ttp://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2007/0414.html 2007年4月14日(土) 連盟反発で女流棋士分裂/寄付金1億に態度急変
日本将棋連盟(米長邦雄(よねなが・くにお)会長)からの独立を目指していた女流棋士会(会長=藤森奈津子(ふじもり・なつこ)女流三段)が分裂した。
独立宣言から約4カ月半。スムーズに運んでいた自立への道が、分裂、残留という誰もが望まない結末を迎えてしまった。
▽慢性赤字の連盟
昨年十二月、女流棋士会は賛成多数で独立する方針を決め、連盟理事会も支援を約束した。
しかし、一月三十日、新法人設立準備委員会(委員長=中井広恵(なかい・ひろえ)女流六段)が理事会に総額1億円の寄付金募集を報告してから明らかに連盟側の態度が急変した。
準備委は「理事会の了承を得た」として二月一日から募集を始めたが、理事会は「報告を聞いただけ。了解はしていない」と強く反発。
もともと女流棋士会に独立を勧めたのは米長会長だ。連盟は慢性的な財政赤字を抱えており、女流棋界の運営にかかる経費の削減がその主な理由だった。
それがなぜ一転したのか。1億円という数字は破格の金額だったようだ。
これはあくまでも目標の数字なのだが、理事会側は「1億円の寄付を独自に募った。同一パイの取り合いになる恐れがある」と女流棋士に文書で通告した。
事実、準備委の弁護士は「1億円を提示してから対応が変わってきたような気がする」と話している。理事会に危機感と不安が生じたのは容易に想像できる。