【将棋】級位者用 棋譜診断スレpart21

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324名無し名人
■石田流(石田流三間飛車)の簡単なまとめ

>石田流の目的や仕掛け方等がいまいち分からないので教えていただけると
>嬉しいです。

ある生徒さんから「石田流」についてのご質問を受けましたので、拙いですが
石田流全般について、下記のように簡単にまとめてみました。

・歴史的な背景としては江戸時代に石本検校(石田検校の別称で有名に…)という
 当時将棋御三家ではない盲人棋客が創案、採用したのが始まりとされています。
・次に石田流の目的や特徴についてですが、この戦型は振り飛車の中では左辺の
 飛・角・銀・桂といった駒を全てを使用し、攻勢重視での理想型とされています。
 特徴としては主に急戦調の戦型です。序盤早々から激しい攻防戦が多々あり、
 且つハメ手が満載されているのが特徴です。一口に石田流と称しても本石田
 (一般的に石田流三間飛車と呼称)や、升田式石田流(升石や早石田の別称有り)
 に別れます。このうち最近では本石田はあまり指されず、もっぱら早石田が
 主流となりつつありますね。

・その早石田ですが、▲7六歩△8四歩▲7五歩△8五歩▲7八飛△3四歩後、
 ▲7四歩(7)と仕掛ける「鈴木新手」が近年注目をあびました。更に改良型と
 して先の棋王戦第2局では、この鈴木新手の構想を元にタイミングを遅らせて
 から▲7四歩(9)と仕掛け、その後▲7五飛と浮く「久保新手」の構想が有名です。
・他にも角の睨み合いがある状態で▲7九銀を保留したまま駒組みを進める
 「久保式石田流(一部では新石田流の呼称有り)」といったように様々な個性が
 ある為、今なお進化し続けている戦型です。その為振り飛車の中でも魅力ある
 戦型の一つとなっていますね。

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325名無し名人:2009/04/26(日) 16:10:24 ID:a1WoVGzi
・現在では一時期流行した「藤井システム」にとって換わる戦型として注目され、
 「ゴキゲン中飛車」と並ぶ人気のある戦型となってきました。そこで棋力うっp
 を目標とした場合、誰でも一度は石田流と対戦するかor研究対象とする戦型
 となってきています。しかし現在では研究が進み、後手番では無理筋との結論
 が出され、下手に組もうとすると序盤早々に咎められて失敗します。その様な訳で、
 戦型としては「先手番専用」となっていますね。ただし、相振り飛車戦では後手側
 でも採用率が高い戦型になっています。

・次に参考として「後手石田流三間飛車」の咎め方についてですが、現在の定跡
 では下記の手順が有力視されています。

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3五歩
*石田流の意思表示。
▲2五歩
*現在この手が定跡手で、以前は▲5六歩、▲6八玉がありましたがいずれも
*先手面白くないという結果が出ています。
△3二飛 ▲6八玉 △6二玉
▲2二角成
*このタイミングで角交換する。
△同 銀 ▲6五角
*筋違い角で牽制するのが狙い筋。
△4二金 ▲8三角成 △3六歩 ▲同 歩 △5五角
*一見先手が困った感じですが…
▲7七桂
*この桂跳ねがうまい手で後手の攻めが甘くなります。
△3六飛 ▲3七歩 △7六飛 ▲7八金
までで先手有望です。

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