自転車の歩道通行容認 道交法改正へ 5

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スキャナ持ってないから、起こしてみた。


自転車の歩道通行 歩行者にツケ回す法改正
疋田智 NPO法人自転車活用推進研究会理事・テレビプロデューサー

 警察庁の自転車対策検討懇談会は11月末、「自転車の歩道通行を解禁すべし」との驚く
べき提言を発表した。警察庁は、この提言をもとに来年の通常国会に道路交通法改正案を
提出するのだという。提言には、@子どもや高齢者、買い物目的などでの利用の場合A交
通量が多く、車道が特に危険な場合----という条件があるものの、今後その条件が緩和さ
れ、転じて自転車の車道通行が制限されるのは必至な情勢だ。
 だが、ご存じだろうか。世界中どこにおいても、「自転車は歩道通行」としている国な
どありはしないのだ。自転車は軽車両という名のれっきとした車両であり、走行空間は原
則として車道。これは日本も例外ではなく、法の上では自転車は車道の左端を走るよう定
められている。
 ところが、日本においては70年代末にモータリゼーションが急激に進み、自動車対自転
車の事故を減らすべく道交法を一部改定したという経緯があった。指定歩道のみ自転車通
行を許可する、という「道交法63条4項」だ。ただ、これはあくまで緊急避難的な暫定条
項で、道路インフラが整い次第、自転車は車道に戻されるはずだったのだ。
 ところが、それから30年。道路インフラは放置され、歩道は自転車であふれ返り、あろ
うことか、今「歩道通行の方が当たり前」とされようとしている。
 今回の提言の奇妙なところは、一方で「自転車対歩行者の事故が急増している」ことを
問題視しながら、その解決法を「歩道通行解禁」としている点だ。これはどう考えても論
理破綻と言わざるを得まい。
3591/2:2006/12/31(日) 04:00:55 ID:???
 また、現在の状況が間違っているという端的な例をあげるならば、自転車を実質上、歩
道に上げている唯一の国、日本こそ、自転車乗車中の事故率が、先進各国の中で圧倒的に
高いという事実があげられる。これはどう考えても自転車行政の失敗と断じざるを得ない。
 その失敗の本質は、自転車を歩道に上げてしまうことで、「歩行者と同じくモラルとル
ールがゆるい無責任な交通手段」という存在にしてしまったことと、弱者優先の大原則を
誤って運用して車道をクルマの聖域にしてしまったところにこそある。
 ところが、今回の提言はその失敗をさらなる失敗に導くものだ。
 欧州各国があまねくそうしているように車道側に自転車レーンを整備しなくてはならな
い。そうでなくても車道の左側は自転車優先と言う認識を徹底しなければならない。その
上で自転車のルールとモラルを確立することだ。
 だがそうした、本当にやらねばならないこと、つまり「道路シェアリング」の再構築な
どにまったく手をつけなかったあげく、歩道上の自転車対歩行者の事故が激増してしまっ
た。高齢化で、運動能力が衰え歩道を歩くお年寄りが増えた今、そこを走る自転車は凶器
になってしまう。
 お年寄り、そして子供たちを守らなくてはならない。歩道は歩行者の聖域、というのが
世界の常識だ。その歩道が自転車解禁となる愚かしさ。日本だけの非常識がまさにここに
ある。