旅先で出会った、忘れえぬ人たち(3)

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941の続き・・・

ばーちゃんに別れを告げ、残りの日程で北海道を堪能し地元に帰って行った。
地元に帰ってからも手紙などのやり取りをし、北海道ツーリングに行くたびに
土産物などをもってたびたび訪れるようになった。
ばーちゃんの家に訪れるたびにまるで孫の様に可愛がってもらい、まるで小さい頃に
死んだばーちゃんのようなやさしい人だった。
ある日、ばーちゃんに書いたはがきが該当者無しのハンコを押されて戻ってきた。
あれっ、おかしいな?と思いつつその時はあまり深く考えずに今年も行くから
別に良いっかと思い土産物を手にその年の夏にばーちゃんの家に訪れた。
ばーちゃんの家に着いて呼び鈴を押したが返事が無い。
出かけているのかと思いしばらく待っていたが帰ってこない。
不安になって近所の人に話を聞いてみたところ、
「ああ、おばあちゃんね。今年の春に亡くなったのよ。聞いてない?。」
えっ、ウソだろ!!去年の夏はあんなに元気だったじゃねーか・・・。
頭の中が真っ白になった俺の手の中には、ばーちゃんに渡すはずだった土産物が残った・・・。
これ、ばーちゃんに食べてもらいたかったよ。もっといっぱい話ししたかった。
ばーちゃんの作ってくれたイカ刺し、ちょっと不恰好だったけどどんな料亭で食べるより
美味しかったよ・・・もう涙が止まらなかった。

ばーちゃん今年も俺、函館に行くよ・・・。

今、思い出しても泣けてくるばーちゃんは忘れえぬ人です。