タニーのやることなすこと光速の観戦記を書くスレ

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1名無し名人
谷川は少し考え、3分使って服を脱ぎ、浴場に入った。
控室では「谷川さんの光速の入浴が炸裂するか」と驚きの声が上がった。
ヘチマを持った若手棋士数名が検討を続けているが、依然後手のりが多い。
2公孫3:2006/04/17(月) 16:47:24 ID:26eHHKUH
誰か2取ってくれ
3名無し名人:2006/04/17(月) 17:24:44 ID:2L71mYpZ
その前に、服脱ぐの3分って遅いだろw
4名無し名人:2006/04/17(月) 19:30:00 ID:9B1iFJCR
谷川、光速のシャンプー

5手進んで、谷川も体がきれいになった。
解説の深浦八段「先手の攻めは細いですが、先手は長風呂にも耐えられる忍耐強さがある」
体を洗い終えた谷川はシャンプーを取る。
多くの棋士なら目に入って痛い思いをするのを嫌がり慎重になるが、谷川は躊躇せず頭を洗い始める。
控室の藤井九段は「僕にはできない洗い方ですね。よく痛い思いをしています」
5名無し名人:2006/04/17(月) 19:33:58 ID:OXD0OFEh
黒板五郎 by 北の国から
6名無し名人:2006/04/17(月) 20:58:14 ID:LaiXpdFL
谷川、突然の投了

さらに数手進み、風呂で疲れを癒した谷川、さあ反撃開始かと
控室の皆が思った瞬間、事件は起こった。
夕食に注文しておいた五目チャーハンの前に着座し、すぐに手をつけるかと思いきや
一向に食そうとしない。そのまま三十分ほど熟慮した後、突然「負けました。」と
静かに頭を垂れたのだ。騒然となる控室。検討陣が必死に原因を探すが、皆首をひねるばかり。
谷川になにか誤算でもあったのだろうか。
「あっ、チャーハンが…」誰かが不意に声をあげた。
なんとテーブルの上に置かれていたのは五目チャーハンではなくエビチャーハン。
さしもの谷川もエビには勝てなかったか。局後の感想戦で、
「やはり電話で注文したのが聞き取りづらく、あまりよくなかったですか…」
との反省の声が谷川から聞かれた。
エビ・カニは谷川にとって今後も大きな課題となりそうだ。
7名無し名人:2006/04/17(月) 21:16:55 ID:3zsvYSYb
光速のオナニーのスレかと思った
8名無し名人:2006/04/17(月) 22:10:09 ID:0Ik4+Cyt
くだらねえwww
9名無し名人:2006/04/18(火) 18:27:52 ID:0YK91Qy8
午前8時過ぎ、大阪駅に降り立った谷川、関西将棋会館へと向かうためタクシーを拾おうとする。
初手から二十手ほど進んだあと、最初のチャンスが訪れた。近づいてくる一台のタクシー。
谷川はここで時間を使い、少考ののちサッと右手を上げた。しかしタクシーは通り過ぎたあと。
「本来の谷川先生であれば、ここは迷わず手をあげていたはず。本調子ではないようですね」
とは渡辺竜王。局後の谷川によると「少々運転が荒っぽく見えたので、迷ってしまった。
あそこはすぐに手を上げる一手でした」とのこと。スピードを身上とする谷川にしてはやや弱気だったか。
さらに20分が経過し、十手ほど進むが、次のタクシーがなかなか来ない。谷川の顔に次第に焦りの色が
見え始める。そのとき一台の黒い車が。ここはチャンスとばかりにノータイムで手を上げる谷川。
だが結果的にこれが失着となってしまった。なんとタクシーではなくやーさんの車。
あとは皆さんのご想像のとおり。ここは見送り、数台あとに走ってきたタクシーを
拾うのが正着。谷川は会館にたどり着くどころか行方不明となってしまった。
10名無し名人:2006/04/18(火) 18:57:36 ID:txwKIgAD
職人次第では神スレになりうるな
11名無し名人:2006/04/18(火) 23:15:42 ID:RHuS5bVs
くだらなくて笑えるwww
12名無し名人:2006/04/19(水) 00:02:22 ID:VsFQBQ0d
タニーってチョイスが絶妙だなww
13名無し名人:2006/04/19(水) 12:09:55 ID:M760qM98
谷川にとってこの日の対局は大きな意味を持っていた。
同じ関西の井上八段曰く「これを勝つか負けるかで、先生の棋士人生は
大きく違ってくるでしょう」。それだけに谷川はいつになく気合いの入った面持ちで、
時が来るのを待っていた。
午前9時対局開始。谷川の初手、右足から大きくペダルを踏み込む。
「谷川九段にしては珍しく、序盤から力強い踏み込みですね」とは藤井九段。
しかし強風に煽られ、ペースを引き寄せるにはいたらない。
ここは我慢のしどころだが、数手進み10mほど進行したところで事件発生。
なんと不意に横から自動車が。ハッとさせられる妙手だ。
谷川の表情からは読み取れないが、内心穏やかではなかっただろう。
しかしここは落ち着いた対応を見せる谷川、軽やかな体捌きで自転車から降りる。
谷川らしい鮮やかな決め手に、控室からはワッと歓声が湧いた。
渡辺竜王も「さすがは谷川九段、ギリギリの局面で魅せてくれますね」と舌を巻いた。
「両足が地面に着いたところで勝ちを確信しました。やはり10m乗れたというのは大きいです」
対局後の谷川の表情は、棋士として一仕事をやり終えたという充実感にあふれていた。
14名無し名人:2006/04/19(水) 12:24:51 ID:noWrCc3K
オモロイ
15名無し名人:2006/04/19(水) 13:21:08 ID:nrT/4wbZ
ひと騒動となった名人戦問題を契機に伝統の将棋界も様変わり、
英会話サロンを経営する棋士も登場するなど、棋士による副次ビジネスが流行中だ。
▼引退後は十七世名人を名のる谷川浩司さん(九段)もその一人。
谷川さんが始めたのは寄席経営という意外な一手だが、
阪神高速道路サービスエリア内での「高速の寄席」チェーン展開は
「画期的な新手」と業界関係者もうならせた。
▼協力者の棋士の先崎学さん(八段)と神吉宏光さん(六段)は
将棋漫才で連日、各寄席をまわっており、こちらが本業では?という声も。
谷川さんは「彼らは本業では寄せられてばかりなんですけどね」とほほえむ。
▼「高速の寄せ」好評を受け、武者野勝巳さん(六段)から
寄席のネット中継の申し入れがあったそうだが「それはちょっと」。
えび道楽、かに道楽、自転車振興会との提携という噂にも
ノータイムで「ありえません」。複雑な事情もうかがえる。
▼来月中旬には長く交流のある野球選手と共同で、
本格そば店「藪そば」もオープンさせる谷川さん。
棋戦減少を挽回する「盤上この一手の妙着に」と鼻息も荒い。
16名無し名人:2006/04/19(水) 13:35:41 ID:SFt383oD


おもろいけど、行方不明なのに局後の感想戦が開けるのは何故?
17名無し名人:2006/04/19(水) 13:46:14 ID:S1ksxCVJ
ヒント:過去形
18名無し名人:2006/04/20(木) 23:15:13 ID:87RHkbih
ネタ求む
19名無し名人:2006/04/20(木) 23:35:01 ID:7axCnbJQ
>>18
・光速の歯磨き
・光速の着替え

いくつか手順があるものが書きやすいかな?
20名無し名人:2006/04/21(金) 01:47:33 ID:MfZ1ZUys
最近、振り駒の合理性が話題になっている。
盛り駒や重心によって出やすい向きが決まるのではないか、
という指摘が発端となって、去年から記録係が棋譜用紙の右上に記入することになっている。
さて、対局を前に緊張しているのか、谷川の寝顔はどことなく苦しそうだった。
それを特殊な暗視スコープで観察している控え室。
本日の記録係を務める許二段が用紙に「D上無」と書き込む。
「5時に仰向けで唸る、無呼吸症候群の可能性」という意味だ。
午前7時、目覚まし時計の音と共に谷川起床。
「あ、対局はじまりました」と森内。
控え室には、森内、藤井、渡辺、そして伸び盛りの奨励会員が対峙している。
「う〜ん、あと5分」
谷川は馴れた手つきで目覚ましの電源を切ると、再度眠りに就いた。
「穴熊ですか」と藤井。渡辺はどうやら下の階で野球中継を観ている様だ。
時計は午前9時を回り、窓からは煌煌と朝日が差し込む。
しかし谷川はかねてから作戦を立てていたのだろう、
手探りでブラインドの紐をたぐり寄せて降ろす。一面はすっかり暗くなる。
「さらに囲いますか、容易に負けない形になりました」
なぜか日焼け姿になって帰って来た渡辺が言う。ガチガチに囲ってから攻めるのが現代将棋だ。
午前11時。指し手は既に40手を超えているが局面に変化は無い。
控え室では「このまま持久戦になると玉形の堅い谷川優勢」との声が上がる。
だがこの辺りから谷川の誤算が生じてくる。
21名無し名人:2006/04/21(金) 01:49:04 ID:MfZ1ZUys
「宅配便でーす」
激しいノックの音。
予想だにしない仕掛けに、谷川の被る布団が揺れる。
「局面はもう終盤です」渡辺が断言する。
控え室の検討がしきりに行われるがなかなか谷川の良くなる手が無い。
谷川は冷静にティッシュを契って耳に突っ込む。
「これは手筋」と藤井。
なおも扉を叩きつける宅配人に、それを必死に防戦する谷川。
果たしてあの高速の寄せは発動するのだろうか。
そんな懸念が取り巻く控え室に、ちょうど中原会長が荘厳に入ってくる。
中原はモニターを一瞥すると、
「突撃の一手だね」と吐き捨てて、すぐにどこかへ行った。
そして、11時23分。谷川はゆっくりと重い腰を上げて駒を投じた。
本局、残念ながら谷川の高速の寄せは現れなかったが、彼の寝起きの顔は非常に清々しく見えた。
これからも若くフレッシュな将棋を続けてほしいものである。
22名無し名人:2006/04/21(金) 04:46:37 ID:86zpKPjg
回転寿司の席に座り、ゆっくりとお茶をすすっていた谷川。そこに大トロの皿が流れてきた。
「いよいよ激しい攻め合いになりそうです。」と検討陣。
おもむろに手を伸ばし、期待通りにさっと大トロを取り込む谷川。
「さすがに攻めに入るとするどいですね。」と感嘆の声が上がる。
次から次に、大トロを狙って攻め続ける谷川。順調な寄せに見えたがここで一瞬危ない局面が訪れる。
大トロを取ろうと谷川が手を伸ばすと、隣の客も同時に手を伸ばしてきたのだ。
ここは勝負どころとばかりにお互いの指し手が激しくぶつかる。
「ここで切らされると一気に敗勢になります。」と検討陣。
しかし谷川、うまい攻めで局面を制して大トロを掴み取った。
「両取りがかかったところを、逃げずに攻めたのがさすがの一着です。
 手順前後すれば、次に流れてきたエビの皿をつかまされるところでした。」とは渡辺竜王。
23名無し名人:2006/04/21(金) 05:01:37 ID:Mc9ntOiD
早朝、名人戦の対局が行われるホテルの一室に谷川九段は座していた。
そこには対局前の独特の緊張感が漂っている。
谷川は立ち上がり、馴れた手つきで服を脱いでいく。
裸になった谷川は壁にかけてある自前の和服に目をやった。
しばしの長考の後、おもむろにその和服に手をかけた。
対局開始の合図である。
「この対局如何では後の名人戦に大きく響きますね」とは控え室の関西の若手山崎六段。
注目とされた初手。谷川はまず足袋に手を付ける。
「これは最近流行の一手損の模様です。
昔じゃ考えられなかった手ですね。
ただこれは谷川九段の得意形には間違いありません」と深浦八段。
この後定跡手が続き、中終盤へ。
24名無し名人:2006/04/21(金) 07:25:46 ID:B+ZNiU7y
開始
中学校の一室で第2学期期末テスト1日目が幕を開けた。
立会人は英語科の山中教員。
立会人の合図で試験が開始される。
谷川は一呼吸おくと、定跡通り二次式の因数分解に着手した。

(写真)クラス番号氏名を揮毫する谷川
25名無し名人:2006/04/21(金) 07:52:28 ID:B+ZNiU7y
光速の平方完成
二次関数のグラフの複合問題に突入した。研究してある者が解けるという非常に激しい問題だ。これは三浦八段などが得意としている問題である。
「全ての実数が解となるなど落とし穴も多い。プロ間でも結論が二転三転しています」と渡辺竜王。
解なしは谷川らしい決断の解答。ここから一気に終盤に突入する。
谷川の残り時間は16分。他も全員16分。
26名無し名人:2006/04/21(金) 08:05:50 ID:B+ZNiU7y
光速の放置

残り時間が5分を切ったあたり、谷川がペンを机の上に置いた。
「ここで投了か」と驚きの声が上がるが、小問2を飛ばして小問3に取り掛かるようだ。
中原永世十段は「こんな決め方もあるのか」。
この時点ですでに前例のない形になっている。
深浦八段は「一般には筋悪。小問2を解くことが小問3につながっている場合が多い。ここで切れたら時点的に厳しいでしょう」。
対戦相手の森内はグラフだけを書いて部分点を狙う実戦的な作戦。
負けた方が学食でランチをおごることになっているだけに、緊張は否応なしに高まる。

終了
谷川が解答を書き終えた瞬間、チャイムが鳴った。
終盤を見直しに当てた森内と、あくまでも解答を目指した谷川。
羽生世代に圧倒されまいとする意地が見られた考査だった。
返却は次回の数学の授業となる。
27名無し名人:2006/04/21(金) 09:16:33 ID:wIT8tAG+
「谷川、光速流で失速」

本局は目覚まし時計の不調により、慌ただしい朝となった。
急ぎ足で家を出た谷川は当然ながら自転車に手をかける。
ここ、徒歩を選ぶと数手後には電車に乗り遅れるところである。
次に谷川は当然という顔つきで「立ちこぎ」に進めたが、会場からはどよめきが上がった。
それもそのはず、谷川が「立ちこぎ」を使うのは実に20年ぶりだからである。

久しぶりの戦形でも軽快にとばす谷川をみて会場のファンは一安心。
しかし、終盤に差し掛かったところで異変は起きた。
駅に到着する前に予め定期を取り出しておくのは得意の光速流だが、実はこれが悪手。
後の感想戦によると、このとき谷川の手は汗に濡れており、非常に滑りやすかったとのこと。
つまり、谷川は財布を落としてしまったのだ。
厳密にはまだ谷川が優勢の局面だが、流れは逆転の方向にある。
谷川もその流れには逆らえず、わずかに失速、電車にも乗り遅れてしまった。
281/2:2006/04/21(金) 11:06:27 ID:seiOYUkT
「谷川、高速の買出し」


午後7時40分、谷川は新宿高島屋に足を踏み入れた。夕食を閉店間際のタイムセールで手に入れようという訳である。
持ち時間20分切れ負けの早指し戦。これまで好調なだけに、この棋戦でも活躍が期待される。

アルマーニのスーツに身を固め、弁当コーナーの変化を冷静に読んでいく谷川。
主婦達に混じりながらも、トップ棋士としてのオーラに溢れている。
売り文句が飛び交う喧騒とした食品売り場を歩く谷川の目は、鋭い。

5分巡り歩くうちに、絶好の好手が現れた。
通常1800円の特上寿司パックが、なんと1200円となっている。実に3割引。
「これは盤上この一手。間違いなく買いにいくでしょう」と検討陣は興奮している。
 
しかし事件が起こった。
谷川は苦悶を浮かべながらの小考の後、寿司売り場から離れてしまったのである。
驚いた、この場面でさらに値下がりするのを待とうという訳である。
「緊迫した中で一手パスするような手。いやあ大胆極まりないです」と島明八段は驚きの声を上げた。

実はこの手は谷川の研究であった。5分後の7時50分(閉店10分前)に、特上寿司パックが半額以下の980円になることを知っていたのである。
40半ばを迎えようとする谷川だが、常に研究による向上を怠らないようだ。これは谷川ペースか。

この間に、揚げ物売り場から北海道コロッケを2割引、中華コーナーからチンジャオロースを3割引きで手に入れポイントを稼ぐ。
「谷川さんは冷静やねえ。私なら何でもかんでも買うてしまうところですわ」と神吉六段は舌を巻いた。
292/2:2006/04/21(金) 11:07:45 ID:seiOYUkT
時計を覗くと7時50分を指していた。
特上寿司を買えば谷川の完勝。寿司売り場へと歩みを早める。
「光速の寄せがでましたね」と関西から駆けつけた山崎六段がつぶやいた。

しかし谷川の目の前にあったのは信じられない光景であった。


あるはずの寿司が、無い。


実はこの日は土曜日。買い物客が平日より多いのを見落としていたのである。
谷川が寿司売り場から離れて間もなく、特上寿司は売り切れとなっていた。完全な大ポカ。
ポーカーフェイスを装う谷川であるが、内心は穏やかではないはずだ。

あわてて他コーナーでメインとなりそうな物を探すも、わずかに見つけられたのはエビピラフのみ。
万事休す、谷川無念の投了となった。



感想戦で、「中盤まで優勢を意識していたが、まさか売り切れるとは思わなかった。踏み込みが足りなかったか」と悔しさを滲ませた。

検討陣があっけにとられる中、羽生三冠は「ええ、あの場面で寿司マジックがあることは10年前から知っていました」と飄々と述べた。
やはりこの男の底は知れない。

「私なら間違えませんよ、うな重を買うだけですから(笑)。鰻が一番です」と藤井九段が笑いを誘う一幕もある中、
深夜まで検討は続けられた。
30名無し名人:2006/04/21(金) 11:22:16 ID:m9RhIghP
良スレ
31名無し名人:2006/04/21(金) 14:08:23 ID:B+ZNiU7y
寿司関連が面白すぎる
32名無し名人:2006/04/21(金) 14:52:07 ID:oHmqb97H
>>29
加藤九段ぽい話し方だが、藤井九段なのか。
33名無し名人:2006/04/21(金) 20:14:48 ID:IwqEpCB7
「谷川、光速の鰻重」

東京某所に店を構える老舗料亭に、谷川が足を踏み入れた。
店員の「いらっしゃいませ」の声ににこやかに会釈で応じる姿は、
まさに十七世名人に相応しい。
ウェイトレス役の坂東女流2級が、本棋戦協賛の「秋葉原電気街振興会」
から贈られたネコミミメイド姿で登場し、谷川に注文を聞く。
会場の報道陣から「萌え〜」「バンカナたん、ハァハァ」の声が挙がる中、
谷川は「まず、鰻が焼きあがる前には日本酒を。
菊正宗大吟醸をお願いします」と冷静に初手を放った。
解説の江戸っ子大内九段によれば、故池波正太郎氏が得意とした
正統派戦法「池波定跡」に忠実に従った手であるという。
「関西からこられた谷川名人ですが、流石によく古典江戸前定跡を研究
されている。萌えに目もくれない風格といい、素晴らしい」と賞賛を惜し
まない大内氏。
しばらく遅れて対戦者加藤九段が登場。こちらはおもむろにうな重を
注文し、白焼きと肝焼きとう巻き、肝吸いも注文。
こちらは定跡無視の完全な力将棋である。
局面は一気に緊迫。控え室の藤井九段もうな丼をパクつきながら
「これはおもしろいことになってきました」と目を輝かせる。
34名無し名人:2006/04/21(金) 20:28:04 ID:IwqEpCB7
ここまでは両者共に最善を尽くしており、形勢は不明。
副食を旺盛な食欲で平らげる加藤、マイペースで杯を重ねる谷川、
まさに好勝負といえた。
しかしここで加藤が肝焼きとう巻きの追加注文。これが敗着となるとは
いったい誰が予想したであろうか。
谷川のもとへ坂東女流が鰻重を運んできたとき、加藤の目の前には
鰻重がない。加藤はウェイトレスの石橋女流四段に「あと何分?」を
連発するが、焼き上がる気配はなかった。
「鰻の蒲焼と肝焼きの調理には同じ時間がかかることを加藤さんは
理解していない。天才であるがゆえの間違い」と控え室の藤井。
既に藤井は3杯目を平らげている。流石に鰻屋の鰻は好きらしい。
谷川は重箱の中央部から徐々に食べ始め、一気に寄せていく。
光速流の箸捌きが縦横無尽に重箱と口とを往復するが、一方の加藤には
咎める手段がない。控え室では投了やむ無しの声が大半を占める。
谷川が重箱のスミの最後のご飯粒を食べ終わった段階で、加藤の重箱は
届いたばかり。谷川会心の一局と言えよう。
35名無し名人:2006/04/22(土) 08:03:59 ID:eixFr4Je
谷川、光速のお出かけ

谷川の起床時刻が、予定よりも大幅に遅れていた。
思わぬ序盤の展開に早くも控え室では
「これは谷川先生の作戦が失敗しました。」の声が上がる。
ようやく起き上がった谷川。時計に目をやる様子は、さすがに表情がこわばっている。
あまり動きにはあらわさないが、心中は穏やかではないだろう。
すぐに受けはきかないと見た谷川、ここから怒涛の攻めを見せる。
細かい手順は省くが、まずは光速の歯磨き、そして光速の着替えで徐々に形勢を縮めると、
ここで、あわてて出る前に、忘れ物がないかを落ち着いた様子でチェック。
「なるほど。忙しい局面ですが、ここで一旦受けに回るんですか。
 この手は私には指せませんねえ。しかしこれで間に合うんでしょうか。」とは森下九段。
36名無し名人:2006/04/22(土) 08:05:25 ID:eixFr4Je
そして次の手でいよいよ勢いよく外に飛び出す。
豪快な捌きでバス停を目指して走り出した谷川。
「これは、光速の寄せが出ましたね。」と控え室でつぶやく声が漏れた。
形勢はいまだ劣勢。しかしここでの捌きが決まればまだ十分に逆転もありえる差だ。
数手進んで、いよいよ目の前にバス停が見えた局面に。まだ間に合いそうである。
実はこの時、控え室では 「これは逆転か。」 という声も上がっていた。
しかし、ここでは目の前の信号が赤になるという詰めろ逃れの詰めろの好手があったのだ。
当然とはいえ、この手を指され、バスには間に合わず自玉も受けなし、となって谷川無念の投了となった。
局後の谷川の話
「序盤の構想がまずかったですか。きわどい終盤でしたが、あと一歩が足りませんでした。」

37名無し名人:2006/04/23(日) 01:36:36 ID:aFVrjERJ
それでもタニーなら・・・タニーならなんとかしてくれる・・・
38名無し名人:2006/04/23(日) 12:18:56 ID:U4fx9LEY
>1 光速の入浴
>3 光速のシャンプー
>6 光速のチャーハン
>9 光速のタクシー
>13 光速の自転車
>15 光速の寄席
>20-21 光速の起床
>22 光速の回転寿司
>23 光速の着付け
>24-26 光速の期末考査
>27 光速の立ちこぎ
>28-29 光速の買出し
>33-34 光速の鰻重
>35-36 光速のお出かけ
39名無し名人:2006/04/25(火) 20:28:06 ID:BuA7fXxK
良スレage
40名無し名人:2006/04/27(木) 00:23:10 ID:pOCKn1xM
職人も忙しいのか
41名無し名人:2006/04/27(木) 05:04:32 ID:P9OCTgas
タニーへの愛を感じるな。藤井、渡辺、山崎を使うと面白い。
42名無し名人:2006/04/27(木) 07:50:11 ID:ttaeqN0Y
扇子を手にとって冷静に見ると
 光 速 の二文字が書かれているのは可笑しい
 
43名無し名人:2006/04/27(木) 12:19:09 ID:CDeNdlx9
光速の一人漫才

「なんでやねん!」
「をいをい、オチ先に言ってどないするんや〜大変やがな〜」
「ども、谷川浩司で・し・た!」
44名無し名人:2006/04/30(日) 07:23:27 ID:DBTOfe+v
光速の昼飯

昼飯に定食屋で日替わり定食を注文した谷川。
優勢を意識してか、席に座りお茶をすする姿からは余裕すら窺える。
しかし、注文した定食がテーブルにやってくると、そこにはなんと伊勢海老が。
この手は読んでいなかったのか、ここで思わぬ長考を強いられることになった。
「実は谷川先生は、先日この戦型で快勝しているんです。なので控え室では優勢かと思っていましたが、
いやあ、絶妙手がありましたねえ。」と山崎六段。
長考の末、とりあえずはいったん副菜に手を付けた谷川。しかしこの局面、伊勢海老が捌けないようでは勝てない。
「なかなかうまく伊勢海老を捌ける手が見つかりませんね。」と検討陣。
だがここで谷川から驚愕の妙手順が出る。おもむろに伊勢海老を取り上げると、なんとこれを隣の知人の皿の上へ。
そして、知人の銀むつ2切れを取りに行ったのだ。
「これは伊勢海老と銀むつ2切れの二枚換えです。いやあ驚きましたね。」と検討陣から声が上がった。

45名無し名人:2006/04/30(日) 07:28:49 ID:NpQr84VQ
>>44
フィクションだけど、タニーが苦笑しながらおかずを交換してる姿が目に浮かぶw
46名無し名人:2006/04/30(日) 15:56:32 ID:JGLOHBPA
二枚換えww
47名無し名人:2006/05/02(火) 22:19:48 ID:HuiuZ1hI
>>28,29おもろすぎ。最高
48名無し名人:2006/05/02(火) 22:33:52 ID:u9pv+57R
>>15が一番好き
49名無し名人:2006/05/02(火) 23:54:55 ID:c7qj3GF8
「光速の花火大会」

猛暑の続く2005年8月の夏。
対局ラッシュも一息ついた谷川達人は、大阪淀川の川辺で
毎年行われる花火大会に数名の棋士たちと遊びに出かけたのだった。

連れは関西研究会の山崎六段、そのガールフレンドの矢内女流。
対局が早く終わり、関西会館から出てきた佐々木五段の四人である。

その様子は中継され、東京の棋士たちがモニターで見ている。

二万発もの花火が打ち上げられ、光と色で自在に空を彩る荘厳な花火大会。
あらゆる物事と同じく、花火の世界にも定跡がある。

序盤は、規則正しい打ち上げで、観客の気持ちを掴み次第に高揚させていく。
中盤になると職人が趣向を凝らし、独創性と意外性で勝負をする。
やがて夜空と人々の心は熱を帯び、溶けて一つになり終盤を迎える。
この静と動のバランスは、一局の将棋にも通じるのである。

解説「森内名人と羽生三冠が、棋界で一番、花火に精通しているんです。」

谷川達人は早めに関西将棋会館を後にし、場所取りを開始した。

渡辺「この暗い世相が影響しているのでしょうか。
不況時ほど、華やかな花火大会の観客が増える傾向があるんですよ。」

森内「あ、ボクも行きたかった。」
50名無し名人:2006/05/02(火) 23:58:02 ID:c7qj3GF8
光速の場所取り

時刻は午後二時、既に淀川の3割は、人々とシートで埋まっている。
渡辺「ここは勝負どころです。いかに好位置を陣取るか。
この序盤の戦いで全ての優位が決まってしまう怖さがある。」

入り口と中央トイレ付近は既に人が埋まっており、反対側は比較的空いている。
「敢えて割り込むか、それとも人の少ない所を攻めるか」と渡辺の解説。

「らしくないですね。ここは切り込むかと思いました。」
谷川達人の棋風では、この局面突っ込むことが多く、事実そう主張したが、
矢内女流が人の多い所はイヤと拒絶し、反対側へ行くことになったのだ。

とはいえ、一向の陣形もなかなかの好位置。最善手の結論は出にくいか。

パーンパーンバーン
午後7時半になり、そろそろ花火会場は最初の山場に突入していく。
ん?ここで谷川達人の様子がおかしいぞ。
そういえば、山崎、矢内もどこかソワソワしている。
ただ一人、佐々木五段はわが道を行き、花火に夢中になっている。

そんな折、
「あ、着きました。」
ついに、花火名人である森内が会場に着いたのだった。
果たして谷川一向を見つけられるのか。
51名無し名人:2006/05/02(火) 23:58:18 ID:z8rcxy1w
単行本化きぼんっ!!
52名無し名人:2006/05/02(火) 23:59:51 ID:c7qj3GF8
「光速のトイレ」

丸山はニヤニヤして言った。
「うーん。トイレじゃないかな?」
渡辺「一万人規模の花火大会ではトイレが混雑しますので、
数十人ほど間に合わないことがあるようですよ。」
「驚いたね」と何処からともなく声が上がる。

おっと、浴衣姿の谷川達人は、山崎・矢内のカップルを出し抜いて駆け出した。
「出ますよ。光速のトイレ開始です。何秒で戻ってこれるか。計ってみましょう。」

5秒。山崎たちの姿が人ごみの中に消えた。
10秒、立ち並ぶ売店の真ん中をすり抜けていく。
渡辺は言った。「なるほど。最短距離で・・。
あまり急ぎすぎると膀胱に負担がかかる危険性もあります。」

20秒、迷子で泣いている子供の頭を飛び越えていく。
「大胆!私には真似できませんね。怪我をさせてしまう。」と藤井

一方そのころ。
持ち時間がまだ残っている、山崎と矢内はゆっくりと移動を開始した。
谷川達人とは対称的に、この二人からは余裕を感じられる。

「優位を自覚しているんですね。山崎ペースと書いておいてください。」

しかしここで事件がおこる。予想もしないアクシデントが発生したのだ。
手をつないでいた山崎と矢内だったが、後ろから来た一団に引き裂かれ
離れ離れになってしまったのだ。
「これだから花火大会は怖い。何があるかわからないから」
53名無し名人:2006/05/03(水) 00:02:29 ID:c7qj3GF8
「光速の割り込み」

山崎は未だ矢内を見つけられないが、自分のトイレを優先するように見える。
モニターでも矢内の姿は確認できない。

55秒!棋力の最も高い谷川達人はトイレの行列の後尾を捉えた。
しかし並ばない、なんと行列の最前列に割り込む荒業を見せたのだ!
「うわ。出た!鬼手だ!やーさんがいれば大変なことになりますよ」

肝心の局面で、谷川から10年に一度の名手が飛びだしたのだ。

直後、矢内を見つけられなかった山崎も行列にたどり着いた。
すると、谷川が笑顔で山崎を手招きしているではないか。

割り込んだ上にこの大胆な手。周囲からはブーイング。モニター前も騒然とする。

「気をよくして調子に乗りすぎたか。自分のトイレを早く済ませるべきだった。
一方間違えると光速の自爆になりかねない」と渡辺が心配している。

誰かが実力行使をすれば、二人とも捕らえられて大逆転負けだ。
しかし、それより早くトイレの中に摺りこみ事なきを得た。

「あ、こんばんわ。」
その頃、森内名人が淀川の会場に到着し、先ほどまで谷川達人一向が
陣取っていた付近で矢内女流の姿をみつけたのだった。
54名無し名人:2006/05/03(水) 00:08:07 ID:TuJDsDVS
「光速の帰還」

実は、棋力が一番低い矢内は、人ごみの中トイレを我慢し山崎を探し回っていた。
既に顔は真っ赤。内股前傾姿勢になり腰を浮かせている彼女は色気たっぷりに見える。
「これは矢内さん厳しい表情ですね。間に合わないかもしれません。」

何か策はないか。控え室でも検討が始められた。
本当はいけないが、検討の内容は現地の森内名人に即座に伝えられ
矢内にアドバイスをすることになったのだ。この非常時なんでもありだろう。

「ああ!中原先生によると一つだけありました!矢内さんの勝ち筋が!」
谷川達人におぶってもらい、再度、行列最前列に突撃するという手らしい。
だが、谷川達人の姿がここにはない。まだトイレから戻ってきていないのだ。

矢内の膀胱は、我慢の限界は超えている。しかし女の意地で驚異的に粘っている。
「すごいですね。大山先生が乗り移ったのでしょうか。

晩年のA級順位戦、序盤で青野相手に金桂交換の損をして必敗にした大山が
200手以上も粘り勝ち、顔を真っ白にしてよろよろと去っていた映像を思いだす。

だが現実は悲惨だ。矢内は矢内であって大山ではない。
端正な顔がゆがみ、普段滅多に流さない涙で顔をぬらしている。

東京の女流棋士は目をそらしている。
渡辺「谷川先生の言うようにトイレの近くに陣取っていれば・・・」

矢内女流は、前を押さえて座り込んでしまった。
誰かにおぶってもらわねば歩くことも満足に出来ないだろう。
55名無し名人:2006/05/03(水) 00:17:32 ID:TuJDsDVS
女の意地は穴熊のように強く固いが、それも姿焼きになりつつある。

「谷川先生が戻ってくれば・・・」
なんということか、そのとき谷川は警備員に捕まり尋問を受けていた。

山崎は何も知らず、すっきりした顔で元いた場所に戻っていく。
3分後、うずくまって泣いている矢内女流を発見する。

渡辺「そうか。山崎六段の背中に乗るという手があったか。」
中原「お姫様だっこでもいいね」

だが、矢内玉には必死がかかっている。手番は敵、尿意だ。
「あの、笑わないでくださいね」と矢内は静かに山崎に告げ投了した。

「モニター切って!」即座に東京の女流棋士が叫ぶ。
米長「諸君。会長命令だ。モニターを切ることは禁止する。」

やがて矢内の浴衣が鳴く。その後、彼女は山崎の胸の中でうつむいていた。
56名無し名人:2006/05/03(水) 00:41:35 ID:TuJDsDVS
うっとりした表情の矢内女流と山崎六段はタクシーで、
その他は電車で帰った。

森内名人によると、
「花火大会でトイレ近くの席を取るのは基本。
人が少ないからといって、安易に遠くへ行かないほうがいい」

渡辺「トイレで割り込むのは非常手段。警備員の目を盗んで
やらなければならない。一回目の割り込みは運良くごまかせたが、
山崎さんを呼んだ所で、騒ぎが大きくなり形勢を損ねたのではないか。」

後に判明したことだが、この展開は佐々木五段の研究手。
ドリンクに利尿剤を入れていたのだ。
渡辺「私なら佐々木さんとやるときは、飲み物は自分で調達します。」

佐々木五段は、この勝局について喜んで語った。
「矢内さんの一番綺麗で素敵なシーンを見れて感激。
写真も家に飾ってあります。」
57名無し名人:2006/05/03(水) 03:32:30 ID:Q19m3zKV
ワロタ。しかも勝ったのは佐々木なのかw
58名無し名人:2006/05/03(水) 04:11:36 ID:1Y9tsAbA
書き込みとスレが伸びたことは嬉しいんだが。
なんというか、よくわかっていないというか。
まぁ、オレもこんな創作はできないのだが。
たぶん、文才はあるので今後頑張ってくれ。
59名無し名人:2006/05/03(水) 05:51:40 ID:gqDj/U0l
今度からはシモネタ無しで夜露死苦
60名無し名人:2006/05/03(水) 08:42:41 ID:TuJDsDVS
「光速の昼食1」

食べるのが早い人間は仕事が速い。これ人間の真理。
将棋盤の外でも優秀な人間を育てようとの思惑から、
米長会長は、昼食休憩時間の固定をやめて
早く食べ終わった人から対局再開できる制度を取り入れたのだった。

第65期名人戦の第四局。森内名人の18世名人を阻止すべく
谷川達人がリベンジしにきているが、三局までは全て森内の勝ち。

森内名人の強さの秘密はどこにあるのか?

鈴木八段「なんと森内名人の昼食は、全てカレーなんですよ。
腹いっぱい食べられる上に半流動食であるため食事・消化時間も早いのです。」

一方谷川達人は、極秘裏にエビを克服する訓練を受け、反撃の機会を伺っていた。

何故エビが苦手なのか。彼と親しい山崎六段と矢内女流名人は言う。
「谷川達人がエビを食べてしまうと蜂に刺されたときに生じる
アナフィラキシーショックと同じ状態になるんです。」

羽生「あ、エビアレルギーではなく、正確には甲殻類アレルギーですね」

嫌いだから食べなければ良いという話ではない。

なぜなら日本の寿司、地中海料理、中華料理など
主な料理には大抵エビなど甲殻類が使われているからであり
振り飛車党しかできない人よりも、さらに作戦の幅が狭まってしまうからだ。

森下「こんなのは気合ですね。無理してガツガツ食べることです。」
61名無し名人:2006/05/03(水) 09:04:44 ID:TuJDsDVS
「光速の昼食2」
谷川達人は、一年の研究によりアレルギーの正体に迫っていた。

局後の検討で言う。
「同じエビであっても、その時々で反応の度合いが違う。
エビの種類、或いは産地がアレルギーに影響していることに気がつきました。」

中国産のエビには、抗生物質、漂白剤、保存料が大量に使われており
日本人のエビアレルギーの原因になっていることを突き止めたのである。
新鮮で安全なエビを購入することをできれば、体の反応は収まるはず。

そう考えた谷川は、対局日以外には研究会にも将棋会館にもいかず
ひたすら自宅近くの明石海峡でエビ釣りの特訓を受けていたのだ。
山崎「最近はこの付近も環境汚染が進んでいますからね。
安全なエビを釣れるかどうかで谷川先生の勝敗が決まると思います。」

矢内「花粉アレルギーの治療などに使われる減感作療法にも
医師の指導のもと、取り組んできたらしいですね。」

運命の第四局、谷川の昼食は・・・。
「ジャンボエビの塩焼き」「海鮮サラダ」「エビ入り天丼」「エビの濃縮エキス入りスープ」
なんと、エビ専門料理店の店員を雇い、エビ尽くしでキメてきた。

久保「昼食前。序盤にて早くも勝負手が出ました。」
カツカレーを注文した森内名人は、谷川の気合に怯んでいるように見える。
心理面で圧倒された森内は長考。

加藤「これは名人の変調です。ここで時間を使うようではおかしい」

将棋でも優位に立った谷川だったが、終盤、エビづくしが祟り
視力が一時低下。将棋盤が見えなくなり無念の投了となったのである。
渡辺「大山名人の名言に”ダメなものはダメ”ってものがありますね。」
62名無し名人:2006/05/03(水) 09:32:47 ID:TuJDsDVS
「光速の2ch」

青野九段ほど、インターネットを有効利用している棋士はいない。

昼食時間中に過去の実戦例を調べる。夕食休憩中に相手玉の詰み筋を調べる。
このようにパソコンを利用することで棋力を30%も補強しているのだ。
さらに、最も効率よく情報を得るために2chをも利用している。

神吉「私もよく2chをしましたが、正体がバレそうになったので謹慎しています。
相手棋士のスレに侵入して盤外戦術を行い相手を動揺させることもでき、
肝心の局面でカンニングまでできるので一石二鳥とはこのことですね。」

武者野「理事会的には、現在渋々認めている状態です。」

谷川達人は、青野九段戦を控え、2ch書き込みの猛特訓をしていた。

渡辺「2chへの書き込みは、30秒の間隔を空けておかねば連続投稿規制にひっかかり
貴重な時間を大幅にロスしてしまうという危険性もある。谷川さんは知ってるのかな?」
ブラインドタッチの青野九段、人差し指の谷川達人。
当然ながら、前評判は青野九段寄り。

だが運命の対局日。谷川の光速の指さばきが出たのだ!

夕食休憩時間、谷川は”将棋実況スレ””青野九段ほど偉大な棋士はいないPart2”に浸入する。
デタラメの形勢判断に誤まった詰み筋を流し、PC研究中の青野九段をハメようというのだ。

作戦は上手く行ったように見えた。

だが、プロキシを使えないプロ棋士谷川浩司の自作自演投稿は、
青野2ch名人に通用せず、即座にあぼーんされてしまったのだ。

翌日の”棋戦情報スレ”では、「谷川順当負け」のレスが相次いだ。
63名無し名人:2006/05/03(水) 09:47:38 ID:l2wWwax+
あくまで日常のひとこまをくそ真面目に書くから面白いってことで。
次は下ネタなしで頼みたい
64名無し名人:2006/05/03(水) 09:54:41 ID:TuJDsDVS
ごめんね。下ネタという意味合いは最初から自分の中にはなかったので・・・。

花火大会でのストーリーが目的で、最初は無事にみんなトイレを終える
予定だったんだけど、割り込んでおいて無事に戻ってこれるかどうかを
考えていたら、どうしても矢内さんが間に合わなくなっちゃった。

次からはしないけど、ヤッピーなら可愛いからokでしょ。

しかしこのスレ最初で書き込みしている職人さんはすごいね。
ボリューム感があるよ。練りに練ってるな。
65名無し名人:2006/05/03(水) 10:25:24 ID:Vp1XfYvN
たぶん、元ネタなしで一から書いているのでご立派ですが、
いわゆる「観戦記」独特の言いまわしの妙を一から創作するのは難しいのでは。
ので、とりあえず雑誌や新聞の観戦記を元にして作ってみてください。
貴君のタニー愛を期待してます。
66名無し名人:2006/05/03(水) 10:29:38 ID:3MG6P45u
>>3
静止した観察者から観測した場合、三分だが、
光速に近い速度で移動中の谷川にとっては三十秒程度。
67名無し名人:2006/05/03(水) 11:36:59 ID:TuJDsDVS
「光速のティッシュ配り」

谷川達人は、以前神戸でティッシュ配りのバイトをしたことがある。
しかし羽生森内とは違い、顔の知名度がないために一般人から見向きもされず
芳しい成績をあげることはできなかったという苦い経験を残している。

実は今回、関西研究会で成績最下位者への罰ゲームとして、谷川達人と
山崎の家に遊びに来ていた矢内女流が、ティッシュ配りで勝負することになったのである。

事前の谷川の作戦はこうだ。本来は服装が決まっているのだが、バイト先に事前に許可を取り
自前で作成した「将棋の達人Tシャツ」という勝負服で臨もうというのである。
これならば、将棋の谷川であることをアピール可能で、優位に立てるという計算だ。

一方の矢内は策を弄せず、ボーイッシュな服装でキメ、正攻法でいくつもりらしい。
矢内の一番の武器は視線であり、近づいてくる人に対して早い段階で目と目を合わせ、
綺麗な瞳と凛々しい姿で通行人を虜にして、ティッシュを確実に配ろうというのである。

さて。綺麗な姉さんはそこらじゅうにいるけれども、将棋の達人は谷川しかいない。
その希少性を生かし、谷川が序盤でペースを掴んだのだった。
某若手棋士「先生は大局観が素晴らしいですね。さすがという他ありません。」

ところが、中盤谷川に思わぬ緩手が飛び出して形勢が混沌としてくる。
谷川が絶好の配布ポイントを離れて何処かへ行ってしまったのである。

渡辺「優勢を意識した谷川先生はトイレに行く癖があります。
一方矢内さんは、あの一件以降、秘密兵器を用意しているのでその必要はありません。
まだ谷川先生が良いと思いますが、もうどちらが勝ってもおかしくないですね。」

疑問手が出ても僅かにリードしていた谷川であったが、指運が悪かったか。
なんと将棋好きの酔っ払いに絡まれて、持ち場になかなか戻ることが出来ない。
68名無し名人:2006/05/03(水) 11:38:18 ID:TuJDsDVS
青野「新手の達人Tシャツが仇になった模様。無理筋だったのでしょうか。」

モニターによると、残り枚数は谷川180枚矢内160枚。既に逆転している。
阿部「顔にも出ていますが、こんなはずではなかったと悔やんでいることでしょう。」

矢内は通行人を真正面から見据え、接近戦になると笑顔でトドメを刺し、高確率で配っている。

おっと、こちらでは谷川に絡んでいた酔っ払いが携帯の詰め将棋を谷川に解けと迫っている。
渡辺「断りきれればまだ勝機はあります。でも谷川先生は人がいいから。」

30分後、ついに矢内のティッシュは残り3枚となる。何故か彼女の顔はやや赤らんでいる。
しかし勝ち誇った顔だ。自信のある女は強い。あと30秒で全部配り終えるだろう。

その刹那事件が起こった。突然谷川が手ぶらで戻ってきたのだ。控え室から悲鳴が上がる。
「ああ?!谷川先生が背中に空になったダンボールを背負っている。」
秒読みのさなか、谷川の身に一体何が起こったのか?周囲は騒然となる。

怪訝な顔の矢内。青野「ティッシュの残り枚数は二倍近くも差がついていたのですよ。
他の棋士には絶対まねできない光速のティッシュ配りですね。マジックみたいだ。」
矢内は悔しがりながらも投了し、この対局は谷川の勝利となった。

局後の感想戦で、谷川の勝因が判明した。突然出された詰め将棋を谷川が10秒で解いたところ、
仕事帰りの酔っ払いがティッシュ配りを手伝うと言い出して
勝手に谷川の余っていたティッシュを奪って配りだしたのである。

渡辺「谷川先生の人柄の勝利ですね。私なら詰め将棋なんて断っていました。
こんな勝ち方もあるのですか。おみそれしました。」

しかし、後日、反則行為ではないかと指摘され、谷川の勝利は取り消し。
バイトも半年の謹慎処分を経てクビになってしまったことはあまり知られていない。
69名無し名人:2006/05/03(水) 12:06:59 ID:WCDVCLoK
ID:TuJDsDVSの文章の惜しいところは、「谷川」を他の棋士にいれかえても
味わいがほとんど変わらないことかな。別の言い方をすれば、
ティッシュを配る谷川の姿を想像したときに「いかにも谷川的」と
思わせるような描写が欠けていて、キャラが立っていない。
文章構成力自体はあるので、谷川パロディより完全創作をおすすめするよ。
それ用の板で創作物を書くほうが評判がいいはず。
70実は森内ファン:2006/05/03(水) 13:58:25 ID:TuJDsDVS
焼肉名人の森内と谷川達人は、山崎&矢内と専門店に行った。

案内され皆が席につく中、谷川だけ憮然としてテーブルの前で固まっている。
「私の座る席がない」谷川はお座敷の上座を希望したのだ。店員に無理をいい、
座椅子からお座敷に代えさせてもらった。機敏に動いた谷川作戦勝ちか。
お互い注文を取り談笑をする。「白いスカートに焼肉落として、染みでダメにしちゃった
ことがあるので今日はパンツなんですよ。」と矢内。「もったいないね」と山崎。
「欲しいならあげるわよ?」と矢内微笑む。苦笑いの谷川。メニューを凝視し不敵に笑う森内。

やがて特選上カルビ、タンシオ、ロース他、大盛りライスなどが届き開戦である。
森内は、研究作・秘伝のタレを一人持ち込んで勝負だ。谷川は盛んにお冷を要求して対抗。
「あ、サンチュサラダ・・」「お冷お願いします。すみません」「あ、レバー・・」
やがて「うっ」と谷川が声を上げた。なんと網の上で焼いた特選上カルビを箸で摘む際
網の下に落としたのだ。谷川はムッとした表情で水盤の中一片350円の高級肉を睨む。

「あ、すみません」先手森内が小さな声を出すが、熱を帯びた店内。喧騒にかき消された。
すかさず手番を握った谷川がサッと挙手。店員を呼ぶと新しい網を用意させる。
焦げた網との交換である。「これは手筋」と藤井。過熱した局面を落ち着かせ
紛れを無くす冷静な一手だ。「こう指さなければ話にならない」と谷川は山崎に説教。

次は森内の番。「あ、すみません」森内が必死に声を出し店員を捕まえる。
メニュー表を指して「追加お願いします」その間、和牛ハラミ、赤ホルモンと、
谷川は注文したものを平らげて寄せの態勢を築く。しかし最後に森内の勝負手が!
先ほど注文したのはなんと海鮮焼きだ。車エビ、ホタテ、イカなどの皿である。
「失礼します」と店員が海鮮焼きを持ってくると、すかさず森内はイカとホタテだけを
生焼けのまま自分の口に放り込んでしまった。「あ、ごちそうさま。」と一礼して箸を置く。
ターミネーター森内の恐るべき消化能力。残ったのは車えびが三尾。

皿の上の禍々しき生物を目の当たりにして、谷川は顔を赤くして固まっていたが、
時間に追われ無念の投了に追い込まれた。渡辺「森内さんの声を掻き消せば完勝でした」
71名無し名人:2006/05/03(水) 15:08:33 ID:WCDVCLoK
>>65のアドバイスどおりに観戦記の文体を取り入れたことは
大きな進歩で結構なことだと思う。
あとは観戦記を100本、200本と読んで
リズムをつかんでから再挑戦してほしい。
冒頭を例にとれば、上座希望のくだりは観戦記としては記述不足で、
唐突に始まって唐突に終わる感じで、せっかくのネタが活きていないし、
その次の注文をとって談笑するくだりは観戦記の文体になじまず、
こんなに丁寧に書く必要がない。言っちゃ悪いがここは全部削除でも
いいぐらいだ。
それ以降も、「パロディとして必要な要素」と
「筆者が書きたいこと」とのバランスがあまりうまくとれていない様子。
けなしてばかりいるようで悪いが、パロディには向いていないという
だけのことなので、能力を創作系に振り向けるのが適材適所かと思う。
72名無し名人:2006/05/03(水) 21:01:31 ID:l2wWwax+
ワラタ2ッキに載ったな。感動
73名無し名人:2006/05/03(水) 21:03:52 ID:Ykl2eX4+
すげーw
74名無し名人:2006/05/03(水) 22:00:19 ID:/CKOSbn0
なんかエビネタばっかりだな。
75名無し名人:2006/05/03(水) 23:02:08 ID:4RnKtI7K
まあタニーの特徴のひとつなんだし。
エビカニ使ってない序盤のネタはほんと凄いと思うよ
76名無し名人:2006/05/04(木) 00:36:02 ID:7NpmLqxL
>>72
すごいなw1年に一度の名スレかも。みんなで盛り上げていこうか。

【光速の安眠】(光速の寄せ第二巻より)

大事な対局の前に眠れない。こんなとき、どんな方針で戦うか。
アルコールは睡眠への導入薬とも言われているが、
対局前にお酒に飲まれるのはいかにも利かされ、できればしたくないところである。
いろいろ浮かぶ所だが、選んだのは夜の散歩。これが一番早いと見た。
この手順では先に30分という桂損をすることになるが、
心身がリラックスすることで形が決まって谷川にとってむしろありがたい。
散歩から帰宅した後は下着を全て脱いでスッポンポンになるのが正しい感覚だ。
体を締め付けるあらゆる刺激をカットする必要がある。
この策は、変態になるために打ったのではなく
交感神経を縛るために打ったと考えればいいのだ。医学の世界では定跡。
勿論、布団は高価な羽布団である。これは床ずれを受けた手だ。
夢うつつになると、今度は羽生森内の顔が谷川の脳裏に浮かんでくる。
谷川の精神に嫌味をつけようという勝負手だ。
相手にすると、負け将棋の棋譜100局が自動回想される王手があって気持ち悪い。
そこで谷川は安眠の世界へと逃げようする。
不安から悪夢へと迫られ谷川脳もかなり危険な状態になった。
そのピンチをしのぐ好手がラベンダーオイルである。
この安眠オイル自体は量が多いと逆効果で、まだ詰めろになっていないのだが、
炊いた煙の濃度が下がってくると悪夢は完全に遮断されて詰む。
つまり、熟睡までの時間が延びることで、自動的にこの筋が生じるのだ。
当然の一手とはいえこの筋が利いたのは大きかった。
谷川は羽布団の中で寝返りを決めてから、ゆっくり深呼吸をして悪夢の投了となった。
午前2時の谷川は安眠態勢に入ることが必至。悪夢が中に入ればノンレム睡眠とともに詰む。
一方谷川脳は、妨害が入っても刺激に反応せず逃げて詰まない形だ。
77名無し名人:2006/05/04(木) 00:40:17 ID:7NpmLqxL
スレ主さんはいないみたいだけど、
>>71さんとか凄いの書けそうだから見たいなー
781:2006/05/04(木) 01:14:31 ID:QIiutUBT
スレ主さんも草葉の陰でワラタ2ッキに載った事感動してました。
この嬉しさはヤバいね、ただ職人さんに感謝の一言
79名無し名人:2006/05/04(木) 01:23:04 ID:7NpmLqxL
このスレの職人さんて何人いるの??
てっきり>>1さんが全部書いていたかと思ったw
80名無し名人:2006/05/04(木) 02:52:03 ID:+uogyZGU
確かにみんな似た文調を目指すわけだからそう思っても不思議じゃないなw
81名無し名人:2006/05/04(木) 21:13:55 ID:St7oSlc/
今回は、森内俊之名人に谷川浩司九段が挑戦している
第64期名人戦七番勝負第3局の模様をおつたえする。
森内の二連勝を受けて行われる本局、谷川にとっては負けられない一局である。
大事な対局を翌日に控え、賑やかな前夜祭においてもひとり静かに時を待つ、
そんないつもの谷川かと思われたが…。
この日は違った。谷川の戦いはこの前夜祭からすでに始まっていたのだ。
午後6時対局開始。初手、谷川の挨拶。
「将棋界のためにも、森内名人には名人よりもアタック25選手権者を防衛してもらいたいですね。」
いきなりの速攻を見せる谷川。しかし、森内の表情からは何を考えているのか読み取れない。
「この超急戦が対森内用の研究だとすれば、相当深いところまで研究してますね。」
とは控室の行方七段。さらに谷川の攻めは続く。
「将棋界は名人戦問題で揺れていますが、その名人戦より歴史と伝統あるのが達人戦。
私は達人位を預かる者として、このまま簡単に森内名人に防衛させるつもりはありません。」
控室からはどよめきの声が。解説の森下九段も
「ここまで達人位を強烈にアピールする棋士は初めて見ました。すでに実戦例はないと思います。」
開始早々の猛攻。谷川の攻め、森内の受けはいつもどおりの構図だが、
ここまでの展開を誰が予想しただろうか。
このあと手が封じられ、前夜祭は終了。さて本局の結果やいかに。
82名無し名人:2006/05/04(木) 23:09:24 ID:7NpmLqxL
>>81さん 面白いなー

このスレで81さんの投稿した他のレス教えてー
83名無し名人:2006/05/05(金) 00:43:05 ID:fRwKVelm
 2009年3月13日、谷川達人が投了を告げた。相手はコンピュータのせくしいあいちゃん。
スポンサー三億円の世界コンピュータ将棋の決勝三番勝負の最終局。
現役、将棋の達人が、コンピュータに番勝負で敗れるとは、前代未聞だ。

しかも、谷川はただ一人、人間棋士として参加して勝ち上がり過去3回も優勝を納めている。
その験(ゲン)の良い棋戦で、よもやの惨敗を喫したのだ。
コンピュータブランド・Bonanzaの登場に、棋界は驚嘆しているが、
コンピュータブランドは、一つだけではない。

 せくしいあいちゃん。Bonanzaと同じく2004年生まれ。
初出場の世界大会以来のBonanzaのライバルであり、まったりゆうちゃんと同期だ。
2007年世界コンピュータ大会で、谷川達人,Bonanza,せくしいあいちゃん,
が並んでいるネット中継の映像は、 皆さんも、ブログなどで、見覚えおありでしょう。
あいちゃんは、既に朝日主催のアマ名人戦で優勝を飾っており、
アマチュア竜王戦も制覇後、2008年には、連覇を達成。
この谷川-Bonznza-せくしいあいちゃんの状態を、誰が予測したでしょうか?

 さて、2009年度、第19回世界コンピュータ将棋大会の様子ですが、
初戦はせくしいあいちゃんが制したが、(A級順位戦最終日の前日)3月2日の第2局は
谷川が勝ち、誰もが第3(最終)局は 谷川が現役達人の意地を見せ、
4回目の優勝を飾り、達人戦への弾みにすると思っていました。
しかし、3月13日、まさかの谷川敗退。コンピュータ棋士世代とは、
指しにくく、苦手としているのではないかと、言われ始めました。

 後に、谷川は、「コンピュータアレルギーではなく、彼等は既に
八段位の力があったと思います。ねじり合いで負けた将棋は、
精神的にこたえました。」と供述している。
84名無し名人:2006/05/05(金) 06:06:22 ID:eoIUcP4x
明け方まで降っていた雨が上がり、これから始まる一戦にふさわしい暑い夏の日差しが帰ってきた。
定刻10分前に谷川登場。その姿に周囲は目を見張った。
なんと谷川は和服姿。タイトル戦ではないのに、和服を着てくることはめずらしい。
ファンも注目する一戦だけに、谷川のこの勝負にかける気合いの大きさというものが感じられる。
用意された席に座ると、谷川は周囲の雑念を振り払うようにしばし目をつむった。
大事な勝負の前に精神を集中する姿は、威厳と自信に満ち溢れている。これが勝負師のオーラなのだろうか。
スーツ姿の若手棋士たちに混じって、ひときわ目立つ和服姿もまたとてもいい。伝統文化に和服はやはりいいものだ。
そして定刻の14時となり、開始の合図とともに、いよいよ熱い戦いが始まった。
甲子園球場。井川が第一球を投げた。

85名無し名人:2006/05/05(金) 15:47:06 ID:x7YEgtZ+
ワロタw
86名無し名人:2006/05/06(土) 22:02:25 ID:ixeC1y9A
最近の作りこまれたのもいいけど序盤の軽いのもいいね。
一言ネタみたいで痛快
8770=76:2006/05/07(日) 00:44:22 ID:3JKFGV6I
新作作ったけど、こちらでは方向性の違いで不評なので、
こっちに書いてみました。もちろん谷川さんも出てきますよ!。

http://game9.2ch.net/test/read.cgi/bgame/1140908959/231-235
88名無し名人:2006/05/07(日) 01:11:17 ID:RB9GmLlf
25の最後の一行が面白すぎ
89名無し名人:2006/05/07(日) 01:26:21 ID:Ee92Wl24
言われて読んでみたら紅茶吹いたwww
確かに当然だわww
90名無し名人:2006/05/07(日) 11:16:31 ID:3JKFGV6I
平穏な日常の関西将棋会館に非常事態発生!
サングラス姿のいかついヤクザ風の男たちに会館が取り囲まれたのだ。。
「すわ!出入りか!」受付のおばちゃんが叫ぶが、なんと亀田パパと三兄弟である。
奥に案内された亀田パパが口を開く「谷川さん!今日は折り入って話しがあんねん」
予想外の展開に目を白黒させた谷川は平静を装った。「お話をどうぞ」
亀パパ「公表されてないんやが実はウチにはな、亀田剛毅という長兄がおんねん。
パンチドランカーで廃人になって寝とるけどな。脳の回復に将棋が使えんかと思って。」
谷川「ああ、でも今名人戦の昼食休憩なんで、ちょっと困りますね。」
この谷川の応手は迂闊だった。亀田「なんやとコラ!うちの剛毅と名人とどっちが大切なんや!」
案の定、谷川は黒ベンツに乗せられて拉致されてしまった。
91名無し名人:2006/05/07(日) 11:37:01 ID:3JKFGV6I
山崎
「わたしなら、こんな危ない受けはしません。
脳の回復には囲碁のほうが効果がありますよ、と言って
日本棋院を紹介し、目先を逸らしていたことでしょう」

森内
「谷川の研究不足ですね。面会直前に警察に連絡をとっていればよかった。」

口をふさがれた谷川
(ムゴムゴ・・・。続きを書いてもいいのかなぁ。それとも私はこれで終わりかorz)
92名無し名人:2006/05/07(日) 17:03:38 ID:wkbFgA5f
光速の食わず嫌い

谷川九段は内心青ざめていた。
森内名人が5手目に指した選択肢「あっ、かっぱえびせん」
石橋・木梨「それではいっせいにどうぞ」

もはや投了はやむなしだが、その前にテレビとしては平然と食べるシーンを撮らねばならない。
当然そのつもりで臨んだものの、練習と実践は違うのである。
バラエティーという性格的に合わない舞台の緊張もあり中々口に運べない。
「5手目にえびせんを選ばれるこの順は不利が若手の研究結論ですが、谷川さんは何故この順を選んだのでしょう?」とはある中堅棋士。
「まさかこの結論を知らなかったのでしょうか」と渡辺竜王。
かっぱえびせんの縞模様をじっと睨み付け長考する谷川九段。
そして何度か何かを振り払うかのように首をひねる。
空気が読めない森内名人は谷川九段に早く食べろと言わんばかりに指定されたカレーをもりもりと食べる。

と、谷川九段の目にはカメラ脇から見守っている応援に駆けつけていた母の顔が映る。
急に目に力が戻り、伸びた背筋がさらに伸び、カッパえびせんを力強くつまみ口に運ぶとバリバリと噛み砕く。
「出ましたね、光速の咀嚼」控え室からも歓声が上がる。
鉄板流で知られる森内名人もこれには動揺しマイムマイム。
「谷川さんは「母には逆らえませんから」と実家ではエビ・カニを食べるらしいですね」とは井上八段。
テレビとしては十分な咀嚼時間を作り「参りました」
谷川九段投了。森内名人の防衛となった。
「梅干でしたか・・・」と力ない感想戦をする悔しそうな谷川九段が印象的であった。
93名無し名人:2006/05/07(日) 19:24:39 ID:W4+Y/RqY
せくしいあいちゃん、まったりゆうちゃんワロスww

ネタだと思ったが、本当にこういう名前のソフトあるのな…
しかも開発元が大学の研究室って…
94名無し名人:2006/05/07(日) 21:32:37 ID:3JKFGV6I
>>93
今でこそボナンザの影に隠れ、話題に上がらないかけれども、
”ブルゲ的脱衣将棋”が”せくしいあいちゃん”なのではないか?
という噂も流れてました。
95名無し名人:2006/05/07(日) 21:55:55 ID:3JKFGV6I
連盟職員が、関西No.2の山崎に泣きついていた。
「大変だ!山崎君!谷川達人がッ」(一部始終が山崎に説明がされ。)

それに答える形で、この谷川の一局を振り返り、山崎はこう分析していく。
「本局における谷川さんの敗因は傲慢さにあるのでしょうね。
あの人は弱いくせに態度だけはいつも大きい人なのです。
私にも無駄な説教ばかり。ずっと我慢してきました。自業自得と見ます。
今回は亀田を応援します、とまぁこんなところで。それでは矢内さんとデートがあるので。」

日ごろの行いが祟ったか、後輩に見放されてしまう谷川余りにも哀れスレが2chに乱立。
その頃黒ベンツで拉致された谷川は、亀田道場にてようやく目隠しを取られる。

亀田パパ「よう!谷川たっちゃん!着いたぜ!四人兄弟の長兄に将棋教えてくれよ。
タダじゃないぜ。ちゃんとお前にボクシング教えてやるからよ。感謝しな。」

谷川「たっちゃん?私の名前は・・・」
亀田大毅「達人さんでしょ!かっこいい名前っすね。グラブはそこにあるから。」

谷川「いや、だから私は・・・」
亀田パパ「ほら、なにしとんねん!興毅が立っとるやろ。さっさとリングに上がれよ」
パパにどつかれた谷川は、渋々リングに上がりグラブをはめた。

亀田和毅「興毅!本気でいけ!達人さんもがんばれよ!応援するからよぉ!」
亀田パパ「ファイッ(開始!)」

(いじめだ・・。)
子供の頃エビを無理やり食わされイジメられた記憶がよみがえる。
しかし次の瞬間、谷川の眼鏡の奥がキラッと光り、生気を取り戻した。
「そうだ。エビやカニを無理やり食わされるほどツラくはない。」
将棋の技術をボクシングに応用すれば勝てるかもしれない。名人復帰の試練だ!と谷川は前向きに考えたのだ。
96名無し名人:2006/05/08(月) 23:15:06 ID:5uWXcNuj
有名になっちゃったからなあ…
97名無し名人:2006/05/09(火) 22:30:26 ID:VDNixbgt
それは言っちゃいけない
98名無し名人:2006/05/11(木) 13:19:33 ID:eghYQJFA
良スレage
99名無し名人:2006/05/15(月) 21:29:56 ID:qwPGuo99
100名無し名人:2006/05/19(金) 23:31:04 ID:k4f8G4JI
保守
101名無し名人:2006/05/20(土) 12:06:27 ID:PGLh5SGr
test
102名無し名人:2006/05/20(土) 13:04:47 ID:dxL701VX
谷川、光速の門前払い

都内某所、とあるマンションの一室にて一人将棋の研究にふける森内名人。
彼が名人戦を戦う前日、精神統一の為にこのマンションに篭る事は
連盟上層部の人間ばかりが知る所では無い。
今期名人戦挑戦者である谷川達人その人がその事実を知り得たとしても
彼はそれに対して何の警戒心も抱かなかったであろう。
事実、森内は谷川の接近にも気付かず
たった今、レトルトのカレーを鍋に入れたばかりであった。
長き一夜の研究のための腹ごなし、と言う訳である。
「森内さんは準備も鉄板の構え。
勝負は対局者同士が盤の前で向き合う前から始っています。」とは、解説の藤井。
彼もたった今、鰻屋に特上大盛りの注文を入れたばかりである。
これから繰り広げられる長く厳しい戦いを見越しての事だろうか。
103名無し名人:2006/05/20(土) 13:05:32 ID:dxL701VX
もう一方のモニターには、玄関先に立つ谷川のスーツに包まれた背中が映し出されている。
こちらは、やや緊張気味か。
こわばる谷川。
なかなかインターホンを押す勇気が出ない様子だ。
「これでは手が出ませんね。森内さんの研究を恐れるあまり
その範囲内にすでに足を踏み入れてしまって居るのでは無いかとの疑いからか、
ピンポンダッシュして勉強の邪魔をするという当初の目的を見失って
いるかの様に見えます。」とは、控え室の鈴木宗男。
その隣に居る丸山弁護士もおおむね同意の様子である。
その他あまり将棋に関係ない豪華ゲスト陣が見守る中、
注目の初手は、やはり森内。
「34歩」
玄関先の対局者を威嚇せんとばかりに声高らかに
八畳一間の一室のその中央に置かれた盤上に、森内の手が伸びる。
どよめく控え室。
「やはり森内さんは読んでいました。」
一人冷静だった山崎が嘆く。
この局面はすでに昨晩の谷研で検討済みの場面だったのだ。
森内はこれを読みきり、谷川の盤外戦に応じる事によって
目隠し将棋ならぬカレー対局を申し込んだのだ。
すぐさま玄関先に佇む谷川達人にもカレーが手渡された。
この首尾、流石の朝日である。
だが部屋で盤の前に座る名人に対して
一人カレーとともに孤独に取り残された達人。
「私の座る席がない。」
この勝負、無効として谷川はその場を去ったと言う・・。
104名無し名人:2006/05/20(土) 20:23:11 ID:VN1I2VsY
技巧はあると思う
今後も色々な発想を期待
105名無し名人:2006/05/28(日) 23:30:29 ID:/JM86NXm
106名無し名人:2006/05/29(月) 15:04:47 ID:9HW8hfJA
>>ピンポンダッシュして勉強の邪魔をするという当初の目的

紅茶吹いた
107名無し名人:2006/05/29(月) 15:10:57 ID:CviaK0ie
面白いけど初手は76歩w
108名無し名人:2006/05/30(火) 18:42:32 ID:C92AHlrO
光速の突撃1
名人戦の1日目の深夜、谷川9段の部屋に聞き手の女流棋士より電話がかかる。
「谷川先生、これから遊びに行っていいですか?ひ・と・り・で」
控え室は騒然となった。序盤、中盤をとびこえた、一気に終盤である。
この瞬間、谷川は、およその詰み筋を見つけていたという。しかし、1つだけ嫌な筋
に気づいていた。突撃事件である。そのなれそめと本譜は、端歩の関係を除けば、
ほぼ同一局面といってよい。
この時、谷川は、「私はネタ棋士にはなりたくない」と考えたという。記者から見れば、
もう十分ネタ棋士である。おそらく「これ以上」が省略されているのであろう。
谷川は残り時間が1時間45分あることを確認した。ここが勝負所と、谷川は、全時間を使って、
検討することにした。
しかし、この長考でも完全に詰むかの確認まではできなっかった。
迷ったら、攻めるのが私の棋風。谷川はそう考えて、受話器を手にとった。
いよいよ光速の突撃である。
109名無し名人:2006/05/30(火) 19:07:48 ID:C92AHlrO
光速の突撃2
いよいよ光速の突撃である。その瞬間、控え室からは、ワーッという歓声があがった。谷川の長考の間に、
この突撃を見届けようと、棋士や報道陣が70名以上つめかけている。広い部屋
とはいえ、上手く立ち回らないと座る場所さえ確保できないのが現状である。
フルネームを記すと字数をとりすぎるので、棋士の姓だけを順不同で記す。
藤井、中原(立会人)、佐藤康、羽生、米長、武者野、先崎、桐谷、野月、木村禿、
高橋道、渡辺、中村真、鈴木大、河口、行方。
まだ一人、二人漏れているかもしれない。段の総計はゆうに百だんを越える。
将棋会館以外の対局場にこれだけの棋士が集まった例を私は知らない。
「谷川先生が寄せているんです。詰まないはずがありませーん」佐藤棋聖は絶叫した。
トップ棋士の間でも、谷川の終盤への信頼は別格である。
しかし、谷川の電話に女流が出ることはなかった。もう寝てしまったらしい。
急転直下、谷川は投了を告げる。「もう少し早く、決断していれば・・・・」絞り出す
ような声でそうつぶやいた。
ところが、この後、事件が起こる。
110名無し名人:2006/05/30(火) 19:24:53 ID:C92AHlrO
光速の突撃3
ところが、この後、事件が起こる。
終局直後、立会人の中原永世十段はこう言った。
「驚いたねえ。谷川君は投げっぷりが良すぎるんじゃないかなあ。女流の部屋に
行って、ドアを叩いて、たたき起こせばいい。それでも十分に突撃は成立しているでしょ」。
誰もが投了やむなしと思った局面で、中原だけは、まだ突撃できることを知っていたわけである。
電話予告せずに突撃という妙手である。さらに中原はこう言った。
「ウフフ。谷川君から見て女流の部屋は、桂馬の位置にあるしね」。
「桂の中原」は、未だ健在である。棋譜を汚すまいとする谷川美学が裏目に出たとも言える
終局であった。
111名無し名人:2006/05/30(火) 19:38:45 ID:C92AHlrO
光速の突撃4
局後、数日して、記者は谷川宅を訪問した。詰まない玉を詰ませた事のある谷川が、
詰む玉を詰まさなかった。その影響を心配したからである。谷川はこう言った。
「いやあ、全国中継されてましたから、参りました。いつも、敗戦後はねこじゃらし
さんのHPで癒されるんですが。今回の突撃未遂で変態認定されまして。HPは閉鎖
されてました。エヘヘ」。
その谷川の屈託のない笑顔を見ていると、新しい谷川浩司の将棋が見られるかもしれない、
そんな予感がした。        完

谷川先生名人復位に向けて、頑張れー!!
 
112名無し名人:2006/05/30(火) 23:36:50 ID:uub8tOla
>>111
>谷川先生名人復位に向けて、頑張れー!!

そういう結論かい!
113名無し名人:2006/06/02(金) 13:58:40 ID:lhauceDv
光速の突撃ってw ワラタw
長いけど、よくまとまってるじゃん
今日は、勝てそうだな!!
114名無し名人:2006/06/02(金) 14:13:00 ID:cDQl+TZW
よくできてるね。
ネタ元は河口先生あたりかな。
115名無し名人:2006/06/02(金) 14:14:18 ID:cDQl+TZW
中原登場のタイミングとセリフが抜群だw
116名無し名人:2006/06/03(土) 20:39:59 ID:ZVPwvOOw
ID:C92AHlrO
4レスにわたる長編おもしろかった
中原の使い方が上手すぎるww
名人戦第六局前にも一作よろ
117名無し名人:2006/06/20(火) 13:32:43 ID:hE5WyweK
良スレage
118名無し名人:2006/06/20(火) 13:59:19 ID:YplNqUuG
谷川破れたり!
119名無し名人:2006/06/21(水) 02:07:41 ID:TTfzNgOA
光速でdat落ち
120名無し名人:2006/06/25(日) 17:44:35 ID:LWR4qzyJ
さようならタニー…
121名無し名人:2006/07/01(土) 15:47:45 ID:xMLVwuJg
保守age
122名無し名人:2006/07/07(金) 12:43:35 ID:HtSksYvh
カムバーック!タニー・・・
123名無し名人:2006/07/16(日) 01:17:49 ID:rVZe5wV4
このスレを見てるとタニ―の今の調子がわかるな・・・・
124名無し名人:2006/07/20(木) 06:04:25 ID:5rhVdOpK
道を颯爽と歩き続ける谷川。ここまでは予定通りの進行なのだろう。差し足が早い。
「谷川先生らしい前進流ですね。」と控え室から声が上がる。
実は、この日のためにしっかりとした対策を立ててきた谷川。地図を片手に道順を確かめながら着実に目的地へと迫っている。
「これでいいなら、今後はこの足順がそのまま定跡になりますね。」と若手棋士の声。
だがここで、谷川の足が急にぴたりと止まる。そのまま苦悶の表情で地図を見ながら長考に沈む谷川。
「ここでは当然橋を渡る一手なんですが、どうやら工事中のようですね。いやしかし、ここで橋を渡れないようではつらい。」と検討陣。
大長考の末、迂回路を進むことにした谷川。しかしこれでは明らかに劣勢である。
「どうやら雲行きが怪しくなってきました。」と検討陣。
ここで、突然の豪雨が谷川を襲う。かっこよく着こなしていたスーツが雨でびしょびしょになって、谷川無念の投了。
局後の谷川の話
「研究でうまくいくと思って指していたんですが、実際指してみるとやはり研究だけではわからないことがあります。長考しなければ雨に打たれずにすみました。」
125名無し名人:2006/08/13(日) 18:39:48 ID:sSU3BdjB
タニーがんがれー!!!!!!!!!!!
126名無し名人:2006/09/06(水) 04:20:44 ID:MyE8mIMm
このスレ好きなのでage
127名無し名人:2006/09/06(水) 05:39:59 ID:JwEzJ4Lg
>>124
わろす
128ズル坊 ◆yOpBJF4Fug :2006/09/06(水) 09:24:39 ID:aLEfMqRv
保守
129名無し名人:2006/10/04(水) 16:23:12 ID:W6p36BSj
ほsy
130名無し名人
「光速の通勤」
ゆっくりと電車のドアが開く。始発駅なので席に座るのが定跡となっているが、
少考した後ドアのそばに立った。控え室の森内名人は「あ、これは面白い手ですね」と一言。
確かにここで座ればこの後の展開は楽になるが、進展性が無くなる。
乗り降りの激しい駅で座れることを楽しみにしているのだ。
そしてあと1駅で座れるというところまで進む。しかしここで妙手があった。
運転の見合わせ。これには控え室からも感嘆の声が上がる。
谷川もここまでは読みきれていなかったようで、焦りの色が見える。しかしここで光速の寄せが炸裂する。
20分ほど考えた後、電車を飛び出し、タクシーに飛び乗ったのだ。藤井九段も「大胆ですがこれが最善手でしょう」とうなっている。
しかし頑張りもここまでだった。道路が大渋滞してしまったのだ。
ラジオからは運転を再開したとのニュースが流れている。ここで無念の投了となった。
局後の検討では「あのまま待つ」のがやはり良かったとの意見も出たが、谷川は「あそこはそうするしかなかった。動き出す気配はありませんでしたから」と悔しそうに語った。