fq8LIZFY
結
数日後、大佐と仕事の話で会ったとき、フネと旅行をしてきたことを話すと、「これで立派なハーレー乗りだな」
「かみさんを乗せるのは最高だったろう」と大層喜んでいた。
「ハーレーを勧めた甲斐があったってものだ」と少し大げさに笑っていた。
どうやら大佐にはハーレーを勧めた時点からここまでの流れが想像できていたらしいのだ。
まったく彼の手の上で遊ばされたような気分だったが、不思議と心地よかった。
残念ながらそれから幾月も経たないうちに転任命令が下って、大佐は本国へ帰還してしまった。
板付基地の近くの店でハーレー仲間としてささやかな食事会を開き、「必ず再開を」と握手で別れたが未だに叶ってはいない。
時折来る手紙には息子も空軍に入ったことや、新車のハーレーに乗り換えたことなどが書かれていた。
残念ながら東京に出る際に家財と一緒にハーレーも手放してしまい、今は手元にない。
何本目かのタバコに火をつけたときフネがおきてしまった。
フ「お父さん寝付けないんですか?」
波「ああ、ちょっとなぁ昔のことをおもいだしとった」
「二人で長崎まで行ったのを覚えとるか?」
フ「ええ、勿論ですよ。あなたに買ってもらった髪留だって大事に仕舞ってるんですから」
「二人とも若かったですからねぇ」
確かに二人とも若かった。もう随分と長い時間心を燃焼させるような思いは感じていない。
しかし、もういちどハーレーに乗りたいという思いは忘れたように仕舞いこんでいた心の奥底にしっかりと生き続けているようだ。
そうだ、久しぶりに大佐に手紙を書こう。
ハーレー乗りとして再開できる日を夢見て、いつかまたあの大きくて無骨で大らかなバイクに乗れる日を信じて。
大佐の息子も立派な軍人になったことだろう。大佐も自分も年を取った。
そういえばもう退役したのだから、大佐ではなくロブスター氏とせねばなるまい。
382 :
774RR:2006/06/24(土) 22:25:07 ID:Cs0YFL31
ん?ロブスター氏…?その後横田に転任して第三京浜で…。
383 :
774RR:2006/06/24(土) 22:28:22 ID:3Nfw2c4k
おい!
面白いYO!
384 :
774RR:2006/06/24(土) 22:32:32 ID:NzzoVyzX
波平=ハーレーってのがなぁ・・・ありきたりすぎで
ああ、やっぱりね・・・って感じでちょっと消化不良気味。
385 :
774RR:2006/06/24(土) 22:34:21 ID:HBgDObXW
386 :
774RR:2006/06/24(土) 22:35:57 ID:fjdaWv/1
カブ90にフネさん乗せて湘南に行ってくれ。リターンライダーと言う事で。
387 :
774RR:2006/06/24(土) 22:40:28 ID:9PPSO8IL
良いジャマイカ
魔棲雄氏の在日米軍のヒトにも繋がってるし、
最後までスッキリ読めた
作者さん乙!
388 :
774RR:2006/06/24(土) 22:46:33 ID:VQEf4bkN
>>382 マスオとバトったのは軍人になった息子ということでは?
389 :
774RR:2006/06/24(土) 22:47:03 ID:ULrwkz1h
良スレsage
390 :
774RR:2006/06/24(土) 22:49:50 ID:FVTcU9oG
読んでる最中は面白みが少ないように感じたけど……
なんか後からじわじわくるな
面白かったyp!
391 :
774RR:2006/06/24(土) 23:00:39 ID:paK7MnRg
>>fq8LIZFY GJ!!
392 :
774RR:2006/06/24(土) 23:00:53 ID:QM2qCWLl
うん、なかなかいい余韻が残るね。
ロブスターのバイク好きは親父譲りだったのか。
393 :
774RR:2006/06/24(土) 23:01:22 ID:HR7rzw2h
フネの様子や町並みの描写にリアリティを感じたお
乙 っ旦~
394 :
774RR:2006/06/24(土) 23:27:29 ID:Y3lYb3Fz
>fq8LIZFY氏
でっけえ乙です
落ち着いた文体がいいね
395 :
774RR:2006/06/24(土) 23:33:21 ID:7YpY4jP6
波平旅行記の作者さん、乙。
なかなかよかったですよ。最後もちゃんと今の話とリンクしてるしね。
方言の使い方もうまいから、九州の人かなとオモタ。俺も福岡なんで。
396 :
774RR:2006/06/24(土) 23:36:53 ID:6xmfRI8a
ほわった
397 :
774RR:2006/06/24(土) 23:41:46 ID:IANN4XSZ
いいですねぇ 後から来る余韻がなんとも・・・
これも名作ですね
398 :
774RR:2006/06/24(土) 23:46:36 ID:56uKXeRO
波平作家先生乙
言い出すとキリがないからとりあえず
つC
399 :
774RR:2006/06/24(土) 23:54:28 ID:MBrSGHQQ
書き手は 全員「伊佐坂難物」って名前にすればよくね?
400 :
774RR:2006/06/25(日) 01:24:59 ID:MEHzsWNT
〜伝説を継ぐもの〜
〜サブとの出会い〜
そろそろ続き読みたくなった
波平作家先生
dクス
楽しませていただきました。
>>波平旅行記さま
拝見致しましたm(_ _)m
は〜、なんとも大人な雰囲気の爽やかな余韻を引く物語。ありがとうございます。
実は当方、九州は未踏の地であり、また当然当時の様子など知る由もないのですが
読み続けるたびに鮮明に浮かぶ旅情が何とも言えませんです。
しかも、さりげなく当方の物語への配慮までして頂き・・・。
やはり、『名作』を読むとインスパイアされます。
当方も、たくさんの方の作品をもっともっと読みたいです。
・・・ということで・・・。『カツオ』さん?『サブ』さん?も・・・そろそろどうです?ね?(゚∀゚)ノ
402 :
774RR:2006/06/25(日) 11:59:43 ID:VBCSn4cJ
戦争が終わって少しした頃で進駐軍がいるってことは、朝鮮戦争の時期でしょうか。
あの頃は、福岡の板付(いたづけ)飛行場から毎日のようにB29が飛んでおりました。
三話にある「高速を使えば〜」ですが当時、高速はありません(中央道すら
ありませんでしたので…)細かい突っ込みでスミマセン。
ちなみに去年、九州までロングツーリングしたのですが、平日ということもあったのか
初日は1台のバイクともすれ違うことはありませんでした。
20年前のバイクブームのときは、よくNSRなどが走ってたんですけど、
すっかり地方は車社会になってました(当方、福岡の田舎出身)
あと、田舎のはとんどが、どんなに広くて空いてる道でも法定速度で走っているのには
驚いた。東京〜福岡間はR1〜R23〜R25以外は大型バイクでは逆につらかった。
こっちが見えてるのに堂々とわき道から出てくる車も多く、隼すら原付程度にしか
思ってないようで、田舎では全然飛ばせず高速さえ使わなければオフ車でトコトコ
行ってもいいと思った。スレ違いなうえに長文スマソ…。
403 :
774RR:2006/06/25(日) 13:53:18 ID:yecv2l3S
>>402 落ち着け。
「高速を使えば〜当時は〜」
^^^^
404 :
402:2006/06/25(日) 14:13:55 ID:9r7c6UWj
【SCENE75】
結局、僕はほとんど一睡も出来ずに朝を迎えた・・・。テントの薄布で区切られているものの、手を伸ばせば届くような
距離に、うら若き女性が眠っていたのだ・・・。当時の僕にとって、それはあまりにも刺激的であった・・・。
テントの中からでも、空が暁に染まってくるのは感じ取れた。薄明かりの中で、早くも鳥のさえずりが聞こえた・・・。
しばらく、眠るでもなくまどろんだ意識の中に居た僕・・・。すると、おもむろにテントの外からガサガサという明らかに
人間が活動しているであろう音が聞こえたかと思うと、彼女・・・タイコさんの声が聞こえた。
「うわぁ・・・」
何事か?僕は寝不足で朦朧とする意識の中、テントからゴソゴソと這い出した・・・。それに気が着いた彼女。
「おはようございます。ほら・・・見て下さい・・・すごく綺麗ですよ・・・」
彼女が指差した方を見て僕は息を呑んだ・・・。
遥か原野の地平線が視界に入りきらないほどに広がる開陽台からの眺めは、昨夕のものとは一変していた・・・。
見渡す限りに延々と、うっすらと朝もやで覆われた大平原。高台の開陽台からのその見晴らしは、まるで雲の上
から見降ろしているかのような飛翔感を伴うものであった・・・。夕陽よりもエネルギッシュな朝日を浴びたその光景は
大自然のエネルギーに満ち溢れ、一日の始まりにふさわしいものであった・・・。
他のキャンパーの姿は見えなかった・・・。皆、まだテントの中で眠っているようであった・・・。この光景は、彼女と僕だけの
ものだった・・・。
この美しい光景を前に、彼女ははしゃいでいた・・・。箱入り娘の彼女にとっておそらく、初めてだったのであろう
その雄大な景色・・・。素直に感動を露にする彼女に、僕はもっとたくさんの感動をあげたいと思った・・・。
ふと西の空をみると、朝もやの中に幾つかの山の頂きが覗いていた・・・。あれは、藻琴山・・・硫黄山・・・、そして
カムイヌプリ・・・。・・・そう、あのカムイヌプリの直下には・・・カムイトー・・・、神の湖と呼ばれる美しき湖があるはずだ・・・。
・・・僕は彼女に尋ねた・・・。
「摩周湖は見ましたか?」
「いえ・・・。ウチのサークルって、それぞれのペースで結構自由に走るんです。美幌峠を降りたあとに、足に自信の
ある人達は行くような事を言ってましたけど・・・。摩周湖までの峠道って険しいって聞いてたんで、私はパスしました。
・・・行ってみたいんですけどね・・・、今回はあきらめました」
彼女はガッカリしたような笑顔を浮かべそう言った・・・。
・・・そうだったのか・・・。僕は彼女が可哀想に思えた・・・。あの美しき湖のこんなに近くに居るのに・・・、見る事が出来ない
なんて・・・。これほど美しき景色を愛でる彼女に何とかしてあの吸い込まれるような湖面の青を見せてあげたかった・・・。
そこまで考えた僕の頭に、ふとある乗り物の姿がよぎった・・・。
・・・そう、僕には彼女の願いを叶えてあげる事ができる・・・。大人ふたりを軽々と、険しい峠道の頂上まで運ぶ事が
可能な、力強き躍動する翼を僕は持っている・・・。
・・・僕は迷わず真っ直ぐに彼女を見据えて、言った・・・。
「僕が連れて行ってあげます・・・。摩周湖、見に行きませんか?」
「うわぁ!すごい、すごい!」
タンデムシートの彼女は、Ninjaのスピードに驚きの声を上げていた。・・・と言っても、当然の如く彼女に自分のヘルメットを
被せた僕は、ヘルメット未着用・・・いわゆるノーヘルであり、そのおかげで非常に眼が乾くので、60km/h程度の低速走行
を強いられていた・・・。
それに、後にも先にもノーヘルで走ったのはこの日をおいて他には無い・・・。僕は広大な原野の中に潜んでいるかもしれない
警察の影にも、実は怯えていた・・・。
・・・しかし、僕のいつものライディングを阻害する要因は、眼の渇きや警察の影だけではない・・・。彼女だ・・・。
ニーグリップとグラブバーにより体を保持するバイク乗りのアナゴ君と異なり、初タンデムの彼女はギュウと両の腕を
僕の腰に回ししがみ付いていた・・・。一応、僕は走り出す前に乗車姿勢を彼女に伝えたはずなのだが、初めてのタンデム
の怖さからか、数分も経たないうちに何時の間にか彼女はこの体勢で僕にしがみ付いていた・・・。
彼女の足が・・・腕が・・・そして胸が・・・、僕に密着する・・・。
・・・僕はもはや平静さを保てるはずも無かった・・・。
GPz900R Ninjaは、頭に血が昇ってしまった情けない主人と、初めて乗せる可愛らしい女の子とともに、摩周湖に向け
朝もやの中をヨロヨロと進んでいった・・・。
408 :
774RR:2006/06/25(日) 23:43:57 ID:wmHNR8N9
キテタ!
409 :
774RR:2006/06/25(日) 23:44:25 ID:fda0Dmbd
ぉぉぉぉ
キテルー
410 :
774RR:2006/06/25(日) 23:46:21 ID:Qy94+yG/
乙です!
いつも楽しく拝読させてもらってます。
はあぁ〜、もっかい北海道いきたい。。。
411 :
774RR:2006/06/25(日) 23:53:49 ID:sdhE0q04
18の夏に嫁と初タンデムした頃がナツカシス・・・
つC
412 :
774RR:2006/06/26(月) 00:01:55 ID:NV/vqDVe
キタ-------
413 :
774RR:2006/06/26(月) 00:03:00 ID:v8K2oE5t
すまんsage忘れたorz
吊ってくる。
414 :
774RR:2006/06/26(月) 00:04:44 ID:mng+n2SO
ホカイドーからC
415 :
774RR:2006/06/26(月) 00:34:29 ID:OtTgo4wj
ノーヘルおkの時代?
416 :
774RR:2006/06/26(月) 01:38:27 ID:v5yrl7gt
417 :
774RR:2006/06/26(月) 02:02:12 ID:SCY0OPBf
ジュリーが!?
418 :
774RR:2006/06/26(月) 02:49:51 ID:9hGleuoz
ノーヘルだから警察を気にしている、という描写があるだろ。
波平〜の高速道路云々の人もそうだが・・・
ちゃんと読めよ。な?
419 :
774RR:2006/06/27(火) 00:24:14 ID:bavmmZlE
研二くんww
あいつとララバイナツカシスw
420 :
774RR:2006/06/27(火) 03:38:27 ID:q4J3PNOh
全然関係ないけど、登場人物がタバコ吸ってるシーンが
多いような気がするのだが…。
421 :
774RR:2006/06/27(火) 06:20:52 ID:qgi/J2rM
だからなによ?嫌煙家は小説の描写にまで
過剰反応か?
そもそもテレビのサザエさん自体、ファミリー
向けにしては喫煙シーンは多いほうだ。
422 :
774RR:2006/06/27(火) 09:13:28 ID:tfIzQfzU
甚六さんも20歳の誕生日に親父である伊佐坂先生と飲みに
に行ってタバコ吸ってたな。
普通、初めて吸ったら少なからずむせるものだと思うが、
妙に吸いなれていた。
423 :
774RR:2006/06/27(火) 10:35:07 ID:qRwUeAdn
GPz900Rが出たころの20代男性の喫煙率は70%以上。今でも51%だよ。
424 :
774RR:2006/06/27(火) 10:50:54 ID:ZYw1Mn2w
場と空気をわきまえない嫌煙運動屋は
ルールをわきまえないノーマナー喫煙家と同じぐらいウザイ
425 :
774RR:2006/06/27(火) 10:57:25 ID:fl23/Oxx
煙草の煙は大嫌いだが、喫煙描写によるオレへの実害は皆無なので何ら問題なし
426 :
774RR:2006/06/27(火) 11:43:58 ID:82lSfLv2
未成年者が喫煙してるわけじゃないし、どうでもいいじゃん。
そんなこと言い出したら240q/hでバトルする描写はどうするよ?
警察にチクらなくていいのか?
427 :
774RR:2006/06/27(火) 11:51:41 ID:+cPSIDEF
ほらこういう話題に発展する。
428 :
774RR:2006/06/27(火) 12:15:23 ID:9r0MbnS/
まあ、おまいら一服汁!
429 :
774RR:2006/06/27(火) 12:20:05 ID:kXlR1q6W
>>428 火に油wwwwwwwwwwwwwwwwww
430 :
774RR:2006/06/27(火) 12:24:11 ID:v4Vg4JvC
431 :
774RR:2006/06/27(火) 13:08:43 ID:83iqdXaC
ん、もうw
432 :
420:2006/06/27(火) 13:14:20 ID:4teqYCuk
スマン、スマン。そんなに過剰反応せんでくれ。
俺も一日2箱吸ってるから愛煙家の気持ちは氏ぬほど分かるよ。
ハードボイルド小説の主人公みたいなだなって思ったんだよ。
来月から、また値上げか…勘弁してほしいね。
433 :
774RR:2006/06/27(火) 18:44:23 ID:kLasOvL6
0317
434 :
774RR:2006/06/27(火) 22:28:40 ID:rxLV7sXO
俺も北海道に逝きたい。オショロコマやイトウ釣らせてくれ
【SCENE76】
僕は摩周湖展望台へと続く峠道を、彼女と共に駆け上りながら、一抹の不安にかられていた・・・。それは、摩周湖がその
湖面を僕達に見せてくれるのかという疑念・・・。
『霧の〜』という定番の修飾語まで存在する摩周湖・・・。特に、6月〜8月のこの季節が、最も霧によって湖面を
望むことの叶わない確率が高いと言われている・・・。今朝だって、このあたり一体ですら濃い朝もやに包まれていた
ではないか・・・。
摩周湖展望台にまで行って、湖面を見る事が出来ない悔しさを想像すると、まだ行かない方がマシというものであろう・・・。
・・・そんな僕の不安をよそに、相変わらず僕にガッシリとしがみ付いた姿勢のままで、それでもタンデムに慣れてきたであろう
彼女は、時折すれ違うライダーに手を振っているのだった・・・。
・・・奇跡は起きた・・・。摩周湖展望台に辿り着いた僕らの前に、摩周湖はその神々しい姿をハッキリと現していた・・・。
僕の手を借りバイクから降りた彼女は、駆け足で展望台の柵に向かう。その歩みは、視界に入ってくる湖面の面積に
反比例するようにゆっくりとなり、柵の手前で彼女は足を止めた・・・。
彼女は今朝、開陽台の眺めを目の当たりにした時のような感嘆の声を上げなかった・・・。その景色に感動していない
訳ではない・・・。彼女はポカンと少しだけ口を開き、その美しい景色の虜になっていた・・・。
「・・・きれい・・・」
彼女は独り言のようにそう呟いた・・・。そして、飽きることなくいつまでもその景色を眼に焼き付けるように見つめている
のであった・・・。摩周ブルーに心奪われる彼女・・・。そして彼女は言った。
「・・・北海道に来る前から雑誌や絵ハガキでここの景色を見て、憧れてたんです・・・。でもやっぱり私の力じゃここまで
来るのは無理だって諦めてたから・・・、だから今、夢を見てるみたいです・・・。」
「・・・マスオさん、私の夢を叶えてくれてありがとうございます・・・」
泣き虫の彼女は、憧れの摩周湖を見る事が出来た感激に、たまらず込み上げる嬉し涙を拭きながらそう言った・・・。
僕は顔を真っ赤にしながら取ってつけたような返事をするのが精一杯だったが、それでも心の内では彼女をここに
連れてきて本当によかったと思っていた・・・。
しばらく湖面を眺めていた彼女は、ふと近くの観光客の老夫婦に声を掛ける。彼女はウエストポーチから小さなライカを
取り出すと、丁寧にシャッターを押す事をお願いする。
「ほらっマスオさん!写真撮ってもらいましょう。こっちこっち!」
かくして、僕と彼女は摩周湖をバックにツーショットで写真に納まった。彼女は僕のすぐ隣でおすまし顔。・・・僕は緊張で
棒の様に固まったまま・・・。女性と二人で写真に写るなど初めてのことだった・・・。
・・・はしゃぐ彼女の笑顔を見て、この景色をプレゼントしてくれたアイヌのカムイ達に僕は素直に感謝した・・・。深く澄んだ
摩周ブルーがそんな僕らを見守っていた・・・。
その後、僕らは屈斜路湖方面へと下った。・・・小さなデートが始まった・・・。
硫黄臭たちこめる硫黄山は決してロマンチックな観光スポットではなかったが、好奇心旺盛な彼女は噴出する硫黄ガスを
もっと近くで見たいと言い、僕の手を引いて先を行く。
いつしか、硫黄山の岩山を頂上まで登っていた・・・。頂上につく頃には、先に立って手を引いていたのは僕だった・・・。
硫黄山を下山すると、そのまま川湯温泉の観光ホテルで風呂に入った・・・。やはりもちろん、言うまでも無いが混浴など
ではない・・・。
先に風呂を出たのは僕。ホテルのロビーで待つ僕の元に少し遅れて出てきた彼女は、ほのかにシャンプーの香りが
した・・・。濡れ髪が色っぽかった・・・。
温泉街に軒を連ねる土産物店を彼女と歩いた・・・。珍しいアイヌの伝統工芸品の数々に、彼女は目を輝かせていた・・・。
僕が他の土産物を見ているうちに、彼女は何か買い物をしたようだった。何を買ったのか問いを投げ掛けた僕に彼女は
恥かしそうに内緒です、と答えた。
お世辞にもお洒落とは言えない温泉街の食堂で、僕らは朝食とも昼食ともつかない食事をとった。
女性と二人っきりで外食などした事の無い僕にとって、ほとんど味わう余裕など無かったが、つい先ほどの摩周湖や
硫黄山の思い出を彼女は楽しそうに語っていた・・・。
・・・おそらく、傍から見る限り、僕らは恋人同士のようであっただろう・・・。僕は緊張と、そして相反する嬉しさとで
まるで天にも昇るような心持ちだった・・・。
・・・楽しくて楽しくて仕方がなかった・・・。それまで、半ば意図的に目を背け、時として悔し紛れに否定してきた恋愛という
ものに僕は没頭しかけていた・・・。
438 :
774RR:2006/06/27(火) 23:46:41 ID:2GY0Gh4/
ktkr!!!!!
439 :
774RR:2006/06/27(火) 23:47:28 ID:KWZXlGpN
魔棲雄さんに挟まれたい
「あ〜、すっかり忘れてた!」
川湯温泉街を後にしようとした直前、彼女は突然そう声を上げた。ちょっと待ってて下さいと言って、彼女は公衆電話を
探し、電話をする。・・・そうだ・・・。彼女は自転車サークルの東京居残り部員に連絡し、別れてしまった本隊との合流に
対しての指示を仰がなければいけなかったのだ・・・。
「みんな今日は予定通り根室の方へ行って、明日のお昼ぐらいに開陽台キャンプ場に来るそうです。私はもう一日
キャンプ場で待機しなさいって言われました・・・。」
彼女は僕にそう報告した。・・・僕は我に返った・・・。
・・・そうだ・・・、彼女は大学の仲間と北海道へやって来て、不慮のトラブルで本隊とはぐれ、偶然のうちに僕と出会ったに
過ぎない・・・。僕と彼女は遅かれ早かれ別れなければならないのだ・・・。
そんな現実を認識した僕は、愕然とした・・・。永遠に続くかのごとく錯覚していた楽しい時間に、実はものすごく短い
タイムリミットが設けられている事を認識した僕は、途端に心が重くなってゆくのを感じていた・・・。
もっと彼女と一緒に居たい・・・。この時間がずっと続けばいい・・・。だが、それは叶わぬ夢・・・。それに、それは哀しい事に
僕の一方的な願いであるのかも知れない・・・。いや・・・、恋愛に自信など無かった僕は、ほとんど100%の確率で
それは僕の一方的な願いであると信じて疑わなかった・・・。こんなに可憐で理知的で美しい女性が、僕と同じ想いで
いるという事など到底考えられない・・・。
その時、何故か僕達の間にしばらくの沈黙が流れた・・・。そして、そんな僕の心中を知ってか知らずか、彼女は下を
向いたまま言った・・・。その声が、思いつめたようなものか、不安そうなものかは判断しかねた・・・。
「・・・もう一日、御一緒してもらっていいですか・・・?」
ハイと返事をするのが、何故かとても照れ臭かった・・・。そして、彼女の「もう一日」という言葉が、確実に迫る別れを
暗示するかのようで、僕の心に重く突き刺さるのだった・・・。
441 :
774RR:2006/06/27(火) 23:54:08 ID:AmGzuWCP
タイコ惚れた!
442 :
774RR:2006/06/28(水) 00:01:52 ID:82lSfLv2
つC
443 :
774RR:2006/06/28(水) 00:07:47 ID:WaqvdDeN
ハァ―――――(*´д`)―――――ン!!
次に見るサザエさんからタイ子さんを見る目が変わってしまうジャマイカ!w
つC
445 :
774RR:2006/06/28(水) 00:24:17 ID:7ddlQ+Xu
つC
まさか!イクラと鱈の相性がいいのは....
サザエさん製作者達にキャラクターの作画変更してもらいたい。
446 :
774RR:2006/06/28(水) 01:37:19 ID:tR+EykkO
タイ子さん萌え(*´Д`)ハァハァ
447 :
774RR:2006/06/28(水) 01:43:58 ID:VDFT5MYR
れ、恋愛小説も書ける人だったのか・・・
448 :
774RR:2006/06/28(水) 02:55:07 ID:Ld/0APYZ
>>445 ま、まさかマスの子だからイクラなのか!!
まさにオホーツクに消ゆ。
スレ汚しスマン
作者さまC
449 :
774RR:2006/06/28(水) 07:13:49 ID:K/Erpw6T
>>448 山田クーン448の座布団全部持って行って!
450 :
774RR:2006/06/28(水) 07:30:47 ID:eScB7yI1
うっは、先日の社員旅行と同じコースだ、
摩周湖は霧だったけど
orz
451 :
774RR:2006/06/28(水) 08:33:44 ID:PwyDv/tL
霧の無い摩周湖は婚期を遅らせるとかなんとか某ギャルゲーで言ってた希ガス…
あぁ気にしないで、所詮うろ覚えだから。
452 :
774RR:2006/06/28(水) 09:43:28 ID:z/q/OyR5
>>451 ツーリングマップルにも書いてあった希ガス
453 :
774RR:2006/06/28(水) 09:48:36 ID:r0hhRCwa
誰かAA職人呼んで、挿絵を作ってくれ!
454 :
774RR:2006/06/28(水) 10:24:25 ID:Ym8nmSgk
>>マスの子だからイクラ
激ワロタwww
455 :
774RR:2006/06/28(水) 10:51:29 ID:teXCX1h3
456 :
774RR:2006/06/28(水) 14:13:35 ID:3NYoqutj
その後、ノリスケが出てきて「テメー、俺のスケに手を出しやがって!」とか言われて、
「うるせえ、貴様が愚図なだけだろぉ」と意気込む魔棲雄さんが、第三京浜で勝負しそうな予感。
457 :
774RR:2006/06/28(水) 16:20:00 ID:ZS5H8zi4
ない
458 :
774RR:2006/06/28(水) 19:16:54 ID:wMThMEG9
459 :
774RR:2006/06/28(水) 19:18:37 ID:BpgH4+cE
460 :
774RR:2006/06/28(水) 19:19:21 ID:7r23LAkU
461 :
774RR:2006/06/28(水) 20:41:41 ID:sU+d/cPJ
てか、サザエがサブと何してる設定だから
ぶっちゃけ、魔棲雄がタイ子となさってもいいと思う。
462 :
774RR:2006/06/28(水) 20:50:39 ID:+4BhQLTf
アナゴさんは毎回、おしい役ですね。
つC
463 :
774RR:2006/06/28(水) 21:25:32 ID:p/PQQ0vJ
北海道から帰ってきたら、カタナの行く先はもう決まってるのだろうなぁ。
数週間は北海道にいるわけだから、決断するには十分過ぎるだろうし。
464 :
774RR:2006/06/28(水) 21:50:17 ID:/wgAAwDS
バイク王にドナドナするの?
465 :
774RR:2006/06/28(水) 22:14:01 ID:tR+EykkO
>>451 そのギャルゲーが分かってしまった自分がこわひ
466 :
774RR:2006/06/28(水) 22:15:29 ID:9ywnC9la
467 :
774RR:2006/06/28(水) 22:16:54 ID:9ywnC9la
もう台無しだな
468 :
774RR:2006/06/28(水) 23:28:16 ID:W5XszqMI
釣られちまった。
しかし餌が趣味悪いな。
469 :
774RR:2006/06/28(水) 23:50:06 ID:HgdoSHU4
470 :
774RR:2006/06/28(水) 23:50:10 ID:XX9sOp3z
そろそろハードボイルド路線戻らないの?
471 :
774RR:2006/06/29(木) 00:05:57 ID:LeIUttvc
>>470 おまえせっかちだって言われないか?
あと空気読めてないとか、利己的とか。
いやごめん言い過ぎちゃったぁ!?☆(>_<)タハー
472 :
774RR:2006/06/29(木) 00:26:50 ID:t+WvV9Pt
>461
そりゃ別設定でしょ?
473 :
774RR:2006/06/29(木) 01:39:22 ID:dPW57m9H
この話がバイクを軸とした青春群像劇だと思ってる漏れにとって、
恋愛ストーリーが挿入されるのはむしろ必然の流れ。
逆に最後まで男だけしか出てこないのは、この話が仮に「ハードボイルド」
だったとしてもバランスを欠くと感じる。
魔棲雄のような異性の絡む青春が存在しなくて悔しいのは可哀想だが、
タダで見てる物、しかもある山場を迎えてる時に、無粋な「注文」
をしてくるお前が憎い。
これまで描写に関してのツッコミは多々あったが展開にケチつけた
のはお前がが最初。
猛省を望む。
474 :
774RR:2006/06/29(木) 01:42:45 ID:McGdznFt
>>468 趣味の悪いネタほど食い付きがいいんだよ
見てみろ、釣られてる趣味の悪いバカがいるだろ?
まあ、
>>465を狙って失敗しただけなわけだがorz
475 :
774RR:2006/06/29(木) 12:20:26 ID:A4fmOf3Q
そろそろ「イヤッッホォォォオオォオウ!」したアナゴさんが
全開で北上開始してる悪寒。
476 :
774RR:2006/06/29(木) 19:23:53 ID:Fu5QF4wO
>>475 アナゴさんなら慣らしついでに北海道まで来てしまうのでは?
でも、マスオさんに会った瞬間に全k(ry
>>470 もうしばらく、やんわり路線にお付き合い下さい・・・。
今後(もう少し後ですが)マスオには『魔棲雄』になるべく文字通り「ハード」な思いを
させようと思っております・・・。
(↑語尾にwとか(笑)とかが付かない事で、それがどれほどのものかはお察し下さい・・・)
何事にも(ライディングにもね)緩急は必要です。
さて・・・続きを書こうかな
478 :
774RR:2006/06/29(木) 20:59:05 ID:xJTEFGLr
楽しみ!
こういった文章を出し惜しみせずガンガン書けるってスゲーよな
479 :
774RR:2006/06/30(金) 00:34:21 ID:zLjtcRY5
【SCENE77】
彼女と僕の間に、なにやら気まずい空気が流れていた・・・。
事実上、近いうちの二人の別れを確定付ける先ほどの電話以来、彼女はうつむき気味で言葉も少なくなっていた・・・。
そして僕もまた、そんな彼女の雰囲気に呑まれ、また、来たるべく彼女との別れへの憂鬱から、ほとんど言葉を失っていた。
・・・今思えば、何故その時の彼女が元気を失っていたのか、思いを馳せるべきだった・・・。今となっては自分勝手な想像の
域を出ないのだが、僕はもっと自信を持つべきだったし、それからの短い時間で何度か訪れる『機会』すら逸していた・・・。
・・・そう・・・、僕は若く、そして愚かだった・・・。あまりにも異性との関わりにおいての経験値が少なすぎた・・・。
ほとんど初めての恋に、僕の心は舞い上がり、地に足が着かず、自分の事しか考えられなくなっていたのかも知れない・・・。
とにかく、僕はその気まずい空気に困り果てていた・・・。なんとかしてその空気を切り替えようと模索してみても、通常の
会話すら緊張でままならない僕に、気の効いたセリフが出てこようはずも無かった・・・。
無言の二人を乗せたNinjaは、屈斜路湖半を後にして開陽台に向かって走っていた・・・。
と、その時、そんな僕達にとって思いがけない救世主が現れたのだ。
弟子屈の街中で赤信号で停止したNinja・・・。彼女はバイクが停止しているにも関わらず、走っているときと同じように
僕にピッタリとしがみ付いていた・・・。相変わらず無言のままだった・・・。その重苦しい空気に、そろそろ僕は押し潰され
そうになっていた・・・。その時である。
停止線で停車するNinjaの横に、一台のバイクが横付けした。ホンダCD90。僕はそのライダーを見てギョッとした。
紺色の制服・・・。重々しい黒い腰ベルトには拳銃と警棒・・・。ジェットヘルメットには菊の紋・・・。しまった!巡査だ!
・・・僕はヘルメットを被っていない・・・。やられた、と思った・・・。
中年の巡査は、僕を頭から足先まで一瞥すると、今度はタンデムシートの彼女に目をやる。
いかにもライダーといういでたちながら、ヘルメットのみ装着していない僕。そして、比較的軽装でありながら、ヘルメット
だけは被っている彼女・・・。巡査は、なんらかの事情を察知したかのように口を開く・・・。
「・・・お兄ちゃん、ヘルメット被んないとダメだべさ」
北海道弁に迫力と緊張感が無い。僕は「あ、その・・・」と言い掛けたが、巡査は言葉を続けた。
「気をつけんべ。あと、この辺、たまに取り締まりやってっからね〜」
信号が青に変わる。巡査はそれ以上は何も言わず、後ろ手に手を振って走り去ってしまった・・・。
唖然とする僕の背後で、彼女が無邪気に巡査の後姿に手を振っていた。顔を見合わせる僕と彼女。
『ヘルメット着用義務違反』による検挙の憂き目から見逃された僕は、彼女と目が合うと、思わず笑いが込み上げて
しまった・・・。吊られて彼女も笑う・・・。僕らの間に笑顔が戻ってきた・・・。
大地を真っ二つに貫く写真で有名な北19号を開陽台へと向かう僕達。道端にバイクを停め、牧草地で草を食む馬を
見て喜ぶ彼女の様子は、すっかり明るさも戻っていた。
昼をやや過ぎた頃、開陽台キャンプ場に帰着。初めてで、そして最後となる彼女との小さなタンデム旅行は終わった・・・。
「ありがと!」
彼女はそう言って、Ninjaのタンクをまるで飼い犬にそうするように撫でる。
「マスオさん、今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました。」
彼女は満面の笑みでそう言った。僕は彼女に喜んでもらえた事が、なにより嬉しかった・・・。
午後の開陽台には、優しい風と時間が流れていた・・・。
開陽台での記念にと、二人一緒の写真を僕のカメラで撮った。シャッターをお願いしたライダーが僕らを茶化すように
「ホラホラ二人とも、もっとくっついて」
と言った瞬間。彼女は僕の左腕を抱きかかえるように両腕を回して来た。その刹那、シャッターが下りた・・・。
驚く僕の顔を見上げて、彼女は照れ臭そうに笑っていた・・・。
いつしか昨日と同じように、黄金色の美しい夕焼けが地平線を飾っていた・・・。
開陽台展望台から、僕らは夕陽を眺めていた・・・。彼女は、展望台の柵に頬杖をつきながら独り言のように言った・・・。
「・・・このまま時間が止まればいいのに・・・」
その時、僕は彼女のその言葉を、目の前の沈み行く美しき夕陽に向けて言ったものだとばかり思っていた・・・。
今になって思えば、彼女のその言葉に他意があったと考えるのは自惚れだろうか・・・。・・・いや、いずれにしても
今さら詮無きことだ・・・。何度も言う・・・。僕は若く、そして愚かだった・・・。
開陽台駐車場前にある、小さなレストランで僕らは夕食を摂った・・・。女将さんは僕らを恋人同士だと思ったらしく
そうではないという事を知ると「またまた〜」と言って僕らをからかった。僕と彼女は顔を赤くして下を向いていた・・・。
ふと顔を上げると、彼女と目が合ってしまい、僕は慌てて再び下を向くのだった・・・。
彼女と二人っきりの最後の夜だからと言って、何か特別な事があったわけではない・・・。本当だ。
今にして思えば、僕に少しばかりの積極性があれば何かが変わっていたのだろうか・・・。もしかしたら、小さな勇気
一つで僕の人生は大きく変わっていたのだろうか・・・。彼女の笑顔は、今でも僕の隣にあったのだろうか・・・。
・・・それは、誰にも解らない・・・。
しかし一つだけ言えることは、この短い数日間の中で、僕は自分の気持ちに素直に正直に行動しきれなかったと
言う事だ・・・。
僕には自信が無かった・・・。勇気が無かった・・・。・・・僕は・・・弱かった・・・。
結局、僕は彼女に対して自分の気持ちを直接的どころか、間接的にも伝えることは無かった・・・。
満天の星空の下で、僕達は昨晩と同じように、他愛も無い事を語り合った・・・。ただそれだけだった・・・。
彼女との別れを意識しながらも、その残された短い時間は無情にもカウントダウンを止めることは無かった・・・。
・・・僕は本当に愚かだった・・・。何故、人一倍彼女と共にいつまでも一緒に時を過ごしたいと思いながら、彼女が夕陽を
見ながらこぼした一言に思いを馳せる事が出来なかったのだろう・・・。
・・・夜も更け、僕と彼女はそれぞれの寝床へ・・・。
「・・・おやすみなさい・・・」
そう言った彼女の笑顔が寂しそうに見えたのは、僕の気のせいだったのだろうか・・・。
すぐ隣で彼女が眠っている事に相変わらず緊張しながらも、昨晩ほとんど眠っていなかったせいで、僕はいつしか
まどろみ始めていた・・・。
虫の音が、遠くなる意識の中で小さくなっていった・・・。
あまりに彼女の事を想うが為に、夢を見ていたのだろうか?それとも幻聴だったのだろうか?落ちかけた意識の中で
彼女の声が聞こえたような気がした・・・。
・・・僕は彼女に伝えなければならない事を伝えられないまま、二人きりの最後の夜は過ぎていったのだった・・・。
485 :
774RR:2006/06/30(金) 00:52:18 ID:pu5OETET
キテタ〜
原チャリ女としてはLove路線も
つC
普段バイク板はおろか2ch全体で叩かれる女でも堂々とC出切るのが このスレの魅力です。
切ないですね…
486 :
774RR:2006/06/30(金) 00:56:17 ID:25XeX2A4
あおーい!あおすぎるよ魔棲男さん!
つC
487 :
774RR:2006/06/30(金) 01:06:54 ID:m+v5yK42
魔棲男切なす…(´;ω;)ブワッ
つC
補足です。
作中の開陽台のレストランと言えば、いわずと知れた『ハイジーの家』さんから
ヒントを頂いております。(勝手ながら)
昔は駐車場前に展望台とは別個の建物として営業していたようです。
・・・ちなみに、営業開始は1986年からだったようで、作中当時には存在していません。
ご了承下さいm(_ _)m
・・・しっかし、マスオ・・・、自分で書いててなんだけど・・・、イライラしますね〜w
489 :
774RR:2006/06/30(金) 01:14:49 ID:OykeVuJp
青春って感じだから魔棲男の歯がゆさはイイヨーイイヨー
490 :
774RR:2006/06/30(金) 01:16:55 ID:jC8R/l0d
C
491 :
774RR:2006/06/30(金) 01:18:45 ID:rQbJNxQT
つC
はぁ…こんな出会い俺にもこないかな('A`)
492 :
774RR:2006/06/30(金) 01:26:04 ID:JinFVD+K
つC
493 :
774RR:2006/06/30(金) 01:35:32 ID:z38RDOOl
最早、これ以外に言える言葉があるだろうか…
つC
494 :
774RR:2006/06/30(金) 01:39:18 ID:RUqG4s2G
つC
('A`)切ない…
495 :
774RR:2006/06/30(金) 01:49:01 ID:xi1XMg+Q
なんかこう、俺もそんなだったな・・・なんて
若かりし頃を思い出して、赤面して、後悔して
つC
496 :
774RR:2006/06/30(金) 02:04:11 ID:+Q9rC3y4
大学生の時の北海道ツー思い出したよ
釧路のツーリングトレインで仲良くなったセローのお姉ちゃん
一緒に和商市場で朝飯喰ったんだよ
かわいかったなぁ…
ち く しょー
つC
497 :
774RR:2006/06/30(金) 12:45:17 ID:jIYjHTon
悲しみも切なさも青臭さも乗り越えて魔の棲む男になっていくのか…
つC
498 :
774RR:2006/06/30(金) 12:56:16 ID:FKiaWTeE
来年会社辞めて一夏北海道行く事に決めた。
499 :
774RR:2006/06/30(金) 16:18:01 ID:e8h+wCUm
魔に棲む男の名は
×魔棲男
○魔棲雄
500 :
774RR:2006/06/30(金) 18:57:08 ID:xi1XMg+Q
ずっと思ってたんだけど
魔棲雄より魔棲王のがよかったんじゃないかな、とかって
まあ他人様の作品だし、そもそも最初の作者とも違うし
全然口出すべきじゃないのはわかってんだけどもな
雄のがいいって人も大勢いるだろうし
あー、なんかスマン
501 :
774RR:2006/06/30(金) 19:21:34 ID:dEWoR+K0
502 :
774RR:2006/06/30(金) 19:36:39 ID:jC8R/l0d
503 :
774RR:2006/06/30(金) 20:14:36 ID:H67K1NI4
>>500 雄の方が多数派というより、そんなこと思ってるの
お前だけだから安心しろ。
ていうか、後で読み返して自分で恥ずかしくなる
ような書き込みするなw
504 :
774RR:2006/06/30(金) 21:12:14 ID:JinFVD+K
何?そのバイク王?
505 :
774RR:2006/06/30(金) 21:19:12 ID:5wkAXA46
>>503 周りの人間が恥ずかしいとおもっても、本人は全く気付かないってのは
結構多いもんだよ。
506 :
774RR:2006/06/30(金) 21:38:51 ID:mRNTL8tM
イイヨーイイヨー
507 :
774RR:2006/06/30(金) 21:46:19 ID:jC8R/l0d
タイトルの事を言ってたのか。
・・・恥ずかしい人だなw
508 :
774RR:2006/06/30(金) 22:33:21 ID:1z5nskPT
与えられた物を享受するだけで思考を放棄する凡人よりいんじゃね?
509 :
774RR:2006/06/30(金) 23:06:34 ID:dEWoR+K0
いやいや、ジャンプの主人公的に成長して王になるんじゃね?
510 :
774RR:2006/06/30(金) 23:11:59 ID:CoHhHBf9
ルフィ→海賊王
マスオ→バイク王
511 :
774RR:2006/06/30(金) 23:19:58 ID:5wkAXA46
512 :
774RR:2006/07/01(土) 02:06:09 ID:Pfsmx9BT
>>500 今日からお前のコテハンは『王』だ・・・。
解ったら返事をおし!『王』!!
513 :
774RR:2006/07/01(土) 02:19:59 ID:b8OqKrfX
いよいよ
マスオ→魔棲雄の
ダークサイド転向編が!?
wktk
514 :
774RR:2006/07/01(土) 08:35:18 ID:Qz2H1fyH
待ちきれん…
フライン毛つC!!!
515 :
774RR:2006/07/01(土) 10:56:50 ID:Pfsmx9BT
おいおい、今日発売の「培倶人」。男女タンデムで巡る摩周湖・屈斜路湖・北19号、
そして開陽台。
あまりにタイムリーなその写真の数々に、作中のシーンがラップして
震えたw
516 :
774RR:2006/07/01(土) 11:44:10 ID:yAfsiKUi
マジで?
ちょっと本屋行ってくるノシ
517 :
774RR:2006/07/01(土) 11:44:30 ID:sBrj+5zb
アゲ支援
518 :
カツオ物語〜伝説を継ぐ者〜:2006/07/01(土) 12:58:47 ID:7u3AC6jv
その音を振り切ろうと、
必死になってカウルに身を伏せる僕。
一瞬の出来事だった…
今にして思う。
排気量の差が…すべてではないのだということを
原付には原付の世界があるのだということを
しかし…16歳だった僕には、
若さという名の、生命力だけで
人生を加速し続けている僕には…
それらを理解するにはまだ早すぎたのだった…
一瞬の出来事だった…
公道でのバトル
だたひたすらに相手よりも速く走る…
そのためだけに、何もかもを犠牲にする…
この世界を生きるものにしか…
刹那の時を知るものにしか理解できないであろう
濃密な一瞬…
後方から迫る2台のバイクは
一瞬にして僕とNSR50を
バックミラーの点に変えて行った…
あのバイクは…?
520 :
774RR:2006/07/01(土) 14:28:45 ID:L2sZ0nsa
>>519 支援。
漏れには分かる・・・原付は、やはり原付であるということを。
521 :
774RR:2006/07/01(土) 16:53:59 ID:nuPGiVPV
なんか、インターバルが長すぎて、どんな話だっけ?ってなっちゃうw
522 :
774RR:2006/07/01(土) 19:00:38 ID:EFq3QJoN
>>521 たしかにw
もう少し溜まってから、まとめサイト見ようかな
523 :
774RR:2006/07/01(土) 19:43:35 ID:+vaMcj91
↑
確か、こんな感じだったようナ・・
念願の緒原付免許を手に入れたカツオ。
喜び勇んで物置から、なみへいの年代物のカブを引っ張り出し、動かそうとするが
反応なし。
いつも頼りない印象しかない義兄(マスオ)が、見かねてカツオを案内したのが、
アナゴ君の家。そこには、マスオのV-MAX1200とアナゴ君の刀1100が鎮座していた。
マスオの後部座席に乗せられて夜の町を疾走する二台。カツオはバイクの虜になってゆく。
別れ際、アナゴ君のガレージでカツオはキーをもらう。免許取得祝いに、アナゴ君の
所有するもう一台のマシン、NSR50を、好きなときに運転してもよいという光栄に
恵まれる事になった。
で、ある休日の早朝、とりあえず奥多摩方面に初ソロツー。道中、後方から迫った
TZR50に抜かされた事で、無謀な公道バトル開始→カツオ、信号に引っかかり敗退。
で、同じ50で、何が違うのかとか自問しているところからの続きだったと思う。
524 :
774RR:2006/07/01(土) 20:35:20 ID:Un2JLNdK
525 :
774RR:2006/07/01(土) 20:40:05 ID:fO7m+aA4
>>524良く嫁マヌケww
>>523はあらすじを説明してくれているのに文才がどうのとかなんら関(ry
526 :
774RR:2006/07/01(土) 21:09:30 ID:sBrj+5zb
最近はこの程度の短文もまともに読めん奴が増えたのか
527 :
774RR:2006/07/01(土) 21:12:46 ID:06rzBfIy
528 :
774RR:2006/07/01(土) 21:51:03 ID:yWat6KfK
529 :
774RR:2006/07/01(土) 22:13:25 ID:yAfsiKUi
カツオ物語キテタ――――(゚∀゚)――――!!
遅い?
でも嬉しかったんだもん……
530 :
774RR:2006/07/01(土) 23:26:19 ID:wwvoUQMH
531 :
774RR:2006/07/01(土) 23:55:09 ID:RK52a1Z+
>>524 そんなこと平気でいえるなんて躾が悪いんだろうな
俺、おまいん家みたいなダメな親に育てられなくてホントに良かったと思うよ
近所の人にも嫌われてんだろうな、おまいの一家
532 :
774RR:2006/07/02(日) 00:03:05 ID:0nW6Hwir
533 :
524:2006/07/02(日) 00:53:38 ID:Vj8jGy9v
先程はすみませんでした。ネタのつもりでした…。
つC
534 :
774RR:2006/07/02(日) 01:47:46 ID:xGe0vl/Y
>>533 スレが荒れないために濡れ衣を自ら着るなんて
そんなお前が好きだ
535 :
774RR:2006/07/02(日) 01:57:12 ID:TuA9hKVP
536 :
774RR:2006/07/02(日) 06:20:58 ID:fBovawdN
528様、過去の話は携帯から見れますか?
【SCENE78】
前日の寝不足がたたったのだろうか・・・。翌朝、目が覚めたのは午前10時前だった・・・。
しばし寝ぼけていた僕は、ハッとして起き上がる。そして慌ててテントを這い出る。
・・・彼女が夢のように消えていなくなってしまっているかも知れないような錯覚に囚われていたからだ・・・。
「おはようございます!」
テントを出た僕の前に、彼女の笑顔があった・・・。ホッとした・・・。
それも束の間。僕は彼女との迫り来る限られた時間を思い出す・・・。再び何かを差し込まれたような心の痛みに襲われる。
・・・もうすぐ別れなければならない彼女の笑顔は、哀しいほどに美しく思えた・・・。
今日、彼女は大学の仲間とここ開陽台で合流予定だ。しかし、それを見届けずに彼女を一人ここに置いて行くわけには
いかない。
「みんなが来るまではここに居ますよ」
僕がそう言うと、彼女は笑顔でありがとうございますと言い、その後、下を向いて申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさい・・・。私のせいでマスオさんの予定が狂っちゃったでしょう・・・?」
そんな彼女の様子を見て、僕は思わず口走りそうになった。
「とんでもないです。僕が・・・」
そこまで言い掛けて僕は言葉を止め、本来言おうとしていた事を飲み込んで別の言葉に差し替えた・・・。
「予定なんて初めから無い、あてもない旅ですから。だから気にしないで下さい」
・・・本当は「僕が一緒に居たいからここに居るんです」と言うところだった・・・。そしてそう言うべきだったのかも知れない・・・。
臆病な僕は、当たり障りの無い言葉で格好つけるのが精一杯だった・・・。
彼女の沸かしてくれたコーヒーを飲みながら、僕らは残された時間を開陽台の涼しい夏風に吹かれながら語り合うことで
過ごすのだった・・・。そうして、二人きりの最後の時間は何の進展も無く過ぎていくのだった・・・。
午後3時前。ついに運命の時が来た・・・。彼女の大学の仲間達が開陽台キャンプ場に到着した。間を置いて続々と集まる
その数はかなり多い。
部長と思しき男子学生に彼女は迷惑を掛けた事を謝る。そして、突っ立っている僕を紹介する。
「東京から来たフグタさんです。パンクの修理をしてくれたり、キャンプの手伝いをしてくれたり、すごくお世話になったんです。」
スポーツ刈りと小麦色の肌が爽やかな部長は、僕の手を握り新入部員が世話になった事に対し丁寧に礼を述べる。
そうしているうちに、全てのメンバーが開陽台に到着したようだった。かなりの数だ。20人は居るだろうか・・・。
半数弱は女子部員だろうか。なんと外国人までいる。留学生だろうか?彼らは立ち話やテント設営を行ったりと、それまで
静かな時間の流れていた開陽台キャンプ場が一気に賑やかになる。
男子部員の一部には、遠巻きに「かわいい新入部員に何もしなかっただろうな?」という訝しむような視線を遠巻きに
向けるものもいた。冗談ではない。こんな可愛らしい女性を原野に置き去りにした責任はそもそもそっちにあるのだ。
それでも大半の人間は気のいい連中に見えた。・・・もう心配あるまい・・・。さて、そろそろ僕は消える頃だ・・・。
「じゃあ、僕はそろそろ・・・」
僕がそう言うと、彼女はハッと振り返った・・・。すると、すぐに部長が言った。
「えっ!?今から行っちゃうんですか?もうこんな時間ですよ?」
夕暮れにはまだ少し早いが、それでも確かに移動を開始するには遅い時間のような気もした・・・。バイクより移動速度の
遅い自転車の彼らの時間観念的にはなおさらだったのだろう。
部長は爽やかに光る真っ白な歯を見せながら笑顔で言った。
「きちんとお礼もしたいし・・・。どうですか?もう一晩ここに泊まっていっては?一緒に呑みましょうよ!」
・・・たくさんの仲間に囲まれた彼女を見ると、僕はなにやら場違いにも思えたが、無下に断る理由も無い・・・。僕は
その誘いのままに、3泊目の開陽台キャンプ場での夜を過ごす事にした。
僕は大きな違和感と疎外感に包まれていた・・・。
昨晩までの彼女と二人きりの静かな夜はそこには無かった・・・。たくさんの学生達の宴の輪の中に僕は居た・・・。
それほど人付き合いが上手ではない僕に、今日あったばかりの見知らぬ他校生達と会話が盛り上がるはずも無い。
僕は、輪の中で小さくなって彼らの会話を聞くとも無く聞いていた・・・。
昨晩まで僕の隣に居た彼女の姿は近くになかった。新入部員である彼女は、他の一年生とともに忙しそうに先輩部員達の
世話を焼いていた・・・。彼女は男女を問わず、仲間達に愛されているようだった・・・。彼女の居るところには常に人が
集まり、特に男子達のアイドル的存在のようであった・・・。・・・無理も無い、と思った・・・。
さらに驚いたのは、おそらく英語ではない言語を話す男子留学生と、彼女は流暢に会話をしていることだった。聞くところに
よると彼はイタリアからの留学生との事だった。
・・・中・高、そして浪人時代と早稲田に入学してからのおよそ10年間の学習を受けているにも関わらず、英会話すら
ままならず、第三京浜でのレッド達との会話もジョージの通訳が無ければ成立しない僕にとって、そんな彼女の様子は
驚きに値するものだった・・・。
・・・世間知らずでどこか抜けたところのある彼女の意外な一面に僕は驚くと共に、どこか彼女が自分と住む世界の異なる
人間であるような思いに包まれ始めていた・・・。
・・・今にして思えば、それは自分の自信の無さの裏返しでしかないのだが・・・、若く愚かな僕はある意味彼女に裏切られた
ような鬱屈した気持ちに襲われていた・・・。
・・・まるで独り占め出来たかのように思っていた彼女の笑顔・・・。しかし、実はそうではないという現実を目の当たりにし
僕の心は悪酔いも手伝って子供のようにいじけていたのかも知れない・・・。
彼らは酒も進み、ほとんど僕にお構い無しで内々の話に興じていた・・・。上の空でそんな会話を聞く僕の目線の先には
常に彼女が居た・・・。彼女が誰かに話しかけられる度に見せる笑顔を、僕はいたたまれない気持ちで見ていた・・・。
・・・嫉妬とも苛つきとも解らない負の感情に耐えられなくなった僕は、宴の輪からこっそりと抜け出し、自分のテントに
戻った・・・。テントに入る時に、視界の片隅で彼女がこっちを見ているように見えたが、僕はそのままテントのファスナーを
閉めた・・・。
僕は、嫌で嫌で堪らなかった・・・。自分自身の弱さに・・・。彼女が悪くないのは知っていた・・・。それなのに彼女に嫉妬の
目を向け、心が内に篭る僕自身が許せなかった・・・。
・・・社交的で理知的な彼女・・・。反してあまりに弱い僕・・・。なおさら彼女と僕とは釣り合うようには思えなかった・・・。
・・・夜明けと共にここを発とう・・・。ひとところに長く留まり過ぎたのかも知れない・・・。
テントの外の喧騒を聞きながら、僕は目を瞑った・・・。
鳥のさえずりと共に目を覚ました。太陽はまだ昇っていなかったが、東の空はうっすらと白み始めていた・・・。
テントの外には誰も居なかった・・・。僕は周囲に気が付かれぬよう、静かにテントを撤収する。
全ての荷物をパッキングし、愛車の待つ駐車場へ向かう・・・。最後に振り返り、彼女のテントにさよならを呟くと、僕は
開陽台キャンプ場から駐車場へと繋がる階段を下った・・・。
薄暗い駐車場で朝露にまみれたNinjaに荷物を積む。そして、スタータースイッチを押し、4気筒に火を入れた・・・。
静かにここを去りたかったのでチョークは引かなかった・・・。Ninjaの静かなアイドリングが寂しく高台に響き渡っていた・・・。
そしてヘルメットを被ろうとしたその時だ・・・。
「いってしまうんですね・・・。」
背後からのその声に、僕は驚いて振り返った・・・。そこには彼女が立っていた・・・。
彼女は軽く息を切らしていた・・・。突然の事に、僕は立ち尽くす・・・。そして彼女は僕のほうに歩み寄ってきた。
僕の目の前までやってきた彼女は、僕を見上げて言った・・・。その顔は怒っているようだった。
「黙って行ってしまうなんて、ヒドイじゃないですか・・・。」
僕は「あ、その・・・」と言い掛けると、彼女はすぐに笑顔に戻り笑いながら言った。
「ウソですよ!・・・なんか、黙って行ってしまうんじゃないかって気はしてましたから・・・。」
彼女は押し黙ったままの僕を無視して言葉を続ける。
「色々、お世話になっちゃってありがとうございました。私のせいでマスオさんを引き止めちゃって・・・」
いつものように、育ちのよさが伺える丁寧な言葉で礼を言う彼女。しかし、突然そこから先の彼女の声が震え始めた・・・。
543 :
774RR:2006/07/02(日) 14:20:39 ID:M44nahdU
支援
「・・・マスオさん・・・と・・・会えて・・・本当に良かった・・・です・・・」
彼女の瞳から大粒の涙がこぼれ落ち、頬を伝って落ちた・・・。そして、涙を両手で拭いながら、彼女は呆然とする
僕の胸に飛び込んできた・・・。僕の胸元で声を押し殺して泣く彼女・・・。僕は突然の出来事にヘルメットを片手に持ち
立ち尽くすだけだった・・・。
一分ほどのその時間が、永遠に思えた・・・。今、僕は彼女を抱きしめてあげる事が出来なかった事を後悔している・・・。
真っ赤になった瞳をこすりながら、彼女が再び顔を上げたとき、その顔には笑顔が戻っていた・・・。
そして、彼女はポケットから小さな包み紙を取り出し、僕の手を握りながら手渡した・・・。
川湯温泉の土産物店の紙袋だった・・・。開けて下さいという彼女の言葉に従う。中には小さなアイヌのニポポ人形の
キーホルダーが入っていた・・・。
「私のこと、忘れないで下さいね!」
その時の涙目の彼女の笑顔を、僕は決して忘れることは無いだろう・・・。
・・・それが、僕の1984年の夏に体験した初恋の全てだ・・・。今でも目を閉じれば、あの青春の時が開陽台を吹く爽やかな
風邪の匂いと共に思い起こされる・・・。
・・・僕は、あまりに若く、青く、そして愚かだった・・・。そんな僕の弱さが、もしかしたら彼女を傷つけたのかも知れないと
思うと、それは罪でもあろう・・・。
・・・その結末は、失恋という言葉を使う事すら躊躇してしまうような淡い物語・・・。それでも僕は、あの夏の恋を忘れない・・・。
僕の部屋の僕の机の引き出しには、数十枚にも及ぶ青春時代の写真が入っている・・・。
セピア色に色褪せたそれらの写真は、妻も含めてほとんど家族に見せたことは無い・・・。ヨンフォア時代にアナゴ君と
共に撮ったオロロンラインでの写真を少し前に義弟に見せたくらいだろうか・・・。
それらの写真は、こんな僕にも輝ける青春時代が確かに存在した証であるが、その引き出しの中には鍵の掛かる
日記帳も入っており、その中にも数枚の写真が入っている・・・。
それは、人に見られたくないというよりも、自ら意識して封印してあると言ったほうが良いかもしれないが、それでも
心が傷ついたりした時に、時折開いて見るときがある・・・。
・・・その中に、一枚の写真がある・・・。丸メガネの若い男と、その男の左腕に嬉しそうにしがみ付くショートカットの
やはり若い女性・・・。・・・僕とタイコさんが北の大地で出会っていた確かな証・・・。
この写真を眺めるたびに、僕は自然と笑みが漏れ、そして心が少しだけチクリとする・・・。
御承知の通り、現在の彼女と僕は『親戚』という非常に近い関係にある。あまりに近く・・・それ故にあまりに遠い存在・・・。
・・・僕は思う・・・。ノリスケ君は幸せ者だと・・・。
こう言ってはなんだが、彼だって特に才色兼備なわけではない。しかし、彼のその物怖じせず大らかで細かい事を
気にしない性格は、育ちが良く理知的で美しい彼女を前にして怖気づいてしまった自身を思い返すと、彼女と良く
釣り合いが取れているのだろうと思う・・・。
あの夏の記憶はほろ苦いものだが、反面、幸せな家庭を築く彼女を側で見る事ができて嬉しく思う・・・。
・・・摩周湖を初見で見られた者は晩婚、もしくは出世しないというジンクス・・・。それを広義で捉えて「願いが叶わない」と
するならば、まさに当時の僕の想いはその通りとなった・・・。・・・果たして、彼女はどうだったのだろうか・・・。
・・・バックミラー越しに手を振る彼女の姿は、いつしか見えなくなった・・・。ヘルメットからほのかにシャンプーの香りが
した・・・。
・・・初恋の残り香を引きずりながら、僕は再び旅を始めるのだった・・・。
>>545 推敲します。
×風邪
○風
・・・ですねw
ちなみに、タイコがイタリア語に堪能な話は、昨年の11月頃にTV放送された正式設定に
基づいております。
548 :
774RR:2006/07/02(日) 14:31:57 ID:dzlVJFIX
つC
549 :
774RR:2006/07/02(日) 15:12:15 ID:0fMP6fMz
昨日このスレを見つけて一気読みした。
作者さん乙!(T^T)つC
550 :
774RR:2006/07/02(日) 15:33:14 ID:8+OC5y3A
sageは大人のマナー
C
551 :
774RR:2006/07/02(日) 15:36:24 ID:6lzGXNTZ
クッ…えー話しや ほんま、えー話しや(T^T)
おっちゃん涙出てきたわ…
552 :
774RR:2006/07/02(日) 16:41:37 ID:FW5hiNT8
泣きながら一気に読みますた
開陽台の中心で愛を叫びそこねたマスオ…
553 :
774RR:2006/07/02(日) 16:52:20 ID:ZTaNUWyQ
C
554 :
774RR:2006/07/02(日) 16:57:07 ID:0fMP6fMz
555 :
774RR:2006/07/02(日) 17:55:39 ID:9pK0HmD7
素晴らひい
556 :
774RR:2006/07/02(日) 18:30:33 ID:913kEM+Y
北海道には2回自転車で回ったことあるけど・・・開陽台は最後の坂がきつかったなあ。
バイクで行った時よりも思い出が多いような気がする。
がんがれマスオ!そして作者様いつもほんとうに乙です。
つC
557 :
774RR:2006/07/02(日) 19:04:22 ID:NTotFYVo
大きな空を眺めたら、白い雲がタラヲ氏ね。
今日は楽しい 今日は楽しいタラオ氏ね
ほ〜らほらみんなの声がする〜
タラヲ氏ねタラヲ死ね タラヲ死ねは愉快だな
558 :
774RR:2006/07/02(日) 19:59:17 ID:CtAu28iA
作者先生乙です。
この章は少々悲しく清楚な恋物語に終わってしまいましたね。
次からはその余韻を消し去ってくれるようなハードボイルド路線になる事を期待。
つC
559 :
774RR:2006/07/02(日) 20:27:43 ID:Myb0t2gH
支援や感想やツッコミは構わんが、要求するのはどうかと。
560 :
774RR:2006/07/02(日) 20:36:32 ID:57ankjQt
JAマイカーローンのCMのランボルギーニを
ニンジャに脳内変換してハァハァしてるw
561 :
774RR:2006/07/02(日) 20:40:28 ID:arfKnALE
562 :
774RR:2006/07/02(日) 21:51:43 ID:8qWmECi5
>>559 禿同
マジ要求はヤバイよ
猛省を促すわ
563 :
774RR:2006/07/02(日) 21:55:36 ID:JUzLMfTs
僕は、嫌で嫌で堪らなかった・・・。自分自身の弱さに・・・。彼女が悪くないのは知っていた・・・。それなのに彼女に嫉妬の
目を向け、心が内に篭る僕自身が許せなかった・・・。
・・・社交的で理知的な彼女・・・。反してあまりに弱い僕・・・。なおさら彼女と僕とは釣り合うようには思えなかった・・・。
↑とても共感できます。
昔のこと思い出して、あぁすればよかった。なんでこう出来なかったんだろうとか
考えてる内に泣けてきました。
つC
564 :
774RR:2006/07/02(日) 22:16:23 ID:CNvZP4+A
北海道編の爽やか青春編が長いほど後に来るであろう魔棲雄編がより際だつであろう。
青春編の出来も出色だけによりワクテカなんだが。
565 :
774RR:2006/07/02(日) 22:33:07 ID:WvCSVMh3
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
566 :
774RR:2006/07/02(日) 23:36:22 ID:vuP1wTba
こういうナイーブな青年が剃刀より鋭いキレた走りをするようになるのか...
カッコええ...サザエさんちのマスオさんなのにー
567 :
774RR:2006/07/03(月) 00:00:32 ID:L5xWPCpa
ニポポ人形が涙する時、また一つ死体があがった
そんな伏線?
568 :
774RR:2006/07/03(月) 00:09:02 ID:82mrlH/N
オホーツクに消ゆ?
569 :
774RR:2006/07/03(月) 00:20:29 ID:ffv6lVt2
マスオ……
ちくしょう、切なくて眠れなくなったじゃないか!明日一限に遅刻したらどうしてくれる!
留年したら謝罪と賠しょ(ry
570 :
774RR:2006/07/03(月) 05:43:14 ID:IjIwaBNf
最高だよ作者さん つC
571 :
774RR:2006/07/03(月) 06:50:19 ID:BxmQiaJH
オホーツクに消えゆ持ってる
17だけど
隠しで女子大生が(ry
572 :
774RR:2006/07/03(月) 14:43:18 ID:VXeElCcR
幾多のネラーを睡眠不足に陥れ涙させ、忘れたい記憶を引き出しやがる作者め。
乙C
(;´Д`)ネムイョチクショゥ
573 :
774RR:2006/07/03(月) 17:21:24 ID:IjIwaBNf
いいなあノリスケ、タイコさんに生中出しするんだもんなあ。
574 :
774RR:2006/07/03(月) 17:55:23 ID:B5W75z7H
>>573 ちょwwwそんなこと言うなwww
そんなこと言ったらマスオとサザエだって・・・。(´д`)オエッ
575 :
774RR:2006/07/03(月) 18:03:42 ID:IjIwaBNf
マスオが生中出しする相手はなあ…
子供は自分の存在を申し訳なく感じてるから、あんなに小さいのに敬語で話してるのかもなあ。
576 :
774RR:2006/07/03(月) 18:49:39 ID:3Bt8PDJ9
アニメ見てるとタラオのうざさは異常
577 :
774RR:2006/07/03(月) 20:20:00 ID:lAf5z8D/
大きな空を眺めたら、白い雲がタラヲ氏ね。
今日は楽しい 今日は楽しいタラオ氏ね
ほ〜らほらみんなの声がする〜
タラヲ氏ねタラヲ死ね タラヲ死ねは愉快だな
578 :
774RR:2006/07/03(月) 21:36:02 ID:b4E6mR2E
タラオはセローに乗って林道を攻めてる気がするんだよ、意外性を追求すると。
579 :
774RR:2006/07/03(月) 22:42:20 ID:OH7FQqlq
──環八でタラオはおっかなびっくりスロットルを捻っていた。
信号の変わり目に無理をして進入し、交差点のど真ん中で身動きをとれずにいる
セルシオ。それをホーンで退かせようとするアコードワゴン・・・。
ウィンカーのつもりでワイパーを出して車線変更をするワゴンR。
それを割り込ませまいと、斜めになりながら前車との車間距離を詰めるトラック。
恐ろしい。こんなに道路が恐ろしいものに変化するとは思ったことがなかった。
その時、父であるマスオの言葉が彼の脳裏に甦った。
「バイクは馬、ライダーは騎手なんだ。その馬を自由に乗りこなすのは
騎手である自分、つまり乗り手次第なんだ・・・。」
「俺は騎手だ・・・。」
タラオはそう呟いてVFR750Rに鞭を打つ。
580 :
774RR:2006/07/03(月) 22:43:25 ID:PATeHi14
足届かないと思う
581 :
774RR:2006/07/03(月) 22:53:00 ID:OH7FQqlq
だが、ライディングの稚拙なタラオにRC30は早すぎた。そして速すぎた・・・。
つい昨日のことだ。箱根の左カーブでオーバースピードで突っ込んだのだ。
外側に大きく膨らんだRC30はセンターラインを越え、反対車線にまで
はみ出してしまった。全身から汗が吹き出、心臓はせり上がり、股間は縮こまった。
真正面から迫ってくる対向車は、老夫婦の乗るアウディだった。
アウディは制限速度よりも遅く、のろのろと走っていた。
おかげでタラオは命拾いした。
582 :
774RR:2006/07/03(月) 23:27:15 ID:X3aqFCE0
暁のキックスタートが好きなのはよくわかった。が、パロディとパクりは別物だ。
いいかげんウザイ
583 :
774RR:2006/07/03(月) 23:40:58 ID:xb543+c4
おーい、まとめサイトの中の人〜!
魔棲雄のSCENE76が抜けてまっせ!
で、いつもご苦労さんですm(_ _)m
584 :
774RR:2006/07/04(火) 00:05:27 ID:AePfk1rY
いつの頃だったか、タラオは叔父がバイクに乗っているところを見てしまった。
見るからに疾そうな、TVか雑誌くらいでしか見たことのないそのマシンから叔父が降りたったところで
彼と目が合ってしまった。
物陰からの甥の出歯亀スタイルにさぞかし驚いたのか、叔父は大げさな身振りで驚く。
本当はこっちがあたふたする筈なのに、皮ツナギ姿で変な踊りを踊っているようにみえる叔父の姿に
彼は場所を憚らず大笑いしてしまったが、後で叔父からそのせいでなにかと
ささやかな意地悪をされることになる。
その後、叔父は、姉さんには内緒だよ。と言ってそのマシンを手に入れる顛末を聞いた。
その頃は、へぇーそうなんですか位にしか思わなかったが、今になっては羨ましいにも程があるエピソードだ。
しかし、ただ話を聞くだけに我慢できなくなった彼は叔父に、乗ってもいいか?と聞く。
だが、叔父は首を縦に振らなかった。
その後も、母の目を盗んで何度も、何度も、何度も嘆願したが、叔父は頑としてその申し出を断った。
最初に「乗ってもいいか」と聞いたときの叔父の言葉が今でも彼の耳にこびりついている。
その言葉にコンプレックスを感じ、その言葉によってバイクに興味を持った。
そして、その言葉を思い返すたびに自分のマシンを事も無げに抜き去り、
加速していくNSRが瞼の裏に揺れる……
『タラちゃんには、まだ早いよ。』
585 :
774RR:2006/07/04(火) 00:11:19 ID:AePfk1rY
すいません、8行目は「聞かせてくれた」です…orz
いきなり長駄文スマソ……
流れ読めなくてごめんなさい……
吊ってきます-3
586 :
774RR:2006/07/04(火) 02:32:30 ID:YiUVsQtZ
カスが
すっこんでな
587 :
774RR:2006/07/04(火) 02:49:26 ID:ra9kOdl4
588 :
774RR:2006/07/04(火) 03:23:14 ID:fFIoHDrk
>>585 長文云々よりもまず名前入れてくれ
途中でID変わってるしな
589 :
774RR:2006/07/04(火) 04:45:12 ID:YiUVsQtZ
若ハゲの分際でなにがしたいんだか まったく
590 :
774RR:2006/07/04(火) 06:36:22 ID:mGh9TSkB
8行目しか気にならなかったか?
591 :
774RR:2006/07/04(火) 11:07:58 ID:R6mIJNrk
支援あげ
592 :
774RR:2006/07/04(火) 13:03:05 ID:0zi0hLdU
>>587 たて読みでも カス だねw
で、584の人。
サイドストーリーを書くのなら、ある程度連投できる分量を書いてからにしたほうが良くね?
思いつくまま書いてるみたいだから、多少推敲不足なところもあるし、話の切れ目も悪くなってる。
内容自体は嫌いじゃないから、ガンガレ。
593 :
774RR:2006/07/04(火) 13:46:32 ID:4rlX2Bq5
おもしろいよ
頑張って!
でもこれだけは言わせて
タラヲ氏ね
594 :
774RR:2006/07/04(火) 14:06:50 ID:tjx+52jQ
お前ら、イクラに狙われるぞ・・・
595 :
774RR:2006/07/04(火) 14:33:30 ID:WbIbq9eR
wktk
596 :
584の人:2006/07/04(火) 17:28:42 ID:QMwexPhc
すいません、何かこういうスレじゃあ
>>584-585みたいなことをすると
かなり叩かれるみたいで、出るに出られなかったんです……
しかも、実は
>>579>>581は自分じゃありませんorz
>>579さんの書いていることに、いてもたってもいられなくなって
勝手に続きのようなモノを書いてしまいました、
>>579さん、ごめんなさい……
ちなみに、当方まだ教習所に通っていますorz
最後に、またも長文スマソ、二度吊ってきます。
597 :
774RR:2006/07/04(火) 18:46:58 ID:t+vKU4DT
なんでもいいからすっこんでろよ
ROMに徹しろバカ
598 :
774RR:2006/07/04(火) 18:57:55 ID:lvKF7rn+
このスレ、マスオ作者以外が全て悪みたいな反応をするのは良くないと思うよ。
マスオ作者限定スレじゃないんだから。
599 :
774RR:2006/07/04(火) 19:01:39 ID:EVXgQorc
600 :
774RR:2006/07/04(火) 19:43:54 ID:Lzq54Trr
今日の誰ピカは長谷川町子先生じゃないか
このスレがなければ見なかったろうな……
601 :
774RR:2006/07/04(火) 21:29:26 ID:v039Y7z8
誰ピカって日曜日だろ?
うん、田舎者ですまない
602 :
774RR:2006/07/04(火) 22:03:17 ID:Y9ShEecG
603 :
774RR:2006/07/05(水) 01:05:35 ID:7GjgvGEo
>>596>>598 面白かったら誰も批判なんてしないよ
波平のやつだってみんな「おもしろい」つって批判なんて無かったじゃん
面白くないって意見がいくつもあるんだから
続きは控えた方がいいと思います
長文失礼致しました。
604 :
774RR:2006/07/05(水) 01:21:20 ID:bHMbdELk
605 :
774RR:2006/07/05(水) 01:29:25 ID:GAFCL55x
あ〜あ。もう新しいストーリー出てこないな。
魔棲男作者が抜群に文章上手い事わかってる?
それを推敲不足だの面白くないだの評論家ぶりやがって。
嫌なら読まなきゃいいだろ。
>>603 長文じゃないね。人に意見できる程の文章力つけたら?
606 :
774RR:2006/07/05(水) 01:32:42 ID:dw8f3zwn
長文なら何でも良いんかね。
607 :
774RR:2006/07/05(水) 01:33:35 ID:P9pmMXYf
608 :
774RR:2006/07/05(水) 01:46:34 ID:U1dV6EuQ
まあ、ある意味魔棲雄を読むスレになってるからねえ
そもそもの話をすれば読み物を発表することが趣旨のスレでもないし
俺は上手かろうがヘタだろうが来る者は拒まずなんだけど
推敲もせずに思いつきで書きなぐってるようなのを読むと
批判する人の気持ちもわからいではない
が、来るなとか書くなとかってのはいかがなものかと
とりあえず4行が長文と思ってるような人は
もう来るなってことで
609 :
774RR:2006/07/05(水) 01:53:35 ID:3D/vjPXF
>>603 それはあくまでお前個人の意見
それをまるでこのスレのルールかのごとく言うのは
ただの仕切りたがりのガキ
このスレで新たなドラマが生まれる可能性を自分が潰している事に気付け
ま、これも俺個人の意見だから作者様方は気にする必要も無いが
しょうもない批判を受け止める気合いがある方にはどんどん書いて頂きたい
どの作品も俺を多少なり元気にしてくれる、感謝してます。
610 :
774RR:2006/07/05(水) 02:28:12 ID:X0WHWAH0
611 :
774RR:2006/07/05(水) 02:46:30 ID:qp5C6rf6
排他的なスレやねぇ…
612 :
774RR:2006/07/05(水) 03:11:36 ID:IrRkRPA2
あまり排他的にすると、職人さんが困りますよ
マターリしませんか?
613 :
774RR:2006/07/05(水) 03:15:29 ID:tww6pqE2
>>603 常体と敬体の使い分けができていません。
推敲してから書いてください
614 :
774RR:2006/07/05(水) 04:58:45 ID:ix1WpA8e
作品を発表するってことは、他人に評価してもらうってことだからね。
誰が何を書いても問題ないけど、ツマラナイ文章だと感じさせてしまったら
それ相応の批判もあるだろうさ。
そういう批判にくじけずに書き続けられる奴は書けばいいと思うよ。
615 :
774RR:2006/07/05(水) 05:15:14 ID:rXBZwZC0
黙って読め
面白くなきゃ嫌な奴は売り物の小説でも読んでろ
このスレに金払ってるわけでもなし、楽しみにしてる人がいるのだからつまらなければ黙ってあぼんすればいい
おいらも初期に一度まるで面白くないのを投下したが見事にスルーされた
あの頃の民度はどこに行ったのか……
つまり何が言いたいのかというと
>>603(´・ω・`)ぶちころすぞ
616 :
774RR:2006/07/05(水) 08:43:19 ID:qp5C6rf6
ハイおしまいおしまい!!
もうこの話はナシ!
>>614みたいな自分の勝手な価値観でスレが荒れるのはコリゴリだ!
さあ気分を変えて次の話題にいってみよー!!
617 :
603:2006/07/05(水) 10:31:33 ID:7GjgvGEo
スレを汚すようなことになってしまい申し訳ありませんでした。
618 :
774RR:2006/07/05(水) 10:47:07 ID:A+Du3EmU
雑誌みたいに読みたいとこだけ読めばいいんじゃね?
別に出た物は必ず読めと言われてるわけじゃないしカッカしなさんなってw
619 :
774RR:2006/07/05(水) 11:21:53 ID:zL1VfFo1
おもしろいもんはおもしろい、つまんねぇもんはつまんねぇで評価されるのはいい事だと思うんだけどな。
620 :
774RR:2006/07/05(水) 11:41:22 ID:vCUUBaWD
けど一部の人は批評じゃなくて、自分の気に入らない作品、作者を排除しようとしてる様に感じる…
621 :
774RR:2006/07/05(水) 12:32:55 ID:fxueDsdv
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
622 :
774RR:2006/07/05(水) 12:33:25 ID:fxueDsdv
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
「おもしろい」つって批判
623 :
774RR:2006/07/05(水) 12:45:54 ID:4Yvho3ba
なーんか荒れてるのねえ…
大人気ない・・・
624 :
774RR:2006/07/05(水) 12:57:46 ID:PkqVPohN
>>620 というより、マスオ作者以外は全て排除の方向になってきてる。
初代スレの後半辺りからこういう流れになってきた覚えがある。
625 :
774RR:2006/07/05(水) 13:33:30 ID:4Yvho3ba
信者キモス
626 :
774RR:2006/07/05(水) 13:41:58 ID:qgoZhnEw
他の職人さんはこの空気がいやになってどっかいってしまったんだろうか。
まぁしょうがないわな、ここまで排他的だったら書く気もなくなる。
信者さんはそれでもいいと思うんだろうけどね。
627 :
774RR:2006/07/05(水) 15:08:13 ID:P9pmMXYf
628 :
774RR:2006/07/05(水) 15:33:11 ID:rXBZwZC0
エエェェ(´д`;)ェェエ
最近は「(´・ω・`)ぶちころすぞ」だけで通報されんのかよ……
2ちゃんもやりづらくなったもんだなオイ
629 :
774RR:2006/07/05(水) 17:03:26 ID:tXGA99LX
つC
630 :
774RR:2006/07/05(水) 17:33:32 ID:oWt+JRYm
ところで、ぶちころすのぶちってなんだろう?
631 :
774RR:2006/07/05(水) 17:56:30 ID:lkCJAbxZ
「ぶっとばして」って意味じゃね?
632 :
774RR:2006/07/05(水) 18:03:31 ID:0TZo2GoW
ガッで殺すことじゃね?
〜予告編〜
これは、たった400mの距離、たった10秒たらずの時間に
自らのゼロヨンに対する情熱・考えの全てを加速に込めて、駆けぬけていった
若き、誇り高き男達の物語である。
“零四〜Runner's Dimension〜” 近日中、当スレにて公開。
634 :
ゴウダ:2006/07/05(水) 19:25:35 ID:VRytZ5QQ
新参者ですが一つ投稿します。うけたら勉強しようと思います。
タイトルは”空を自由に飛びたい”です。
635 :
774RR:2006/07/05(水) 19:37:43 ID:zL1VfFo1
l l _.ィ,≠-、 ',
. ハヽ 、! 〃 l
| ヽヽヽ /イ! l
|ヽ、_..ヽニ、、._||_ /,ニ. |
l、ヽィ_foトヽ〃`l/ィエ:エヽ、- |イ!
lヽlヽ、 _ ィ〃 lヽ`ー l〈
|. ト 、 ̄ 〃,.、 l-、 l !〉| GODA?
l.〈\ \ |! lュ、 ,=ヘ / /!/
ヽ\ヽー-ヽ ヽ l l_ノ
ヽ」\` ーニ二ニ二ニ ‐ l |
. ト、 `` ー‐―一 ´ l |
ヽ\\,. -―‐- 、∠ /!
636 :
774RR:2006/07/05(水) 19:39:48 ID:7HtoQw8J
GO!GODA
637 :
ゴウダ:2006/07/05(水) 19:41:25 ID:VRytZ5QQ
___________
のび君へ
『仕上がったよ!!』
P.S 今日も遅刻か?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
午前9時、今日も遅刻…。だが彼は焦る様子も無く、ガラスの扉に貼られたオヤジからのメモに目を向けていた。
ガラスの扉はブラスト加工により、白くうっすらと 『HI TIMES』と書かれている。パーツメーカーやケミカル用品のステッカーが所狭しに貼られたガラス扉はバイクショップらしさを外見からもアピールしている様であった。
『HI TIMES』の店長はオヤジと呼ばれ、店はオートバイを愛する若者達の溜まり場だった。
彼は、昨晩オヤジから預かったスペアキーを制服の尻ポケットから取出すと、扉のシリンダーを回した。「カチャン」軽い音が鳴る。扉の奥からキャンディーブルーのZRXが彼を店内へ迎え入れた。
鏡の様に磨き込まれたガソリンタンクに彼の姿が写る。シワのないカチッとした長袖のシャツは真っ白に輝いている。6月1日…衣替え初日だからだろうか?彼の身なりは清潔感にあふれていた。だがそれは愛機、ZRXを迎えに来る為の正装の様でもある。
638 :
ゴウダ:2006/07/05(水) 19:43:43 ID:VRytZ5QQ
睡魔線。改行などをミスしました。
639 :
774RR:2006/07/05(水) 20:04:45 ID:vh32x0K/
いいじゃん
640 :
ゴウダ:2006/07/05(水) 20:11:42 ID:FHzd8E42
彼は、野比のび太、地元の高校に通う18歳。このブルーに輝くZRXのオー
ナーになったばかりの少年である。幼き頃、彼はブルーのネコ型ロボットと共
に毎日を過ごして来た。その思い入れが強いせいか彼はZRXのカラーをキャ
ンディーブルーにこだわった。
カウンターに、のび太のフルェイスメットとZRXのキーが置いてある。の
び太がヘルメットを取り上げると『HI TIMES』の請求書と一緒に綴じられた領
収書がヒラリと宙を舞った。
____________
・各種整備点検
ー料金-
早くプロのレーサーになっ
て俺をメカニックで雇って
くれ!!
上記、正に領収しました。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
のび太は、店長の顔を思い浮かべると
「オヤジったら…」
眼鏡の奥でにっこりと微笑んだ。
のび太は地元で名の知れた走り屋だが、プロになると言う買い被った表現は
オヤジなりの冗談だ。この店を愛し、ZRXの購入を任せてくれた、のび太へ
のサービスだろう。
641 :
ゴウダ:2006/07/05(水) 20:22:42 ID:FHzd8E42
ZRXを店の外まで運びだすと、太陽の日差しが眩しく心が浮き立つ思いだ
った。キーを差し込みセルを回す、「キュルキュル」っと乾いた音と共にエン
ジンに火が入る。マフラーから心臓を揺さぶるサウンド。
のび太はマイルドセブンに火を点け車体を眺めた。角ばったデザインは個性
的で、他のバイクとは違う何かを感じさせる。幼少期に特別な生活を送って来
た、のび太はZRXに自分と同じ匂いを感じた。
マイルドセブンを半分ほど吹い終えたら、店頭に設置された、オイル缶の灰
皿でねじ消し、ZRXに跨がった。
ヘルメットを被り、使い古したクタクタのグローブをはめ、サイドスタンド
を薙ぎ払うと、のび太は遠く道の先を見つめた。
(空を自由に飛びたい)
かつてブルーのネコ型ロボット、ドラえもんがそうしてくれた様にZRXもあ
の大空へ僕を連れて行ってくれるに違いない。
澄みきった青空に、爽やかな午前を作り出す太陽。雲の上には空中庭園でも
あるのだろうか?そんな疑問を確かめに行くかの様に、のび太は裏山へ続く遥
かな道を、走って行った…
642 :
ゴウダ:2006/07/05(水) 20:36:38 ID:FHzd8E42
書き溜め分、終了です。自己満足できました。
酷評多い事が予測されますが、表現力や展開やバイクの事を勉強してきますので
現状の乏しさは笑ってやって下さい。書き込み初につき改行も失敗している
マスオさんの様な調査、取材にもとずく細かな
設定や表現をできるよう視野を広げて経験を積んできます。
お付き合いありがとう。ツーリングに
逝ってきます。
マスオさん、いつも楽しく拝見させてもらってます
643 :
774RR:2006/07/05(水) 21:03:25 ID:MIZFAB31
つC
644 :
774RR:2006/07/05(水) 21:15:20 ID:ykNEOyvV
何かを醸し出そうとしてるのは解るが、未成年がタバコを吸う表現はどうかと。
645 :
774RR:2006/07/05(水) 21:24:15 ID:9zxcLEz+
646 :
774RR:2006/07/05(水) 21:32:36 ID:7HtoQw8J
当然だろ。
これだから喫煙DQNは困る
647 :
774RR:2006/07/05(水) 21:34:37 ID:zL1VfFo1
改行が酷すぎる。
一発モノの割には内容も薄く、引き込まれるものが少ない。
また、定番の「手羽先」「するめよ」「ドゥクドゥーン」なども無く、定番のものにも欠ける。
648 :
774RR:2006/07/05(水) 21:55:02 ID:PkqVPohN
ほらそうやって作者を遠ざからせる。
ここは作家オーディションじゃないんだぞ?
649 :
774RR:2006/07/05(水) 22:04:23 ID:AZLtdNmk
新しい作家が増えていい事じゃまいか。
色んな小説が読めてかなり楽しいと思うがな(*´д`)
つC
650 :
774RR:2006/07/05(水) 22:05:34 ID:zL1VfFo1
無粋ね。
651 :
774RR:2006/07/05(水) 22:06:55 ID:Cux10EDC
>>ゴウダ氏
このZRXなんしーしー?
652 :
774RR:2006/07/05(水) 22:45:12 ID:Vth3kvef
>>647 じゃあなんか書いて。そこまで批評出来るなら書けるでしょ。
俺はこういう小説とかって書けんから職人さんたちの作品楽しみなんだけどね。
653 :
774RR:2006/07/05(水) 22:50:50 ID:zL1VfFo1
この批評ごとネタなんだよ。
ニュー即の奴いないのかよ
654 :
774RR:2006/07/05(水) 23:29:12 ID:U1dV6EuQ
批評と批判はちがう
作家先生だって手放しで褒めちぎられたくて書いてるわけでもなかろう
本人だってそれを覚悟で書いてんだ
最近は信者より擁護派のほうがタチが悪くなってきたように見える
意見は意見でそれぞれなんだから自分と違うからって一々絡むな、鬱陶しい
話の内容以前に改行とモラルのなさに辟易した
だがもう書くなとは言わない、次回に期待
655 :
ゴウダ:2006/07/05(水) 23:47:11 ID:f3bhKjZr
煙草ネタは申し訳ありません。私自身、吸わないのですがバイクの暖気と煙草
という定番をやりたくて、覚悟して書きました。2ちゃん書き込みが初めてで
うまく下書きコピーを貼り付けできず、改行が変になってしまい迷惑おかけし
ました。ZRXについては、取材不足で設定付けを出来ずに踏み切ったしだいで1200Rか400か
は、まだ未です。そのため走行シーンは書けませんでした。
納得のいくドラえもんストーリーを作れるよう研究と修行をして来ます。
656 :
774RR:2006/07/05(水) 23:51:01 ID:zL1VfFo1
657 :
774RR:2006/07/05(水) 23:53:38 ID:MIZFAB31
まあまあフィクションなんですから。
一瞬にして僕を抜き去っていった2台のバイク…
アスファルトに照りつける夏の面影を残す太陽と
排気ガスの匂いと共に
言いようも無い敗北感が僕を包む。
やっぱり原付は所詮原付なんだ…
フルフェイスの中で、
くさしさを噛み締める僕。
若かった…
あまりにも僕は若かった。
ただひたすらに
速く走ることしか考えられなかった16歳の僕…
あの頃のすべてが間違っていたとは
誰にも言えない。
けれど…今にして思う。
もっと深く、もっと真摯にNSR50と向き合っていれば…と。
しかしそんな感傷など、
十代だった僕には、まったく無縁の存在だった。
659 :
774RR:2006/07/06(木) 00:01:19 ID:wx4A5lJB
俺、別に批評しようとか全然そんな気ないけど、
>>納得のいくドラえもんストーリーを作れるよう研究と修行をして来ます。
この発言がアナーキーで気に入ったw
もっと速く走るためには…
僕自身が上手くならなければならないのはもちろんだけれど…
やっぱりバイクの性能も重要なのではないだろうか?
今朝のバトルのように
一瞬の判断やテクニックだけで負けたのではなく
ただ排気量の差で負けたことが
何よりもくやしかった…
もっと速いバイクさえあれば…。
そんな想いが、胸に突き刺さる。
前方に、さっき僕を抜き去ったあのバイク達が止まっていた
あのバイクは…もしかして…?
まるで真夏のような鮮やかな日差しの中、
まばゆいばかりに輝く銀色のバイク
そしてそのとなりに圧倒的な存在感を放つ、黒い巨体
間違いない…
KATANAとVmaxだ…!!
662 :
774RR:2006/07/06(木) 00:19:49 ID:7f0NPgiz
カタナとV魔キター!
663 :
774RR:2006/07/06(木) 00:40:10 ID:T2JoPDTK
>>ID:zL1VfFo1
あなたの発言ちょっと排他的杉。マスオ伝説「だけ」読みたいってんだろうけど。
あなたの場合、批判・批評・評価ではなくただの排除に感じる。
もうちょっと「他」というものを受け入れるのも大切では?
664 :
774RR:2006/07/06(木) 00:49:38 ID:NjHrQgNE
>>647は批判してないww
これごとネタだwwZ武www
665 :
774RR:2006/07/06(木) 00:57:16 ID:wx4A5lJB
カツウォキタキター!!
666 :
774RR:2006/07/06(木) 03:34:05 ID:feQ/Zt9e
>>ID:zL1VfFo1
きんもー☆
667 :
774RR:2006/07/06(木) 05:19:13 ID:feQ/Zt9e
668 :
774RR:2006/07/06(木) 07:42:14 ID:ND+j2UFD
669 :
774RR:2006/07/06(木) 10:41:13 ID:NjHrQgNE
粘着・・・
波平が東京に出て来てCB72からノートンに乗り換えるとこまで書いたけど
投下はまだ先にしよう・・・
671 :
油冷ファン:2006/07/06(木) 13:11:29 ID:g87kXFXH
作者さん乙。
そしてわっふるわっふる。
俺も携帯なので読み辛い見&稚拙な駄文ですが投下してみます。
672 :
油冷ファン:2006/07/06(木) 13:12:57 ID:g87kXFXH
カチャリ。
青年は家人を起こさぬ様静かに玄関の戸を閉めると、深夜の街に踏み出した。
閑静な住宅地に突っ掛けの音がカラコロと響く。
青年は昼間の出来事を思い出していた。
今日はバイトが久々に休みだったので愛犬の散歩をしていると、空き地で野球に興じる隣に住む少年に出会った。
「やぁ。」
青年がにこやかに片手を上げ挨拶をすると、少年は野球帽を取り、イガクリ頭を撫でながら楽しげな笑顔で言った。
「大人のくせに、昼間からフラフラしてたらダメじゃん」
673 :
油冷ファン:2006/07/06(木) 13:13:57 ID:g87kXFXH
分かってる。分かってるさ。
いつまでも浪人生なんて立場にぶら下がってられない。
「ダメじゃん」
勉強もせずにバイトに明け暮れてる場合じゃない。
「ダメじゃん」
両親は何も言わず、青年の好きにさせている。
これからもそれは変わらないだろう。
「ダメじゃん」
分かっているさ…
674 :
油冷ファン:2006/07/06(木) 13:15:08 ID:g87kXFXH
青年は誰も居ない駅前を通り抜け、ある貸しガレージの前で立ち止まった。
6と書かれたシャッターに鍵を挿し、青年は勢い良くシャッターを引き上げた。
シャッターはガラガラと音を立て、惰性で上がっていくと、少しづつガレージ内に街灯の明かりが差し込んでいった。
青年は慣れた手つきで薄暗いガレージ内の電灯のスイッチを押すと、蛍光灯が2、3度瞬きガレージ内に光が溢れる。
675 :
油冷ファン:2006/07/06(木) 13:16:16 ID:g87kXFXH
YZF−R1。
剃刀の様な切れ味の走りをするというヤマハの代名詞的マシンの青いボディが蛍光灯の光を艶めかしく跳ね返しながら青年を無言の威圧で睨み付けている。
「いい加減大人にならなきゃな…」
青年はR1のタンクを撫でながら、誰に言うでもなく呟いた。
お前は私から離れられるのか?
スピードの、ギリギリの緊張感が生み出すあの魔力から逃れられるのか?
青年にはR1がそう囁いているように感じた。
676 :
油冷ファン:2006/07/06(木) 13:19:22 ID:g87kXFXH
お前は私から離れられるのか?
スピードの、ギリギリの緊張感が生み出すあの魔力から逃れられるのか?
青年にはR1がそう囁いているように感じた。
青年はR1から離れると部屋の隅のロッカーを開け、中に掛かっていた革ツナギを隣の事務デスクに放り出した。
続いてライディングブーツを取出し、ブーツを手に持ったままデスクに腰掛けR1を見つめた。
どれほど時間が経っただろう。青年には分からない。青年は小さく何かを呟くとブーツをその場に起き、デスクからキーを取出し流れるような一連の動きでR1のエンジンを始動させた。
獲物を狙う獣の様にその全身に力を込め、走り出だせる歓喜に身を震わせるR1。
青年はその様を背に、手早くツナギに着替えブーツを履いた。
そして後頭部に『JIN−ROCK』と書かれたヘルメットを被り、グローブを着けR1と共に外に出た。
シャッターを閉め、R1にまたがる青年。
今夜も鋼鉄とアスファルトで出来た狂気のメリーゴーラウンドが動きだす。
シールドから覗く青年の瞳には先程迄の人の良い、やや気弱な光は消え失せていた。
R1を滑らかに表通りに合流させながら、青年は先程と同じ呟きを繰り返した。
「あと少し。もう少しだけこのままで…」
677 :
油冷ファン:2006/07/06(木) 13:23:18 ID:g87kXFXH
ただでさえレスの無駄遣い&お目汚しな上、コピペ間違えすみませんでした。
作者様達の新たな作品、楽しみにしておりますm(_ _)m
678 :
774RR:2006/07/06(木) 13:31:01 ID:ND+j2UFD
ワッフルワッフル
679 :
774RR:2006/07/06(木) 13:33:47 ID:wzGceCY9
いいねぇ
頑張ってね
680 :
774RR:2006/07/06(木) 14:09:07 ID:C0kN6USg
荒れた流れに屈せずに作者さんが現れるのは凄いね
のびたと言えば昔、のび太のマトリックスってのがあったっけ。
バイク全然関係なかったけどあれもネ申かと思った。
本当に速く、そして数々の修羅場を駆け抜けたライダーだけが持つ
オーラ…
まぎれもない本物だけが持つ気品…
フルフェイスを脱がなくとも分かる。
一瞬にして僕を抜き去った
さっきのバイクのライダーが誰だったのかも。
ウィンカーを出し、KATANAとVmaxのそばに
NSR50を止める僕。
KATANAのライダー…
アナゴさんがシールドをはずし、
僕におどけた調子で声を掛ける。
『カツオっ!!さっさとコーヒーかって来いよ!!』
昨夜、義兄と繰り広げたシグナルグランプリ。
敗者が勝者に、缶コーヒーを奢るという
なんとも子供じみた、
それでいて、不思議な連帯感を感じることのできる儀式…
それに強制的に参加させられている僕。
ただの罰ゲームなのに…
義兄やアナゴさんに、一人前のライダーとして
認められているようでたまらなく嬉しかった。
缶コーヒーを買いに自販機に走る僕。
自販機の前で、
家から休むことなく、ここ奥多摩まで走り続けてきたことに気づく。
のどが渇いていた…
いつもだったら、いや、今までの僕は
そんなにコーヒーを飲まなかった。
自販機ではいつもコーラやジュースばっかりだった。
けれど、バイクを手に入れてから
タバコの味が少しだけわかったのと同じように…
心地よい疲労感と、非現実的なスピードを抜けた後には
コーヒーが何よりも合うのだと思えた。
683 :
774RR:2006/07/06(木) 17:54:16 ID:wx4A5lJB
>>682 いいねぇ。今からコーヒー入れよっと。今日はバイク乗ってないけどw
684 :
774RR:2006/07/06(木) 18:13:59 ID:wAFMoIJk
>>682 コーヒー
なんか分るなぁ。
俺の場合、コーラじゃべたべたするし水じゃ味気ない
お茶は家でも飲める、だからコーヒーなんだけどね。
山の上の駐車場とかに自販機があったら迷わずコーラです!!
685 :
774RR:2006/07/06(木) 18:20:47 ID:ZiAe82JZ
>>684 オイw!!
>>油冷ファン氏
>>カツヲ氏
GJ!!
これからもいいお話をヨロピク☆
686 :
684:2006/07/06(木) 20:12:51 ID:wAFMoIJk
あぁっ!
書きたい事が違った!
迷わずコーラじゃなくて
目もくれずコーラでした!
687 :
774RR:2006/07/06(木) 20:41:50 ID:dx2O9hEV
>>686 コーラッ!!
ζ
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
./\ \ /|
|||| (・) (・)|
(6-------◯⌒つ |
`| _||||| |
\ / \_/ /
\____/
688 :
774RR:2006/07/06(木) 20:49:00 ID:pe0AZMIx
都民の森に行くったら、コーヒー飲みたくなりそうだw
689 :
774RR:2006/07/06(木) 20:54:06 ID:HuPjv3JK
690 :
774RR:2006/07/06(木) 21:01:01 ID:KnYmEG3K
つい先日、テレビのサザエさんを見た。
なみへいが顔を洗っているシーンを見て驚いた。
洗面台で前かがみになっている後ろ姿、髪型が完全に別人に見えました。
691 :
774RR:2006/07/06(木) 21:13:51 ID:wzGceCY9
オレのカタナは3000cc
/ ̄⌒⌒ヽ
| / ̄ ̄ ̄ヽ
|| / \ |
|| ´ `|
(6 つ /
| / /⌒⌒ヽ
| \  ̄ノ
| / ̄
⊂二二 二二⊃ ノ /
/ /
( ヽノ
ノ>ノ
三レレ
692 :
774RR:2006/07/06(木) 23:05:08 ID:/N13o8Kv
(リレー小説)
「さあ!1300cc同士、いざ尋常に勝負じゃ!マスオ君!」
「お義父さんのRX-8じゃ、悪いですけど僕の隼には勝てませんよ・・・」
693 :
774RR:2006/07/06(木) 23:24:05 ID:EdLvGJS7
リレー小説は止めてくれ。明らかにスレの趣旨や流れとは違う。
694 :
774RR:2006/07/06(木) 23:27:08 ID:T2JoPDTK
【SCENE79】
開陽台を後にした僕は、摩周湖と逆方向の東へ向かった。それは当初の予定通りの旅程ではなかった・・・。
それはただ、彼女と二人で走った楽しい思い出の生々しく残る道を、一人ぼっちで走りたくなかったからだ・・・。
一昨日とはうって変わった、物言わぬ無機質なツーリングバッグを載せたタンデムシートを、僕は振り返ることなく、
淡々とNinjaを東方面へと進めるのだった・・・。
僕は苛ついていた・・・。その苛つきの原因を、いまさら説明するつもりは無い。もちろん、苛つきの矛先は自分自身・・・。
その負の感情は、右手で握るスロットルに直接伝えられる・・・。当時最速の900ccは、ここがその速度を出すに
値する場所であるのかという事を全く意に介さず、主人の命令通りに後輪を回す・・・。
いくら直線道路の快適な北海道とはいえ、そしていくら早朝とはいえ、とても一般道で出すに相応しくない速度で
Ninjaは矢の如く突き進む・・・。
メーターの針は上昇を止めない・・・。深く潜り込んだ目の前のスクリーン上で、可哀想な甲虫は無残にも乾いた
小さな音とともに粉砕され、僅かな体液のみをそこに残す・・・。
原野の静寂を突き破るような突然の爆音に、路肩から小鳥が飛び出し道路上を横断しようとしては、猛烈な勢いで
迫る二輪車の影に驚き、逆方向へ翻っていく・・・。
通常の速度であれば、なんら気に留めることの無い路面のうねりは、ジャンプ台の如くNinjaを空に舞わせる。
路面から前後のタイヤが離れている事を認識しつつも、僕はスロットルを戻す事をしなかった・・・。
その速度が何キロだったのかは想像にお任せしたい。とても一般道で出す速度ではない。愚かな行為だ・・・。
・・・しかし、快感を伴って第三京浜を駆け抜けている時のような心持ちにはどうしてもなれなかった・・・。
それどころか、速度が上昇するにつれて苛つきばかりが増幅するように思えた・・・。空しかった・・・。
国立公園にも指定された深い原生林の残る、日本最後の秘境「知床」に僕はやってきた・・・。開陽台を出発してから
僕は走りづめだった・・・。停まりたくなかった・・・。
寂しげな羅臼の漁村を、僕はあえて無視をするように通過した・・・。スピードで癒されなかった心を、代わりに
コーナーリングで慰めようとするが如く、僕は知床横断道路を攻め始めた・・・。
北海道では珍しいタイトコーナーが次々と迫る知床横断道。僕は彼女の面影を振り払うかのようにコーナーへ
突っ込んでいく・・・。しかし、ライディングは思うに任せなかった・・・。
・・・ダメだ。リズムが全く掴めない・・・。体が硬く重い・・・。バイクを寝かせられない・・・。立ち上がりでは不本意な
コーナーリングへの焦りからスロットルを早く開けすぎてしまい、コーナー出口でNinjaはアウトに膨らむ。
完全にライディングが破綻していた・・・。
長閑な北海道の直線路に慣れ過ぎてしまったためか、それとも他に僕の集中力を妨げる要因があるのか・・・。
・・・おそらく後者であろう事は解っていた・・・。何故、ライディングとはこれほどまでも如実に精神状態を
反映するのだろうか・・・。結局僕はただの一度も満足のいくコーナーリングが出来ないまま、峠の展望駐車場へ
辿り着いた。
697 :
774RR:2006/07/06(木) 23:54:28 ID:zplDK0S7
キター----(゚∀゚)----!!!
・・・ざわめく心に耐え切れなくなった僕は、そこでバイクを停めた・・・。エンジンを切ると、静寂が周囲を包んだ・・・。
僕は言い知れぬ寂しさに支配されていた・・・。今、ここに一人で居る事が不安であり、また心苦しかった・・・。
上京してバイクと出会うまでは、一人で居る事が当たり前だった僕・・・。いや、どちらかと言えば人間関係を疎ましく
思っていたふしもあった僕にとって、一人のほうがむしろ快適でもあった・・・。
・・・それなのに、今の僕に押し寄せるこの孤独感は一体なんなのだろう・・・。無性に寂しかった・・・。
Ninjaに跨ったまま、ヘルメットを脱ぐと溜め息のような深呼吸をした・・・。
ふと、アナゴ君の顔が思い浮かんだ・・・。この一年あまり、いつも一緒だった悪友は今頃どうしているだろうか・・・。
鈴木さんやレッド達や第三京浜の常連組み・・・、イナダのオヤジさんや鮒田の親父とおばさん・・・、学校の友人・・・
様々な人たちの顔を思い出した・・・。
・・・そして最後に、数時間前別れたばかりの彼女の笑顔が心に浮かんだ・・・。
僕は、人との出会いによって本当の孤独の意味を噛み締めていた・・・。それは、一人ぼっちで生きていた頃には
到底気が付く事も無かった心境だった・・・。
知床半島西側の付け根にある漁村、ウトロで僕はその日の走りを停めた・・・。まだまだ早い時間帯だったが、
その日はもうそれ以上走りたくなかった・・・。
ほとんど誰も居ないキャンプ場で、僕は一人きりで過ごした・・・。
テントの中で昼寝をしようと目を閉じても、彼女の笑顔が浮かぶ・・・。僕はNinjaのキーにぶら下がったニポポ人形を
眺め溜息をついた・・・。
その夜、僕は街角の公衆電話から鈴木さんに電話を掛けた。
アナゴ君の北海道行きが駄目になる以前から、鈴木さんとはお盆休みに北海道で合流する事で話が進んでいた。
数日後に迫った合流に向けての最終確認の為の連絡と言えば聞こえはいいが、とにかく僕は誰かと会話を
したかったのかも知れない・・・。
「よう!フグタ君、元気でやってるかい?今、どこに居るんだい?」
鈴木さんと最後に会ってから、それほど時間は経っていないというのに、何故か無性にその声が懐かしく感じた・・・。
電話口の向こうから、電車や踏切の音という東京の喧騒が聞こえ、それすらも懐かしく思えた・・・。
数枚の100円玉が無くなるまで、僕は鈴木さんとの会話に興じていたが、ふと僕はアナゴ君の事を思い出した。
今、アナゴ君はどうしているのかを僕は鈴木さんに質問した。
「え?アナゴ君かい?」
鈴木さんがそう言ったところで、通話残時間の少ないことを報せるブザー音が鳴った。
「そうだなぁ・・・。僕がそっちに行ってからのお楽しみだな!」
どういうことですか?と聞き返そうとしたところで、電話は切れた・・・。鈴木さんの口調が、何か含みを持ったように
聞こえたのが気掛かりだった・・・。
・・・アナゴ君はどうしたというのか・・・。そう考えながらシュラフに潜り込んだはずの僕だったが、眠りに付く直前に
脳裏を支配していたのは、やはり彼女の笑顔だった・・・。
700 :
774RR:2006/07/07(金) 00:01:42 ID:93+N6nnM
つC
701 :
774RR:2006/07/07(金) 00:09:08 ID:bDOT+YBp
つC
702 :
774RR:2006/07/07(金) 00:14:23 ID:9aPcoaFy
まさか・・・1100カタ(ry
ガクプル&wktk
703 :
774RR:2006/07/07(金) 00:14:54 ID:PwbqmqPY
つC
704 :
774RR:2006/07/07(金) 00:15:11 ID:uFxrWgol
C
705 :
774RR:2006/07/07(金) 00:16:04 ID:iaFqNmK0
っC
706 :
774RR:2006/07/07(金) 00:23:01 ID:acim+mLj
つC
いつも楽しく拝見しております
ただ一言許されるなら
・・・が多くて少々目にウザイのです
いえ、大きなお世話は重々承知しておりますが
気になりましたもので
すいません
すいません
本当にすいません
707 :
774RR:2006/07/07(金) 00:28:27 ID:g48fHovJ
つC
とはいえ
>>706に同意、「・・・」はもうちっと効果的に使った方がいい鴨。
いつも楽しみにしてます、口幅ったくてすいません。
708 :
774RR:2006/07/07(金) 00:32:17 ID:uFxrWgol
俺は・・・に考えさせられるのが好きだけど。
これが作者さんの世界なんだから、いちいち直させる必要ないのでは?
709 :
774RR:2006/07/07(金) 00:33:32 ID:5Myu81/y
や、やっぱ凄ぇぜ!!
C
∩
710 :
774RR:2006/07/07(金) 00:34:55 ID:BIiqg0Zj
「・・・」と改行の妙、このニュアンスがわからないかなぁ・・・。
711 :
774RR:2006/07/07(金) 00:43:31 ID:acim+mLj
・・・そうか・・・
やっと・・・わかった・・・
・・・俺・・・俺が間違ってた・・・
・・・に改行の妙・・・そう・・・ニュアンス・・・
ニュアンスを読み取れない・・・俺・・・
そして・・・これが世界観・・・
俺は・・・ダメ人間だ・・・
・・・作者さん・・・ゴメン・・・orz
・・・つ・・・C
712 :
774RR:2006/07/07(金) 00:49:34 ID:tJj3oZOD
特攻の拓の"!?"みたいなもんじゃね?
713 :
774RR:2006/07/07(金) 00:51:34 ID:pnz5UVqD
>>711 何それ。おちょくってるの?
自分の思い通りに行かないとすぐこうなる奴ってウザい。
そんなに「・・・」が嫌ならメモ帳にコピペして消してから読めばいいじゃん。
最悪。
714 :
774RR:2006/07/07(金) 00:56:07 ID:rbiZVY+n
ちょっとジョジョっぽい。
言っとくが、俺はジョジョは好きだ。
715 :
774RR:2006/07/07(金) 00:59:27 ID:D0EbIR2P
>>711>>713 というようにだ。
「・・・」は上手に使わないと人に不快感を与えることもあるワケですね。
作者さんが今のスタイルを通すか、一読者の意見を取り入れてみるかは分からないけど…
とりあえずもまいら餅つけw
毎度、お世話様です。
「・・・」の件、さて、どうしたものでしょうか(´・ω・`)
あまり種明かしをしたくは無いのですが、この先のマ→魔への変遷に向かって
大きな意味で「効果」を隠しこんでいたつもりだったのですが・・・。
一部(今のところ解っている範囲内で)の方々の趣向にのみ合せて文章を変えるべき
でしょうか?
それとも、大々的にアンケートを取ってそれに従うのが良いでしょうか?
はたまた自分の思うように書いていけば良いでしょうか?
いえ、答えは解っているんです。ですが、あえて問わせてください。
「どうすれば良いでしょうか?」と・・・。
717 :
774RR:2006/07/07(金) 01:03:19 ID:Kx7kItRM
全然気にならなかったのでおkです。つ4円
718 :
774RR:2006/07/07(金) 01:06:03 ID:3rupNoO7
作者さんいつもご苦労様です!
あと
>>697さん
リアルタイム遭遇がうれしいのは分かりますがちょっと様子見てから書き込んで
くれますか?
719 :
774RR:2006/07/07(金) 01:18:33 ID:pTcPPnta
レーシングラグーンを思い出した。吊ってくるorz
つC
720 :
774RR:2006/07/07(金) 01:20:27 ID:D0EbIR2P
[チラシ裏]
自分の書きたい事と、読者の求める物。
時に相反するこのふたつ。
そのギリギリのラインを限界まで模索するのがプロだと思ってます。
魔棲雄は別に営利目的ではなし、作者さんは自分の思うように書いて何ら問題ないかと。
むしろ書き手の思想が如実に出るくらいの物語の方が好みな俺ガイル
がんがれがんがれ つC
721 :
774RR:2006/07/07(金) 01:31:12 ID:juBW/rBg
いくら「すいません」を連呼しつつ意見しようとも、「ウザイ」という言葉を平気で
使うお前にかなりの衝撃を受けた。
とてもマトモな人間の物言いとは思えん。
少なくともこんな対人不全なヤツの言葉を真に受ける必要は無いと思うが。
722 :
774RR:2006/07/07(金) 02:01:52 ID:NtB86Nft
>>716 周りの意見など気になさらず、自分の思うままに書いていけばいいのではないでしょうか。
「・・・」の件は私個人としては全く気になりませんでした。
というわけで つC
723 :
774RR:2006/07/07(金) 02:14:10 ID:T6LttfBg
初代スレが立った時からROMってました。
最近は多くの作者さんが出てこられたみたいで、面白いですね。
>>魔棲雄サン
私はあなたの思ったストーリを書くのが一番だと思いますよ。
724 :
774RR:2006/07/07(金) 02:15:57 ID:jgYrGpEA
>>721 言葉を選ぶというか気をつけろってとこですかね。
まあ皆さんまったりいきましょうよ
725 :
774RR:2006/07/07(金) 02:23:51 ID:acim+mLj
>>作者様
私の勇み足で大変失礼いたしました
普段の文体とは全く変わっていたのでヘタをすると釣りかとまで考えておりました
「・・・」に対する違和感がマ→魔にいたる効果であるためと理解できず
いらぬ指摘までして大変申し訳ないことをしたと思っております
感想というものはきちんと読了してから述べるものだと反省しきり
挙句ネタバレまでさせて
(´・ω・`)ゴメンネ
が、
気にならなかった人、にはその効果がなかったということですね
726 :
774RR:2006/07/07(金) 02:30:46 ID:s78NRign
>>725 反省したよーで結局、批判なんでつね
魔棲雄サンいつもありがとうございます
727 :
774RR:2006/07/07(金) 02:31:11 ID:ZVg/P5Vc
魔棲雄作者さん、自分の思うがままに書いて下さい。
どこかの国のドラマみたいに、いちいち視聴者(この場合読者か)の意見に従って
脚本(や文体)をコロコロ変えるなんてナンセンスですよ。
728 :
774RR:2006/07/07(金) 02:37:21 ID:eycs+FPm
729 :
774RR:2006/07/07(金) 03:54:02 ID:6MfdqlRf
>>725 お前さんが負けず嫌いなのは分かったから、次からは是非、空気を読んで頂きたい。
730 :
774RR:2006/07/07(金) 04:16:58 ID:Y9ttLpLM
……
何か物凄く書き込みづらい雰囲気ですが、1魔棲雄ファンとして書き込みます。
「…」は神の産物ですし、俺も良く使います。それに行間に潜む『魔』を感じさせるのに
これ以上のものは中々無いはず…だと思います。
>>魔棲雄さん
今回もwktkさせていただきました、ごっつぁんです。
つC
731 :
774RR:2006/07/07(金) 04:30:15 ID:lQwQlXps
トップガンのワンシーンへのオマージュですか?
732 :
774RR:2006/07/07(金) 05:13:19 ID:r+dqsjhD
733 :
774RR:2006/07/07(金) 06:49:13 ID:juBW/rBg
>>725 だから後から効いてくる効果を狙ったつってんだろ?馬鹿か?
文体が違うだの、下手したら釣りだの、本当にスゴイよ、お前。
作者氏の書き込みの後、少し時間があるようだが、その間ずっとお前が
効果的な皮肉の文章を模索していたんだなと想像すると、その悪趣味っぷりに
鳥肌が立つわ。
734 :
774RR:2006/07/07(金) 07:20:09 ID:qBooVpj3
735 :
774RR:2006/07/07(金) 07:37:07 ID:0FrWbndS
736 :
774RR:2006/07/07(金) 07:59:22 ID:5Jk9VSK1
誰かイクラちゃんとチョイノリで話作ってよ。
737 :
774RR:2006/07/07(金) 07:59:52 ID:mpbx605A
・・・・かゆ・・・・うま・・・・
738 :
774RR:2006/07/07(金) 08:00:42 ID:PBBckcfv
・・・が多いのは確かに気になったぬ
しかしうざい程ではなかったし、むしろマスオのイラつきが感じられる表現だとオモ
勝手に増えたんならともかく計算して意図的に多用してる分には演出の範囲ジャマイカ
それが気に入らないなら趣味に合わないだけなんだからそれこそ読まなきゃいい
……と見事にクマーられた訳だがこれで満足か?
>>725 みんながこんなに相手してくれて良かったな。爆釣だぞ
そして死ね
739 :
774RR:2006/07/07(金) 08:22:56 ID:Lw2ugWmg
740 :
774RR:2006/07/07(金) 10:53:49 ID:vgJs4fzV
つまんねぇの書く奴とぼろくそいう奴と粘着する奴の次は池沼か。
参ったね。
741 :
油冷ファン:2006/07/07(金) 10:55:28 ID:16zMVpgt
魔棲雄作者様乙です!
魔棲雄の心情痛い程分かります!
そしてその卓越した文章力…さすがです!
続きが楽しみ〜つC
742 :
774RR:2006/07/07(金) 12:03:27 ID:93+N6nnM
743 :
油冷ファン:2006/07/07(金) 12:08:36 ID:16zMVpgt
こんにちは。
初めましてIKURAです。
今日は僕のバイクの原体験だか出会い?について聞きたいんでしたっけ?
…ぶっちゃけ、あまり良い思い出じゃないんですよね(笑)
あれは僕がまだ小学校に入る前の事です…
744 :
油冷ファン:2006/07/07(金) 12:09:46 ID:16zMVpgt
「バブ〜〜〜」
今日も親戚のタラオお兄ちゃんにいっぱい遊んでもらったなぁ。
僕は上機嫌で三輪車のペダルを踏み込み帰路を急いでいました。
「バブぅ?」
自宅アパートの階段下の駐輪スペースに三輪車を滑り込ませると、ふと視界の中に違和感を感じました。
何かが光った…?
光の元はすぐに分かりました。
キーホルダーです。
三輪車の隣に停められてるバイク…当時僕の母が買い物に行くのに使っていたスズキのチョイノリにキーが刺さりっぱなしだったのです。
ウチのお母さん、結構おっちょこちょいだから(笑)
745 :
油冷ファン:2006/07/07(金) 12:11:23 ID:16zMVpgt
まぁ魔が差したというか、興味本位というか…(笑)
前々から母は僕を決してチョイノリに乗せようとしませんでした。
ダメと言われるとやりたくなるのが人情ですよね?
…はい。やっちゃいました(笑)
「バァッブ〜〜〜〜!」
僕は力一杯チョイノリのハンドルを押しました。
カチャン。
軽い音を立てチョイノリのセンタースタンドが外れ、前方に滑りだしたチョイノリはアパートの壁に当たり動きを停めました。
ハンドルロックは掛かってなかったと記憶してます。
746 :
油冷ファン:2006/07/07(金) 12:13:07 ID:16zMVpgt
苦労してチョイノリを道に出し、チョイノリにまたがりました。
勿論足なんて届きませんから、ハンドルを持ちながらステップボードを跨いだだけですが(笑)
で、母がやってる事を見よう見真似でやってみました。
キーを捻ってセルボタンを押す。
…何も起きません。
何度も何度もセルボタンを押したり、アクセルを煽ったりしましたが、チョイノリはウンともスンともいいません。
僕は苛立って適当かつ乱暴に色々やったんですが、たまたまブレーキとセル、アクセルを同時に操作したんでしょうね。
747 :
油冷ファン:2006/07/07(金) 12:15:11 ID:16zMVpgt
何の前触れも無くチョイノリのエンジンがかかった上いきなり走りだし、
チョイノリのシートが僕の背中に叩きつけられ、その勢いで僕はメーターにしこたまおでこをぶつけてぱっくり肌が裂けました。
今だに傷が残ってます(笑)
そんな僕の事なんかお構い無しに、チョイノリは猛然と(笑)加速しました。
僕は足を引きずられながら必死にコントロールをしようとしましたが、案の定転倒しました。
物凄く長く乗ってた様にも感じましたが、実際は精々五メーターがいいとこでしょう(笑)
勿論号泣しましたよ(笑)で、その声を聞き付けた近所の人や母が家から出てきて大騒ぎですよ。
母はその場で泣き崩れるし。
それより先に、チョイノリの下敷きになってデコから流血してる息子を助けろと(笑)
あとで大目玉食らったのは言うまでもありません(苦笑)
まあね…あんな恐ろしい物二度と乗るかと(笑)
…けど分からない物ですねぇ…そんな僕が今じゃSUZUKIワークスの8耐ライダーですからねぇ…
僕のSUZUKI党の原因はチョイノリなのかな?(笑)
…え?もう時間ですか?
すみません、ミーティングの時間なんでそろそろ…
はい。今日はありがとうございました。
えぇ…今年の8耐は期待してて下さい。
派手に暴れますよ(笑)
7月7日 SUZUKI本社応接室にて。
インタビュー:刈野 勉三
748 :
油冷ファン:2006/07/07(金) 12:21:42 ID:16zMVpgt
>>736 ごめんなさい、俺のスペックじゃこれが限界です(;´Д`)
皆様、懲りずに駄文失礼致しましたm(_ _)m
749 :
774RR:2006/07/07(金) 12:35:00 ID:93+N6nnM
いいねぇ
750 :
774RR:2006/07/07(金) 12:48:13 ID:makVx6Sw
どっかで、ハァ〜イィ〜 も入れて欲しいような気がした。とは言え、乙
751 :
774RR:2006/07/07(金) 13:01:17 ID:t2pQ18pd
答えがわかっているなら、そうしれや!!
あ、うそです、ごめんなさい^^
毎回楽しみで楽しみで仕方がありません
これからも書き込みお願いします。
752 :
774RR:2006/07/07(金) 13:09:45 ID:kXqcxh5D
「ナンなんだ・・・ まったく!」
薄暗いガレージの奥に佇むNinjaのシートの上で、唸るように声を絞り出す。
あの家に住んで何年経っただろう。毎日愛想笑いを浮かべて生きてきた。
家人はまだいい。しかし、たまに現れる「ハーイ」「バブ〜」としか鳴かないヤツはナンだ?!
傍若無人に振る舞い、いなくなる。
いなくなる・・・ まあいいだろう。
Ninjaのタンクを眺めていたせいか、苛立っていた心も落ち着いてきたようだ。
ハラも減ったし、帰るとするか。
ガレージを抜け出し、黄昏の街を駆け抜ける。
鈴の音が心地いい。
ニャ〜
753 :
774RR:2006/07/07(金) 13:55:03 ID:03xuOR7W
タ、タマ!?
754 :
774RR:2006/07/07(金) 14:14:38 ID:w3QxADQq
イクラもタマもイイヨイイヨー
755 :
774RR:2006/07/07(金) 14:53:44 ID:OxETN794
756 :
774RR:2006/07/07(金) 15:03:36 ID:FBUb2PZT
なんか過去にあったことを主人公が思い出して書いてる感じが
火垂の墓とかるろうに剣心追憶編とか思い出してくるお
なんかとってもいい
757 :
油冷ファン:2006/07/07(金) 16:21:42 ID:16zMVpgt
感想を下さった方々、お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
もっと修業して、皆様が読んで面白く、自分が書いていて楽しめる様な作品を作れる様努力いたしますm(_ _)m
758 :
774RR:2006/07/07(金) 16:27:50 ID:uFxrWgol
>>757 今日は金曜ですよ。つ仕事
短編読み切りはあっさりしてて読みやすいね。内容も良かったよ
759 :
774RR:2006/07/07(金) 17:14:35 ID:N2ACkiF5
>>748 ほのぼのしてて面白かったYO!
ってか、インタビュアーがw
>>752 タマも(・∀・)イイ!!
760 :
774RR:2006/07/07(金) 18:47:24 ID:makVx6Sw
761 :
774RR:2006/07/07(金) 18:48:56 ID:RUnCkQUF
eeタイミングで・・・和んだよw
762 :
774RR:2006/07/07(金) 19:04:11 ID:36TE5r5b
>>748 どうしてだろう・・俺にも似たような体験があるような気がするんだ・・・・
763 :
774RR:2006/07/07(金) 22:11:22 ID:9aPcoaFy
>>747 7月7日 SUZUKI本社応接室にて。
・・・。スズキ本社にあの伝説のイクラさんがいるわけですね!
明日サインもらってきます!!
764 :
774RR:2006/07/08(土) 00:04:26 ID:CMuSWdMR
ちょ、おまww
インタビュアー作品違うしw
しかし皆さん文才ありますな
これからもいい作品を期待しています
つC
765 :
774RR:2006/07/08(土) 01:16:50 ID:1gUrcXt7
随分と昔の話です。父も、祖父も、叔父も、みんなバイク乗りという家庭で育ちましたから、
いつも玄関や物置には、何台ものバイクがありましたし、それを整備するための工具や、バイクの部品なんかも、
家中にごろごろしていました。
それが、当たり前だと思っていたんですね。今から考えると、ぜんぜん普通じゃありませんけど。
当時の細かい事情は覚えていませんが、恐らく父がエンジンのオーバーホールでもやっていたんでしょう。
縁側の傍に、ブルーシートの上に置かれたGPZのエンジンがあったんです。
「パパのバイクの部品ですぅ〜。」
私はおもちゃを見つけた子供の如く、というか、おもちゃを見つけた子供でした。
今考えても不思議でなりません。一体、どうやってあんな事をやらかしたのか。
私は、両親が買い与えてくれた三輪車に、GPZのエンジンを載せてしまったのです。
使い古したドライブチェーンや、バッテリー、キャブなど、交換された部品が放置してあったので、私はそれらを組み合わせて
即席の、また本当の意味での原動機付自転車?を作りました。排気量は著しくオーバーしていましたけど。
早速エンジンを掛け、近所を走り回りました。
とてつもないスピード感と爆音でしたよ。
道を行く全ての人が、私を見ていました。いやぁ、気持ち良かった。
すいません、他人が見た夢の話なんて、面白くも何ともなかったですよね。
それでは、この辺で。
フグ田タラ夫
(つづかない)
766 :
774RR:2006/07/08(土) 01:21:34 ID:23g0Gi93
>>765 カタナエンジン搭載のイクラちゃんとのバトルに期待
767 :
774RR:2006/07/08(土) 02:11:37 ID:JcTMz6rv
>>765 ちょ、おま…
続いてたらどうしようかと本気で悩んだジャマイカww
GJですぅ〜。
768 :
774RR:2006/07/08(土) 20:41:02 ID:eGo7hhXk
>>765 おもしろい!
でもこれだけは言わせて!
タラヲ氏ね
769 :
774RR:2006/07/08(土) 23:20:02 ID:OBRbtF4X
つC
770 :
774RR:2006/07/09(日) 00:32:30 ID:UP+r9qnZ
このスピードなら言える!
うpしちゃだめ?
771 :
774RR:2006/07/09(日) 00:39:26 ID:sPIBCpYL
誰にも君のうpを止める権利はない
ヤッチマイナーッ!!
772 :
774RR:2006/07/09(日) 00:54:15 ID:UP+r9qnZ
パアァァァァァッンパンッパンパンパンパン
甲高い排気音、僕をぶち抜いていったマシンはやっぱりコイツだなと
再確認
僕はその排気音に促されるようにマシンに歩み寄り、キーを挿し、跨り
キックをしエンジンをかけた。
ヴェェンッヴェヴェヴェヴェヴェヴェヴェヴェヴェ
ノーマルのマフラーが奏でる潰れたカエルのような排気音
クラッチを切り、1速に入れイソノのマシンに近づき
メットのシールドを開けて排気音に負けないようでっかい声で叫ぶ。
「なぁ?帰りはどういうルートで帰るつもりなんだ?」
「来た道を下ってくさ。来た道だからわかるだろーー!」
「OK!じゃ後ろをついてくよ!」
僕等二台はゆっくりと駐車場を後にした。
773 :
774RR:2006/07/09(日) 00:55:22 ID:UP+r9qnZ
ゆっくりと?バカを言うなよ。なんなんだよ?
あの水を得たカツオみたいな走りは。
2stのパワーと彼のテクニックによって差は歴然と開いていた。
アイツはあの速度でお散歩してるって言うのかよ?
下り坂、ノーマルモンキーの60キロメーターはとっくに振り切っている。
しかしイソノはさらに+10kmほどのスピードで走っているだろうか?
コーナーでは車体を倒れるのではないかというほど倒しこみコンパクトに曲がっていく
かたや僕は追いつこうと必死で全開走行を試みるがコーナー手前でのシフトミスによる
強力なエンブレのバックトルクに翻弄されたり、ブレーキタイミングを間違え挙動を不安定にさせ、
アウトにゆっくりとはらんで行きさらに砂利や落ち葉に乗り上げそうになっておっかなびっくり
とてもじゃないが追いつけそうには無かった。
さすがに向こうもこの異変に気づいたのか短いストレートで
停車し僕に向かって手を振っていた。
フロントとリアのブレーキを複合させて停車する。
イロイロといいたいことがあるのですばやくシールドを跳ね上げて
口を大きく開く、吸気完了、感情で圧縮、点火、排気しながらまっすぐに相手の顔を
見据えてこういった。
774 :
774RR:2006/07/09(日) 00:57:47 ID:UP+r9qnZ
「何で飛ばすんだよ!イキナリ飛ばされてもついていけるわけ無いだろう?
ましてや町乗りとソロツーしかしたことのない僕が!」
「あれ?飛ばしにきたんじゃなかったっけ?」
オーバーラップ、深いため息・・・・
「だーかーらー!僕はソロツー!で!飛ばしに来てるのはイソノ!で今は帰り道で
僕はライディングセンスゼロだからついていけないんだ!」
「あ、そういえば・・・・ほら、やっぱり山道って気持ちいいからついw」
共通事項がまだ生きていたとは・・・いい加減やめようよ
その日の帰り道は山を下る際にもう二度ほど、こんなやり取りをして
家路に着いた。
そしてひょんなことから僕のなかの内なる感情が人知れず育っていくのだった。
「なんでイソンは俺の前を走ってんだ?」
町に着き、イソノの家の前で別れてから僕は一人書店へ向かった。
本を買おう!僕に必要なのは情報だ。頭でっかちにならない程度に
知識を詰め込み、それを実践すれば早くなる。多少の練習は必要だろうが
それは承知の上だ。ムリのありそうな理論では在るがあながち間違ってはいないだろう。
自分をそう言い聞かせ書店の自動ドアをくぐった。
775 :
774RR:2006/07/09(日) 01:02:37 ID:UP+r9qnZ
お粗末さまでした推敲しては見たのですが・・・
悪いところをなくしては見ましたが
一般的な解釈と私個人の解釈の差がきっと大きく出ていることと存じます
おかしな点を見つけましたら
「この日本語おかしいぞゴルァ!」
と突っ込んでやってください
776 :
774RR:2006/07/09(日) 01:02:58 ID:KmGWOEfc
んーつまらん
777 :
774RR:2006/07/09(日) 01:13:02 ID:sPIBCpYL
個人的には、セリフの語尾にwを付けられると萎えるかな。
wとか使わなくても登場人物の感情が伝わってくるような文を目指そう。
偉そうなこと書いてスマン。
つA
778 :
774RR:2006/07/09(日) 01:17:33 ID:tDWExatK
気になった点
>「なんでイソンは俺の前を走ってんだ?」
これだけ。
お話自体は続きがとても楽しみです。
カツオVS中島、というのは、ある意味では宿命のライバルですから。
C
779 :
774RR:2006/07/09(日) 01:30:01 ID:iQR2xHiK
やっぱり文体が好きになれん、スマンね
780 :
774RR:2006/07/09(日) 01:39:30 ID:UP+r9qnZ
>>776善処してみます
>>777「あ、そういえば・・・・ほら、やっぱり山道って気持ちいいからつい」 イソノは照れくさそうに笑いながら言った
こんなかんじかな?
>>778今頃になってたしかに「なんで〜」の件がおかしいかわかりますた・・・イッソラクニシテ
>>779いえいえ大衆に晒す以上難しい問題ですよね、万人受けする文章って。
魔棲雄氏を筆頭とする書き手さんの偉大さには感服します
おk図書室の本読みまくってやる!
コレを読め!この作家の日本語は俺的にスンバラスィー!など個人的な主観でも結構ですので
あなたのお気に入りを教えてくれると嬉しいです
ヘタレなオイラに付き合ってくれてどうもでした!
781 :
774RR:2006/07/09(日) 02:00:46 ID:tDWExatK
「あなた…。やっぱり、行くのですか…。」
妻の心配そうな眼差しに、私は無言で頷いた。
釣りとバイクは私の、いや男のロマンだ。
愛車、ドリームCL72スクランブラーの荷台に釣竿を括り付け、颯爽とまたがる。
私は、釣りが好きだ。下手の横好きと言われても、釣りを辞める気はない。
しかし、元々人知れぬポイントへ辿り着くための手段として買ったこのバイクに、私は惚れ込んでいた。
今まで乗った陸王やメグロといった重量級のバイクでは、これほど自由に扱えなかったからだ。
バイクでは入れないと思っていた山道を、苦も無く走れる。
釣りが目的なのか、途中のツーリングが目的なのか。私にもよくわからない。
だが、年甲斐も無くはしゃぎすぎたのがいけなかったのか、一年ほど前、転倒事故を起こしてしまった。
幸い、私もバイクも軽症で済んだものの、一歩間違えればどうなっていたかわからない。
それ以来、私は必ずヘルメットを被るようにしていた。
妻の心配そうな顔が浮かぶ。
なぁに、心配するな。ヘルメットも被っているし、以前よりずっと安全に気を使っている。
あれから数十年、私は一度もバイクで事故を起こしていない。
だが、今ならわかる。
あの時の妻の心配そうな眼差しの意味が。
妻の警告に耳を貸せなかった。いや、意味を履き違えていた。
「……。」
私は、鏡の前でため息をついた。
いつ何時も、ヘルメットを被り続けたのがいけなかったのか。
…私の髪の毛は、何度数えても一本しか無かった。
(完)
782 :
774RR:2006/07/09(日) 05:47:53 ID:HIhIB+s1
波平wwwwwwwww
こういうネタな感じも(・∀・)イイ!!
つC
他人事じゃないorz
783 :
774RR:2006/07/09(日) 07:27:35 ID:6XCbye1j
波平の髪の毛は1本じゃないよ。
ちゃんと横にも生えてる。
784 :
波平旅行記:2006/07/09(日) 07:57:54 ID:o+gGM5bs
いつもどおり出勤し、業務終了と同時に家路に着く。
長年繰り返してきた毎日も終わりである。
磯野波平60歳、めでたく定年を迎えた。
その日の夕食は豪勢だった。晩酌もたっぷりついた。
だが、何より嬉しかったのは家族が皆定年を祝ってくれたことだった。
子供たちは寝付いて、マスオ君と日本酒を注しあっていたら洗い物を済ませたフネとサザエが出てきた。
マスオ君とサザエは姿勢を正すとこちらを向き直して「お父さん、本当にご苦労様でした」と深々と頭を下げると、おもむろに茶封筒を出してきた。
促されるままに封を開けると中には何枚かの紙が入っている。
「・・・・・!?・・・・・・・・・・・航空券?」
785 :
波平旅行記:2006/07/09(日) 07:58:55 ID:o+gGM5bs
先月買った東芝の電子レンジの懸賞で当たったとマスオ君は説明していたが、気が動転していたのと酔っていたのでそのまま押し切られるように受け取ってしまった。
サザエ曰く「親孝行は受け取っておくものよ。それに母さんもたまには羽伸ばさなきゃ」だそうだ。
3週間ほど準備にかかりいよいよ出発。
フネも自分も飛行機は初めてである。
緊張しながら受付カウンターを探し、搭乗する飛行機を確認する。
フネは人ごみではぐれないように常に腕を絡めている。
キョロキョロ恥ずかしい行動はできないと思いながらも、挙動不審は否めない。
もういちどチケットを指差確認する
「チェックイン良し、搭乗口良し、・・・」
出発空港は成田、二人とも緊張で無口になりながらゆっくりと搭乗口へ向かう・・・
786 :
774RR:2006/07/09(日) 09:19:17 ID:iAhL5KE5
ワッフルワッフル
787 :
774RR:2006/07/09(日) 13:50:28 ID:/g6Wu6Gp
漏れ君のような文章好きよ。
若い人特有の絶妙な熱さと勢いがあって。
次回作をコソーリ期待してるよ。
図書館の本を読みまくるのはとてもお勧め。面白いから。
788 :
787:2006/07/09(日) 14:01:28 ID:/g6Wu6Gp
すみません
>772宛てです
789 :
774RR:2006/07/09(日) 14:23:44 ID:pPBsXL4u
やっぱり磯野家の家電は東芝なんだなw
790 :
779:2006/07/09(日) 16:03:38 ID:XrNSSPki
>>772 音の表現要らない。もしくはもっと上手く。
>>773 唐突すぎ
>>774 イソンの他にも[自分をそう言い聞かせ書店の自動ドアをくぐった]
[自分に]だと思うけど?
だからアナタの文章は好きになれません。万人受け以前の問題だと思いますが。
一方的な批判だけじゃよくないと思ったので。
ネットだから何を書くのも自由だと思いますが、何かしらの感想を求めているように
ご様子でしたので。
>>775の文章はニガテですが、作品以外の文章から伝わってくる人物像はキライじゃないです。
今後も頑張ってください。
791 :
779:2006/07/09(日) 16:04:56 ID:XrNSSPki
×ように
○ような
792 :
774RR:2006/07/09(日) 16:39:06 ID:DhePVnul
何様
793 :
774RR:2006/07/09(日) 16:45:47 ID:uxlJMr7W
>all
つC
794 :
774RR:2006/07/09(日) 17:34:37 ID:Mdhk+zW5
俺様
795 :
774RR:2006/07/09(日) 18:31:07 ID:FiaXKr3J
C様
796 :
774RR:2006/07/09(日) 20:26:33 ID:iQR2xHiK
発表するなら反響を予想しろよカス
797 :
774RR:2006/07/09(日) 21:06:44 ID:HIhIB+s1
レスするなら煽りも予想しろよクズ
798 :
774RR:2006/07/09(日) 21:40:47 ID:uO2Po7Cs
みんなこうやって、文章力を磨いていくのだなぁ…。
799 :
774RR:2006/07/09(日) 21:58:18 ID:mlvETNQr
漫画家や作家って、もっとひどい事言われてプロになるんだろな。
俺は読書慣れしてるから苦手な文章でも多少、脳内変換して読んでる。
批判する人は、排除の方向じゃなくて、物語の活性化の方向にしてね。素人作家なんだから。
800 :
774RR:2006/07/09(日) 22:03:19 ID:Ppfk3wwC
三平さんどこ行ったんやー?
801 :
774RR:2006/07/09(日) 22:05:02 ID:sPIBCpYL
802 :
774RR:2006/07/09(日) 23:59:47 ID:iQR2xHiK
>>775なんざ、ただの中学生レベルだな
しねばいいのに、スレが汚れないから
もう書き込むなよ クズ
803 :
774RR:2006/07/10(月) 00:05:26 ID:4Jb8I365
>>802 アンタも十分スレ汚しです!
しかもageちゃってるし
二度と来んな
804 :
774RR:2006/07/10(月) 00:08:15 ID:4u1L3KcI
なにこの荒れ方。一昔はこんな事なかったのに残念。
読みたくないのなら読み飛ばせばいいじゃん。
魔棲雄だけ読みたいのなら抽出かければいいじゃん。
そういうのやめて欲しい。
805 :
774RR:2006/07/10(月) 00:08:57 ID:aDL06rP4
>>803 アンタも十分スレ汚しです!
しかもIDおもしろいし
また来い
806 :
803:2006/07/10(月) 00:19:00 ID:4Jb8I365
魔棲雄の続きを期待しつつスレに来てみたら、
>>802が感じ悪いこと書いてて、つい…
スマソ
807 :
774RR:2006/07/10(月) 01:01:47 ID:VcqJOstk
対戦カードが出揃ったんジャマイカ?
775VS802
とか言ってみるテスト
808 :
波平旅行記:2006/07/10(月) 06:07:07 ID:pMrzOboC
機内での長旅はいささか疲れる。しかし、言われるほどエコノミーシートというのも悪い座席ではないようだ。
機内食を食べカップに半分のビールに口をつけるとフネは静かに寝息を立て始めた。
その横で波平は何杯ビールを飲んでも酔った気がしなかった。いや、緊張か興奮か少しも酔えなかった。
いざとなるとフネの方が神経が太いようだ。
事前に空港から少し離れた日本人街の宿を電話で予約しておいたが、旅行行程は決めていない。
地図を片手に適当に観光して回るつもりである。
行き先はロサンゼルス、アメリカ西海岸最大の都市である。
手持ち無沙汰なので、小冊子を開く。
「モータリゼーションの国アメリカ、モータウンとして発展したL.A.。」
「温暖な気候のカリフォルニア州は通年気温が高く乾燥している。」
「近郊には映画の都ハリウッドがあり、俳優や監督の豪邸が立ち並ぶムービースター通りが人気のスポット。」
「リトルトーキョーなら日本の食品から雑貨雑誌まで何でもそろう。」
旅行ガイドに書いてある言葉についわくわくさせられる。
まぁ、帰りのチケットはあるが便を決定しているわけではない、ゆっくりと観光もできるだろう。
最初はどこを回ろうか・・・・
などと考えているうちに、飛行機はL.A.国際空港に着陸してしまった。
結局一睡もできなかった。
809 :
波平旅行記:2006/07/10(月) 06:08:34 ID:pMrzOboC
入国審査と手荷物受け取りを終えてついに、アメリカの地に降り立った。
燦々と照りつける太陽はL.A.の乾いた空気とあいまって、汗をどっと出させる。
あんまり熱いので到着ロビーすぐの所にあるコーヒーショップでアイスコーヒーを飲もうと店に足を向ける。
妙な話だが、降り立った最初の素直な感想は外人が多いということだった。当たり前ある。
大柄な外人が到着ロビーのソファーでわいわいしゃべっていたり、黒人のガードマンが行ったり来たりしている光景は、洋画の中でしか見たことがない。
治安についてもそんなに悪くはないという感じだ。犯罪のメッカはスラム街といわれるようなところでの話なのだと、一人勝手に納得していた。
っと、その刹那、ソファーに座って新聞を開いていた白人の男が立ち上がって前に立ちふさがった。
真っ赤なアロハシャツに短パンと真っ黒なサングラスで、男はこちらを見下ろす。
「シマッタ!」甘かった。やはり外国はいつでも気が抜けない。
そういえば、かねてからの円高と貿易摩擦で日本人と言うだけで狙われることが間々あると新聞にも書いてあったではないか。
心臓はドクドクと鳴り汗が噴出す。フネは相変わらず腕にしがみ付いている。
頭が真っ白になり何も考えられない。
すばやく男の右腕が振りあがった、つい顔を背け目をつぶり体が硬直する、。
「殴られる!」と思ったその腕はサッとサングラスを外すと胸にしまいこみ、男は口を開いた。
「ようこそL.A.へ、波平」
810 :
波平旅行記:2006/07/10(月) 06:10:01 ID:pMrzOboC
「・・・・・・・・・・・・?」あっけにとられてしまった。
背が高くガッチリとした体躯の白髪の初老の彼の優しい目は見覚えがある。Mr.ロブスター、何十年ぶりの再開だった。
パスポートだの海外保険だのの準備をしているときにロブスター氏にも手紙を出しておいた。
娘夫婦から旅行を送られて、L.A.に訪れることとなったこと。到着便と宿の詳細を書いておいた。
返信の手紙はなかったが、滞在中にも連絡を取って会いに行こうと思っていたところだった。
まさか空港に迎えに来てくれたとは思わず驚いてしまった。
彼は真っ白な白髪になり顔も皺が増えていたが、あの目だけは変わらなかった。
しかし、こっちも年を取っていたはずなのに良く見分けがついたものだ。
唯一変わってないところは髪形だけであったから、目立つといえば目立つのだが・・・
811 :
774RR:2006/07/10(月) 06:44:46 ID:NjJptkCQ
ウォ━━━━━━━━━━(゚∀゚)ロブスター!
812 :
774RR:2006/07/10(月) 07:37:33 ID:YXyVIJKt
ロブスターktkr!!!!
813 :
774RR:2006/07/10(月) 08:27:05 ID:BHam20vd
大佐…待っていましたよ、どうぞこの紅いファイアーボ(ry
814 :
油冷ファン:2006/07/10(月) 10:12:25 ID:NoOdrDR8
ロ・ブ・ス・タ・ー…
キターーーーーーー!
815 :
774RR:2006/07/10(月) 12:10:46 ID:9ZclKc4g
わっふるわっふるわっふる
816 :
774RR:2006/07/10(月) 13:07:28 ID:VZ2c8MMy
これは続きが気になるかもしれんね
817 :
774RR:2006/07/10(月) 13:42:21 ID:5Oe8whyZ
ロブスター(元)大佐!こう来たか!!
818 :
774RR:2006/07/10(月) 13:56:42 ID:CIUal7Kt
波平、昔から禿げてたのか・・・w
819 :
774RR:2006/07/10(月) 14:25:16 ID:7NcxE7IC
つ(ヒント) 純粋なサイヤ人は頭髪が生後から不気味に変化したりはしない・・・
820 :
774RR:2006/07/10(月) 14:52:19 ID:JTLzvA9T
サザエさんにべジータなんか出てきたっけ?
海山商事にいたっけか?
821 :
774RR:2006/07/10(月) 17:02:22 ID:YG+a+zxI
このスレに居座っていた引きこもり厨房は私の妻でした。
夫婦仲がうまくいっていなかったので、妻はストレス発散で
2chのあらゆる板・スレを荒らしていました。
悪い事と知りつつ私は黙認していました。
でも、その妻も昨日ダイヤルアップ環境しかないという
千葉の田舎に帰りました。
皆さん、ご迷惑をかけてごめんなさい。
822 :
774RR:2006/07/10(月) 17:24:44 ID:ffIZpQC/
もうこの際マスオ伝説他で独立でいいと思うよ。
823 :
774RR:2006/07/10(月) 17:27:35 ID:eE0cFdxA
マスオさんの真似してステップに立ち上がりたいけど、怖くて出来ない俺はどう見てもヘタレです。本当にありがとうございました。
824 :
774RR:2006/07/10(月) 17:37:33 ID:JTLzvA9T
>>823 ラルフアンダーソンの真似すればいいのさ
825 :
774RR:2006/07/10(月) 19:08:48 ID:9ZclKc4g
バリ伝キター
826 :
774RR:2006/07/10(月) 20:07:41 ID:bjUz/TDv
作者に氏ねとか下手とかいってるのは雰囲気を悪くさせようとしようとしている
頭のおかしい粘着な人(1人)です。
変な人が居ると思ったら必死チェッカーもどきでID検索して、相手をしないようにしましょう。
http://hissi.dyndns.ws/read.php/bike/20060705/ekwxVmZGbzE.html 三河屋のサブちゃんに似合いそうなバイク@4機目
647 :774RR[sage]:2006/07/05(水) 21:34:37 ID:zL1VfFo1
改行が酷すぎる。
一発モノの割には内容も薄く、引き込まれるものが少ない。
また、定番の「手羽先」「するめよ」「ドゥクドゥーン」なども無く、定番のものにも欠ける。
梅雨入!大学生ライダー集合!既得単位20-ガマン汁-
846 :774RR[sage]:2006/07/05(水) 05:26:42 ID:zL1VfFo1
>>829 そら彼女くらいいるだろ。
俺3股、モテてしょーがねぇwww
無口で読書好きの子と
金髪で剣術がやたら好きで食いしん坊な子
それと肌がすげー白くて、髪青のシャギーな子。
有希、アルトリア、レイってんだけどね。
みんな可愛くてしょーがねぇよ
827 :
774RR:2006/07/10(月) 20:21:20 ID:JTLzvA9T
そんなツール使ってまで粘着する奴も頭おかしい粘着な人だと思うがね。
828 :
774RR:2006/07/10(月) 21:48:29 ID:c998Q2RH
827 :774RR:2006/07/10(月) 20:21:20 ID:JTLzvA9T
そんなツール使ってまで粘着する奴も頭おかしい粘着な人だと思うがね。
827 :774RR:2006/07/10(月) 20:21:20 ID:JTLzvA9T
そんなツール使ってまで粘着する奴も頭おかしい粘着な人だと思うがね。
827 :774RR:2006/07/10(月) 20:21:20 ID:JTLzvA9T
そんなツール使ってまで粘着する奴も頭おかしい粘着な人だと思うがね。
829 :
774RR:2006/07/10(月) 22:10:31 ID:tGmyXYfp
【海から】 兵庫県全域 20 【山まで】
719 :774RR[sage]:2006/07/10(月) 02:12:50 ID:JTLzvA9T←
>>827 >>709 BMのアメリカンみたいなの(007に出てた奴)に女が乗ってた。
なんかあのぎこちなさ無免っぽい。
最初いきなりバイクだけひっくり返っててビビた。
あぶねーから勘弁して欲しい。
アニメのステッカーを貼るのがカッコイイ!! 8枚目
504 :774RR[sage]:2006/07/10(月) 10:06:38 ID:JTLzvA9T←
>>827 ローゼン見終わって、おまいらが何を切った貼ったしてるのかが分かるようになったのが嬉しいw
830 :
774RR:2006/07/10(月) 23:27:06 ID:VHIFnOdJ
おい、野郎共!!
いつからここは粘着晒すスレになったんだ!?
831 :
774RR:2006/07/10(月) 23:54:23 ID:eO+OCsLB
はぁ。魔棲雄の旦那、来なくね?
こんな雰囲気じゃ無理ないか。。。
個人的にはたくさんの人に知って欲しいスレだが。。。
何事も人が増え過ぎるっつーのは考えものだね。
832 :
774RR:2006/07/11(火) 00:05:54 ID:8f0VhgKU
つC
833 :
774RR:2006/07/11(火) 00:26:56 ID:Lx9HrBiu
魔棲雄こないねorz
834 :
774RR:2006/07/11(火) 02:03:33 ID:vxa25lWs
いろんな人に知ってほしいけど
これ以上人口過密で荒れてほしくない
あまり引き合いに出すとまた荒れる原因かもしれないけど
電車の時みたく完結してから知ってもらうって手もある
作者氏もいろんな人に読んではほしいだろうけどさ
835 :
774RR:2006/07/11(火) 09:16:44 ID:d1hHeuHM
魔棲雄・イソノ・波平ヌトーリー!!禿しく期待(・∀・)
836 :
774RR:2006/07/11(火) 20:45:01 ID:gRXyd3o7
某中古バイクサイトのninjaや刀が次々にsold outになってる件について
おまいら影響されすぎ
ZX-9R納車待ちヽ(゚∀゚)ノC
837 :
774RR:2006/07/11(火) 22:59:55 ID:qigfCmJy
ちょっと前に首都高で速いvmaxにチギられたけど、あの人も魔棲雄を意識してたのだろーか?
俺が遅いだけかorz
838 :
774RR:2006/07/11(火) 23:16:48 ID:9XwA/6X0
魔棲雄物語楽しみにしているのに
違う作品ばかりでがっかりだ(´ω`)
【SCENE80】
鈴木さんと合流をする約束をした日までの数日間、僕は幾人かの人達に出会った。
とあるキャンプ場でテントを張ろうとしていると、先客のライダーが近づいて来た。一見人あたりの良さそうな彼は、
キャンプ場の片隅の一張りのテントを指差して言う。
「ここでキャンプするなら、あの人に挨拶しておいた方がいいよ」
・・・噂には聞いていたが、『主』とその取り巻きという奴だろう。僕は半ばワザと彼に聞こえるような大きな溜息をつくと
「アホちゃうか?」と呟いて張りかけのテントを片付けて、そのキャンプ場をあとにした。
・・・彼らは何を求め、この北の大地にやってきたのだろうか?
思うがままに走り、腹が減ったら飯を喰い、呑み、眠る・・・。そして翌朝には未だ見ぬ地を求めまた走り出す・・・。
バイク旅の醍醐味とは、その自由気ままさにあると断言する。
極めて機動性に優れた、小さく、それでいて長距離の移動を可能にするパワフルな乗り物と、最小限の荷物がもたらす、
精神を解き放つかのような開放感。決して逃れる事の出来ない日常生活の中で、それでも束の間のそれを求めて僕らは
愛車に跨り走り出すのだ。
それがどうだ。そのキャンプ場で見た愚かな彼らは、この無限にも続くような大地と大空の下で、そんな無粋な
振る舞いに興じているのだ。正直、付き合いきれない。おそらくアナゴ君がこの場に居たら一悶着になっていた事だろう。
僕の放った一言に驚いて間抜けな顔をして突っ立ている『主』の腰巾着を、振り返りもせず僕は別のキャンプ場へと
向かった・・・。
雨の夕方。雨宿りがてら夕食をとる為に入った、とある集落の名も無き食堂。
お婆さんが一人で営むその食堂には、僕以外の客は居なかった。学生さんかい?どこから来たのさ?内地は暑いっしょ、と
次々と質問を浴びせかけてくるが、その皺だらけの顔の優しい瞳は決して鬱陶しい訳ではない。
きっと久方振りの話し相手が出来て嬉しいのだろう。僕は一つ一つの質問に丁寧に答える。
そのうち、お婆さんは開拓時代の北海道の話を聞かせてくれた・・・。
お父さんは本州から屯田兵として入植して来たこと・・・。何も無い森を開拓する為、必死に働いたこと・・・。地獄のような
冬のこと・・・。気まぐれな天気に翻弄された夏のこと・・・。
僕は驚いた。北海道の原風景の如く、当然のように目の前に地平線に届かんばかりに存在する緑の丘が、実は開拓民が
手作業で森の木を一本一本、根から掘り起こし、土を耕した結果なのだと言う事を。・・・気が遠くなる思いがした。
降り止まない雨音を聞き、お婆さんは泊まっていきなさいと食堂の座敷を一晩の宿に貸してくれた。その後も、
僕の知らなかった北海道の貴重な話の数々を聞き、僕は少しだけこの大地の事が解ったような気がした・・・。
美瑛の丘を走りながら僕は、もの思いに耽っていた。
東京を発ってからそれほどの日数は経っていないはずだが、様々な人に出会ったような気がする・・・。
僕の北海道行きを羨ましがっていたカブに乗った酒屋のおじさん。雨の中、会話を交わした東京へ帰るライダー。
青森港で一晩を飲み明かした名も知らぬライダー達。NS250Rを駆る謎の高校生。すぐに排気量を尋ねてくるおじさん達。
悪質運転のドライバー。「気楽に行こうぜ」と僕をたしなめたインディアン乗り。キャンプ場の主と腰巾着。優しいお婆さん。
・・・そして、初恋の彼女・・・。
良い人・・・、好まざる人・・・、愛しき人・・・。一人旅だったからこそ訪れたであろう出会いの数々・・・。
・・・そして、僕は果たしてそんな出会いを通じて成長する事が出来たのだろうか?
「北海道はひとりで行くもんだ」
僕は、ふとアナゴ君やイナダのオヤジさんが言っていた事の意味が理解出来たような気がした・・。
その日、富良野のキャンプ場が僕と鈴木さんのランデブーポイントだった。今日の昼頃に函館に上陸したはずの鈴木さん。
彼も今頃、富良野を目指して走っている頃だろう。時間的に僕のほうが早く着くだろうか?
僕は約束のキャンプ場に到着した。数台のバイクの中にCB1100Rの姿は無い。僕はテントを設営し、芝生の上に
ゴロリと横になった。
陽は傾きかけていた。連日の走行の疲れからか、僕は暮れゆく空を仰ぎながらウトウトとし始めていた・・・。
842 :
774RR:2006/07/11(火) 23:38:50 ID:VsGkby0a
つC
どのくらい経っただろう・・・。僕の耳が聞き慣れた音を捉えた。行儀良く調律されたホンダらしい空冷4気筒サウンド。
間違いない!鈴木さんだ!
とたんに目が覚めた僕は、その場に立ち上がる。音はすれども姿はまだ見えない。それでもその音は確実に近づいてくる。
ん?2台か?別のバイクの音が混ざって聞こえる。鈴木さんではないのだろうか?ホンダサウンドに混ざって聞こえる
官能的でパワフルなこの音は一体?
ほどなくして、道道からキャンプ場へ一台のバイクが入ってきた。赤と白の鮮やかなカウリング。やはりCB1100Rだ!
僕は鈴木さんに向かって大きく手を振ろうとした・・・その時だ。
CB1100Rに続いてもう一台、バイクがキャンプ場に入ってきた。シルバーのカウルに夕陽が反射した・・・。
・・・見間違えるはずもない。唯一無二のその造形・・・。数々のライダーを虜にしてきたその強烈なオーラを纏った
そのバイクの名は・・・。SUZUKI GSX KATANA。
そして、同時にそのカタナに乗るライダーが誰であるかと言う事も、見間違えようはずが無かった・・・。
その美しきバイクに跨るは・・・我が最高の友、アナゴ君に違いなかった・・・。
2台のバイクは僕の目の前に停車する。
「いよぉ、フグタ君、久しぶり!」
バイザーを上げながら、一言目をそう切り出した我が友の股下にあるカタナの心臓は、明らかに1100ccだった・・・。
呆然とする僕の顔に堪えきれなくなったのか、鈴木さんは肩を震わせ笑っていた・・・。
844 :
774RR:2006/07/11(火) 23:52:31 ID:cYbeZn/4
アナゴさん復活!
作者さん( ´∀`)イイヨーイイヨー
845 :
774RR:2006/07/11(火) 23:53:38 ID:C+ug46Pk
やはり1100カタナに乗り変えたのか・・・
次回は乗り換えに至った心境か?
846 :
774RR:2006/07/11(火) 23:53:57 ID:Lx9HrBiu
つC
847 :
774RR:2006/07/11(火) 23:55:52 ID:K02ix0JX
うおおおおおおおおおお若本きたああああ
848 :
774RR:2006/07/12(水) 00:00:22 ID:t/j/vA9C
>>836 魔棲雄を読んでからカタナがすごく気になる
849 :
774RR:2006/07/12(水) 00:01:52 ID:hqk0Ve9g
アナゴさんの一台目がそもそもあえてナナハンだったのも、この乗り換え劇に繋がる
壮大な伏線だったのかと思うと、、、
850 :
774RR:2006/07/12(水) 00:07:04 ID:l093HFBJ
851 :
774RR:2006/07/12(水) 00:25:11 ID:zB5kM86i
俺はビッグバイク飼える環境にないからツートロ内で刀乗ってるぜ!
…空しい
>>魔棲雄の中の人
つCCCCCCCCCC
>>848 あの存在感は今でも凄いね、特に足回りノーマルのビッグバイク「感」がいい。
>>851 つ【ギャガタナ】
>>843でのサプライズだけど、似たような事を最近やった。
3月に買ったバイクをつい先週、俺の地元近くにキャンプしに来た
遠方の友人にずっと隠し続け・・・俺の新しい愛車を見た時の驚き方と言ったらw
俺の仲間内でも他に似たような事が散々あるから、結構メジャーな手法なのかな?
854 :
774RR:2006/07/12(水) 01:32:46 ID:ytXogu6j
つCCC
855 :
774RR:2006/07/12(水) 05:36:22 ID:YNLsTaPs
ブックマークに登録しますた!
856 :
774RR:2006/07/12(水) 08:24:01 ID:cOCJo8Ur
>>853 RZR乗りの知り合いがFZ750に乗り換えてたときはびっくりしたな
857 :
774RR:2006/07/12(水) 12:34:38 ID:bwyATlfR
くっそーっ
GSX1000Sカタナじゃ無かったのかw
858 :
774RR:2006/07/12(水) 21:54:22 ID:0QmusNOF
>>魔棲雄の旦那
ツC
859 :
774RR:2006/07/12(水) 23:16:32 ID:rLJJIo8l
イイ!
860 :
774RR:2006/07/13(木) 00:43:33 ID:XwJevsSm
マスオだけが最高
つC
861 :
774RR:2006/07/13(木) 00:58:14 ID:zE7AvJrq
まとめサイト行って一気読みしてきた。
サザエさんキャラでここまでカッコイイ話が書けるなんて!
書き手の皆さんはスゴイなぁ。
862 :
774RR:2006/07/13(木) 02:09:01 ID:fG6/fHah
何かキャンプ場の雰囲気がこのスレみたいだな…
863 :
774RR:2006/07/13(木) 02:35:05 ID:K4O7Zn8h
読み返して思ったんだが。
この時代のバイクってホントにワクワクするようなのばっかだな。
Ninjaが出た84年前後なんて、RZV500R、FZ750、GSX-R750、KR250、NS250R、RG500Γ 、V-MAX、TZR250、そしてCBR400F・・・。
エンデュランス仕様とかナツカシス(・ω・`)
864 :
774RR:2006/07/13(木) 06:37:53 ID:2OZyu6e9
マスオさんに挨拶しておいた方がいいよ
865 :
774RR:2006/07/13(木) 06:38:39 ID:chjrHy89
アホちゃうか?
866 :
774RR:2006/07/13(木) 08:19:21 ID:oNJI2Du3
魔棲雄作者さんはそういうことを暗喩して
あのシーンを書いたのではないだろうか?
…と言うのは神格化し杉?
867 :
774RR:2006/07/13(木) 09:38:20 ID:4/phKcTk
あのシーンだけ妙に唐突に見えるんだけど実体験とかじゃないのか?w
868 :
774RR:2006/07/13(木) 10:24:36 ID:vckYYLqd
そーゆーふいんきが嫌な人のためにまとめサイトが有る。
869 :
774RR:2006/07/13(木) 11:50:55 ID:arQ1AJcA
魔棲雄
面白いよ魔棲雄
870 :
774RR:2006/07/13(木) 17:15:35 ID:jqCYI1Mn
キャンプ場にそういう人って本当にいるもんなの?ある意味凄い。
871 :
774RR:2006/07/13(木) 17:30:14 ID:UAEylZme
>>861 否、皆さんと言っても、凄いのは一人のような・・
872 :
774RR:2006/07/13(木) 18:17:46 ID:KEeFJPF9
>>836 やべーばれてる。
漏れA11・黒忍者買っちまったよ。
873 :
774RR:2006/07/13(木) 19:25:20 ID:yJIvosK1
空手バカボンの家族の肖像を聞きながらこのスレ読んでます。
だ〜け〜ど〜
874 :
774RR:2006/07/13(木) 19:56:09 ID:omMLN7/I
>>870 何度か北海道に行ってる漏れが来ましたよ
キャンプ場では聞いた事ないけど、ライダーハウスに
長期滞在禁止のところがあるのは、実際にそういう「主」って奴が
何度か居座って、他のライダーから苦情が入ったからなんだって。
そういう長期滞在者の中には、テレビのある部屋にプレステを持ち込んでた奴もいるらしいwww
どーいう神経してんだwww
875 :
774RR:2006/07/13(木) 21:48:55 ID:xZ84oV1E
>>870 5年ほど前までは結構いたよ
俺も昔こーゆう奴、見たことある
主「コンチャ、君ココどこで聞いたの?」
俺「昨日、宿の人に教えてもらったんですけど」
主「困るんだよねあんまり人が来るとココが荒れるから」
俺「・・・・」
主「まあ、来ちゃったのはしょうがないし、とりあえず他の皆にも紹介するから一寸きてくれる?」
ブチ切れ俺「ココはお前の土地か?」
主「イヤ違いますけど」←何故かココから敬語になる
ブチ切れ俺「だったら訳の分からん言いがかり付けるなボケ!」
一喝したら消えたけど地元でもかなりの有名人だったみたい
この手の主が占領するために無料で宿泊施設として開放していた廃駅や古い貨車を改造した無料宿泊施設が無くなっていったんだよ
それに比例するように主たちも年々減少、最近ではあまり見かけなくなった
876 :
774RR:2006/07/13(木) 22:12:42 ID:7N7fqtX3
>>875 GJ。
その主とやら、荒らしている人間が自分自身だと
いう自覚ないんだろうな。
877 :
774RR:2006/07/13(木) 23:36:13 ID:Zcg41Njt
やっぱある程度カネは取るようにしないと性根まで乞食な連中に占拠されるんでしょうな。
【SCENE81】
その夜、ボンカレーをアナゴ君の炊いた固くて不味い米で食べると、缶ビールを片手に3人で小さな宴に興じた。
アナゴ君は、僕が東京を発った二日後には、イナダモータースで1100カタナの契約書に判を捺していたらしい。
納車されたのは、なんと北海道へ出発の日。代車であるオヤジさんのスーパーカブに括り付けたツーリングの荷物を
イナダモータースの店先で新しい愛車に括り付けなおすと、そのまま青森に向かって鈴木さんと共に出発したらしい。
新車慣らしの必要の無い中古車とはいえ、なんと無謀な男だ・・・。
「やっぱり、1100はいいね!速いぜ!」
アナゴ君の新しい愛車に対する賛辞の嵐は収まる事がことが無かった。・・・いや・・・、その不自然なほどのはしゃぎ振りは
あえて以前の愛車である750カタナの話を避けているようにも思えた・・・。
僕もまた、750を修理せず1100を選択した理由について深く聞くことを止めた。僕には彼の気持ちが解るような
気がしたからだ。
僕もまた、決して飽きたわけではないヨンフォアを手放した過去を持つ。それは、スピードを追い求める僕にとって、ある意味
当然の成り行きであり、また自分勝手な選択でもあった・・・。
イナダモータースでヨンフォアと別れた時、ある種の後ろめたさからその姿を正視出来なかった・・・。
それに、おそらくアナゴ君には、愛車に無理を強いて壊してしまったという意味合いでの後ろめたさもあったのだろう。
アナゴ君から言葉としてその時の心境を聞いたことは無いが、ブロー直後の彼の様子を見れば、想像に難くない・・・。
それに、そもそもバイクは楽しんで乗るものだ。心を解き放つ為に生まれてきた乗り物に、必要以上に重々しい心を
縛り付けてはいけない・・・。
愛車に不誠実でなければ、そして時に不本意にも愛車を傷つけてしまった時には自らの未熟を反省すればそれでいい。
僕は、乗り換え自体を愛車への不実であるとは思わない。
おそらくはアナゴ君の心の深層で完全に溶け切ってはいないであろう750カタナへの想いを癒そうと、僕はこれまでの
一人旅の思い出を披露した。
『主』の話をすると、アナゴ君は我が事のように怒り出し、僕はその場に彼が居なかった事に安堵した。
インディアンチーフの男性に話が及んだ際は、鈴木さんが「それ、俺が3年前に会った人じゃないの?」と言い出し、バッグから
『Good Luck!』と書かれたバンダナを取り出しては、僕が貰った『Easy Go!』と全く同じ筆跡である事に、
世の狭さを感じた。
アナゴ君や鈴木さんと離れていたのはたった10日間余りだったが、僕は3人で居るこの空気を非常に懐かしく、そして
暖かく感じた。一人になる事で知った孤独の意味・・・。そして、仲間の大切さ・・・。そんな風に久方振りの楽しい夜は過ぎて
行った・・・。
たくさんの旅の思い出を披露した僕だったが、終ぞ開陽台での彼女との思い出を話すことは無かった。
・・・甘く切ない初恋の想い出は、僕一人の胸の中に・・・。
翌日、狩勝峠でアナゴ君と1100カタナのニューコンビの恐るべきパワーが炸裂した。
速い・・・。迫り来る中速コーナーの切り返しをヒラリヒラリと・・・。高速コーナーを銀色の弾丸のように・・・。
疾駆するカタナとアナゴ君は、事も無げに僕を置き去りにしようとする。なんて速いのだ。
ニューマシンとはいえ、やはり以前の愛車と同じカタナ。いや、もしかしたら本来1100ccで開発された本当の姿のカタナとの
組み合わせによって、アナゴ君の本当の速さが引き出されたのかも知れない・・・。そんな事を考えているうちに、鈴木さん
にまで置いていかれた。
「どうしたんだ、フグタ君!?直線路ばっかり走ってて鈍っちまったのか?」
峠での休憩で、そう僕をからかうアナゴ君の笑顔が小憎たらしかった。僕がこれほどまでにアナゴ君に走りで差を付けられる
理由は、アナゴ君の速さだけでは無いことは解っていた。
・・・彼女との別れ以降、思うに任せないライディング。未だ僕はスランプの中に居た。実は、僕はそれをやや深刻なものとして
受けとめていたのだ・・・。
ちっとも楽しくないコーナーリングに焦りばかりが募り、二度と気持ちよく走る事が出来なくなったらどうしよう、と内心では
悩んでいたのだ。
しかしそれは杞憂に過ぎなかった。その日、アナゴ君の背中を見て走っているうちに少しずつ走りの勘を取り戻して
いった僕は、その日幾度目かのワインディングを走る頃にはすっかり以前の自分の走りを取り戻していた。
彼と箱根ターンパイクで再会し、そして共に走った東京への帰路を思い出す・・・。あの日、僕は初心者にも関わらず、彼の
後ろを走るだけでまるで引っ張られるかのように心躍るライディングが出来た・・・。
そしてこの日も、乱れた心で見失っていた自分自身の走りをいとも簡単に取り戻す事が出来た。
やはり、彼は僕にとって最高の相棒だ・・・。夕暮れのワインディングを、僕はいつまでも彼と走っていたいと思った・・・。
その日の夜、月明かりに照らされたテントサイトで、缶ビールを数本あけたところで鈴木さんがおもむろに僕とアナゴ君に
向かって語りかけた。
「・・・二人とも、将来は決まっているのかい? なりたい職業とか、入りたい会社とか。」
突然の鈴木さんの言葉に、僕とアナゴ君は顔を見合せた。
僕は真剣に将来について考えた事など無かった。まだ大学二年・・・。呑気な僕にとって、それはもの凄く現実感の乏しい、
遠い未来の事に感じた・・・。僕は答えた。
「いえ、特にまだ決めてはいないですけど・・・」
アナゴ君も僕と同じ答えだった。思えば僕らは、この楽しいバイクライフに傾倒する事で、近いうちに迫る社会への巣立ち
という大いなる決断を面倒事とみなし、目を背けていたのかも知れなかった。
「・・・そうか」
鈴木さんはそう呟くと、一呼吸置いて言葉を続けた。
「僕の会社、事業拡張に向けて動いているんだ。人事部に同期入社の奴がいてね、優秀な新入社員を欲しがってるんだ。
まだ先の話しだし、キミ達からしてみればピンと来ないかも知れないけど・・・。どうだい?大学を卒業したらウチの会社に
来ないかい?」
突然の話に僕達は驚いて言葉を失った・・・。
ちなみに、1984年当時はさほど景気は良くは無く、就職活動も決して売り手市場と言う訳では無かったのだが、
その数年後に訪れたお祭り騒ぎのようなバブル景気を思うと、鈴木さんの会社は来たるべく好景気に向けて、先を見通した
人材収集を行っていたのだろう。
しかしながら、僕らは将来のことなど少しも省みず、バイクに熱を上げる刹那的な学生生活を送っていた愚かな若者だった
ので、そんな鈴木さんの言葉に即答できるはずも無い。
困っている僕らを見て、鈴木さんは笑って言った。
「ハハハ!突然こんな事言われても困っちゃうか!」
僕もアナゴ君も、将来の事などをちっとも考えていない事を鈴木さんに知られ、少しだけ恥かしくて下を向いていた。
そんな僕らの様子を鈴木さんはお構い無しの様子で言った。
「まぁ、有能そうな学生に当ては無いか?ってその同期の奴に頼まれた事もあるんだけど、僕個人的にもキミ達と同じ
勤め先になれれば、この楽しい時間がずっと続くような気がしてね・・・。」
そして、最後に付け足すように鈴木さんは言った。
「ウチの会社は海山商事っていう商社さ。悪い会社ではないぜ。まぁ、僕が言った事、頭の片隅にでも置いておいてくれよ。」
鈴木さん、そして最高の友アナゴ君とずっと一緒に居られる・・・。若かった僕にとって、突然のその話は非常に魅力的な
誘いに思えた・・・。
・・・それが、儚く、そして哀しい願いになるという事に気がつきもせずに・・・。
883 :
774RR:2006/07/14(金) 00:04:11 ID:1eryhptH
支援!
884 :
774RR:2006/07/14(金) 00:05:04 ID:Cy2UK9F4
うぉぉぉお!
青田買い来たーーーー!!
そして人生の先達となるべき鈴木さんは・・・・・・?
先を読むのが怖いぃぃ・・・
885 :
774RR:2006/07/14(金) 00:08:28 ID:TWqBEDZJ
俺も魔棲雄のようにマスオ物語の中の人の紡ぎ出す文をいつまでも読んでいたいと思うぜ!
886 :
774RR:2006/07/14(金) 00:23:32 ID:3pyDL49f
今じゃちょっと問題ありの青田刈り描写が、当時の時代背景的にリアルでいいw
887 :
774RR:2006/07/14(金) 00:33:13 ID:1OImNhv5
そして電設へ
888 :
774RR:2006/07/14(金) 00:43:58 ID:IWU6ve2s
これかw
657 名前:なまえをいれてください 投稿日:04/07/24 02:31 ID:9GAtQab4
新入社員の頃、課内で「伝説の鈴木さん」という名前がよく出ていた。
ある日、主任から「この書類、伝説の鈴木さんに渡してきて」と頼まれた。
「どこにいらっしゃるのですか?」と聞き返したら、
「伝説の鈴木さんなんだから伝説の部屋に決まってんだろ。
3階の奥だよ」と言われた。
伝説の部屋という言葉にわくわくしながら3階の奥へ行くと「電気設備課」があった。
889 :
774RR:2006/07/14(金) 00:51:48 ID:QpYW80I9
明和電気の電設のライブみたいな。
890 :
774RR:2006/07/14(金) 01:07:02 ID:EdeYAMhO
狩勝峠、懐かしいです。4年前、ザンザス修理中の傷心旅行にRX-7で
走ってました。本州の人間なので暫く北海道とは御無沙汰ですが、
今年はザンザスで行ってみたいです。
つC
891 :
774RR:2006/07/14(金) 10:09:06 ID:LilWHdj8
マスオ
つCCCCC
やっぱり最高だぜ
892 :
774RR:2006/07/14(金) 10:19:42 ID:Dd9O8Dg6
893 :
油冷ファン:2006/07/14(金) 12:24:18 ID:qiln9yx/
魔棲雄作者様、毎回楽しく読ませていただいてます。
つC
まさかインディアンチーフ乗りが鈴木さんにも会ってたなんて…
渋すぎる!
894 :
774RR:2006/07/14(金) 12:53:18 ID:+t18IVE1
ハァハァハァ おもしろすぎるぜ
895 :
774RR:2006/07/14(金) 12:57:28 ID:Vf2nuTdk
>>893 「世の狭さを」
と言うが、
インディアンチーフのおっさんの世界が広すぎるような気もする
896 :
774RR:2006/07/14(金) 20:35:55 ID:H9avoFkv
のめり込んじゃってるよ・・・俺
897 :
774RR:2006/07/14(金) 20:43:20 ID:6KtOLP4+
去年チャリで北海道行ったとき狩勝峠で通りすがりのトラック乗った
おっちゃんにてっぺんまで運んでもらったなぁ。おっちゃんありがとう。
そんな俺もザンザス乗り。
898 :
774RR:2006/07/14(金) 21:40:38 ID:8KNGpT35
>>888 学科教習の「シャドウサタン」
思い出したw
899 :
774RR:2006/07/14(金) 22:00:07 ID:EdeYAMhO
>>897 同志!キモイ上にマイナーなバイクですが、お互い大切に乗っていきましょう。
スレ違い失礼しました。
900 :
774RR:2006/07/14(金) 22:01:18 ID:3pyDL49f
海山商事キター!!
901 :
774RR:2006/07/14(金) 22:05:37 ID:J5SLSvRj
>>888 秘宝伝で伝説モード入るといつもそのコピペ思い出すんだよね
ただ作家先生がそのコピペまで視野に入れてたんならネ申だな
その伝説の鈴木さんに書類持っていった社員がヨンfうわないにすくぁwせdrftgyふじこl
902 :
774RR:2006/07/14(金) 22:28:14 ID:BLVsDY3C
フラグが・・・
903 :
774RR:2006/07/14(金) 23:13:11 ID:Cy2UK9F4
そうか、マスオアナゴはそうやって海山商事に入ったのか・・・
って妙に納得してしまったが・・・
そういえば正史ではないんだったなwww
904 :
774RR:2006/07/14(金) 23:39:58 ID:JRGHnSJN
俺の中では既にこっちがスタンダードになりつつあるが。
マスオさんが頼りなさげなのも、アナゴさんがすっとぼけ
ているのも世を忍ぶ仮の姿。
一度メットを被りバイクに跨れば、高速を弾丸のようにかっ
飛ばすライダーに変身。
>>904 テレビには決して流れない裏設定みたいなとこのバランス感覚が絶妙なんだよねw
906 :
774RR:2006/07/15(土) 00:36:00 ID:ifwfeXqq
おまいらよく見れ。
本編の背景で椅子に跨りエアバイクしているマスオさんが・・・
907 :
774RR:2006/07/15(土) 07:15:40 ID:hTA9hbB6
908 :
774RR:2006/07/15(土) 16:29:31 ID:06YyZXal
909 :
774RR:2006/07/15(土) 16:39:56 ID:XHZbs5Pl
そういや昨日ビッグサイトに逝ったら、サザエさん焼
(人形焼みたいなの)売ってたな。
910 :
774RR:2006/07/15(土) 17:49:19 ID:d243owN2
先週浅草に行ったらメイドカフェタルト売ってた。
911 :
油冷ファン:2006/07/16(日) 11:16:10 ID:HxGebOz0
>>909 たしか東京駅にも売ってたような…
あれ?ハローキティ人形焼きだったかな?
わっふるわっふる。
912 :
hoshu:2006/07/16(日) 14:58:36 ID:xnBOc9ke
hoshu
既に「人生の楽しみの一つ」になっている人、多いのではないですか?>魔棲雄物語
作者様、完結(その日がくるのが恐ろしいけど)まで、よろしくお願いいたします。
できれば、このまま永遠に、ツーリングやバイクの日常にまつわる日誌気分で、ずっと
続いてくれる事を、多くの読者とともに希望します。
914 :
774RR:2006/07/16(日) 22:54:32 ID:WJrFbPQS
915 :
774RR:2006/07/17(月) 08:47:26 ID:GfCs1X0t
916 :
774RR:2006/07/17(月) 10:11:46 ID:lOyQNcCa
>>913 アホちゃうか?
他人を勝手に巻き込むなよ
オレも確かにマスオ物語は楽しいと思うし、大好きだし更新を待ち望んでるけど、オマエみたいな考え方っておかしくない?
一見、当たり障りのなさそうなこと書いてるけど、見てると実に気持ち悪いよ。
以前に、勢い余ってこの作品をチクってしまった奴と同じ空気を感じるよ。
917 :
774RR:2006/07/17(月) 10:13:20 ID:b6Dm/kbU
同じ奴だったりしてw
918 :
774RR:2006/07/17(月) 10:15:07 ID:P/ki2g5Q
>>916 別に変な事書いてないじゃん。何が気に食わないの?
よく分からない突っ込み入れて空気悪くしないで欲しい。
919 :
774RR:2006/07/17(月) 10:46:29 ID:v0j0MWNs
920 :
774RR:2006/07/17(月) 11:14:03 ID:gybwQcWj
無意味なコテハンは、荒れる原因なんだよ。
921 :
774RR:2006/07/17(月) 11:15:35 ID:S/oGUpI0
おまいらよくそんな面倒臭いこと考えながら読めるな
「うはwwみんなすげぇwwwwテラオモシロスwwwww」
コレじゃ駄目なのか?
922 :
774RR:2006/07/17(月) 12:28:37 ID:GfCs1X0t
>>921禿同
それぞれ一つの作品として楽しむのが一番。
923 :
774RR:2006/07/17(月) 14:34:29 ID:IWr7Tky/
>>921俺も禿。
今まで批評してるつもりのような人いたけど、殆どその人の好みが合ってなかっただけ
みたいなところが多い気がする(・・・←が大杉とか)。
まぁ、楽しんだモノ勝ちだわ。
あ、そういえばこのスレ、もう残り100切ってるね。
924 :
774RR:2006/07/17(月) 21:01:38 ID:DhUy0e9d
そろそろ次スレか
wktk!
925 :
774RR:2006/07/17(月) 21:49:47 ID:Jj+AdjPT
926 :
774RR:2006/07/17(月) 23:20:02 ID:ktZ31Czl
コテは荒れる素なのは確かだな
素を使って荒らす奴が一番悪いわけだが
927 :
774RR:2006/07/18(火) 00:00:39 ID:S/oGUpI0
作者さん達来ないなぁ……
こないだまでのお祭騒ぎはどこに(´・ω・`)
【SCENE82】
社会人の夏休みとはなんと短いのだろう。鈴木さんが東京に帰ってしまう日が、もう近づいていた。
一週間程度の休みの中で、北海道までの往復に3日ほどを費やせば自ずと道内を回っていられる時間も決まってくる。
そんな社会人鈴木さんの束の間の自由の日々を目の当たりにした僕は、数日前に期せずして彼に突きつけられた
大人への選択肢を、やはり出来るだけ後回しにしたい面倒事であると感じていた・・・。
しかし、何故、楽しい時はこれほどまでに早く過ぎ行くのだろう・・・。北海道に来てからというもの、一日が異常に短く
感じる。早朝の朝もやの中を駆け、幾つかの山岳路と何度走っても飽きる事のない雄大な直線路を夢中で走ると
腹時計が正午近い事を報せる。
腹を満たした後、再び走り出せば海や山や大地が織り成す絶景を見つけしばし声を失う。そしてその光景はいつしか
夕暮れに包まれてゆく・・・。
そして、鈴木さんが東京に帰る日がやってきた。
「オフ車じゃキミらに着いていけないからな。来年もCBで来るしかないなぁ」
鈴木さんはそう言って笑った。そして、僕らは函館方面へ走り去る鈴木さんの後姿を見送る。
・・・僕は当たり前の事だと思っていた・・・。また来年も当然のようにこの3人で北海道を駆け巡るのだと思っていた・・・。
その、当然だと思っていたとりとめの無い日々が、今にして思えば幾ら望んでも、足掻いても、二度と手に入れることの
出来ない珠玉の如き幸福の時であるという事に、その時は気がつくはずも無かった・・・。
楽しき時は、早く過ぎ行く・・・。それは時にあまりにも残酷に・・・。
眩く光り輝く陽光も、いつしか西の空に落ち、そして漆黒の闇に包まれる夜が訪れる・・・。それを知るには僕らはまだ
若すぎた・・・。
鈴木さんが帰京して数日後、アナゴ君が突然言い出した。
「おい、フグタ君。俺、摩周湖が見てみたいなぁ。フグタ君は行ったんだろ?」
僕は飲んでいたビールを吹き出しそうになった。摩周湖といえば・・・彼女との思い出の地だ・・・。失恋の傷もまだ
癒えぬのに、その思い出が色濃く残る場所に行きたいとは思わなかった。
「わ・・・わざわざ見に行くほどのものでも無いと思うよ?」
「あれ?この前は凄くキレイだったって言ってなかったっけ?」
「そ・・・そうだっけ?他にもいい所はたくさんあるんだから違うところにしないかい?」
僕がそう言うと、アナゴ君は訝しむような目を僕に向け言った。
「なんかおかしいなぁ、どうして俺に摩周湖を見せたがらないんだよ?」
・・・完全に怪しまれている・・・。これ以上、アナゴ君を摩周湖に行かせないように差し向けようとするのは返って
不自然だ・・・。
そして僕は、不本意ながらもこの旅3度目の摩周湖行きが決定したのだった。
翌日、僕とアナゴ君は摩周湖展望台に向け峠を駆け上がっていた。ほんの10日ほど前に、彼女と走った思い出の道・・・。
しかし、その時の光景と唯一違うものがあった・・・。天気だ。
僕は前夜から、北の大地を統べるカムイたちに願いをかけていた・・・。どうか、どうか、摩周湖に霧をかけて下さいと・・・。
アナゴ君には大変申し訳ないが、彼女との思い出がまだ生々しく残るこの美しき風景を、垂れ目と厚ぼったい唇が
暑苦しい男と共有したくは無い・・・。
僕はアイヌの神に好かれているらしい。摩周湖展望台に近づくにつれ、霧が濃くなってくる。・・・そうだ、いいぞ!霧!!
「なんだよ〜これ!なんにも見えないじゃねーか!」
かくして、摩周湖展望台は視界ゼロ。美しき湖は暑苦しい男にその姿を晒す事は無かった・・・。
「いやぁ、残念だったねアナゴ君〜」
僕はニヤニヤしながら彼の肩を叩く。・・・摩周湖のジンクスを信じれば、僕は彼より出世しない事になるが、この際
そんな事はどうでも良いのだ。僕は清き想い出が守られた事に安堵した。
しかし、それも束の間。アナゴ君は再び驚きのセリフを吐いた。
「じゃ、今晩は開陽台でキャンプしようぜ!」
・・・まるで僕の秘め事を見透かしているかのような彼の言動に、僕は再び考え直すように提言したが、やはり再び
怪しまれ、結局開陽台に行く事になってしまった・・・。
ほどなくして到着した開陽台。まるで、あの日のままだった・・・。僕と彼女の過ごした空気が、まだそこに残っている
かのようだった・・・。
彼女がまだそこに居るかのようで、僕はキョロキョロと周囲を見回したが、もちろんその姿があるはずも無い。
意識して、彼女とテントを並べた場所から離れたポイントにテントを張った。今日、テントを並べるのは・・・暑苦しい男。
展望台からの眺めに、「地球が丸く見えるぜ!すげぇな!よぅ、フグタ君!」と騒がしい・・・。少しは彼女の慎ましさを
見習うがいい・・・。
「おい、フグタ君。今日はあそこでメシにしようぜ!」
そう言って、アナゴ君が指差したのは僕と彼女が食事をしたレストラン。・・・もうイヤだ・・・。
僕はアナゴ君に続いて、伏し目がちに店内に入ったのだが、すぐに女将さんの目に着いてしまった。
「あら?お兄さん、今日は男の彼氏と?」
そんな女将さんのからかいの言葉を聞いたアナゴ君は、少しポカンと考えたかと思うと、
「・・・ははぁ〜ん」
と言って、ニヤニヤと笑った。・・・もう勘弁してくれ・・・。
忘れようとしていた彼女との想い出が、その場所に戻って来たことで再び痛烈に胸を刺す・・・。
彼女の言葉・・・。涙・・・。そして笑顔・・・。脳裏に蘇り、そして膨らんでゆく・・・。
その夜、眠れなくなった僕は、一人テントを出て暗闇の中、展望台に登った。
空を見上げて僕は絶句した・・・。もの凄い星の数・・・。無限の星がきらめく夜空は、美しさを超えた圧迫感で傷心の僕に
迫った。
僕は歌詞そのままのシチュエーションで坂本九の歌を口ずさんだ。中学、高校と内気な少年時代を過ごした僕にとっての愛唱歌。
流行の曲には全く疎かったが、彼の歌は好きで、辛い事があるたびに歌っていた・・・。
バイクに乗り始めてから、めっきり歌う事は無くなったが・・・彼女を思い出し、自然に口ずさんでいた・・・。
今頃、彼女はどうしているだろう・・・。連絡先ぐらい聞いておくべきだったかな?と物悲しいメロディーと共に
どうにもならない過ぎ去った過去に想いを巡らした・・・。彼女に貰ったキーホルダーをポケットから取り出し眺め、深い溜息を
ついた・・・。その時だ。
「よう、眠れないのか?」
アナゴ君が背後に立っていた。
「俺も考え事してたら眠れなくてさ」
「考え事?」
「将来の事さ・・・。鈴木さんが言ってただろ?あの事だよ。」
意外だった・・・。神経の図太そうな彼が、将来の事を真剣に考えている事に。
「まだ先のことなんて解らないけど・・・。俺さ、フグタ君と一緒に仕事をして、そしてこうやっていつまでもバイクに乗って
いられるとしたら、すごくいい誘いかな?って思ってるんだ・・・。」
「アナゴ君・・・」
「親友と一緒にずっと居られるなんて最高じゃないか」
親友・・・。僕は彼のその一言に涙が出そうになった。・・・そうだ、こんな風に心が傷ついた時も、僕は一人じゃない・・・。
僕は少年時代からずっと一人だと思っていた・・・。そして、上京してもその通りに一人で部屋に篭っていた。
だが、僕を暗い部屋から連れ出し、バイクを教えてくれたこの男は、僕の事を「親友」と呼んでくれた・・・。
僕もまた、彼とともにいつまでもバイクに乗って走っていたいと思った・・・。
「ま、キミは女の子のことでも考えていたんだろうけどな!」
そう茶化され赤面する僕を、アナゴ君は笑った。無限の星の下、僕の将来が少しだけ形を確かなものにしたその夜・・・。
8月末。そろそろ帰る雰囲気になり始めていた僕らは、先に帰京した鈴木さんに電話を掛けた。
鈴木さんから伝えられた情報は、僕らを第三京浜の戦士へと戻らせるものだった。
「出たぜ、『ノリスケ』が・・・。軍曹が負けたらしい。」
公衆電話の受話器を置いたアナゴ君の眼が、リベンジの炎に燃えていた・・・。
その日の第三京浜は、一般車両で混雑した特殊な状況だったらしいが、それでもあのレッドすら打ち破る速さを備えた
『ノリスケ』現るの報は、僕とアナゴ君のスピードに魅せられた魂を揺さぶるに充分だった。
一度火の点いたライダーの闘争心は、消す事など出来なかった・・・。その数日後、僕らは北海道を後にした。
さまざまな思い出。そして、さまざまな人達の顔を胸に、僕は北の大地を後にする・・・。
・・・さらば北海道。この旅で出会ったたくさんの人達は、今頃何処を走っているのだろうか・・・。
Ninjaのキーにぶら下がったニポポ人形が、トップブリッジで揺れていた。
935 :
774RR:2006/07/18(火) 00:53:55 ID:marQgyqI
リアルタイム遭遇ktkr
936 :
774RR:2006/07/18(火) 00:56:09 ID:RB+fheL3
つC
937 :
774RR:2006/07/18(火) 00:57:41 ID:23UEP1Aa
キターーー(≧▽≦)初めてのリアル遭遇!!いつもながら引き込まれる〜
つCCCCC
938 :
774RR:2006/07/18(火) 00:59:45 ID:QNtl2g/i
うおおおおおお!!!!
北海道編から一転、白熱した展開だ!!
作者様、頑張ってください
つC
939 :
774RR:2006/07/18(火) 01:15:29 ID:YrtPMPtO
つCCC
魔棲雄サイコー!
940 :
774RR:2006/07/18(火) 01:31:51 ID:UG4DFlUt
鈴木さんもそうだが、マスオが坂本九のファンという件も含めて、
翌85年にかけての悲劇を連想させ、読むのが怖い
941 :
774RR:2006/07/18(火) 02:33:28 ID:+hLgDFJb
>>940 作品の中ではすでに85年じゃなかったっけ?
84年の春からスタートして2度目の夏だし
関係ないが、このスレを見出してからテレビのサザエさん観るようになった
942 :
774RR:2006/07/18(火) 02:57:56 ID:1T38tfld
俺も観るようになったな。
昨日はサザエさん観たあと第三京浜に走りに行ったよ。
このスレ思い出して、つい飛ばしてしまった。イカンイカン…。
943 :
774RR:2006/07/18(火) 07:04:16 ID:UG4DFlUt
>>941 第一話、良く読むべし。
物語の始まりは1983年だぞ。
944 :
774RR:2006/07/18(火) 07:31:25 ID:MyWKEVCm
945 :
774RR:2006/07/18(火) 11:25:21 ID:a5ASv5hP
>>940 鈴木さんが死んじゃうと海山商事に口利きしてくれる人がいなくなるから、それはないかと。
というよりも、その手のネタバレ的なことは心のうちに留めてくれないと、作者氏だって書きにくくなっちゃうよ。
946 :
774RR:2006/07/18(火) 11:59:31 ID:pN/Z5ni+
947 :
774RR:2006/07/18(火) 12:38:43 ID:Kg5U9FkR
>>945 このクソボケ!!!
空気ヨメやチンカスが!!!
お前二度と書き込みするな!!!
948 :
774RR: