おす。先輩方、長文失礼します。
自分が時々ヒルクライムの練習に使う峠があるです。
結構きついんでヘタレな自分は本当に時々しか使わないですけど。へへ。
そこで必ずといっていいほど会う男の人がいたです。
会うっていってもすれ違う事がほとんどで会釈する程度で話した事はなかったです。
40代くらいかなぁ。赤いキャノンデール乗ってて、相手が登坂してる時は頑張れって
感じで笑顔を見せながら軽く頭下げる様になってました。お互いに。
その人をここ数ヶ月、見なくなったです。
自分はずぼらで坂も最近サボり気味だったし、その人も外のコース乗ってんのかな
って思ってた。チョト寂しかった。田舎じゃ自転車のりって少ないし。
今日、自分がその峠を登ってると今にも倒れそうにヨレヨレで自転車こいでる女の人が
いたです。結局降りて押してました。赤い自転車。
峠の頂上に休憩所があって復路で登りきったあと水を入れようと寄ったらさっきの女の人が
いました。傍らに赤いキャノンデール。
「自転車、ご趣味なんですか?」 女の人が話しかけてきたです。
いままで自転車など乗ったこともなさそうな上品な婦人は「ええ。まあ。楽しいですよ。」
って返事した自分にいろいろ聞いてきました。
そして自分は赤い自転車を指差しこの峠で同じような自転車を見てたこと、最近その人を見ない
ことも話したです。何気なく。
「主人です。」 上品な婦人は微笑みながら答えました。
「夫婦で自転車ですか。いいですね。」 って俺が言ったら、
「いえ私は運動は全く・・・主人の趣味ってどんなものなのかなって・・・」
「へぇ。今日はご主人は?」
「亡くなったんです先月。」
「・・・え、・・・・あ・・・すみませ」
体調を崩したご主人が入院して亡くなった事(ガンだったらしい)、自分が知らないご主人を感じたいと
思ったこと、ご主人は自転車に乗れないことを一番残念がってたことを話してくれたです。
自分の非礼を何度も謝ろうとするおれに婦人はやさしく微笑みながら
「いいんですよ。素敵なご趣味ですね。続けてくださいね。」って。
峠を下るとき、普段は大声で叫ぶ自分は、今日は頭空っぽで黙って下ったです。
おす。長い話すみませんでした。失礼します。