キャンプ場へ帰り着く頃には、雨は上がっていた。
だが、安らぎをぶち壊す存在が・・・。
蚊だ。
激しくうざい。奴らは蚊取り線香をものともしない。ひょっとして、マラリヤ持ちか?転げだすように、海辺へ、風の吹くところへ逃げ出す。
海辺は激しく気持ちが良い。風が心地よい。
雲が切れ、月がのぞくと、海面に月が映る。
月は波にゆれて 幾百 幾千 古い熱い夢の数だけ、砕け散っていた。
ふと、波打ち際を見ると、蛍のような明かりがともっている。
何だろうか?
砂の船か?
それとも、帰り人の魂か?
恐る恐る近づくと、夜釣りをしている人だった。
話し掛けたところ、近所の移住者だった。
夜のさんご礁で、イカを餌に夜釣りをしていたのだった。見る間に、でかい魚(30cm)ぐらいを釣り上げた。
凄いと思って観察していると、彼の友人もビール片手にギャラリーに加わった。
二人は近く、管理等のすぐ裏手で、バーベキューをしているようだった。家族を残し、夜釣りに出てきたとのことだった。
しばらく見ていたが、結局戦果は、一匹だけだった。
夜風にふかれ、砂まみれになった体を水シャワーで洗い流し、就寝した。