【電王戦】コンピュータ vs プロ棋士 Part190

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987名無し名人
>>813
>技術的な意味合いで言ったらチェスの論文読んで将棋に応用しただけっちゃだけなんだよな

いやそれは"全然"違うよ。「ボナメソ」と呼ばれ使われるにはそれだけの理由がある。

保木さんはアカデミアの人なので独自性の主張には非常に厳密。
なので一般向けに話してる場合には聞く側が表現に注意しないとそんな風に誤解されがち。

 保木「評価関数以外はすべてチェスの手法を使った」*
 ⇒アカデミア的な意味「評価関数こそが自分の独自部分です(「そこ聞いてね」ということ)」

 保木「評価関数には本業(化学反応の制御理論)の手法を使いました」*
 ⇒アカデミア的な意味「"独自"と言っても自分の専門分野では既知の手法を使いましたが」

じゃあどの部分が厳密に保木さんの独自性なのか。保木さんは論文にこう書いてる。

 保木「筆者の知る限り,本稿で提案される手法は,チェスやその変種の静的評価関数の
 自動学習法として“実用に耐え,役に立つ”初めてのものである」
 http://www11.atwiki.jp/aliceproject?act=open&cmd=upload&file=paper.doc&pageid=1

つまり、本業では既知の「ラグランジェ関数の最急勾配法による停留点逐次近似手法」を
将棋の評価関数推定問題に"実用レベル"で定式化&応用して成果を上げたこと。
また保木さんが慎重に表現を避けているが当然意識しているその統計学的意味合いについては、
GPSの金子さんがそれを明示化した統計的モデルと改良アルゴリズムで検証を行ってる。
http://www.graco.c.u-tokyo.ac.jp/~kaneko/papers/gpw07revised.pdf

*ソース見ないで記事読んだ記憶で書いてるので言葉通りじゃないことに注意