1 :
名無し名人:
18世名人は誕生させんよ
2 :
名無し名人:2006/03/17(金) 01:14:25 ID:59SgLnCV
4sama
3 :
名無し名人:2006/03/17(金) 01:14:29 ID:DAN5b3lC
2?
4 :
名無し名人:2006/03/17(金) 01:16:29 ID:JgZbsA4R
羽生 「まず棋王戦で特攻を掛ける、半分は勝つつもりだ。その上でタニーが名人戦で森内を」
谷川 「はい」
羽生 「私もプレーオフに出るが、今度は私がタニーに挑戦を譲る」
谷川 「…四冠」
羽生 「今はタニーの方が優れている」
谷川 「四冠、今日からノーマルスーツを着けて対局なさってください」
羽生 「うん。タニーがそう言うのならな」
谷川 「ありがとうございます」
5 :
名無し名人:2006/03/17(金) 06:11:17 ID:DnkxV/Yz
さくらたんヽ(´ー`)ノ
6 :
名無し名人:2006/03/17(金) 06:53:37 ID:aQ271OEW
さくらたんヽ(´ー`)ノ
7 :
名無し名人:2006/03/17(金) 12:30:11 ID:4d/Bo0jA
>>4 谷川「雰囲気二冠になりそうな・・」
羽生「・・・・・」
8 :
名無し名人:2006/03/17(金) 12:43:07 ID:GhdyRVxZ
さくらたんヽ(´ー`)ノ
9 :
名無し名人:2006/03/17(金) 19:47:15 ID:0ksuhn5p
谷川・光速流(光速の寄せ)vs森内・鉄板流(強靭な受け)
10 :
名無し名人:2006/04/02(日) 18:06:49 ID:dT5+cE9p
さあ、谷川名人へのカウントダウンがはじまるよ。
11 :
名無し名人:2006/04/02(日) 23:29:20 ID:urZIiFA+
最強の矛と最強の盾
12 :
名無し名人:2006/04/03(月) 01:14:45 ID:eX2RL6Rx
危ないアニーが出て来なければよいが・・・。
13 :
あぼーん:2006/04/03(月) 01:19:14 ID:Kf257n9y
あぼーん
14 :
名無し名人:2006/04/11(火) 01:18:05 ID:FGwtjJ1k
過 力 あ |
ぎ が な |
る あ た | __
の り に | \ \
よ は | \/|\
__ _ノ /\|/ \
V / 、\ ヽ
/ 丿\\ ヽ
/ / 。 ヽ| | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
|| / __ _l | | 羽 倒 .あ |
||(r|/ 〈 (ノ〉 /(ノ〉 | < 生 さ .な |
|| λ ゝ l | | .が. .ね .た |
\ =ァ /⌒ヽ | | 死 ば を |
___ \_ ´ //| ̄ ̄|V| | ぬ : |
\  ̄ ̄ ̄| | |/ | ! : |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\|_|__| | |
\____ _/
15 :
名無し名人:2006/04/11(火) 01:18:54 ID:FGwtjJ1k
V レ Vv _レV |丿 丿ノ____-―――
――\__ \ / ̄ ̄_____- ̄ ̄ ̄ そ 羽
_______\_ノ〈″ \_/ ,________ れ 生
 ̄ ̄| ̄しj ̄| ̄ ̄\ミミ 彡 ノ ̄ ̄| ̄しj ̄| ̄ ̄ ̄\ が !?
\o0_ノ ミノ \o0_ノ ?
ノ ノ
- ____ ― \______ ―
16 :
名無し名人:2006/04/11(火) 01:19:39 ID:FGwtjJ1k
\/\|_\
/ / ̄ ̄ \
/ / 人 \ |
/ // ノ ヽ V | / ̄ ̄ ̄\
/ // / ヽ | | | 来 あ |
// / 。 i / | | る な |
| | 丿 ――-ソ _-―:/ | | の た |
| |(6γ υ ´て)` て)` | < が の |
___ || \ υ  ̄  ̄ { | | : |
\ \ `ヽ ゝ l`ヽ、 | | : |
遅 | \ ) 〔_〉 丿 ) | \___/
す > \丿 /| ̄ ̄|_丿/|
ぎ | \  ̄ ̄ ̄| | | /
た | \______|_|__|__/
の |
よ |
! |
____/
17 :
名無し名人:2006/04/11(火) 01:20:18 ID:FGwtjJ1k
ノし八丿 丿ノへ 丿ノノ )ノノし八丿 __ 八丿__
――=ニ二ヘ \_, ,_/__  ̄__―――丶
______,\_ノ〃 ぐ\/ 、_ ̄____,,,
/ ̄γ0。ヽ ̄\ミミ / ̄γ〇oヽ ̄ \"
丶 ゚ ノ ミ ミミミ ヽ ゜ ノ "
″ヽ _ __ノ ミ ミミ ヽ _ __ノ"
 ̄彡 ミミ  ̄ 彡
彡彡彡 彡 彡 ミミ
彡彡
彡彳
丿 人人人
彡彡 ) 遅 (
| ) す (
ヽ´ つ ) ぎ (
__ ) た (
|/  ̄ ̄ ̄\ ) : (
ヽ、 __ノ ) : (
 ̄ ̄ ) ? (
⌒ )人人人(
18 :
名無し名人:2006/04/11(火) 01:20:49 ID:FGwtjJ1k
0
―――-- __, __-―
_____, ___,, / ̄\
´ ̄ ̄(; ̄)丁 /(; ̄)丁 | な |
ー---― ー-― | ぜ |
ι | !? |
ι / ̄ ̄ ̄ /
丶 | 現 今 あ \
_〕 | わ に な |
(/ | れ な た |
__ | た っ は |
/ー―┘ | の て : |
\__/ | !? : |
\____ /
19 :
名無し名人:2006/04/11(火) 01:42:09 ID:FGwtjJ1k
/ /
/ / / ̄ ̄ ̄ ̄\
___/__/__ / ̄/ ̄ ̄ ̄\ | な 戦 あ |
/ / /Λ/ \ .| ぜ え な |
/ / , , |//====\ \| な る た |
/ / // 人 \\ | の じ は |
/ / //( ノ \ \\ _| ? ゃ こ |
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ へ, ゚ _ `ヽ // | ̄| な ん |
| な 守 守 あ | て) ~て) Υ) // < い な |
| い る る な > λ ι ;γ⌒/ |_ | ! に | _/
| と べ べ た | ( \ д (/ _/ \____/ _/
| い き き に | Λ| ̄|] ̄ ̄ ̄| /γ ´ ⌒`ヽ、 _/
| う も 人 は | \\|___|/ / | _/
| の の も | /三/ ̄ ̄/_/ | _彡 _ノ _/
| に も | |三| /_/ / ̄ /_/
| ! | /三/ /_/ / _/
\_____/ /三/ /_/ / _/ // /
_/ ∠_/\|_
_/ / ̄ ̄\_\ _
_/ / 从ノノし ノ 丁 / ̄\
_/ | l;)7" | || || なんだと!?
_/ | 丿 / \_/
_/ | 7っ /  ̄
_/ | / __
/ |〕 ̄ ̄ /
 ̄ ̄ ̄ ̄
20 :
名無し名人:2006/04/11(火) 01:44:26 ID:FGwtjJ1k
〇―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――
―°o〇0。―――O〇 ―――――――――――――――――――― 戦 守
―――――――――― ―――――――――――――― っ る
――――――――― 不 そ ―――――――――――――――― て べ
☆○。o――――― 自 れ ―――――――― ζ .は き
―――――――― 然 は ―――――――― ζ,,,、、、、 い も
―――――――― な ――――――――― ィδδ iμ け の
―――――― m の 。o〇0゜ ―――ξ仁二ヘ、- ノ \ な が
―― ―/⌒\ よ ―――――――――― ヾ||7 ̄"⌒ヽ い な
― 人 ヽ/ /し ――――――――――― |||"= \ \ の く
ノ σσl⌒ヽ _)―°o〇0。―――O〇 ―― ノ====〃 \ \ か て
(_ 入 θノ ノ /―°―――――――o / ハ ノ \ \
/ V ̄) ̄ ノ⌒\_ ☆○。 o――――― ^| /\ /i ヽノヽ、
/ ζ 〃(__/〜〜〜 \ しノ | / \,ミ
/ λ \__〜 \_ | /
|_〜〜〜, 〜〜~~ ノ ――――。。゜Oo /V/ ――――――
ω~〜〜´  ̄ ̄ ̄( / /
| λ ~~~ )―゜。o。゜――― / /―――
oO゜。―| ~~~~ ( |ノ´ ――――――
し〜へ\ \ ノ――――――――
o―――― ⌒\_\ 丿\ノ――――――――――。。゜Oo
\ノ
゜。o〇0゜――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
21 :
名無し名人:2006/04/11(火) 01:45:44 ID:FGwtjJ1k
――――――――゜。O☆Oo ――― o0。
〇―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――
―°o〇0。―――O〇 ―――――――――――――――――――― で
―――――――― 私 人 私―― ――――――――――― タ は
――――――――― は の を―――――――――――――――― ニ :
☆○。o――――― 戦 為 救 ―――――― ζ ィ
―――――――― っ に っ ―――――― ζ,,,、、、、 .は
―――――――― て : て ――――――― ィδδ iμ な
―――――― m い : く 0゜ ―――ξ仁二ヘ、- ノ \ ん
―― ―/⌒\ る れ ―――――――― ヾ||7 ̄"⌒ヽ だ
― 人 ヽ/ /し わ た ――――――― |||"= \ \ ?
ノσσl⌒ヽ _)―°o〇0。―――O〇 ―― ノ====〃 \ \
(_ 入 θノ ノ /―°―――――――o / ハ ノ \ \
/ V ̄) ̄ ノ⌒\_ ☆○。 o――――― ^| /\ /i ヽノヽ、
/ ζ 〃(__/〜〜〜 \ しノ | / \,ミ
/ λ \__〜 \_ | /
|_〜〜〜, 〜〜~~ ノ ――――。。゜Oo /V/ ―――
ω~〜〜´  ̄ ̄ ̄( / /
| λ ~~~ )―゜。o。゜――― / /―――
oO゜。―| ~~~~ ( |ノ´ ――――――
し〜へ\ \ ノ――――――――
o―――― ⌒\_\ 丿\ノ――――――――――。。゜Oo
\ノ
゜。o〇0゜――――――――――――――――――――――――
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22 :
名無し名人:2006/04/11(火) 01:46:18 ID:FGwtjJ1k
―――___――――――――――
――/ / \―0。――〇―――――――
―-/ /\ \――――――o〇°――――
― |/ \ | ――〇0。―――――Oo――――――――
O - |_。 __\ | ( ―――――――〇0°――――
― _0) __0″||6) | (从Vvレ 「君は僕にとって突然過ぎて・・」
――| ⌒ヽ /_ vV
― γ\ − /( )ー 入v 「あなたは私にとって遅すぎたの」
― 人_ く 6)vw
―――― ヶ \v
―――゜°〇o―― \_ノ ―――0o〇。――――――
―°o〇0。―――O〇 ―― \
――――――O゜°o―――――o。――――――
―Oo。――――°゜O。――゜°。o――――――
23 :
名無し名人:2006/04/12(水) 04:46:05 ID:Oz67lv9G
/゙ミヽ、,,___,,/゙ヽ
i ノ 川 `ヽ'
/ ` ・ . ・ i、
彡, ミ(_,人_)彡ミ∩___∩
∩, / ヽ、, ノ | ノ ヽ
丶ニ| '"''''''''"´ ノ / ─ ─ |
.__,, -∪⌒∪" ̄ ̄∪ | ( _●_) ミ__
( __,, -──── 彡 ,,__(,,..)__ /__)
(_,,___.._______,,_____)
24 :
名無し名人:2006/04/13(木) 08:07:05 ID:gjqtD6UR
25 :
名無し名人:2006/04/15(土) 19:06:11 ID:HeQ1+GLb
26 :
25:2006/04/15(土) 19:07:29 ID:HeQ1+GLb
序章 米長の策略、島の思惑
「名人戦問題は将棋で解決へ」(産経新聞文化面より)
毎日新聞と朝日新聞との間でかねてより懸案となっていた将棋・名人戦の主催問題は、いよいよ盤上へと持ち越されることになった。
泥沼化の様相を見せたこの問題で、本日朝日側より双方代表者を5名ずつ選抜し、先に3勝したほうを時期名人戦及び順位戦の主催とする
ことが提案され、毎日側もこれを承諾。将棋の問題は将棋で決着をつけることとなった―。
@将棋会館理事長室
米長「すべてこちらの予定通りだ。毎日もすでにあの3人をこちらで押さえているとは思うまい。島君、ありがとう。君のおかげだ」
島「会長、そんなに頭を下げられてはこまります。我々はあるいは将棋仲間に白眼視され、あるいはファンから罵倒されるかもしれない。
しかし、将棋会の変化と生き残りのためには誰かがやらねばいけないことです。羽生さんも森内さんも佐藤さんも、苦しい決断をよくしてくれました」
米長「しかし、やはり一番の功労者は島研主催の君だ。なーに、勝てばファンも世間も分かってくれるよ」
27 :
25:2006/04/15(土) 19:09:26 ID:HeQ1+GLb
第1章 将棋界の激震
名人戦主5番勝負は双方6人の代表を送り、先鋒戦は毎日側が香を引き、次鋒戦は朝日側が香を引く香落ち戦(各持ち時間3時間、以後一手1分)、
3将戦が一手30秒の超早指し、副将戦が持ち時間9時間、以後一手1分の2日制、大将戦が持ち時間20時間、以後一手1分の中断なしと決定した。
@神戸谷川邸
毎日工作員「先生、お願いです。まさか羽生先生や森内先生がすでに朝日側に押さえられていようとは。毎日の名人戦を救えるのは、
もはや谷川先生をおいてほかにございません!」
谷川「………。わかりました、毎日に育てていただいた十七代永世名人として、この谷川微力ながらお力添えさせていただきます」
毎日工作員「ありがとうございます!これで名人戦の伝統も守られます」
谷川「しかし序盤の形勢はすでにこちらに不利か。今後いったい何人がこちらの味方をしてくれるのか…」
毎日工作員「では谷川先生、大将をよろしくお願いします」
谷川「…、いや私は先鋒ででよう。こういった団体戦は緒戦が重要」
毎日工作員「いや、しかしっ。先鋒戦はこちらが香落ちで不利で、いわば捨て試合。森内や佐藤が出てきたら谷川先生といえども
勝てる確率は高くないのでは」
谷川「私の四間飛車は一部でえらい不評のようだが、私はどうもあの角側の香車を9八に上がるのが嫌いでね、いらぬ苦労をしているよ。
しかし香落ちなら最初から各側に香はない。その一手の差で攻めちぎる高速の四間飛車をお見せするよ」
毎日工作員「しかし…」
谷川「それに香落ちは上手の不利ばかりではないんだよ」
毎日工作員「?」
谷川「上手は振りゴマなしで先手が確定している。先手のときの谷川は、はっきり言って強いよ(笑)」
28 :
25:2006/04/15(土) 19:10:29 ID:HeQ1+GLb
第2章 米長、自陣を固める
@東京の某料亭
渡辺「だから、今回僕はどちらにも味方しませんよ」
森下「しかし将棋界を代表する竜王が傍観というわけにもいかないでしょう。棋界の発展のため、私と島先生を信じてその身を預けて欲しい」
渡辺「森下先生に頭を下げられてもだめなものはだめです。僕は野球は巨人、将棋は竜王の読売派です。ここで朝日派や毎日派に組するわけにはいかなですよ。だいたい僕は生粋のタニオタですよ。それを竜王の席にあればこそ、こうして中立を保っているんです」
森下「そうか、ここまで頼んでも駄目か。仕方がない、君からもぜひ渡辺先生を説得してみてくれ」
一人の男がふすまをあけて現れる…
渡辺「あーーー、これは禁じ手ですよー。断れなくなっちゃったじゃないですか…、困っちゃうなぁ」
森下・伊奈「渡辺先生、頼みますっ!」
29 :
25:2006/04/15(土) 19:11:10 ID:HeQ1+GLb
@将棋会館理事長室
米長「そうか、渡辺君もこっちについてくれたか。これでこちらは羽生、森内、佐藤康光に渡辺、郷田、藤井、深浦、森下、鈴木…。
丸山や三浦、久保は傍観のようだが、どうやら勝ちが見えてきたな」
西村「ええ、毎日も谷川君一人じゃいかんともしがたいでしょう」
30 :
25:2006/04/15(土) 19:14:56 ID:HeQ1+GLb
第3章 東西の対立、世代の亀裂
@関西将棋会館
井上「我々谷研が…、いや関西の棋士が谷川先生を見捨てるはずないやないですか。そんな頭を下げんといて下さいよ」
阿部「羽生とは僕がやります。いいですね、先生」
谷川「ありがとう、君たち。この谷川、大きな勇気をいただいたよ」
ややあって、4〜5人の男が決意を秘めた表情で入ってくる
高橋「谷川先生!我々に声を掛けてくれないとは、ずいぶん水臭いじゃないですか。盤上で互いに会話し、切磋すること20余年。その間に培った友情は会長や朝日工作員の工作ぐらいじゃ壊れませんよ」
福崎「残念ながら島先生と寅ちゃんはあちらについたようですが、55年組みの大将はあんたやねんから」
中村修「まだまだこの力、将棋界のために役立たせてもらうよ」
塚田「私では役者不足かもしれんが、なんなりと言ってくれ」
そして静かに手を差し出した男
南「………」
谷川「ありがとう、ありがとう、みんな」
福崎「おや、谷川先生目が赤いでっせ。もう年やなあ」
31 :
25:2006/04/15(土) 19:15:42 ID:HeQ1+GLb
さらに遅れて井上が一人の若者を連れて入ってくる
若者「あー井上先生、そんな背中を押さないでくださいよー。谷川先生が出られるなら、僕がほっとけるはずないじゃないですか…」
谷川「!!。もしかしたらこれは君の未来を閉じてしまうかもしれない。ただでさえ勝ち目の薄い戦いだ。本当に我々と戦ってくれるのかね、山崎君!」
山崎「もちろんです。なんていっても僕と先生は谷研の両エースなんですから」
山崎(しかしこれは、想像以上にピンチだな。谷川先生や阿部先生はともかく、あとのお人は正直敵に勝てる相手じゃないぞ……)
32 :
25:2006/04/15(土) 19:16:32 ID:HeQ1+GLb
第4章 関西の夜空に乾杯
@難波駅近くの居酒屋
山崎「すいません、何の相談もなしに決めてしまって」
森信「そやったか、君はもう谷川先生に着くことを決めたか。わしも米長会長から君を味方につけるよう頼まれたんやが、、
一手差でわしの負けか。あいかわらずさえんなあ〜」
山崎「(笑)。先生、もう出ましょう」
店をでてネオンが光る夜空を見上げる2人
森信「決めたことは、まあしゃあない。あいつが生きてたら、やっぱり君と同じ決断をしただろうねぇ」
山崎「………」(先輩、谷川先生は僕がちゃんと守りますから、空から見とってください)
33 :
25:2006/04/15(土) 19:17:17 ID:HeQ1+GLb
@京都の高級料亭
米長「なんじゃ、こんなところまで呼び出して。谷川のやんちゃを許した侘びでも入れにきたんか?」
初老の男「まあまあ、そういきり立たんと今夜は久しぶりに2人で飲もうやないかあ」
しばし酒を酌み交わす2人―
初老の男「今度の戦争は普通にやれば米さん、あんたの勝ちや。だがあんたが本当に勝たんといかんのは毎日新聞や谷川やない―、世間や」
米長「?」
初老の男「これだけの大見世物や。スポーツ誌の一面を飾り、テレビでバンバン流されて、世間の耳目を大いに将棋に集めなあかん。
大将戦が地上波で流されて、30%以上の視聴率を取ったときがあんたの勝利や。ただコテンパンに勝つだけじゃあかん!」
米長「つまり敵にも塩を送りながら劇的に演出しろと…。今や若手の棋士や毎日工作員から『連盟の独裁者』などと揶揄されている私に、
それだけのものが言えるのは、今や日本中であんただけだよ、内藤さん」
内藤「この戦争はチャンスや。世間の耳目を集め、羽生を谷川を、将棋棋士を世間にどんどんアピールせんとあかん。
それは米さん、あんたにしかできん仕事や」
34 :
25:2006/04/15(土) 19:19:16 ID:HeQ1+GLb
第5章 目立ちたがりの師弟
@米長亭
米長「おまえがここに来るのは久しぶりだな。内心では朝日への名人戦移管に反対なのだろう、おまえは」
中川「それは先生なりの深いお考えがあってのこと、もうとやかく言う気はありません」
米長「じゃあ、要件はなんだ。棋士の面子はもう足りているぞ」
中川「先生、あなたは朝日側の大将です。では毎日側の大将は誰ですか」
米長「谷川、、だろうな。流れから行けば」
中川「その谷川先生は自ら不利な先鋒で戦うという話です。なのに朝日側の大将である先生がのうのうと
後ろで見ている、というのはないでしょう」
米長「お前、引退して何年にもなるわしに将棋を指せというのか!」
中川「…」(谷川先生、井上先生、阿部…。今の俺にしてやれるのはコレぐらいだ)
米長「…、まったくお前といい、内藤といい。分かった、わしも5戦のどこかで戦おう」
米長「ところでこんな時、いの一番にかけつけてきそうな、あの騒がしい方の弟子はどうしたんだ?」
35 :
25:2006/04/15(土) 19:19:51 ID:HeQ1+GLb
@先崎亭
先崎「米長先生からまだお呼びがかからないとは。順位戦はB2、竜王戦も2組陥落となればさびしいもんだな…。
いや、俺はこんなところでは腐らない。日のあたる場所でもう一度将棋を指すんだ。カメラのフラッシュと大勢の観衆が見守る前で、
先崎の将棋を指すんだー、よしあの男のところへ行こう」
@都内のシャンパンバー
先崎「森内先生、頼む!!!!!!!」
森内「分かった、分かった。島先生の熱意には負けたが、私だって現名人として毎日新聞を裏切るようなマネはつらいんだ。
それに私がいると大将をどちらがやるかで羽生さんともめてしまいそうだしね。しかし先崎さん、僕が辞退するからといってすんなりと
君の代打が認められるとは限らないよ。郷田さんや藤井さんも出たがっていたからね」
先崎「ありがとう、森内先生。それは大丈夫だ、君は当日急に体調不良になってくれればそれでいい。
そしたらある方と一緒に僕が会場へ駆けつけるから…」
森内「そんな、急に先生だなんて言っても不気味だぞ」
先崎「あ、そうそう。辞退する前に先鋒を買って出るのを忘れないでくれよ、森内君」
36 :
25:2006/04/15(土) 19:20:32 ID:HeQ1+GLb
第6章 究極のつながり
@将棋会館会長室
朝日工作員「米長会長が自ら出るですって!」
米長「ああ、そうだ」
朝日工作員「もう何年も将棋を指していらっしゃらないんでしょう?」
米長「ああ。どれくらい腕が落ちたかと思ってC2の長岡君やフリクラの瀬川君と指してみたが、10回やって3度勝つのがやっとだ。
あと2ヶ月必死で勘を取り戻したとして、現役のB1クラスに勝つのは難しいだろうなあ」
朝日工作員「なのに、なぜ…」
森下「まあ、こちら側は羽生、森内、佐藤、渡辺で確実に3つは勝てる。一つぐらい落としてもいいじゃないか。それに米長会長自らが
出るとなれば世間の注目も一層高まる。主催の両紙にとってもいいことじゃないですか」
朝日工作員「いや、まあ、それはそうですが…」
米長「森下先生、そんな甘いことを考えているから君はなかなかタイトルが取れないんだよ。やるからには勝つ。5戦すべてに勝つ。
そのためには盤上でも盤外でも、あらゆる手段を講じるよ。まあ見てなさいって」
森下「……」(久々に見る勝負師、米長の顔だ。私はまだまだ甘いな…)
37 :
25:2006/04/15(土) 19:22:37 ID:HeQ1+GLb
@毎日新聞本社応接室
毎日側工作員「今からルールを変えるですと!」
米長「そう、2日制の副将戦をなくして、かわりに早指し戦の前にペア戦を入れようというのだ。ペアでお互いに一手交替で指す。
持ち時間は1人当たり2時間で使い切ったら一手1分以内の秒読み。そして、そのペア戦には私自らが出場する」
毎日工作員(米長さんはかつての強豪とはいえ、すでに現役をしりぞいて久しい…。ただでさえ苦しいこちらとしては、
敵陣が少しでも薄くなるのは願ったりかなったりか?)
毎日工作員「わかりました、そのルール変更お受けします」
38 :
25:2006/04/15(土) 19:23:34 ID:HeQ1+GLb
@将棋会館会長室
島「ペア戦とは考えましたね、会長。確かに今の棋力が勝敗に直結しにくいルールですね。ところで会長はペアを誰と組むのですか。
やはり羽生さん、あるいは弟子の中川君?」
米長「いやいや。ペア戦に大事なのは棋力の合計よりも2人の呼吸だ。私には女房よりも長く盤を挟んで時間を過ごした人がいるんだよ。
対局中の彼の思考、形勢判断、次の一手…。目をあわせることすらなく、私には読めてしまうんだよ。そしてそれは彼にとっても同様だろう」
島「…と、いうと」
その時一人の男がひょっこりと部屋に入ってきた。
男「次の一手がペア戦とは、驚いたね。米長さん、あんたは昔から私を驚かせてばかりいる。これはいよいよ私の出番かな」
米長「ああ、頼むよ、中原十六世永世名人」
39 :
25:2006/04/15(土) 19:26:19 ID:HeQ1+GLb
@関西将棋会館
谷川「ペア戦か。米長会長が自ら出るという以上、相手は中原永世十段だろう」
井上「こちらはどうします?タイトル獲得暦なら森内佐藤にも引けをとらない高橋・南か。あるいは敵の将棋感を狂わせる異能コンビの福崎・中村か」
谷川「いや、ペア戦で重要なのは棋力の総合や棋風の相性よりも互いの呼吸だ。その点において米長・中原コンビを上回るものは我々の中に残念ながら…」
バン!その時強く扉を開ける音がして2人の男が駆け込んできた
男A「朝日はついに墓穴を掘りましたね!」
男B「今度の会長と朝日新聞のやり方は道義にもとると思ってはいたものの、我々の棋力ではとても対抗戦に出るだけの力はないと悔しい思いをしておりました」
男A「しかし、ペア戦となれば話は別。会長と中原先生がいかに以心伝心と言っても、この世に我々より息のあったコンビなんて存在しませんよ」
男B「何せ生まれたときから一緒ですから(笑)」
男A「いままでの対局数、練習将棋を合わせたら10万局じゃすまないでしょう」
井上「畠山兄弟!そうか、彼らがいたか」
谷川「任せたぞ」
畠山鎮「了解です、全力を尽くしますよ」
畠山成「きっと勝って、大山先生の墓前に報告に行きますよ」
40 :
25:2006/04/15(土) 19:27:04 ID:HeQ1+GLb
第7章 朝日の謀略
@谷川邸
谷川「それじゃあ香落ちの下手は君が引き受けてくれるんだね」
井上「ええ、プライドの高いお歴々は香落ちの下手なんてやりたがらないでしょう。相手が誰であれ、香を引かせて負けたなんていい恥さらしです。
それなら個人戦4人の中で一番力が落ちる私がでるのが順当です。それに私には谷研のメンバーしか知らないあれがありますから」
谷川「!あの井上流筋違い銀か!確かにあれは一度見たぐらいで破るのは至難の業だ。ましてや駒落ちなら。しかし筋違い銀はいつかタイトル戦に
出たときのためにと君が長年温めてきた戦法。こんな勝って当然の駒落ち戦で使ってしまっていいのか?」
井上「お恥ずかしい話ですが、私は心の底でタイトルに挑戦することを、もうあきらめてしまっていました。ならば今度の5番勝負が私の将棋人生の
ハイライトです。心置きなく使わせてもらいますよ」
谷川「…、…、慶太、ありがとう…」
41 :
25:2006/04/15(土) 19:30:12 ID:HeQ1+GLb
@朝日新聞会議室
朝日上司「バカモン!山崎君が毎日側についたというではないか。彼はトップ棋士をも倒すポテンシャルを秘めている。
彼と谷川さんが勝ち、万が一会長ペアが負けるようでは、我が社の悲願、朝日の名人戦がまた遠のいてしまう。何としてでも谷川か山崎君の出場を阻止せよ」
黒い朝日工作員「ハッ!」
@九段下の交差点
キキー、ガシャン!!!ゴン!
ピーポー!ピーポー!
NHK村上アナ「本日九段下の交差点でタクシーに乗用車が突っ込む事故がありました。タクシーに乗っていたのは日本将棋連盟の
井上慶太八段と山崎隆之六段。2人は現在大きな注目を集めている名人戦移管5番勝負の毎日側棋士として知られており…」
42 :
25:2006/04/15(土) 19:33:00 ID:HeQ1+GLb
@東京の某病院
息を切らして駆け込んでくる複数の男たち
谷川・福崎など「慶太ー、山崎ー」
包帯で腕を吊った男が病室から現れる
山崎「ああ、谷川先生、福崎先生。このたびはお騒がせしました」
福崎「お前、ケガは大丈夫なのか?」
山崎「ええ、僕はこの通り左腕上腕の骨折だけで1週間ほどで退院できます。とっさに井上先生が体を張ってかばってくださいましたから」
谷川「慶太は?」
山崎「…、井上先生は命に別条はないものの右手、右足を骨折されて今は面会謝絶の絶対安静だそうです。今度の戦いには間に合いそうも…」
谷川「そうか…。まあ、命が無事ならそれで。しかし、誰が、こうまでして…」
ドン! 腕で壁を叩く大きな音
山崎「谷川先生!僕は降りませんよ。いや、むしろ無性に闘志が湧いてきました。井上先生のカタキは盤上で取らせて下さい!」
谷川「ああ、分かった。だが今後事故や悪質な妨害には細心の注意を払えよ」
福崎「ところでお前さん、たしか腕を骨折したんじゃぁ…」
山崎「あっ、あ〜〜。痛い、痛い、痛い。福崎さん痛いです。とても将棋なんかさせません!!!」
谷川「………」
43 :
25:2006/04/15(土) 19:34:38 ID:HeQ1+GLb
@朝日新聞会議室
米長「お前らかっ、こんなバカなことをやらかしたのは!」
朝日上司「いや、我々は何も知りませんよ」
米長「ふん、そう言うならまあ信じよう。しかし、谷川には手を出すな。あいつは将棋界の宝だ。俺がなれなかった永世名人になった男だ。
あの男の損失は今後の将棋会にとって大きすぎる。いいか、わかったな」
朝日上司「だから、我々は一切事故には関知してませんって」(あんたが出るなんて言い出さなきゃ、我々としても高みの見物ができたんだよ…)
44 :
25:2006/04/15(土) 19:37:25 ID:HeQ1+GLb
第8章 陣容固まる
@関西将棋会館
谷川「じゃあどうしても大将はいやだというんだな」
山崎「敵は羽生先生が大将で来るみたいだし、阿部先生にやらしてあげればいいじゃないですか」
山崎「それに僕は、こんな長時間の将棋では羽生先生や森内先生には勝てる気がしません」
谷川「だからと言って…」
山崎「なのに早指しなら渡辺君といえども51%ぐらいの確率で勝てる気がするんですよ。いいじゃないですか、
谷川先生と誰が出るにしても香落ちの下手で勝って2勝。あとは僕が勝てば3勝です」
谷川「………。正直君のそういった明るさ、突き抜けたような気楽さはうらやましい。しかし勝負というものは、
5番すべてに勝つつもりで叡智を結集せねば決して勝てないものだよ。捨て試合を最初から織り込むようでは、
山崎君、君もまだまだ名人にはなれないよ」
山崎「そんなもんですか?」
45 :
25:2006/04/15(土) 19:41:00 ID:HeQ1+GLb
@後日の関西将棋会館
対戦表を持って飛び込んでくる山崎
山崎「た・に・が・わ先生! 何ですかこの2人は?」
谷川「ん? その2人がどうかしたかね」
山崎「どうかしたかねじゃないでしょう。まずは香落ち下手の天野さん。アマとしては確かにすばらしい実績をお持ちですが、
あの佐藤先生に本当に勝てるとお思いですか?」
谷川の後ろから現れた車椅子の男
井上「その佐藤先生というのが問題なんだよ」
山崎「あ、井上先生。もう退院されたのですか?」
井上「ああ、心配かけたね。相手が佐藤康光とあっては、正直、私が出ても香落ち下手で必ず勝てるとは限らない。
あの紙一重の攻めを正面から受けずに、香落ちが生きるように受け流せるのは森内、丸山ぐらいか」
山崎「こちらには受ける青春の中村先生だっているじゃないですかー」
井上「それでもギリギリ届くかどうか。しかし佐藤とて弱点がないわけじゃない。あの男、意外と相手の棋力によってヘンテコな将棋を指してしまう」
谷川「君も前年のNHK杯、覚えているだろう。中井女流を相手に、絶対負けられないプレッシャーでガチガチになっていたのを。
ましてや今度は地上波とBSでのリアルタイム中継が決まっている大一番。しかもアマチュアが相手となれば絶対負けるわけにはいかない。
想像を絶するプレッシャーがのしかかるよ」
井上「それにもし、アマチュアで万が一を起こせるとしたら天野さんをおいて他にはいないだろう。確かに清水上アマや桐山アマなども強いが、
天野さんはなんというか仙人のようなつかみどころのない雰囲気があるんだよ」
山崎「確かに、駒落ち戦のことは納得しました。でも大将は、何で糸谷なんですかぁ」
46 :
25:2006/04/15(土) 19:42:20 ID:HeQ1+GLb
井上「糸谷君は谷川先生も認める俊才だよ。将来の名人候補だ」
山崎「そんなことは知ってますよ。僕が名人になるとしたら、蹴落とさなくてはいけない一人です。でもそれは将来の話。
今現在の糸谷が羽生先生に勝てる確率は1%以下です。阿部先生なら、あるいは10%や20%は…」
谷川「いや、阿部君でも正直1%以下だろう。こういった大一番での羽生善治という男の強さ、天運とか指運とかを含めた
神がかり的な強さは私が一番知っているつもりだよ」
山崎「だったらなぜ、糸谷にそれほどの力があるとでも…。5戦全部勝ちに行くと言ったのは谷川先生ですよ!」
谷川「2人とも別室に来てもらえるかな…」
@関西将棋会館特別室
山崎「なんですか、やけに思わせぶりですね」
谷川「実は糸谷君は当て馬なんだよ」
山崎・井上「!」
谷川「当日、彼が急病を起こし、代打をたてることになっている。なにこの代打制も厚い陣容を誇る米長会長側が提案してきたことでね」
山崎「それを逆手にとるんですね。糸谷君が急病で再び谷川先生が戦われると!」
谷川「いや、1度戦ったものはさすがにもう1度は出られない」
山崎「谷川先生じゃないとすれば、じゃあ、変わりに誰が出るんですか?」
谷川「それが私も知らないんだ」
山崎「はぁ?」
井上「えええぇ!」
谷川「糸谷君が心当たりがあるから必ず連れてくると言っていてね」
井上「大丈夫なんですか、その話。小池重明みたいな未知の強豪なんてそうそういるはずがありませんよ」
谷川「私はその彼を直接は知らない。しかしその強さは棋譜を見ればすぐに分かるよ」
山崎・井上「あるんですか?その未知の男の棋譜が!」
谷川「ああ、君たちも見るといい」
47 :
25:2006/04/15(土) 19:43:08 ID:HeQ1+GLb
数十分後…
山崎「はあ、見事だ。多彩な序盤、変幻自在の中盤、鋭く確実な終盤…。世の中は広いもんですねえ」
井上「これほどの人が世に知られてないとは。しかもこれはかなり早指しでの棋譜と言うではないか。しかし、糸谷君は彼をどうして見つけたんだ?」
谷川「山崎君はインターネットとかはしなんだってね?」
山崎「ええ、興味がないわけじゃないんですが、僕がさわったパソコンはなぜかすぐに壊れるんですよ。だからしたことはありません」
谷川「そうか。私もインターネットのことはよく知らないんだが、糸谷君はインターネットを通じて彼と知り合ったそうだ」
谷川「これが糸谷君と彼の対戦棋譜だよ」
山崎「うーん、やはり強い。この先手の▲housinとかいうのが糸谷君ですね」
谷川「どうもそうらしい」
山崎「そして、この後手の…、これはいったい何と呼ぶんです?」
谷川「なにか難しい名前の人みたいだな。糸谷君は彼を確か"出串さん"と呼んでいた気がするが」
山崎「ふーん、日本人なんでしょうか。そのデクシさんとか言う人は」
48 :
25:2006/04/15(土) 19:44:12 ID:HeQ1+GLb
終章 最後のサプライズ
@幕張メッセ
NHK村上アナ「さあ、全国1億2千万人の将棋ファンと野次馬が注目する名人戦移管5番勝負! いよいよ第1戦が本日14時より始まります」
@朝日側控え室
電話の前でおろおろする男と、数人の朝日側関係者
朝日工作員「なに、森内名人が急病で倒れた!?」
米長「なんということだ。毎日側の決死の陰謀か? 仕方がない、郷田か藤井をすぐに呼べ。いや駒落ち戦なら木村がいいか…」
そこへあらられた大柄な男
大男「米長さん、なんか大変なことになったらしいね」
米長「ああ、あんたか。実は森内名人が急病になって…。いっそ私が出るか」
大男「あんたはペア戦を戦うんだろ。あんたと中原さんぐらい息が合っていないと、あの双子には勝てないよ。
よし、ここは朝日応援団長の私が代わりに出よう」
米長「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ、加藤先生。あんたは急に何を言い出すんだ」
加藤一二三「私だってやせても枯れても元名人。その私に一切相談なしにすべてを決めたんだ。
こんな時ぐらい私のわがままを聞いてくれてもいいだろう」
米長「あー、わかったから落ち着こう、加藤先生。あんた駒落ちなんて40年以上指したことないだろう?
香落ちの下手で有効な戦法はなんだ?」
加藤一二三「そんなもの棒銀に決まっておる。破壊力は抜群だし、必ず上手陣を粉々に粉砕してくれる」
米長「だめだ、やっぱりあんたには任せられん」
49 :
25:2006/04/15(土) 19:45:28 ID:HeQ1+GLb
そこにさらに駆け現れた小太りの男
先崎「師匠、セレモニーが始まりましたよ。森内さんはまだ来てないんですか?もうヘリに乗り込んでパラシュートを
着けないと間に合いませんよ!!」
米長「おお、先崎か。お前、香落ち下手の有効戦法は?」
先崎「もちろん端攻めです」
米長「よし、代わりにお前が行けっ!」
先崎「?」
米長「だから森内が急病なんだ。なんでもいいからすぐ行って谷川を倒して来い」
先崎「分かりましたぁ!」
大慌てで走り去る先崎、見送る米長
米長「しかし、あいつは何で手伝いに来てるはずなのに、落語家みたいな衣装を着ていたんだ?」
NHK村上アナ「それでは世界が注目する世紀の5番勝負、幕開けです―」
そして熱戦の火蓋は切って落とされる。
…………朝日新聞………毎日新聞
先鋒戦…先崎学…………谷川浩二(谷川の香落ち)
次鋒戦…佐藤康光………天野高志アマ(佐藤の香落ち)
ペア戦…米長・中原組…畠山鎮・成幸組(一手交替)
副将戦…渡辺明…………山崎隆之(一手30秒)
大将戦…羽生善治………糸谷哲郎(デクシ捜索中)(持ち時間20時間休憩なし)
50 :
25:2006/04/15(土) 19:48:18 ID:HeQ1+GLb
以上で完です。
チラシ裏にしてしまって、どうもすいません。
こんな長ったらしいのを読んでくれた人がいたら、どうもです。
自分は棋力が24の1600ぐらいしかないので、実際の戦いはとてもとても書けないです。
かけそうな人がいたら、どんどん勝手に続けてください。
天野アマとか、デクシとか知らない人がいたらごめんなさい。
適当に質問スレでも行って下さい。
51 :
名無し名人:2006/04/15(土) 20:02:59 ID:dp4dS/eX
>>25 3行とはいわないけど、10行にまとめた「あらすじ」をつけてくれ
52 :
25:2006/04/15(土) 20:10:17 ID:HeQ1+GLb
>>51 朝日と毎日がけんかして、米長と朝日の陰謀により毎日はピンチに。
決着を双方推薦の棋士同士で戦って決めることに。
そこに立ち上がった谷川九段。関西棋士や55年組は谷川と共に毎日に。
しかし羽生森内渡辺など、強豪棋士はのきなみ朝日と米長に味方。
なんやかんやあって、米長が自ら出陣を決意。だたし中原と組んでのペア戦。
そんな時、山崎と井上の乗ったタクシーが事故に。朝日工作員の仕業か?
苦境続きの谷川陣営は奇策に出る。天野アマとデクシを引っ張り出すことに…
一人悩む先崎は、森内の代打として出られるよう、策をめぐらす。
世間の大注目の中、1戦目の幕があける。
10行以下にまとめるとこんな感じ。
福本伸行の「天」東西決戦編と、「金と銀」競馬編のパクリ
1行にまとめるとこんな感じです。
53 :
名無し名人:2006/04/15(土) 20:20:46 ID:E0NJnVym
>>25 いや、面白かったよ。
つーか、これくらい盤外が盛り上がれば将棋ファンも増えるだろうに。
54 :
名無し名人:2006/04/15(土) 20:25:00 ID:Kl2WuY70
森内名人が 最後に羽生の前に出るオチだけはなしねw
やっぱ、金銀が元ネタなら 外国からの刺客にしないと・・・。
55 :
名無し名人:2006/04/15(土) 20:26:39 ID:2NN4m/3f
乙です。
面白かったす。 天野アマとデクシはやっぱわからんけど。
加藤棒銀はワラタ。
56 :
コスモス:2006/04/15(土) 20:32:10 ID:VC+ByqV6
最高です。笑えました。>25
57 :
名無し名人:2006/04/15(土) 20:47:13 ID:Kl2WuY70
>>50 それにしても、 香落ち上手の 攻めちぎる 高速の四間飛車 ですか。。
いきなり一局目から 限定がおおきい 難しい注文ですねwww
第1局の 顛末・落ち は、頭にあるんだが 、
4間で攻めちぎる上手の棋譜がつくれるかどうか・・。
58 :
名無し名人:2006/04/15(土) 22:02:49 ID:RhTA8wep
これまで将棋板で見たネタ作品では最高傑作のひとつと思う。
ほんと楽しめた。作者さんにはありがとさんです。
個人的予想では・・・
先鋒戦…●先崎学…………谷川浩二○(お約束どおり先ちゃんの大ポカ)
次鋒戦…○佐藤康光………天野高志アマ●(佐藤が鬼になる)
ペア戦…○米長・中原組…畠山鎮・成幸組●(貫禄違い)
副将戦…●渡辺明…………山崎隆之○(山崎の意地)
大将戦…羽生善治………デクシ(???)
大将戦だけは分からない。
羽生が1人2役というオチとか?
それじゃドタバタか…(^^;)
59 :
名無し名人:2006/04/15(土) 22:13:23 ID:HCqOXxah
ペア戦では読み上げに林婆登場ですね。
60 :
名無し名人:2006/04/15(土) 22:24:28 ID:Kl2WuY70
おれが書こうとしてるネタでは、
先鋒戦…○先崎学…………谷川浩二● (気になって会場に駆けつけた森内が、先のピンチを救う)
次鋒戦…○佐藤康光………天野高志アマ●(佐藤が貫禄勝ち)
ペア戦…●米長・中原組…畠山鎮・成幸組○(※凸優勢も着地失敗)
副将戦…●渡辺明…………山崎隆之○(序盤の駒損から、300手超えの山崎の意地と執念)
大将戦…羽生善治………デクシ(???、中の人は青い目??)
61 :
名無し名人:2006/04/15(土) 22:35:32 ID:CS+JAbg3
おつかれ。
毎日派のメンバーがあまりにも(^^;
あと郷田はなんとなく毎日派だと思うよ。
62 :
名無し名人:2006/04/15(土) 22:40:57 ID:LupKWAiE
面白かった。
職人は、元・丸山ファソ氏?
あと、美味しんぼの森下ネタ・谷オタネタ書いた人?
63 :
名無し名人:2006/04/15(土) 22:55:48 ID:n8Rq5fvV
乙。よかったよー
やっぱ谷川勝たないとやばいんじゃね?
米長マンセーな丸山が朝日の暗躍を知ってしまい、
自分の意思によって、初めて米長に背き、毎日側につく展開とか見たかった
64 :
25:2006/04/16(日) 00:01:41 ID:pZGeMuUu
>>53-63 みなさんありがとうです。こんな長いのを読んでもらって。
>>62 2chに長い作品とか書いたのは初めてです。普段はクマースレとか、各種タイトル戦スレとかにいます。
美味しんぼの伝説の森下を書いた人は私も天才だと思います。あれは面白かった。
私、本人は今日の朝唐突に、糸谷の代打=デクシを思いついてしまい、なんかそのためだけに
書き始めたら本人の予定の5倍ぐらいの長さになってしまいました。
デクシの正しいつづりもわからないし、香落ちが角側かどうか自信が持てずに久々に激指を立ち上げてみた…
程度の素人に毛のものです。
もっとけなされるか、まったく無視されてスレごとアボーンになると思っていたので、素直にうれしいです。
デクシの正体は、個人的には本当に未知の強豪だとうれしいのですが。
対局も2度ほどしかリアルで観戦したことないですし、もちろん彼が羽生だ、佐藤だというほど言える棋力もありません。
そのうちどっかのスレでもっと短いものも書けたらいいなと思います。
>>57、60さん、高いハードルですいません。時間がかかってもいいので、いつか続きを書いてもらえたら読みたいです。
65 :
名無し名人:2006/04/16(日) 00:30:25 ID:P7kmyzNO
漏れの予想では
米長・中原組…畠山鎮・成幸組
米長、中原組ががっちりと押さえ込み、畠山兄弟切れ模様と思えたが
お茶菓子を出しに現れた仲居の林葉に副会長が動揺
いきなり王を突撃させてしまい、あえなく敗退
と見たが。
66 :
名無し名人:2006/04/16(日) 01:38:00 ID:7Mz52dOT
ノーマークマジック党
登場人物
羽生 善治
前半部の主人公。マジックと呼んでいる極めて異質な指し筋を自由に操る天才棋士。
前半部では良く喋る自信過剰気味の性格であったが、後半部では頂点に立つことにプレッシャーを感じ、無口な性格になった。
森内 俊之
後半部の主人公。第一話で羽生に出会い、その指し筋に魅せられて将棋プロの世界へと足を踏み入れる。
鉄板守備と呼んでいる硬い指し筋で辛抱の将棋を指す。
後半部に入り、新たに「盤に駒の偏りがある」と言う駒の支配を見出し、最後の名人戦で羽生を倒し十八世名人になる。
佐藤 康光
将棋プロの一人。当初は地味なキャラであったが、後半部ではタイトルの常連となった。「伝説」に拘る。
村山 聖
森内と同じく羽生に刺激を受けて将棋プロとなる。
爆終盤と自ら名づけた指し筋を駆使するが、夭折してしまう。
先崎 学
森内と同じく羽生に刺激を受けて将棋プロとなる。
将棋の腕前ははっきり下手糞であり、自信過剰な性格とあいまって周囲からは馬鹿にされている。
しかし驚異的なコラムを書く才能(強運)を持っており、雑誌に何度も顔を出している。
谷川 浩司
羽生に奪われるまで四冠のタイトルを持っていた。
相手の指し方に惑わされず、自らの指し筋を貫く光速流で羽生が現れるまでは天才の名を欲しい侭にしていた。
島 朗
羽生に奪われるまでは竜王位のタイトルを持っていた。精神的な強さを持ち、初代竜王の実績を持つ。
ただ後半部では佐藤に出番を奪われ、脇役になってしまった。
67 :
名無し名人:2006/04/16(日) 01:39:06 ID:7Mz52dOT
ノーマークマジック党
あらすじ
前半部分は羽生善治がマジックと自ら名づけた予め相手の手筋が解っているとしか思えない指し筋で
将棋界のトップまで上り詰めるまでを描く。
街の将棋倶楽部で将棋ゴロとして生活していた羽生はある日、
二上と言う老人の推薦を受けて将棋界の二大タイトルの一つ竜王戦の予選に参加する。
マジックで決勝まで進んだ羽生はタイトルホルダー・島を降して竜王位を獲得する。
更に棋王、王座、棋聖、王位、名人、王将と連覇して将棋界のタイトルを独占する。
それから10年が経ち、その間にも羽生は勝ち続け、タイトルを計50期以上獲得した。
それに挑戦するのが後半部の主人公、森内俊之である。
森内はマジックで派手に勝つ羽生とは対照的に鉄板守備と呼んでいる非常に硬い指し筋で勝ち上ってきた。
覚醒後最初に挑んだ名人戦では森内の精神的な弱さから防衛失敗。
しかしその後、少しずつ差を詰めて行き、翌年の竜王戦で羽生にストレートで勝つ。
そして名人戦で4連覇し通算5期で一八世名人資格を得ることになる
その後、羽生はどこへともなく姿を消した。
68 :
名無し名人:2006/04/16(日) 01:59:44 ID:VnlqQP5a
25
むちゃくちゃおもしろかった
傑作の一歩手前ぐらいか
白い巨塔風で実によかった
もう少し展開を広げて、最終話まで
書ければまさに板の最高傑作。
69 :
名無し名人:2006/04/16(日) 02:32:57 ID:T+H0yT2t
70 :
名無し名人:2006/04/16(日) 02:51:03 ID:YKMQ5cHX
>25
人間模様がホントに面白いです。棋譜までは難しいですし必要ないのではないでしょうかね。
アマを相手に魂を揺さぶられるモテ、凸と※の愛憎とお笑い、副将戦での真っ向勝負、いずれの対戦も楽しみです。
できればタニーの相手は藤井をキボンヌ。
71 :
名無し名人:2006/04/16(日) 03:03:58 ID:YKMQ5cHX
25の小説に興奮して眠れなくなったよ。山崎とタニーとの掛け合いが実に楽しい。人柄が生きているね
今の将棋界はたくさんの棋士の個性が輝く黄金時代ですね。
72 :
名無し名人:2006/04/16(日) 03:18:05 ID:skeW0Wg+
やべぇ先鋒が1番楽しみかも
タニーの魅せる香落ちの鬼四軒www
73 :
名無し名人:2006/04/16(日) 04:21:57 ID:i6pZRJs5
74 :
名無し名人:2006/04/16(日) 12:22:01 ID:7AXG7voZ
>>25 とても面白かった。
最後まで書ききって欲しい。この先が気になる。
何とか続けてみて。
一二三の「棒銀」発言はワラタ。
75 :
名無し名人:2006/04/16(日) 12:23:52 ID:xqJlHxIc
なんで兄弟仲最悪の畠山兄弟がペア組んでるわけ?
76 :
名無し名人:2006/04/16(日) 13:31:56 ID:tVmTfy+T
77 :
名無し名人:2006/04/16(日) 20:57:17 ID:6tLdeD2f
つっこみだしたらきりがない
78 :
名無し名人:2006/04/16(日) 23:09:14 ID:yXJZpBXf
双子の変幻自在に立ち向かう凸凹コンビ・・・会話を想像しただけで
笑えるぜ!
79 :
名無し名人:2006/04/16(日) 23:10:42 ID:Przvqj3t
一回戦、谷川達人が居玉のまま四間飛車で急戦を仕掛けるんですね!
80 :
名無し名人:2006/04/16(日) 23:58:20 ID:FWUR5hVx
>加藤一二三「そんなもの棒銀に決まっておる。破壊力は抜群だし、必ず上手陣を粉々に粉砕してくれる」
>米長「だめだ、やっぱりあんたには任せられん」
激笑
81 :
名無し名人:2006/04/20(木) 20:53:28 ID:1VIJytHv
82 :
名無し名人:2006/04/21(金) 02:43:03 ID:/kZi1Fpq
いや、2chというのはとんでもない才能を持った香具師のスクツだと感銘。
25もここまで書いたんだからオチをつけてまとめサイトにうpしなよ。
埋もれさせるのは惜しいわ。
83 :
名無し名人:2006/04/21(金) 03:03:02 ID:idAoAhft
80に同感。一二三の存在感はグレートの一言。
84 :
名無し名人:
さいこーだよ25