>>293 スキャナ持ってないから、起こしてみた。
自転車の歩道通行 歩行者にツケ回す法改正
疋田智 NPO法人自転車活用推進研究会理事・テレビプロデューサー
警察庁の自転車対策検討懇談会は11月末、「自転車の歩道通行を解禁すべし」との驚く
べき提言を発表した。警察庁は、この提言をもとに来年の通常国会に道路交通法改正案を
提出するのだという。提言には、@子どもや高齢者、買い物目的などでの利用の場合A交
通量が多く、車道が特に危険な場合----という条件があるものの、今後その条件が緩和さ
れ、転じて自転車の車道通行が制限されるのは必至な情勢だ。
だが、ご存じだろうか。世界中どこにおいても、「自転車は歩道通行」としている国な
どありはしないのだ。自転車は軽車両という名のれっきとした車両であり、走行空間は原
則として車道。これは日本も例外ではなく、法の上では自転車は車道の左端を走るよう定
められている。
ところが、日本においては70年代末にモータリゼーションが急激に進み、自動車対自転
車の事故を減らすべく道交法を一部改定したという経緯があった。指定歩道のみ自転車通
行を許可する、という「道交法63条4項」だ。ただ、これはあくまで緊急避難的な暫定条
項で、道路インフラが整い次第、自転車は車道に戻されるはずだったのだ。
ところが、それから30年。道路インフラは放置され、歩道は自転車であふれ返り、あろ
うことか、今「歩道通行の方が当たり前」とされようとしている。
今回の提言の奇妙なところは、一方で「自転車対歩行者の事故が急増している」ことを
問題視しながら、その解決法を「歩道通行解禁」としている点だ。これはどう考えても論
理破綻と言わざるを得まい。