旅先で出会った、忘れえぬ人たち(11)

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初めて買ったGPZ400を(無謀にも)大阪のバイク通りの店で、自分一人で、やすいかどうかを基準に買った。
うれしくなって納車したその日に能登半島へ。ガス満タンだったからとりあえずは半島の根本ぐらいには行けた。

半島を北上中「そろそろ宿の予約とろう」と道ばたにバイクをとめて「ランプの宿」に電話。
「いま予約いっぱい」とのご返事。(そりゃそーだ。当時はそこまで考えなかった)

んじゃいいや。とそこで引き返し、砂浜の国道で焼き蛤なぞをすすって金沢まで戻ろうとしたところでガス欠。
ここで問題発生。バイクのキーでタンクがあかない。
どうやらニコイチというやつらしく、タンク用のキーとバイクのキーが別々。
スペアとしか思ってなかったので、バイク用のキー意外は遠いお空の空の下にある自宅。
とりあえず一番近いSAまで押しました。

GSでタンクキャップ開けれそうな道具をいろいろ借りてチャレンジしてみるもことごとく駄目。
頭を抱えているとそこにパンクしたバイクを乗せたバイク屋の軽トラ到着。
「どうしたの?」
バイク屋の兄さんとおぼしき人が声をかけてくれた。

(あたりまえだが)本来のパンク修理を片づけたあとで俺のタンクキャップもこじ開けてくれました。
「ありがとうございます。対価もはらいます」というと「じゃ、コーヒーで」
バイク屋の兄さん、パンクしたバイクのライダーのオジサン、GSの店員、居合わせたツーリングライダー。
みんなに頭を下げて「ありがとうございます」
心から礼を言ったのは何年ぶりだろう。

というわけで今の漏れのバイクには修理道具としていろいろ詰まってる。
「突然のトラブルに対応するには」みたいな本も。
いまのところそれらが活躍したことはない。せいぜい道に迷った人に教えた程度。

いつか道ばたで頭抱えたライダーに「どうしました?」と声をかけれたらいいな、とおもう。
(願わくばそれが俺の手に負える程度のトラブルでありますように)
もちろんお代は「じゃ、コーヒーで」だ。