■性能バランス
タイヤ性能は基本的に「一長一短」「トレードオフ」の関係にあり、「全ての要素が高いタイヤ」は存在しない
例えば耐パンク性能を上げると、どうしても重量が増えたりタイヤサイドが硬くて乗り心地が悪化したりする
或いは軽さを追求すると、どうしても耐久性が犠牲になる、など1つの要素を強化すると別の要素が低下する
高額タイヤなら、薄くても耐パンク性の高いケブラー繊維等で重量を増やさずに耐パンク性を高めるなど
トレードオフの関係を多少は改善できるが、価格が上がれば頻繁なタイヤ交換が難しくなる
このように『価格・軽さ・グリップ・耐パンク性・耐摩耗性』など各要素のどれを重視するか考えてタイヤを選ぶ
ttp://www.mizutanibike.co.jp/brand/continental/img/conti_r04.jpg ■耐パンク性
パンクガード層が入ってるとゴムの厚みや重量増加を抑えつつ耐貫通パンク性能が高くなる
ttp://dl6.getuploader.com/g/denassi/103/puncture.jpg トレッド(接地面)にのみパンクガードが入ってる物、タイヤサイドまで全周囲をガードが覆ってる物など様々
ケブラー繊維、アラミド繊維など素材によって値段・強度・重量も変わる
コストダウンの為にパンクガードを入れずタイヤを厚くして耐久性を確保した安物タイヤは重くなる
■タイヤ寿命
寿命には「磨耗による限界」「経年劣化による限界」の2種類がある
・磨耗限界……トレッドが磨耗してタイヤを支える構造材(ケーシング・カーカス)が露出するまで
・劣化限界……紫外線や熱でタイヤが弾力を失いボロボロになり、ケーシング露出やグリップ力低下するまで
ttp://dl1.getuploader.com/g/denassi/101/life.jpg 「タイヤサイドのヒビ割れ」は寿命とは直接は関係ない
スポーツタイヤは軽量化の為にタイヤサイドのゴムが薄く、サイドはケーシングが剥き出しに近い状態なので
紫外線劣化で早い段階からヒビ割れが入るのは仕様 (ケーシングが露出するまでは使える)
タイヤの耐摩耗性や耐候性は銘柄による性能差が大きいが、概ね以下が目安
・磨耗限界の目安……レース系タイヤで4000〜6000km程度、耐久系タイヤで5000〜9000km程度
・経年劣化の目安……約2年くらい (半年〜1年経過辺りからヒビ割れが始まるが使用には問題ない)
■TPI (Threads per inch)
1インチあたりの繊維数でTPIが高いほどタイヤを支える構造材(ケーシング)の繊維1本1本が細く高密度
ttp://www.zenwebcart.com/user_data/news/20130709_01.jpg TPIが高いとケーシングが薄く変形損失が減り、しなやかな乗り心地で転がり抵抗が小さくなる傾向がある
繊維数が増えると耐貫通パンク性能も上がるが高価となるので、コスト優先で50〜70TPI前後が多い
TPIが低いと繊維1本が太くゴム含有率も増えるので剛性や耐久性が高いタイヤになる傾向がある
■サイズ表記と実測値の違い
「28C≒幅28mm」「32C≒幅32mm」などのサイズ表記は大まかな目安に過ぎない
・理由1……装着するリムの幅が変われば実測のタイヤ幅も1〜3mmほど変わる
・理由2……空気圧でもタイヤサイドの形状は変わり、サイズ計測基準がメーカー毎に違う
↓各メーカー「28C」タイヤの実測値の例 (※装着するリム幅で変動します)
・実測25mm ブリヂストン ディスタンザタフ
・実測25mm 三ツ星 クルーズライン
・実測26mm パナレーサー ツーキニスト
・実測27mm パナレーサー リブモPT
・実測28mm パナレーサー T-ServPT
・実測28mm パナレーサー ツアラープラス
・実測29mm ケンダ クエスト
このように同じ「28C」でも、とある幅のリムに装着した実測の幅はバラバラになる
例えばブリヂストンは実測値が細め、コンチネンタルは太め、など各社の傾向はあるが
B社の28CタイヤとC社の25Cタイヤが同じ実測幅になることもあるので注意
メーカー表記サイズは銘柄内での「28C・32C」と太さの段階を示す相対的な値にすぎず
絶対値ではないのであくまで目安として捉えること
■主な28C〜32Cタイヤの例
▼予算1本2000円台前半
・コンチネンタル ウルトラスポーツ……23C(240g)、25C(260g)、28C(280g)
○ 柔らかコンパウンドでグリップが良く軽い
× 複数の製造工場間に品質差があり、台湾工場製の品質がイマイチ
・ビットリア ザフィーロ……23C(280g)、25C(290g)、28C(350g)
○ 耐摩耗性・耐候性が高く寿命が非常に長い
× 雨天グリップが非常に悪く滑るのでほぼ晴天専用
・パナレーサー パセラ・ツアーガード……25C(320g)、28C(330g)、32C(410g)、35C(500g)
○ アラミド繊維の耐パンクガード付き
× タイヤサイドの耐候性が低くヒビ割れが早い
・パナレーサー パセラ・ブラックス……25C(470g)、28C(480g)、32C(610g)、35C(670g)
○ タイヤサイドまで分厚いゴムで覆うので耐久性や耐候性が高い
× サイドまで全周囲のゴムが厚いので凄く重い
▼予算1本2000円台後半
・ブリヂストン ディスタンザ……無印28C(320g)、タフ28C(345g)、フォルダブル25C(250g)
○ 乗り心地・軽さ等の走行性がバランス良い
× 耐パンク層が無い(派生種のディスタンザ・タフは耐パンク層あり)
・コンチネンタル スポーツコンタクト……28C(460g)、32C(480g)
○ スポーツタイヤだが耐パンク層がサイドも覆い耐久性がある
× スポーツタイヤにしては重量が重い
・ビットリア ランドナー……25C(430g)、28C(510g)、32C(580g)、35C(640g)
○ ツーリングタイヤだが転がりも比較的良くトレッドに耐パンク層がある
× 重量がかなり重い
8 :
ツール・ド・名無しさん:2014/01/15(水) 23:52:54.48 ID:ttbNgvEr
▼予算1本3000円台
・マキシス デトネイターフォルダブル……28C(250g)、32C(320g)
○ 同価格帯の中では軽い方
× トレッドが薄く耐パンク層も無いのでパンクに注意
・パナレーサー クローザープラス……23C(210g)、25C(220g)
○ 非常に軽く乗り心地とグリップも良い方、接地面のみ耐パンクガード入り
× タイヤサイドの耐久性が低めでヒビ割れも早い
・パナレーサー ツアラープラス……23C(260g)、26C(280g)、ブルベ版26C(240g)、28C(310g)
○ スポーツタイヤだが耐パンク層がサイドも覆い耐久性と走行性のバランス型
× ロード用タイヤとしては重い方 (ブルベエディションは少し軽量化してある)
・パナレーサー ツーキニスト……25C(350g)、28C(380g)、35C(550g)
○ 耐パンク層がタイヤサイドまで覆い耐パンク性が高い
× やや重量があり乗り心地も硬め傾向
・シュワルベ マラソン……25C(520g)、28C(560g)、32C(640g)、35C(730g)
○ トップクラスの耐パンク性能を持つ
× 重さもトップクラス、漕ぎが重く乗り心地もやや硬め
▼予算1本4000円台
・パナレーサー リブモPT……25C(340g)、28C(390g)、32C(410g)、35C(510g)
○ タイヤサイドも覆うPTベルトに加え、接地面を厚くして耐久性ある割には転がりが良い
× やや重さがあり、細いサイズや高圧で乗ると相性が悪い(乗り心地悪化が激しい)傾向
・パナレーサー レースD……23C(230g)、25C(250g)
○ レースタイヤだが耐パンク層がサイドも覆い接地面は二重層、耐パンク性と軽さ・グリップを両立
× 磨耗がかなり早く交換時期がすぐ来る上に高価なので普段使いには向かない
・コンチネンタル GP4000S……23C(205g)、25C(225g)、28C(235g)
○ レースタイヤだが接地面に耐パンク層があり、軽さ・グリップ・トレッドの耐久性が高水準でバランス
× タイヤサイドがヒビ割れやすい
・コンチネンタル GP4シーズン……23C(230g)、25C(240g)、28C(260g)
○ 耐パンク層がタイヤサイドまで覆い、GP4000Sより耐パンク性が高い
× 軽量性や乗り心地はGP4000Sより低くなる