峠までまで残り200メートル。
そこで立ち尽くす。
「はぁ」
ため息と共に空を仰ぐ。
その先に峠はあった。
誰が好んで、あんな急勾配の峠を作ったのか。
長い坂道が、悪夢のように延びていた。
「はぁ…」
別のため息。俺のよりかは小さく、短かかった。
隣を見てみる。
そこに同じように立ち尽くす女の子がいた。
同じローディ。けど、見慣れない顔だった。
短い髪が、肩のすぐ上で風にそよいでいる。
「この峠は、好きですか」
「え…?」
いや、俺に訊いているのではなかった。
「わたしはとってもとっても好きです。でも、なにもかも…変わらずにはいられないです。楽しいこととか、うれしいこととか、ぜんぶ。…ぜんぶ、変わらずにはいられないです」
たどたどしく、ひとり言を続ける。
「それでも、この場所が好きでいられますか」
「わたしは…」
「見つければいいだけだろ」
「えっ…?」
驚いて、俺の顔を見る。
「次の楽しいこととか、うれしいことを見つければいいだけだろ。あんたの楽しいことや、うれしいことはひとつだけなのか?違うだろ」
そう。
何も知らなかった無垢な頃。
誰にでもある。
「ほら、いこうぜ」
俺たちは登り始める。
長い、長い坂道を。
2 :
ツール・ド・名無しさん:03/08/09 21:27
2だー!ひゃっほーぅ!!
3 :
ツール・ド・名無しさん:03/08/09 21:29
♪せいしゅ〜んは長い坂を〜のぼる〜よ〜です〜
4 :
ツール・ド・名無しさん:03/08/09 21:29
削除依頼出して市ね
糞アニオタ氏ねや。
社会のダニども
このスレ削除依頼出してきます。
蔵等はやくだせ